2021/05/11

ごぶさた金剛童子山

 5月4日、地元のシンボル金剛童子山に登った。生活圏内、そして自宅を見下ろすことができる。
 登山口の味土野は明智光秀の三女である細川ガラシャが幽閉された地。昨年放送のNHK大河ドラマの影響もあってか、周辺にたくさんの幟が掲げられていた。

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2021/04/09

Slide and Ride 扇ノ山2021

 先日の扇ノ山で一番心地よく滑れたのは、山頂の南西側斜面だった。広い谷状の疎林。勾配も、ザラメの具合も程よく、登り返しさえしなくてよければ、どこまでも滑り降りたかった。ところがその滑走シーンの動画撮影を忘れていた。このことをちょっと悔やんでいる。
 扇ノ山は20年以上前から訪れているが、山頂南西斜面を滑ったのは10年ぶり。10年前は、動画撮影などできなかった。だから今回撮影できていれば貴重な動画となるはずだった。この南西斜面は山頂から見えない。八頭町の姫路集落からの登山ルート沿いにあるがその姫路ルートはあまりメジャーではない。だからこの斜面を知らない人も多い。山頂からも、最もメジャーな大ヅッコを越えて山頂に至るルートからも見下ろせる東斜面を繰り返し滑るのが一般的だ。2011年はステップソールの板を使い始めて2シーズン目。山頂に着いて辺りを散策。姫路ルートの尾根を少しだけたどって南西斜面を見下ろした。ほんの少しだけ滑り降りてみたが、上り返しが気になってすぐに滑降をやめてしまった。当時はまだステップソールの板の機動力を十分に生かしていなかった。あれから10年、南西斜面のことをほとんど忘れていた。今シーズンインターネット上でこの斜面の滑走の記録を見て思い出したのだった。
 それともう一点。河合谷高原の残雪の様子を確認したい。これまでの経験と上山高原の残雪の状況から、河合谷側の様子をある程度イメージできているのだが、それがどれだけ正確なのかは実際に確かめてみないとわからない。まったくでたらめなのかも知れない。
 この時期の雪解けは速い。次の週末まで待っていられないので、7日に体制を整える。というわけで家から2時間。前回の兵庫県新温泉町から上山高原ではなく、鳥取県岩美町から鳥取市の河合谷高原へ。河合谷林道に入ると、道路に細かい木の枝が散乱している。両側から木が倒れかかっている。実際に倒れている木もあるが、かろうじてクルマが通れるように切られている。登っていけば林間を抜け、倒木の障害物はほぼなくなる。次の障害物は雪だな、と思ていたらクルマだった。路肩に寄せずに駐車されている。ということは…。その先で残雪が道をふさいでいた。まだ河合谷牧場の分岐にも達していないのに。
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  GPSレシーバを起動して位置を確認。河合谷牧場分岐の手前、標高700mちょうどの地点だ。標高860m地点まで行ける、と想定していた。そこは河合谷林道が標高912mピークを回り込む区間の始まりで、ピークの北側に大きな残雪帯ができ、クルマはそこまで、という状態が結構長く続く。ただし、ピークさえ回り込めば雪解けした高原が広がる。
 想定外の増加分は、標高差で160m、距離にして2~3kmくらいだろうか。クルマを降りて、残雪を見てみると、道路をふさぐ区間は20mくらいで、雪の厚みは30cm程度。週末には開通するかもしれない。でも、やはり今日行くしかない。山頂周辺の斜面の雪も、賞味期限ぎりぎりのはずなのだ。自転車という機動力もあることだし、決意を固める。
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 スキーブーツを履いて、スキー板を自転車に固定して、11:53、スタート。残雪を乗り越えると、予想通り周囲に雪が見られなくなる。500mで河合谷牧場への分岐点。河合谷林道はまた残雪でふさがれている。河合谷牧場へハンドルを切る。クルマが侵入しないように鎖でふさがれている。厳密には不法侵入となるのだろう。荒らさないように、静かに穏やかに舗装の作業道路を通らせてもらう。
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 尾根筋に牧草地が広がる河合谷牧場。日当たりがよく雪解けが早い。その中を行く作業道は、河合谷林道よりも残雪が少ないはず。また、急勾配であるがその分距離も短縮できる。帰宅してからGPSトラックを確認すると、河合谷林道より牧場作業道の方が1.2km短かいことがわかった。
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 しばらく沢沿いを行き、作業小屋などの建造物をいくつか過ぎると、牧草地帯へ。ぐんぐんと標高を上げていき、岩美町の海岸など下界の景色が見えてくる。春の日差しと乾いた風、そして鳥のさえずりが心地よい。
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 さらに勾配が増す。舗装がアスファルトからコンクリートに変わり、つづら折れとなる。スキー板を積んだ自転車に、スキーブーツでのペダリングは厳しい。押して登る。ローギアが28Tから34Tのスプロケットに交換してくればよかった。残雪はまだ出てこないが、倒木が道をふさいでいた。
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 急登を越えるとさらに景色がよくなる。前方に白い尾根が見えてくる。それと、急登を越えたといっても、そのあとの登りも普通の基準からいうと十分急登である。
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 道路をふさぐ残雪が出てきた。もちろん部分的で10~30mほど。自転車を押して乗り越える。河合谷林道はもう少し残雪が多いと思われるが、スキーで滑って降りるには、細切れである。だから、自転車の出番なのだ。この先水とのふれあい広場まで自転車で行くつもりだ。
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 3つ目くらいの残雪帯が難関だった。丘のように盛り上がり、壁のような斜面が立ちふさがる。自転車をあきらめようか、という考えがよぎる。でも挑むことにした。左足、右足でステップを刻み、自転車を引き上げる。これを繰り返す。左、右、自転車、左、右、自転車、左、右、自転車、左、右、自転車…。なかなか越えられない。やっぱりここが自転車の辞め時だったか。でも、登り始めたから行くしかない。10分近く費やし、何とか乗り越えた。そのあとはまた雪が切れしばらく自転車に乗れる。何度か残雪を乗り越えるが、もう難所はなかった。
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 13:18、牧場を抜け河合谷林道に合流。そこより下の河合谷林道は残雪でふさがれていた。上向きは、アスファルトが露出。水とのふれあい広場から路面を流れる水のおかげだ。やっぱり自転車をあきらめなくてよかった。下りはもちろんだが、登りでも歩くより自転車の方が早い。小さな残雪帯を越えて、13:25、水とのふれあい広場到着。距離は4.9km。4日前と比べて、明らかに雪が減っている。
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 自転車から降ろしたスキー板を履いて、13:38、雪の上を歩きだす。しかしすぐに雪が切れ、河合谷登山口を板を持って通過。雪はないだろうし、出だしの階段を上るのは嫌だし、登山道は通らない。農道から大根畑を経由して登っていく。当然畑は日当たりがいい場所なわけで、雪が切れている。まあこれは想定内。板を担いで農道を歩く。登山道のあるブナ林をのぞき込むと、なんと林間も地面が露出している。
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 それでも登るにつれて雪はつながり、そのまま小ヅッコと大ヅッコの間のブナ林へ。男女5人連れのツボ足パーティとすれ違う。私が登ってきた大根畑の方へと出て行った。もしかすると河合谷林道に止まっていたクルマの人たちかも知れない。大きめのクルマだったから、5人乗車で来ているということは十分考えられる。河合谷林道の残雪上のトレースは、スキーでもスキーブーツでもなかった。おそらくツボ足登山者。とはいえ、彼らは上山高原から来た可能性もあるが、そうだとすれば遠回りとなる大根畑方面に向かわないと思われる。
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 藪が出かけていたブナ林もすぐに雪が分厚くなる。大ヅッコ北斜面は暖冬の昨シーズンでさえも、5月まで滑走できた。単独の男性アルペンスキーヤーとすれ違う。河合谷林道の足跡はプラブーツのものではなかったから、彼はおそらく上山高原から。道路開通の報告がすでにネットに上がっているからね。
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 大ヅッコを越え、扇ノ山頂上との鞍部へと下る。が、そちら側は南斜面で雪解けがかなり進行している。もともと林が密であまり滑りやすくないのだが、それに加えてツリーホールが広がり雪面が途切れがち。単独のツボ足の女性が登ってきた。私に気付いて慌ててよけてくれる。河合谷からの登山者は、彼女かも知れない。そういえば、足跡の数はあまり多くなかったような気もする。
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 下っていくと、ツリーホールが小さくなり雪面が安定する。上部の雪解けが早いのは日当たりによるものと思われる。鞍部を越えたら最後の登り。そして、15:20山頂に到着。よかった、東斜面はまだ十分に滑れる。氷ノ山の雪解けは4日前よりも明らかに進んでいる。ツリーホールならぬ、小屋ホールの壁にスキー板を立ててみる。4日前はちょうど170cm強の板と同じ高さだったが、今日は30cmほどスキー板のトップが飛び出している。つまりそれだけ解けたということだ。前回の翌日、つまり3日前の暖かい雨がかなりダメージを与えたことだろう。
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 さて、4日前よりも1時間ほど押しているので、南西斜面を一本滑ってから山頂に戻り、東斜面を滑りつつ下山、ということにしよう。ビデオカメラを準備。胸のカメラで前方を、頭のカメラで後方を撮影。今日は2台体制だ。
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 南西斜面は山頂からは見えず、少し尾根を移動する。ところが、黒々とした藪が出ている。4日前とはすっかり違う景色だ。ああもう賞味期限が切れてしまったか、と泣きたい気持ちになるが、どうにかこうにか藪を乗り越えると白いバーンが見えてきた。まあ、黄砂で黒ずんでいるが、それでも藪よりは白い。2台のカメラが録画モードになっていることを確認して、滑る。ああ気持ちいい。斜度も、広さも、疎林も、ザラメ雪もちょうどいいくらい。どこまでも滑りたいが、上り返しが気になる。帰宅してからGPSトラックを比較してみたら、4日前より少し控えめな滑降だった。
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 山頂に登り返し、15:55、今度は東斜面へ。数ターンで大ヅッコ鞍部へ向けてトラバース。黄砂で黒ずんだ雪面に白い線。4日前の私自身のトレースだ。そうそう、同じラインだ。
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 後は、大ヅッコ北斜面、大根畑と昇ってきたルート、そして4日前と同じコースを滑る。大根畑から疎林を経て農道へ渡るとき、誤って池を越えることになってしまった。雪に埋もれているので大丈夫と思ったら、その雪がかなり緩んでいて一瞬水上スキーになってしまった。疎林をもう少し下ったら池から流れる沢をスノーブリッジで渡れたし、あるいはそのまま河合谷林道まで疎林を下ることもできた。登りで確認したけどいざとなると渡れるところで渡ってしまわないと不安になってしまうんだよね、沢沿いは。
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 16:55、水とのふれあい広場到着。スキー板を自転車に固定して、17:06、自転車スタート。早い早い。下りも河合谷牧場の作業道へ。ツボ足のトレースは登り同様河合谷林道を下ったようだ。牧場作業道の方が距離が短いのにね。
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 下界、いや少し先の尾根さえも霞んでいる。空が暗くなったのはまだ日没のせいではないようだ。一雨来るか、と思ったら急速にガスが上がってきた。雨ではないようだ。まあ、ガスに巻かれても作業道を見失うことはない。それにすぐに霧は晴れた。
 登りで苦労した残雪の壁も、下りは楽チン。滑落はしたくないから、かかとを雪面に突き立て慎重に下る。何度か残雪、そして倒木を越えるが、そんなタイムロスを補って余りある、急転直下のダウンヒル。
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 スキー板を自転車に固定する箇所は、ハンドルポスト下とサドル下の2か所。ここをストラップで縛る。ところが、一昨年その状態でシングルトラックを下ったら、サドル下のストラップが切れてしまった。それまで舗装路の走行では何ともなかったのに。そこで昨年からサドル下はストラップだけでなく、使い古しのタイヤチューブをさらに巻くことにした。ゴムのチューブにテンションがかかるようきつく巻かないといけないので、少し手間は増えるが、これはいい。2008年夏の乗鞍大雪渓から平湯峠までの下りでは、スピードを出すとスキー板の振動がだんだん大きくなり危険なので、標高差1000mのダウンヒルを飛ばせなかった。ところが、今日はタイヤチューブのおかげで安定している。作業道なので、乗鞍より急勾配で急カーブにもかかわらず。いやむしろ、スキー板を積んだ方が安定している。急な下りでは、ジャックナイフ、つまり前転のリスクが高まる。だから、サドルから尻を上げて体を後方に引いて、後輪を抑えつける(もちろん回転しているホイールに尻を載せるのではなく、重心を後方に移動させるということ)。ブレーキをかける時には特に。今はスキー板を後方に突き出す形で積んでいるので、これですでに重心が後方に位置していてジャックナイフになりにくい。それでも、最も急な個所では後輪が一瞬浮き上がって、慌てて体を後ろに引く。
 自転車にスキー板を固定するのでなく、ザックに板を括り付けて自転車に乗る方法もある。ザックに板をつける方が、自転車に板を固定するよりも少し手間が少ない。それと引き換えに、重い荷物を背負うので体の負担が大きいし、重心が高く不安定になる。さらに下りでは、スキー板が後頭部にのしかかってくる。ヘルメット必須である。さらにジャックナイフを防ぐために体を後方に引く姿勢もつらい。なのに効果が少ない。腰を後方に引いても、より前傾してしまう上半身とともに、板のトップが前に傾くので、重心があまり後方に行かない。
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 17:32、下山。水とのふれあい広場から30分かからなかった。
 訪れる前の想像と、実際の雪の様子はおおむね変わらなかったが、最も予想とずれていたのはクルマで上がれる限界点。数百メートル、あるいはそれ以上のインターバルで点在する車道の残雪帯。そのうちどこが車止めとなるかは日々刻々と変化する。冒頭にも書いたが、週末まで待てば、もっと上までクルマで入れるだろう。ただし、それと引き換えに滑走できる斜面を失う可能性が高い。やはり週末まで待たなくてよかった。この時期の1週間はあまりにも大きい。

