2017/05/05

暑い雪山扇ノ山

 比較的残雪が多めだった今年の春だが、中国山地のスキー登山もそろそろ終わりに近づいている。残すは扇ノ山だ。4月中旬に上山高原まで除雪され道路が開通した。ゴールデンウィークが始まった4月末日は、なんと鳥取や豊岡で真夏日の予想。半袖シャツを準備して、山陰最後の雪山に向かう。
 豊岡市日高町で、すうさんと落ち合う。2月下旬の大江山、3月下旬のくらますに続いて、今シーズンは3度目の同行だ。
 神鍋高原へ。奥神鍋スキー場最上部の栃の木ゲレンデにわずかに残雪が見られるが、すっかり初夏の装いだ。
 蘇武トンネルを抜けて村岡から国道9号線で湯村温泉へ向かう。さすがにそこそこクルマがいるが、混雑というほどではない。
 湯村温泉を通過し、鳥取県境手前を左折。扇ノ山方面へ。海上集落も田植えの準備中。
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 一週間前に山焼きを終えた上山高原に到着。既に5台のクルマが止まっている。出発準備を整えて板を担いで歩きだす。すぐに除雪の限界点に到着。板を装着。2週間前に訪れた記録をネットで見たら、除雪の限界点は1mほどの雪の壁だったが、今は半分ほどにかさが減り、しかもなだらかなスロープになっているのでわけなく乗り上げることができる。
 ショウブ池の辺りは雪が切れていることが予想されていたが、その手前にも一か所雪が切れた個所があり、そこで板を外す。ショウブ池の先まで板をつけない方が楽だったかも知れない。
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 ショウブ池はすっかり雪や凍結はなくなり、初夏の装い。それでも、大ヅッコや扇ノ山の頂の東側はしっかり雪に覆われ、白く輝いている。
 この先は雪がつながっている。すうさんはシール、私はステップソールで除雪されていない車道を行く。思い切って半そでにしたが、歩いていれば全く寒くない。
 山襞に沿った、リアス式海岸を連想させる軌跡をたどって道は続く。谷の部分では、法面からずり落ちてきた雪で道は斜めに埋まり、要するにトラバースとなる。雪は締まっている。我々はスキーだからエッジを効かせて難なく進むことができるが、登山靴の人は少し緊張する場面かも知れない。
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 小ヅッコ登山口の手前で雪が切れているのはいつもの通り。上山高原から1時間余り。
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 すぐに小ヅッコ小屋。我々が準備しているときに上山高原を出た男女連れが、ちょうど小屋から出発するところだった。我々は、小屋で小休止、のつもりが結構長めの休憩となった。
 小屋から歩き出せがだんだん藪が濃くなる。雪解けが進んで、細かな木が顔を出している。しかも、この冬は雪が多かったので倒木が多く、進路をふさいでいる。
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 どうにか河合谷コースと合流し、そのあとは歩きやすいブナ林となる。そのあとはピークといえないほどなだらかな小ヅッコ。そして徐々に登り勾配が増して大ヅッコが近づく。とはいえ、ステップソールで直登可能な緩斜面だ。
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空腹を感じたので、小休止して軽くパンを食べる。
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 大ヅッコのピーク手前で登りらしい登りとなり、ステップソールでは直登不能となりジグザグにコースを取る。大ヅッコを越えたら、標高差50mほど下る。山頂への登りがまだ残っているので、すうさんはシールのまま下る。こうしたアップダウンには、ステップソールが有利だが。木々の密度が濃くて快適ではない。
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 鞍部から山頂までは標高差100mの最後の登り。相変わらずブナ林で、青空と雪面が眩しい。もうしばらくしたら新芽の緑が加わり、さらに青空が見えないほどに生い茂ってくる。
 左手が滑り頃の斜面となると山頂が近い。山頂手前に鳥取砂丘方面の展望テラスがあるが、霞が濃くて砂丘も、湖山池も見えない。
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 そして正午過ぎに山頂到着。一人のスキーヤーがコンパクトな三脚を立てている。デジタルカメラで自分が滑る姿を動画撮影しようとしているようだ。なんとゲレンデスキー。長靴を履いて、スキー用具を担いできたようだ。
 山頂は、そのスキーヤーのみ。意外に人が少ない。暖かいので外でもいいのだが、せっかくなのできれいな山頂小屋に入って昼食をとることにする。ブーツを脱いできれいな板の間の2階へ上がり、座ったり、寝転がったり、自由にくつろぐ。
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 扇ノ山の山頂は周囲をブッシュに囲まれ、大展望というわけにはいかない。小屋の2階が展望大の役割も果たしてくれる。氷ノ山、東山はかなり雪解けが進んでいる。南を向くと、三室が確認できた。ということはその右側がくらますだ。あと、現場ではわからなかったがその右に後山が見えていた。
 またまた長居してしまった。いつしか、小屋の周りにはいくつかのパーティの姿が見られた。
 小屋を出ると、若い男女3人連れがいたが、彼らも先に下山していった。どうも我々は、休憩が長いようだ。
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 まずはザックを置いて東斜面に滑り降りる。ザラメだが、雪解け(降雨)のせいか雪面がデコボコだ。それでも標高差100mほど下って登り返す。すうさんはシールを貼り、私はステップソール。それぞれに有利なコース取りで山頂へ。
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 時間も飲料水も、結構消費した。
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 今度はザックを背負ってもう一本。控えめに下って、登り返さず斜滑降で大ヅッコ方面へ。そうして鞍部へ降り立つ。大ヅッコへの上り返しは、すうさんは板を担ぎ、私はステップソール。
 そして大ヅッコの北斜面へ。ここは最後まで雪が残る斜面だ。まだあと半月はいけるだろう。
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 斜面が緩くなると板が走らなくなる。どうも気温が高すぎるようだ。乾いた熱風を感じる。
 さらにヤブヤブ区間。たまらず板を外して歩く。小ヅッコ小屋手前までツボ足で行く。こんなことなら河合谷の段々畑にエスケープした方がよかったかも知れない。河合谷登山口から小ヅッコ登山口までの車道に少し登りがあるため、ステップソールでないすうさんのことを考えて小ヅッコ登山口に下山に執着したのだが、どっちがよかったのだろうか。ただ、雪が緩みすぎて段々畑もあまり板が走らず快適ではなかっただろう。
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 まあ、それでもどうにか小ヅッコ登山口から車道に降り立つ。スキーで快適に滑れるはずの斜度の車道も、今日は板が走らない。ショウブ池で雪が切れたら、なんだか再びスキーを付けるのが面倒になってしまう。スキーを履いても、結局歩かなければならないわけなので。
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 そして、ようやく上山高原へ下山完了。それでもやっぱり楽しかった。
 湯村温泉や日高町内で混雑が心配されたものの、順調に帰宅できた。ゴールデンウィークといっても、休日の合間の平日を休んで9連休という人は少ないようだ。そうなると、29,30日は普通の土日。この日の夕方には、湯村温泉に泊まる人も少なく、すでに京阪神などに帰り始めていたということか。