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2021/04/05

山陰最後の雪山その名も扇ノ山

 とうとう今シーズンも扇ノ山に順番が回ってきてしまった。近畿以西最後の雪山、最後の砦。柔道の勝ち抜き戦でいえば、大将の登場だ。
 この冬は、12月からまとまった降雪があり幸先の良いスタートだった。私の住む丹後の平野部では、3年ぶりにまとまった積雪。しかし、それも1月まで。2月3月の記録的な温かさで、結局は3年続きの暖冬ということに。さすがに昨年よりは少し残雪は多いようだが(10日ほど早い時期に訪れ今回と同程度の残雪)、冬の降雪は少なくても春先の気温が低かった一昨年よりは雪解けが早いようだ(1週間ほど遅く訪れ今回より残雪が多かった)。
 4月3日、自宅からクルマで2時間。上山高原にクルマを止める。よかった、除雪されていて。残雪シーズンの上山高原から扇ノ山への報告が、まだネットで見つかっていないのでどこまでクルマで入れるかの確証を持たず、河合谷牧場からのアプローチとどちらが有利か迷いながら来たのだ。
 道路の雪解けは、必ずしも標高が低いところから進むわけではない。日当たりの悪いところが、遅くまで雪が解け残る。解け残る場所は毎年決まっていて、これまで訪れた経験からそれは頭に入っている。
 除雪が行われた場合、上山高原がその限界点なのだが、今年はすでに道路以外にもほとんど雪がなく、除雪というより自然融雪によるものである。ただ、高原のすぐ下のヘアピンカーブが雪が解け残る地点で、今日もほんの数メートルの区間だが、クルマくらいの高さの雪の壁ができていた。ここは除雪されないと2kmほど手前にクルマを止めることになり、河合谷牧場からのアプローチの方が有利となる。
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 上山高原の除雪の限界点から小ヅッコ登山口へ向かう場合も、河合谷牧場の自然融雪の限界点から河合谷登山口に向かう場合も、未除雪の車道を1時間ほど歩くことになるのだが、後者は自転車が使える。牧場およびその周辺を通る道は日当たりがよく雪解けが早い。標高も日当たりも上山高原と同程度の条件である河合谷牧場も、ほとんど雪がないものと思われる。クルマの通行を妨げる残雪を乗り越えれば、あとはずっと自転車で走れると想像できる。おそらく何度か残雪を乗り越えて「水とのふれあい広場」つまり河合谷登山口付近まで自転車で入れるだろう。だから今日は自転車もクルマに積んである。自転車の準備、特にスキー板の積載などの手間を考えれば、登りの時間短縮にはならないが、下りで舗装路を歩くことを考えると自転車が有利である。ただし、それは河合谷牧場側からのアプローチの場合のお話。上山高原からだと自転車の出番はない。高原よりも奥の車道は数か所で途切れてはいるものの、ほとんど雪に覆われている。勾配も程よく、復路は快適に滑れる。
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 とにかく、上山高原で結果オーライ。スキーの準備だ。入山者のものと思われるクルマが5台ほど止まっている。自動二輪が登ってきた。途中で一台すれ違ったが、それとはまた別かな、いや同じかな。まさかまだ雪で道路が閉ざされているとは思わずに訪れる人は珍しくない。自動二輪が引き返した後、クルマがやってきた。入山者でなく、家族連れだった。高原の芝生でピクニックを楽しむらしい。天気は下り坂。青空がわずかにのぞいているものの、空の大半は雲に覆われ、薄日が差す程度。日焼け止めは塗らないでもいいだろう。あと、南風が強い。
 スキー板を装着し、11:45、雪の上を歩き始める。ステップソールの板なので、シールは持ってきていない。しばらくして雪が途切れ、板を外して少し歩く。そのあとまた板を装着し、ショウブ池を見下ろす区間でまた雪が途切れる。ここが一番長い雪の切れた区間だ。ショウブ池は雪も氷もとけ青い水面が出ている。目指す扇ノ山とその手前の大ヅッコが見える。どちらも東斜面は滑りごろという感じで楽しみだね。この雪切れ区間で、2人味のスキーヤーとすれ違う。持っているのはテレマークスキー。
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 板を装着して雪の上を歩く。今度はツボ足の2人組とすれ違う。最後の雪切れ区間を越えると小ヅッコ登山口。12:42。上山高原から2.6km、1時間。何もかもルーティンで進行している。多分この先も。
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 ここから本格的な入山。ブナ林へと分け入る。しばらく谷状の地形の底部を行く。進行方向右側の斜面から滑り降りてきたスキーのトレースがある。隣接する河合谷登山口へと下るルートから軌道修正してきたものと思われる。このトレースは前日につけられたものだと帰宅後に判明する。
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 小ヅッコ小屋を経て、杉林、そしてブナ林を行く。しばらくは雪面に顔を出したブッシュがうるさい。河合谷登山口からのルートと合流し、ブナに覆われたなだらかな稜線を行く。大ヅッコへの登り勾配が増してくると、疎林となる。勾配が増すといってもスキー場の初級者コース並み。例年5月の連休くらいまで雪が残る、最後のゲレンデだ。5月下旬に滑ったこともある(2006年5月22日2011年5月24日)。

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 さらに行くといったん平坦になった後で勾配がきつくなる。単独のアルペンスキーやが下山してきた。慣れていないようで、こわごわ滑っている。さらに、単独のテレマーカー。革靴で華麗に滑っていく。またまたやってきたのはアルペンスキーの男女2人連れ。女性の方がかなり恐る恐るという感じ。今日は、あまりスキーになれていな人の割合が多いようだ。扇ノ山はそうした人も温かく迎えてくれる優しい山だ。この日であったのは、この人たちが最後。大体クルマの台数と辻褄が合う。
 大ヅッコを越えるといったん鞍部へと下る。標高差50mあまり下るのだが、そのあと山頂まで100m登らなければならない。シールと違いステップソールが有利な場面だが、やや勾配がきつく林も濃いのであまり楽しく滑れるわけではない。
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 鞍部まで下ったら、いよいよ山頂へ最後の登り。広い斜面がだんだん狭まってくる。進行方向左手、つまり東斜面が滑りごろの斜面。ザラメでいい感じ。山頂手前の展望テラスからは、北西方向の鳥取市街が見渡せる。視程はいまいちで湖山池は霞んでいる。鳥取砂丘は確認できず。
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 そして山頂へ。14:17、避難小屋の内外にはすでに人の気配はなくひっそりしている。小屋の周囲は、まるで根明けのように雪が解けている。雪の壁の高さはスキー板と同じくらい。つまり、170cmくらい。ぼんやりと見える氷ノ山は今にも雲に飲まれようとしている。かなり雪も解けている。
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 ザックを下し、動画カメラを胸に装着して滑降準備。まずは東斜面。快適なザラメかと思ったが、気温が高くちょっと緩みすぎ。帰宅してからこの日の最高気温を調べると麓の鳥取で22.7度、豊岡23.6度まで上がったとのこと。日差しが弱いのがせめてもの救いだった。
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 山頂まで登り返したら、今度は南西斜面へ。ほんの少し稜線を南に行くとその西側に疎林のいい斜面が広がっている。東斜面よりダイナミック。ここが今日一番の滑降だった。しかし、カメラの録画ボタンを押し忘れていた。
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 登り返して三たび山頂へ、15:11。ザックを背負って、再び東斜面へ。今度は登り返さずそのまま大ヅッコへの鞍部に向けてトラバース。鞍部から大ヅッコに登り返したら、東斜面へと回り込む。私が登りの時にすれ違た人たちはみな稜線をあまり外さずに滑っていたが、大ヅッコ北斜面の上段は、東斜面へ回り込んだ方が楽しい。平坦になったところで稜線に戻り、広い疎林となった下段の斜面を滑る。最後まで雪が残るゲレンデだ。
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 そのあとはだんだん藪がうるさくなってくるので、進行方向左、つまり西側へ向かう。林を脱出すると広大な雪原へ。河合谷の大根畑だ。初めはほとんど平坦で滑るよりどちらかというと歩きの割合が大きいが、徐々に勾配が出てくる。しかし、畑だけあって日当たり良好で、雪が薄く土や草が出ていて、場合によって行き止まりとなってしまう。どうにか雪をつないで下り、疎林へ入る。林の中は雪がしっかり残っている。

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 そして最後は農道を下り、15:53、舗装路に突き当たる。といっても雪に覆われているので、舗装路も未舗装の農道も変わりはないのだが。
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 突き当りを右に進むとすぐに河合谷登山口、そして水とのふれあい広場。水とのふれあい広場の東屋が撤去され、なんだか広く感じる。道は二股に分かれ、左は河合谷牧場へ下る道。一応雪に覆われているが、かなり薄くなっている雰囲気だ。私は右、兵庫県へと戻る道。少し登り返しとなるが、ステップソールの板には何の問題もない。すぐに下りとなり、16:11、小ヅッコ登山口。雪が切れているので板を外して歩く。もう上り返しはない。車道の残雪を滑り降りて、ショウブ池とその先の雪切れ区間を歩いて上山高原へ戻ったら、16:44。私のクルマだけが残っていた。
 その夜、前日の扇ノ山のスキーの報告がインターネットに上がっていた。上山高原からのものだ。報告者は、2010年4月に野伏ヶ岳で出会った人だった(序盤の林道歩きで追い越された人)。

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2021/02/04

樹氷の氷ノ山2021

 せっかく雪が積もったのに、土日の旅に天気が悪かった。1月末になり、ようやくチャンス到来。金曜土曜に寒波が来て、日曜は回復との予報。

 当日6時半に丹後を出発。8時、兵庫県養父市大屋町で同行のすうさんと落ち合う。が、すうさん少し遅れて到着。舞鶴自動車道から近畿豊岡自動車道へ分岐するジャンクションを先頭に込み合っていたとのこと。その多くは、ハチ・ハチ北スキー場へ向かうクルマらしい。みんなこの日を待っていたというわけだ。

 天気の回復も遅れている。予報では「明け方まで」のはずの雨が、弱いながらも降ったりやんだり。周囲の山々の稜線はガスに覆われている。あと、雪もあまり多くない。
 若杉峠、戸倉峠を越えて鳥取県若桜町へ。我々の前後にも「わかさ氷ノ山スキー場」へ向かうクルマ。駐車場にクルマが止められるかが心配。雨は降っていないが、周囲の山々の稜線はガスに覆われている。
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 予想通りゲレンデに近い駐車場は満車。あちこちに路上駐車のクルマ。何とか離れた駐車場に空きを見つけて、クルマを止める。入山の準備をしたら板を担いでゲレンデへ。曇天ながらゲレンデ最上部まで見えている。リフト1回券を2枚買って、スキーパトロールで登山届けに記入し10時半過ぎリフト乗車。10時の予定より遅れたものの、天気回復も遅れている。
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 リフトを2本乗り継ぎ。スキー場トップ、標高1200mまではガスも晴れている。上部リフト中間降り場より上のゲレンデも今日は開放。登山者だけでなくゲレンデ滑走者も最上部に登ってきている。
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 最上部リフト降り場では、入山準備中のスノーボーダーが数名みられる。スプリットボードだ。我々もスキー板をザックに括り付けて準備。ゲレンデを見下ろすことはできるが、扇ノ山は見えない。
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 しばらくは樹林帯の急登。トレースはしっかり踏み固められていて歩きやすい。新雪はあまり深くないようだ。霧がかかった樹氷林がなんとも幻想的。痩せ尾根の区間はいつも雪庇ができるところ。例年より雪庇の張り出しが大きいように見える。風が強いことが多かったという事だろうか。このあたりから薄日が差すようになる。ゆっくりガスが薄まっているようだ。
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 雪庇の痩せ尾根を越えたら、広い頂上台地。樹氷に覆われたブナ林で、シール歩行に切り替え。その作業中、次々に登山者がやってくる。みんなこの日を待っていたのだ。
 樹氷林を抜けると広い雪原となる。ガスに覆われているがホワイトアウトというほど濃くはなく、それなりに周辺の景色が見える。視界が悪いと方向を見失いやすいところなのである。
 三ノ丸直下の東屋の脇で休憩。すでに何組かのパーティがいて、さらにあとからあとから登山者が到着。大まかに言うと、スノーシュー夜間時期の登山者が5、スノーボーダーが3、スキーヤーが2といった割合。
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 休憩の間にガスが晴れてきた。直射日光が降り注ぐ。三ノ丸のピークも見えている。ああ、扇ノ山も顔を出した。氷ノ山の山頂も一瞬見えたが、すぐにまた薄くガスに隠れてしまった。
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 三ノ丸のピークへと一登り。赤い屋根の避難小屋にも人が入っている。換気のためか入り口の扉は開け放たれているが、中は狭い。東屋で休憩しておいてよかった。
 向きによってはそれなりに離れた山も見える。あれは粟鹿山か。なのにそれより近いはずの、東山やくらますは見えない。何より氷ノ山山頂も先ほどの一瞬をのぞいて見えていないのだ。
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 三ノ丸のピークからシールを付けたまま下り、ワサビ谷の頭の小ピークへ上り返す。そしてシールを外す。いざ、ワサビ谷の樹氷林へ。
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 雪質はまだまだ鮮度を保って良好。新雪のおかげで気持ちいい滑り。ただし、深雪ではなく、浅い新雪。薄いガスの中の樹氷林が幻想的。滑り降りるうちに樹氷のついた枝越しに垣間見える空は青くなっていた。樹氷林が明るく輝きだしている。いやあ、美しい。
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 だいぶ下まで滑り降りてきた。雪の多い年には法面からの雪崩によるデブリが見られる区間だが、今日はデブリなし。根雪もあまり多くないようだ。その裏付けに、沢が完全に埋まらずに流れて見えている。しっかりしたスノーブリッジができたところもあるから、渡渉の必要はない。
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 右岸法面をトラバースしていくとやがて杉林へ。いつも雪質が悪い区間だが、今日はまだいい雪の状態を保っている。イヌワシゲレンデに出るのだが、いつもより少し下に向かってしまい、ゲレンデに出るには登り返しが必要になってしまった。面倒なので杉林をどんどん降りていくことにする。するとスノーピアゲレンデとイヌワシゲレンデの連絡コース途中へ出た。そのままイヌワシゲレンデへ。ゲレンデ上部へと出たすうさんが下りてくるのを待って、ゲレンデを後にする。いつしか青空をバックに真っ白な氷ノ山山頂が見えていた。
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 帰宅後、買い物がてら少し自転車に乗ったが、除雪されない道はまだ雪が残りあまり走れなかった。

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2021/01/28

スキーシールのグルー塗り替え

 ステップソールの板を使うことが多く、シールを貼る機会はあまりない。が、新雪を滑るための太い板にはステップソールがないし、ステップソールの板でも急勾配など、場面によってはシールを使った方が楽なことがある。
 グルーの塗り直しは2度目。7年前の氷ノ山でシールがはがれて難儀した。買ってまだあまりたっていないシールだったのだが。その時は、もともとのグルーが薄すぎたのかもしれないので、そのまま重ねて塗った。
 今回は、古いグルーをはがしてから塗ることにする。はんだごての先端がヘラのようになった電熱スクレーバーを持っていないので、シールをストーブで温めてから金属片でグルーをこそぎ取った。グルーは温めると柔らかくなり粘着力も落ちる。
 そして塗り直し。新しいものを購入したのだが、前回の残りを使うことができた。確かに、一般的な接着剤と違って何度も張り直しが効くくのだから、放置しておいても固って粘着力がなくなるというものではない。
 作業の様子を写真撮影していたのだが、大江山連峰の鍋塚でカメラごとデータを落としてしまった。

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2021/01/19

大江山連峰鍋塚南斜面および711P南東尾根の滑降

 この冬は雪が早く、1月前半で大江山連峰を滑るのに十分な積雪量となっている。ところが、寒波が去ればまるで春先のような陽気が訪れ、最高気温がなんと15度。標高の低い大江山連峰の雪はあっという間に解けてしまう。3連休の後の土日でもう一度滑りたい。ところが天気のめぐりあわせがいまいち。なかなかうまくいかない。16日の土曜は、曇りのち小雨というような予報だったのだが、朝起きてみれば弱いながらも雨が断続的に降っている。こんな日に出かけたらびしょ濡れだ。コタツで寝たきり生活を送る。翌日曜は、数日前まで冷たい雨またはみぞれの予報だったが日を追うごとに改善、おおむね曇りで午後に弱いみぞれという方向に変わった。まだ、前日より期待できるかも、と思って朝、外を眺めるとやはり弱い雨。昨日と同じような感じ。でも、tenki.jpの1時間予報は、昼前から雨がやんで後曇りという予報に変わった。とはいえ降っているさなかに家を出る気にならず、今日もコタツで丸くなる。10時ごろに状況が変わる。予報通り雨がやみ空が明るくなってきた。重い腰を上げようとしていると、お客さんが来た。家屋の床下の定期点検だそうだ。1時間もかからないとのことなので、点検してもらう。アポなしで押し掛ける、というのも向こうの作戦みたいだね。
 そんなこんなで正午前、自宅を出発。故郷のシンボル、金剛童子山の上部が白くなっている。朝の雨は、山では雪だったようだ。片道40km、クルマで1時間のアプローチの途中で雨が降り出した。でももう動き出したらこっちのもの。それにきっと山は雪だろう。近くて小さい山だから、こうして朝起きてから天気の様子をうかがって行動できるのがメリット。
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 6日前と同じ道のりだが、違うのは路面。前回は雪道だったが、今日はアスファルト。景色も随分変わり果てた雪解けの風景。
 前回と同じく、宮津市街から普甲峠を越え、大江のグリーンロッジ前を通って千丈ヶ原。鍋塚林道の標高510m除雪限界点へ。
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 ちらちらと雪が降る中で支度をして、今日もステップソールの板で歩き始める。つぼ足のトレースがあったが、すぐに途切れる。前回よりは減ったとはいえ、つぼ足で上まで歩き続けるのはかなり根性がないと無理。本当はそれ以外にも、前日までのものと思われるトレースがあるが、今朝方の雪で埋もれている。
 6日前は、滑走面に雪がくっついたスキー板という足かせを引きずって歩いたが、ワックスの効果で今日は軽快に行ける。ラッセルも皆無なので、ショートカットをせずヘアピンカーブの車道をそのままたどる。この条件なら、この方が楽で速い。ただし、側溝が落ち葉で埋まって水が路面に流れ出している区間で雪が切れていて、板を外す場面があった。大量の雪解け水が流れている。
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 鍋塚林道の終点、休憩小屋がある鞍部に到着するころには雪が強まっていた。さらに、稜線に出たこともあり、風も吹いている。鍋塚林道の途中から前回うっすら見えていた鳩ヶ峰は今日は全く見えなかった。千丈ヶ原をクルマで走っているときには見えたんだけど。
 今日は、6日前の鳩ヶ峰とは反対側に位置する鍋塚を目指す。この鞍部からは距離が1100mで標高差は150m。鳩ヶ峰への行程の1.3~1.5倍だ。まあそれはたかが知れている。それよりも、出だしの岩場の歩きにくさの方が問題である。雪が多ければ難所を迂回することができるのだが、もともとの量もさほど多くないうえに雪が解けているしなかなか大変。
 急登の岩場の難所を超えると稜線はなだらかになり、林間となる。やや湿っているが新雪がうっすらと積もっているので気持ちのいいタッチで歩を進めていける。鍋塚の手前の標高711mの小ピークを通過。下山はこの711Pから南東に伸びる支尾根をたどろう。
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 少しだけ下る。板に雪が張り付かないから歩きから滑降への切り替えもスムーズ。木々がまばらになり視界が開けるはずなのだが、ホワイトアウトに近い視界不良で、立ちはだかる鍋塚の峰が全く見えない。かなり接近して山肌が見えた。とりつく斜面は南向きのせいか、ブッシュが出ている部分が多い。一面黒々とした笹が顔を出している部分もある。自由自在に滑り降りることはできないようだ。その代わり、雪質はやや重く湿っているが、それでも柔らかい新雪。鍋塚にしては上々。真冬でもザラメが標準の鍋塚南斜面なのだ。
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 ブッシュを交わしてジグザグに上って、標高763mの鍋塚山頂へ。主峰、千丈ヶ嶽に次ぐ大江山連峰第二の標高だ。真っ白で何も見えないので記念撮影をしてすぐに滑降に移る。
 重いけど新雪。昨夜以降に積もったものだ。昨日でなく今日来て正解。昨日なら雨でずぶぬれになりながら、悪い雪を滑ることになっていた。
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 まあブッシュをよけながらであるが、それでも滑れるだけいい。鍋塚を滑るのは2015年以来6年ぶり。まああの年は別方向に滑降したけどね。雪が多かったからそういう時でないと滑れない斜面を滑れたというわけだ。今年は無理だね。
 自分で言うのも変な話だが、いつも慎重派の私にしては珍しく、今日は果敢に斜面を攻め、何度もクラッシュ。
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 一瞬、ガスが薄くなり周囲の景色が見えたので写真撮影。そして滑降再開。しばらく滑ったらまたクラッシュ。そして滑ってまたまたクラッシュ。立ち上がってポケットに手をやると、カメラがない。しまった、めんどくさくてファスナーを閉めていなかった。あたりを見回すが、ない。仕方ない戻ろう。ひとつ前のクラッシュ地点へとカメラ捜索のために上り返す。シュプールをたどっていくが、クラッシュポイントがよくわからない。カメラが見つからないまま、明らかに途中で景色を撮影したポイントよりも上まで登り返した。今度は滑り降りながら捜索。見つからないまま、紛失に気付いた場所へ。徐々に風が強まり暴風になってきた。心が折れそうだが、カメラが惜しいのでもう一度上り返す。ステップソールの板でよかった。
 今度は山頂の標が見えるところまで登り返したが、結局カメラを見つけることはできなかった。もう4年ほど使っていて、望遠で焦点が合いにくくなっていたり、ズームの調子が悪くなってきたりしているのでそろそろ更新を考えていたのが不幸中の幸い。撮影データも、4日前の分まではパソコンにコピーしてある。一番残念なのは今日のこれまでの撮影データだ。
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 まあ、もう時間もぎりぎりだ。あきらめよう。幸い胸に付けた動画カメラで山頂から滑降の風景は撮影してある。落とした誰かに拾われて、中のデータを見られるのが嫌だが、明後日の雪により春までは雪に埋もれていることだろう。そして、おそらく登山道以外の場所に落ちているだろうから、雪が解けても人に見つかることはない。それにその頃は雪解け水でデータは消失していることだろう。プライバシーを覗かれる可能性は低いだろう。
 心を痛め、後ろ髪をひかれながらも下山にかかる。この後の静止画撮影は、スマートフォンの内蔵カメラを使う。
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 711Pから南西尾根へ。シングルトラックが敷かれているのでその幅だけは木が刈られている。出だしは急で狭いが、そのうち勾配が少し緩やかになる。重い新雪が抵抗になってくれてかえって都合がよい。溝状のシングルトラック部分の雪が切れてきたので、わきを滑っていく。
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 そのあと尾根が広がり、ジグザグのシングルトラックを外して林間を滑れるようになる。ここが本日一番快適だった。
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 そして平たんな場所に降り立った。711Pからの南西尾根はこの先ほぼ水平なくらい緩やかに続いていく。私は、スイッチバックするように折り返す道へ。まるでダブルトラックのような広い道だ。一応下りだが、勾配が緩く歩きながら滑る。
 すぐに鍋塚林道に合流。ここからは来た道を戻る。ちょうど雪が切れた区間だが、うっすらと新雪が積もって登りよりも板を外す区間が短かった。ここからも車道なので板があまり走らない。歩きながら滑る。愚直に鍋塚林道をたどらず、カーブをショートカットすればよかったことに気付いたのは、クルマに戻る寸前のことだった。
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 ああ、カメラはもう戻ってこない。その悲しみをかみしめながら帰路に就く。下界は冷たい雨。夜には雪に変わった。

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2021/01/18

大江山連峰鳩ヶ峰東斜面から東尾根へ滑降

 3連休最終日の11日、新雪はうっすら程度。これなら除雪の必要はない。とはいえ、早朝の出発をするわけではなく、のんびり9時頃に家を出る。
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 大江グリーンロッジ(山の家)の前を通り、大江山連峰の登山口の一つ千丈ヶ原へ。家から40km。雪道なので1時間かかる。途中、普甲峠はかつて大江山スキー場があった。もう閉鎖されて数年経つが、数台のクルマが止まっている。家族連れなどが雪遊びに来ているようだ。
 標高400m余りの千丈ヶ原には民家が1軒あり、除雪されている。また近年、喫茶店ができたおかげで、除雪区間が伸びて林道歩きの距離が1km近く短くなった。
 前日の碇高原は平均的な積雪量よりやや多め、という感触だったが、大江山連峰は平均的な量までは達していないようだ。かつて何度か滑降した経験がある千丈ヶ原の北側の法面、植林の斜面は地面がまだらに露出していて滑れるよう状態ではない。本日の目的地、鳩ヶ峰は山頂がかすんでいる。
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 かつての除雪の限界点だった鍋塚へのシングルトラックの分岐点を過ぎ、杉林を抜けると、数軒のコテージのあるエリア。その中の一軒で、建物の周りの除雪作業をする人がいる。かつては歩いてここを通過するときに挨拶することが恒例のようになっていたが、除雪が延びたため今はただクルマの中から視線を送るのみ。
 千丈ヶ嶽の登山口である鬼嶽稲荷神社方面への車道と鍋塚林道の分岐が近年の除雪の限界点。ここにクルマを止めるつもりでいたのだが、鍋塚林道が除雪されている。これはラッキー。行けるところまで行ってみよう。
 昨夜から今朝にかけて積もったと思われる10cmほどの新雪を踏みしめて行く。途中に工事が行われていることを示す看板。法面を固めるようだ。今日は祝日なので当然工事をしていないが、平日は工事が行われるのだろうか、この積雪期に。法面は雪に覆われている。なぜ除雪。
 その工事の区間の少し先、標高510m付近まで除雪されていた。鍋塚林道を半分くらい登った。ちょうど本日滑降予定の鳩ヶ峰東尾根に接近するヘアピンカーブの手前だ。いつもは尾根の末端付近まで滑降するのだが、途中でこちらに降りてくればいい。
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 路肩にクルマを止めて入山の準備。前日の碇高原に続いて本日もステップソールの板だ。太い板も持ってきているが、それを使うほどの積雪量ではない。ただし、碇高原で滑走面に雪がくっついて苦労したことが不安材料だ。帰りが夜になったのでワックスを塗らずにまた来てしまった。
 歩き出してみればやはり板に雪がくっついて足取りが重い。前日よりもさらに雪がくっつく感じだ。前日のものと思われるスノーシューあるいはかんじきのトレースがあるが、トレースを外してもさほどのラッセルではない。10cmほどの新雪が湿って驚異的な粘着力を発揮している。片足を雪面にこすりつけて滑走面の雪を落とす間に、反対側の板に雪がくっついている。たまりかねて板を外し、持ってきた金属プレートで滑走面の雪をそぎ落としてみる。すり足で歩けばしばらくはいいのだが、すぐにまた足が重くなる。瞬間強力接着剤、という言葉が頭に浮かぶ。
 植林帯へと入って、ヘアピンカーブをショートカットする。この程度のラッセルでステップソールなら車道を回った方が楽なのだが、今日は滑走面についた雪が滑り止めになるので植林の斜面がらくらく登れる。
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 ショートカットを終えて、車道に戻ると本日つけられたかんじきのトレース。登りのようだ。ショートカットしている最中に追い越されたのだろうか。グリーンロッジの駐車場で登山者らしきいで立ちの男性を見かけたが、あそこから歩いて追い越していったということなら、かなりの健脚だ。
 ここで少しの間だけ鳩ヶ峰の全貌が見えた。完全に見えたのはこの時が唯一。
 トレースはそのあとの小さなヘアピンカーブをショートカットしている。ここは斜度が大きく、立木の密度も高いし、車道の距離は短いので、ラッセルの状況によらずスキーではショートカットしない方がいい。
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 トレースのない車道のヘアピンカーブを越えて、ショートカットのかんじきトレースに合流。やがて鍋塚林道の終点へ。ここは鍋塚と鳩ヶ峰の鞍部。「鍋塚まで1100メートル、鳩ヶ峰まで700メートル」と記された標が立ち、小さな休憩小屋もある。
 かんじきトレースは鳩ヶ峰に向かっている。私もそのトレースに続く。大江山連峰の主稜線、つまり縦走路ということだが、当然シングルトラックに沿って歩く必要はない。歩きやすいところを自由に行く。去年も一昨年もここを歩いたが、雪が薄くて大きな岩が点在するでこぼこの地形に苦戦したり、はい松や笹が作る空洞の落とし穴に落ちたりした。かといって登山道はというと、岩に両脇を挟まれた細い谷のような区間が断続的に続き、スキー板は直登せざるを得ないが、勾配が急で登れない区間が続出する。その点、今年は雪の厚みのおかげで、凹凸は埋まり、落とし穴もしっかりふさがってくれている。また、この時ばかりは、滑走面にくっついた雪のグリップが心強い。
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 話し声が聞こえ、男女二人連れのハイカーとすれ違った。かんじきトレースの主だ。グリーンロッジで見かけたハイカーではない。林道途中からトレースがあったことも、大体わかってきた。ずっと林道ではなく、千丈ヶ原から林道上部へつながるシングルトラックを歩いたということだと思われる。
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 鳩ヶ峰山頂に到着。ホワイトアウトまではいかないが、鍋塚も千丈ヶ嶽も見えない。縦走路はさらに千丈ヶ嶽へと続くのだが、そちらへのトレースはない。
 記念撮影をして、板の滑走面の雪をそぎ落としていたら、単独の男性が昇ってきた。グリーンロッジで見かけた人だ。彼もかんじき。私が再び板を装着しているうちに、彼は来た道を戻っていった。
 滑降予定の東斜面をのぞき込む。いいぞ、十分に雪が積もっている。一昨年は滑り降りる勇気がわかず敬遠。昨年はもっと雪不足だったにもかかわらず、思い切って滑り込んでみたら藪に苦労した。今年は迷わずに行ける。ただし、板を装着するうちに、滑走面に雪がくっついている。すり足で何とかその雪を落とし、東斜面へ。雪質もまずまず。重く湿り気味だが、この山域ではいいほうだ。ちゃんと板を操作してターンを刻める。
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 気持ちのいい斜面は案外短く、徐々に木々の密度が濃くなってくる。そして、東斜面は徐々に狭まって尾根となっていくので、その尾根をめがけて滑り降りていかねばならない。尾根上は植林となっているので、木々の間がある程度開いているのだが、それを外すと灌木の藪に苦労する。つまり降りる位置を間違えると軌道修正に苦労する。去年がそうだった。新しくしたGPSレシーバに搭載されている地図の等高線が薄くて読みとりにくかったためだ。今日も同じGPSレシーバの同じ地図であるが、画面表示を夜間モードを切り替えると等高線がはっきり見える。さすがに1年の間に学習しているのだ。
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 植林は、常緑の杉であるためいったん枝に積もった雪が、水っぽっくなってからまとまって下に落ちるため、雪質はすぐに悪くなる。ところが今日はまだ枝の上に積もったままなので、足元はいい雪質だ。クリア。ダブルトラックを越えてさらに尾根を下る。この先ははっきりとした尾根となる。稜線を外して南側の斜面を斜滑降で行く。背後には、鳩ヶ峰が見えるはずだが、今日はガスに隠れている。
 この尾根の南側の谷に下りれば、鍋塚林道のちょうどクルマのデポ地へと戻れるはず。そう思っていたのに、行き過ぎてしまった。下に見える林道は、クルマをとめた地点よりも一段下のカーブのようだ。蛇行しながら降りる林道と比べて、まっすぐ伸びる尾根はあまりにも距離が短いのだ。軌道修正しながら降りられるだろうか。何せ滑ったことのない斜面である。自信がないので、このまま尾根の末端近くまで進み、いつもの斜面で林道に降り立つことにする。
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 質量ともに久しぶりの好条件。快適に林道に降り立った。昼前には真っ白だった路面が、先ほど見降ろしたときはアスファルトが露出して黒く見えた。どうやら除雪されたようだ。工事していない日だというのに。ここに板を残してクルマの回収に行こう。板は帰り道にピックアップすればいい。歩いていると自動車が昇ってきた。乗っていたのは若い夫婦と幼い子供。少し先の広場にクルマをとめて雪遊びを始めた。
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 気持ちよく順調に滑り降りられた。帰り道の途中、旧大江山スキー場では家族連れがまだお楽しみの最中。
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 明るいうちに帰宅できたので、板にワックスをかける。順番が逆だね。そのあと自転車で走る。雪道であまり走れず。
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2021/01/14

碇高原で3年ぶりの雪遊び

 1月の3連休の前日寒波が来た。3連休は日を追うごとに寒波が緩んでいく流れ。吹雪が吹き荒れる練習初日は家で過ごし、連休中日の10日午後から活動を開始。 

 14:30、自宅を出発。断続的な吹雪の午前中をのんびり過ごし、家の周りの除雪などをしていたらこの時間になった。久しぶりに碇高原へ。丹後半島の先端に近い標高500m近い高原は京都府営の牧場で、起伏のある牧草地が広がっている。文字通りのバックカントリー(裏山)だ。かつては毎年ここで気軽なバックカントリースキーを楽しんでいた。しかし、ずっと雪が少なくて数年ご無沙汰。2018年以来、3年振りだ。  

 自宅から碇高原までは20km。竹野川を少し下ってから山間部に向かうのだが、ほんの少し川下に向かうと積雪量が増す。山間部に入ればなおいっそう雪が多い。山間部の集落は、除雪も水道管の凍結など低温への備えも大変そうだ。ほんの100mほど標高が高くなっただけなのに。  

 小一時間かけて碇高原へ。近くにあったスキー場が閉鎖されたので、道路の除雪は朝だけのようで、日中に積もった雪を踏みしめてのアプローチ。他にクルマが通らないのは楽だけどね。  

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 久しぶりに十分な積雪量。こんな碇高原9年ぶり。でも、2011年と2012年はもっと多かったけどね。  

 身支度を整える。午後になって雪のやみ間が多くなり薄日もさしてきた。あまり天気が良くなりすぎると雪質がすぐに悪くなるからこのくらいがちょうどいい。  

 スキー板は2台持ってきた。まずは、ステップソールの板を持って車道を歩く。小さなエリアなので、何度も繰り返すつもり。単独でも自分のトレースが利用できるので、2本以上は楽しまないと。  

 牧場の管理用ダブルトラックへの分岐で板を装着。管理道は当然除雪されていない。積雪量のわりにラッセルは大したことない。足首程度しか沈まない。どうやら、正月までの積雪の上に少し新雪が積もっている程度だ。管理用ダブルトラック、つまりクルマが通る道はステップソールで快適に登れる。シールより抵抗が少なく軽快に。ところが脚が重い。滑走面に雪がくっついている。ワックスをかけなければいけない。とりあえず今日は我慢してこのままいくしかない。1本目は、展望台のある笠山三角点を目指す。いつもダブルトラックの終点まで行き、あとはなだらかな牧草地を登っている。そうすれば、急とは頂上直下だけだ。ところが、今日は十分に積雪があるからとダブルトラックの途中から山肌にとりついてしまった。何せ地図で見たら、ほんのわずかな距離で山頂に到達できるのだから。  

 結果的には、失敗だった。笹や灌木の密度の高い急斜面の登りは、相当に時間と労力を消費する。何度も経験していたことなのに。確かに雪が多いのは幸いだった。滑走面に雪がくっつくのは、急な登りにはかえって好都合。でも、距離は伸びても歩きやすいところを行く方が早くて楽だった。およそ30分のロスが生じたと思われる。  

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 そんなことで、笠山三角点ピークに到達したときには、もう日が傾いていた。頂上には雪の段差ができている。これは雪庇だ。ここに雪庇ができたのは、2011年以来か。足元の半島北岸の日本海は大荒れ。波の音が聞こえてきそうだ。若狭湾側を見ると、冠島、沓島も冠雪している。  

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 さて、滑降開始だ。が、まったくいたが走らない。滑走面に貼り付いた雪のせいだ。すり足で何とか雪を落とし、どうにか滑り出す。しかし、スピードが上がらない。湿った重い新雪が深く、抵抗が大きすぎるのだ。浮力の大きい太い板ならよかったか。ターンどころでなく直滑降で頂上直下を滑り降りるも、斜度が緩くなると歩かなければならなくなる。  

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 そのあとも斜面を拾いながら滑降。頂上部よりも多少斜度が増すため、山頂部よりは板が走るが、それでも直滑降に毛が生えた程度。最後の斜面では西日に照らされた地吹雪が幻想的。車道へと下山。 

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 さあ、日没が迫っている。2本目は太い板で山頂部を省いたコースを行くつもりでいたが、もう時間がなさそうだ。板はそのまま、シールの着脱不要のステップソールで、3本目に予定していたショートコースを滑って本日の活動を締めくくろう。1本目と同じく、管理用ダブルトラックへ。トレースが敷かれているので楽だが、滑走面に雪がくっついてステップソールならではの軽快な歩きとはならない。むしろシール歩行よりも足取りが重い。フルコースの4分の1ほどでショートコースの滑降斜面上部に到着。短いが急斜面だ。後、1本目に滑った斜面が西日を浴びている。  

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 いざ滑降。だが板が全く滑らない。ダブルトラックに戻ってすり足。そして急斜面へ。あっという間に下りてしまった。  

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 日も落ちて、GPSレシーバの画面も夜間モードに変わっている。残照の美しい時間、マジックアワーだ。クルマに戻って板を撤収し、帰り支度をしているうちにあたりが暗くなる。 

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2020/07/09

美作東部日名倉山MTB登山(ホルモン焼うどん2)

 兵庫県佐用町と、岡山県美作市の旧大原町と旧東粟倉村を周回するコースを何度か走っている。今は二県にまたがるコースだが、かつての国名でいうと美作の国の中の周回。ほとんどクルマの通らない道で佐用川の上流部を遡り、奥海乢(おねみたわ)という峠を越えて後山の山腹に広がる東粟倉の中心集落をかすめて大原へと下る。
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 そろそろ変化を付けたくなった。というわけで付け加えたのは日名倉山の山頂に近いベルピール自然公園。標高1047mの山の860m地点まで車道が通じている。後山連山より少し低いものの、独立した円錐型のピークは目立つ。ということは登れば展望もよい。自然公園からは、後山連山と東粟倉の中心集落「後山」などがよく見えた。
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 帰り道に佐用でホルモン焼うどん。36.7km、5月下旬
    *      *      *
 そうなると次は日名倉山の山頂を極めたくなるのは自然の流れというもの。どうやらMTBで楽しめそうだ。というわけで、日名倉山を再び訪れることにする。
 県境の山頂へは、西の岡山、東の兵庫からそれぞれコースがある。岡山側は、ベルピール自然公園から遊歩道を散策するようなお手軽コース。兵庫側は、宍粟市千種町の日名倉神社からダブルトラックを経て登山道が伸びている。登山道の途中までは奥海越(おねごし)という県境をの峠を越える道。その奥海越から分岐して山頂へと向かう尾根上の区間はMTBで楽しめるらしい。そうなると、兵庫側からアプローチしたくなるが、日名倉神社から奥海越までは谷底の暗い道と想像され、こちらはあまり気が進まない。というわけで、起点は岡山側のベルピール自然公園とし、山頂を極めてから兵庫側の奥海越までの下りを楽しんだあと山頂へ登り返し、最後はベルピール自然公園へと下る、ということにする。
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 ベルピール自然公園は、民間の施設で、つまりその敷地内は私有地。敷地外にクルマを止める。12:30、スタート。山腹を巻くようなダブルトラックが伸びている。少したどったがそちらは山頂には向かわないようだ。どこに向かっているのだろう。別方向へのダブルトラックをたどり、おぼろげなシングルトラックを経て、ベルピール自然公園から山頂に向かう道へ。こちらは遊歩道のように整備されている。
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 ヘアピンカーブが連続する九十九折れ。おかげで勾配は緩く下りで乗車できそうだが、ヘアピンカーブのところは木段になっている。なんだかハエのような虫が多い。
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 13:10、山頂到着。360度の展望を期待したのだが、ブッシュにさえぎられていて、北から西にかけてが開けているのみ。だから、後山連山、その懐の後山集落などが良く見える。後山連山の右肩から氷ノ山がのぞいているのだが、ぼんやりしていて存在感は薄い。また、後山連山の左には那岐山がこちらは立派な姿を見せている。
 のんびりしていたいところだが、ハエがうるさいので早々に退散。兵庫・千種側へと下る。
 いきなり急な下り。当然乗車不能。そして登り返し。そこが二ノ丸。それを越えると、また急な鞍部を越えて、一ノ丸。この並び順は氷ノ山とは逆のパターン。
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 一ノ丸からの下りはやや緩く、やがて乗車可能な勾配となる。周囲は広葉樹林から植林となりMTB向きのシングルトラックがつづく。確かに、これは楽しい。
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 あっという間にダブルトラックへと突き当たった。13:50、奥海越へと降り立ったといわけだ。ここで引き返さなければならない。登り返し、さらにまた、一ノ丸、二 丸、三 丸のアップダウンを考えると、このままダブルトラックを下っていきたい気持ちになるが、そんなことをするとクルマの回収が大変だ。諦めて、とぼとぼと自転車を押してシングルトラックを登り返す。
 下りに比べて登り返しは長い。乗車可能区間の上部で、シングルトラックの左手、つまり南側の木々の合間にダブルトラックが見えた。奥海越からの道だろうか。帰宅後に確認すると、これはクルマを止めたベルピール自然公園の奥から山頂南側の山腹を巻くダブルトラックがここへと延びてきているということだった。だから、一、ニ、三ノ丸のアップダウンが面倒ならこのダブルトラックで戻るという手もあったわけだ。
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 というわけで、15:00、山頂まで登り返してきた。やはり、楽しく下った後の登り返しは精神的にもきつい。まあそれでももう一度下りが残っているのが救いだ。
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 やはりハエが多くて長居できない。下りを開始。那岐山に向かう下り。緩い木段だが、これは乗車でクリアできる。そのあとは急な木段は降りて押す。安全第一。でもそれ以外は乗車できて、山腹のダブルトラックよりはこちらでよかった、と思えた。ということで、15:25、あっという間にクルマに帰着。
6.3km、6月上旬
 そういうわけで、今回のホルモン焼うどんは、前哨戦で食した。

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2020/06/28

Slide and Ride 扇ノ山2020と湖山池一周(鳥取二郎系3)

 雪が少ない冬だった。もう残雪期のスキー登山はあきらめていたのだが、先日鳥取市の空山から残雪の氷ノ山や扇ノ山の姿を見たら、滑り収めをしたくなった。記録的な暖冬だった昨年よりもさらなる暖冬。その一方で、4月は記録的な低温だった。唯一可能性の残る扇ノ山の大ヅッコ北斜面。行ってみよう。
 浜坂から湯村温泉へと南下し国道9号線へ。兵庫・鳥取県境の蒲生峠手前を扇ノ山の登山口上山高原目指して左折。湯村温泉までの道のりは、蘓武トンネル開通直後は、神鍋高原経由が早かったが、鳥取近畿自動車道が伸びた今は浜坂経由が早い。
 上山高原の広場には、大きなテントを張っている人が数組。ここが除雪の限界点で、年によってはこの時期でも、ここから歩かなければならない。今シーズンは、この先も雪がないだろうということでクルマを進める。小ヅッコ登山口が近づくと、道路わきに残雪が見られる。クルマが一台も止まっていない小ヅッコ登山口を過ぎ、県境を越えるとすぐに水とのふれあい広場。ここは何人もの人が見られる。7,8台のクルマが止められる道路わきのスペースは満車。そこからほんの少し進んだ河合谷登山口の手前の小さなスペースにクルマを止める。自転車とスキーの準備を開始。今日はシングルトラックなので、MTB以外の選択肢はない。もちろんブロックタイヤ。
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 「どこを滑るんですか」という女性の声に顔を上げる。20〜30代とみられるカップル。先ほど、登山口に向かって歩いて行った人たちだ。特に女性の方が、スキー板を積載したMTBに注視していたのだが、私にインタビューしに引き返してきたようだ。彼らもスキー登山をするとのことで、氷ノ山は経験があるが扇ノ山は初めてだという。ただし、さすがにこの時期に滑れることを想定していなかったようで、今日はスキーなし。まあ、こちらも滑れるかどうか行ってみないとわからないけどね。河合谷登山口へ向かう彼らを見送り、こちらも準備が完了。ただし、私は小ヅッコ登山口へ。河合谷登山口からは急な木段を登らねばならない。スキー板を積んだ自転車を担ぐことはあまりにもつらい。
 水とのふれあい広場のクルマは、先ほどと比べ半減していた。多くの人は扇ノ山から下山してきた後だったようだ。県境を越えて小ヅッコ登山口へ。1km近い車道だが、自転車ならわずかなな距離。小ヅッコ登山口からの登山道も木段から始まるが、それを迂回するダブルトラックのような緩やかな道ががある。自転車はそちらを押して登れる。それを登れば、小ヅッコ小屋までは緩やかで乗車可能。といってもわずかな距離であるが。小ヅッコ小屋からは杉林とブナ林の境界付近を行く道で、木の根が浮いていたり、段差があったりで乗車不能。押していく。小さな残雪も見られる。
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 河合谷登山口からの道が合流すると、木の根はマシになり、さらに行くと勾配も緩やかとなり乗車できるようになる。ところが、所々ぬかるんでいて、車輪を取られて乗車できない。自転車には障害となるぬかるみだが、スキーヤーの目線で見るとこれは良い兆候。少し前まで残雪があったということだ。今年の冬は記録的な暖冬で雪不足だったが、4月は記録的な低温だった。今年ほどではないがかなりの暖冬で、4月はかなり低温だった。例年遅くまで雪が残る大ヅッコ北斜面ならば5月でもスキーができる、と訪れたのが5月10日。残雪があるにはあったが、スキーにはかなり厳しい状態で、たったの1本滑っただけだった。その辺のこともあって、今年は1週間あまり早く来てみた。実際現場に行ってみるまで分からない。さあ、どうだろうか。
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  ブナ林にほとんど雪は見られないが、まだブナは芽を吹かず青空が見えている。
 ほぼ水平だった登山道に登り勾配が出てきて、沢のように水が流れている。さあもうすぐだ。しばらくすると前方の木々の間が白くなってきた。
 大ヅッコの北斜面は、ブナの疎林で前述のとおり遅くまで雪が残る。そのゲレンデの下部に自転車を止めてスキー板を下す。昨年よりは、滑れそうだ。
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 ステップソールなのでシールは不要。どのあたりが滑りやすそうかを見極めながら残雪のゲレンデの上部まで登る。そして、1本目。雪から顔を出した細かい木がかなりうるさい。でも、ここまでできらたった1本滑っただけで引き下がれない。そう思えるだけ昨年よりはいい。2本目はブッシュの密度の低いスペースを拾いながら西寄りにコースを取ってみる。そして3本目で自転車を止めたところへ戻る。まあ何とか今年も5月まで滑れたね。
 下山の準備をしていると、入山前に話をしたカップルが下山してきた。なかなか速いペースだ。少し話をして、彼らが去ったら、今度は犬がやってきた。続いてその犬の主を含めた年配の男性3人組。スキー板を積んだ自転車を見て「これ担いで登るんですか」と聞いてくる。「山頂にはいきませんよ。ここで滑ったから、もう下山です」と答える。こんな重いものを担ぐ気にはならない。山頂に行くなら少なくともスキーは置いていく。滑れないところにスキーを運ぶ必要はない。またこの先の登山道で乗車率が落ちる自転車も置いていく。どうしてもスキーと自転車を山頂に持っていくならば、せめてスキー板はザックに固定するなどして加重を分散させる方がいい。まあ、質問する方は頭に浮かんだ疑問をそのまま口にしているだけなのだろうけど。「山頂に行かない」という私の回答を聞いてか聞かずか、別の一人が「大変だなぁ」とつぶやいている。まあ、よくある決めつけだな、と思いながら聞き流す。
 彼らが去った後、準備が整い後を追うように下山開始。しばらくは勾配がそこそこあり、水の流れはまあいいとして、木の根が浮いて要注意。一方、スキー板を積んだMTBは意外と安定している。鈍重になるデメリットはどうしようもないが、後方に向かって突き出しているスキー板のおかげで、前転しにくい。急な下りでは重心が前方に位置するため、前輪が木の根や石を乗り越えられず、自転車ごと前転しやすい。それを防ぐため、尻をサドルから外して後方に体をひき重心を強制的に後方に持ってくるのだが、スキー板のおかげで、もともと重心が後方に位置した状態となっている。
 水とのふれあい広場までクルマが入れるようになってから、大ヅッコ北斜面だけを滑りに来たことはもう何度もあるがいつもスキー板を背負って登山道を歩いてアプローチしていた。そして去年初めてこの時期にMTBにスキー板を積んで大ヅッコ北斜面まで来た。扇ノ山の大ヅッコまでの登山道は緩やかで、比較的MTB初級者向き。スキー目的でなく、何度もMTBで、さらにランドナーで訪れたことがある。
 しかし、やはり初めてのことにはいろいろ誤算がつきもの。スキー板のおかげで重心が後方にきて安定するということがうれしい誤算。スキー板という荷物を担いで歩くよりも、自転車という荷車に積んで運べば楽だろう。乗れるに越したことはないが、乗れなくてもメリットはある。その程度の期待だったのだが、思いのほかMTBを楽しめることが分かった。しかし、スキーを自転車のサドル下に固定するベルトが、振動で切れてしまったのがマイナスの誤算だ。舗装路はもちろん、ダートの道でも今まで切れたことがなかったので、切れるとは想定していなかった。半分も下らないうちに切れてしまった。
 そこで今年は、使い古したタイヤチューブを使ってサドル下に固定している。これなら弾力もあり、またぐるぐる巻きにしているのでまず切れることはないだろう。念のため、予備のベルトも数本持ってきている。
 勾配が落ち着くとあとは比較的安全にMTBで行けるようになる。ただ、ところどころ浮いた木の根には要注意であることは変わりないが。すぐに犬連れの男性3人組を追い越していく。
 大ヅッコ登山口と河合谷登山口へのそれぞれの登山道の分岐手前がやや急勾配。木の根が浮いたところでは、安全のため自転車を降りて押してクリアする。下山は河合谷登山口へ。こちらの方が浮いた木の根が少ない。しかし油断は禁物。木の根をよけて左に寄りすぎて、ハンドルの左端が登山道わきの細い木に引っかかった。ハンドルが左に切れて、車体が右に傾く。そして、身体が右前方に投げ出される。右足を地面につき、左足は倒れる自転車をまたいで離脱に成功。しかし、前方につんのめる体。スキーブーツをどたどたと言わせながら走って、体勢を立て直す。どうにか転倒を回避し、振り返ると自転車は10m近く後方で倒れている。左足のふくらはぎの下部、アキレス腱との境界辺りが痛む。この冬以降、脚を酷使した後で痛む箇所だ。2月に北海道で雪や氷の上を2日間で30km近く歩いた後、先日の東床尾山登山の後。一番きつかったのは、2月下旬の氷ノ山の20kmを越えるロングスキーツアーの後。4,5日びっこをひいて歩き、1週間ほどたってほぼ普通に歩行できるようになったところで、職場で半開きのロッカーの扉にうっかり足をひっかけた。再発というか、幹部はふくらはぎの上部で、内出血をして肉離れの症状が半月ほど続いた。歩けないほどではなっかったが、他人が見てかなり違和感を感じるほどびっこをひいて歩いていた。今日はそこまでひどくなさそうだが、明日、明後日くらいは脚を引きずることになるだろう。
 そこから登山口まではもう少し。しばらくして木段の上までやってきた。木段を迂回する道ができている。去年もあっただろうか。そちらなら自転車を押していけるが、木段を3分の1ほど残して迂回路は終わり。自転車を持ち上げながら木段を降りる。登るのと比べれば、大してつらくはない。
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 舗装路に降り立てば、自転車の機動力をさらに強力に発揮できる。ペダリングには痛めた左脚の影響はない。クルマを通り過ぎ水とのふれあい広場へ。自転車をそのまま池に乗り入れ、タイヤとスキーブーツの泥を落とす。そしてクルマに戻って板を自転車から外す。サドルに固定するベルトをチューブに変えたことで、今日はMTBを楽しめた。ベルトと比べ、チューブのぐるぐる巻きには板の着脱に手間がかかるが、そんなことは知れている。
 道具の撤収をしていると犬がやってきた。男性の3人組がようやく下山だ。そういえば、カップルには追い付けなかった。もしかしたらまだクルマで帰宅準備中かと思ったが、水とのふれあい広場の駐車スペースにも姿が見られなかった。彼らはなかなかの健脚のようだ。
 さて、帰る前によるところがある。上山高原には戻らず、鳥取市街に向けて山を下りる。私のクルマはマニュアルトランスミッション。クラッチを切るとき左脚が痛む。殿ダムを見ながらクルマを進め、鳥取市街の南側を迂回して国道29号線に乗る。市街地に入ったら左折、湖山池の南西部の畔、桂見駐車場にクルマを止める。
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 ここで再び自転車を準備。湖岸を北上する。駐車場のすぐ北の「湖山池ナチュラルガーデン」には、ウォーキングやボールを使っての運動をする人たちが姿が見られる。さらにその向こうには鳥取大学の校舎が見える。湖山池から流れ出す湖山川を渡り、半島を回り込む。この半島は平坦で畑が広がっている。ラッキョウ畑だろうか。
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 そして、来ました鳥取大学前駅のその前の「ラーメンつけ麺 今を粋ろ 鳥大前店」。夜の営業開始の17時半を少し過ぎたばかりで、店内は空いている。いや小さな店なので、4,5人で半分ほど席が埋まっている。今日も300gの麺の量で、ニンニクあり野菜増し増しをコール。ちゃんとカメラを持ってきた。ラーメンとは別皿に山盛りの野菜をちゃんと撮影することができた。
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 食後の運動はこのまま湖山池を一周する。平坦な16kmあまり。歩行者と自転車だけしか通れない区間も多いし、全体的にクルマと出会うことは少なく快適。ブロックタイヤの音を響かせて走る。スリックタイヤのホイールも積んで来ればよかった。
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5月上旬

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