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2017/04/06

Slide and Ride 裏くらます

 独特の山名を持つ山「くらます」。山頂部東側の無立木の斜面は、冬には真っ白な大雪原となり、スキーやスノーボードの滑走系の登山者はもちろん、スノーシュー等で登頂した人も広大な雰囲気を味わうために訪れている。
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 その斜面にあこがれて3月下旬に登頂したものの、登りに時間を使いすぎてその斜面を滑ることができなかった。
 冬場の一般的な登山口は西の麓の吉川集落。東斜面は裏側ということになる。後日、あの斜面を滑れなかったことを悔やみながら、次はどうにかならないかといろいろと情報集めていた。
 すると、東側の麓、加地川沿いの林道大通中江線(加地林道)が、この春、加地集落からかなり奥まで除雪されていることが判明。その途中から、くらます中腹に林道の支線が分岐している。
 次に、GoogleEarthを見ていると、その支線林道にはさらにいくつもの支線が張り巡らされていて、例の大雪原に向けて伸びているものがあるようだ。おそらく自動車は通行不可能な、林業の作業道だろう。国土地理院の地図には描かれていない。ちょうどGoogleEarthのくらます周辺の画像が、冬の初め(2015年12月)に撮影されたものだったので、植林の中に白く浮き上がってみる道を見つけることができた。
 カシミール3Dで切り出した国土地理院の地図と、GoogleEarthの画像を重ねてどうにか国土地林の地図に林業作業道(以下作業道)を描き加えた、GPSレシーバー用の地図を作成することができた。
 ただし、これはあくまで机上で作り出したもの。次のチャンスまでには実際に作業道をたどって、GPSのトラックを取得した。雪が解けたらMTBで行ってみようかとも思ったが、今ならまだスキーで歩けるのではないか。
 結局3月いっぱい気温は低めだった。林道や作業道にはまだ雪が残っているだろう。作業道の先で藪が出ていればそこまで。だとしても、作業道の様子を知り、GPSのトラックをとっておくことは大きい。うまくいきそうなら、吉川から入山し加地に下山するというコースも可能になる。
 4月初めに、再び鳥取県若桜町へ。戸倉峠中腹の落折を過ぎて、まとまった集落群に降りる。その中の大野という集落で国道29号線から南に折れるとすぐ加地の集落。集落を抜け、加地川に沿って南下。これが林道大通中江線。林間の薄暗い舗装道路だ。加地の家並みが途切れてから2.5kmでくらます中腹への支線林道への分岐。
 雪がない!分岐の起点である加治川を渡る橋のたもとがゲートで塞がれているので、クルマは入れない。とりあえず歩いて様子を見に行くが、当面雪は現れそうにない。
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 というわけで、自転車を使うことにした。雪の状態によっては、途中までしかいけないことも想定されるので、自転車を積んできている。もしスキー登山の下見が早く終わったら、どこかで自転車に乗ろうという目論見だ。たたし、残念なのは、MTBでなくクロスバイクを持ってきていること。この支線林道は出だしは舗装だが、途中からダートになるとのことだ。しかも平均10パーセントを越える急勾配。
 まあそれでも、歩くよりはいいだろう。自転車にスキーを積載すれば、背負うより随分楽だ。
 ところが、スキー板を自転車に固定するためのベルトがない。これは、自転車のトゥクリップのストラップが最適。2本のストラップを使って、ダウンチューブとサドル下にスキー板を固定するのだが。結局、代替品としてズボンのすそをとめるストラップを利用。あまりきつく固定できないが、まあ大丈夫だろう。
 そんなこんなで準備に小一時間かかり、9時17分スタート。天気は快晴だ。
 ゲートを越え、橋を渡るといきなり急坂が始まる。クロスバイクとはいえ、かなり低速ギアを用意してあるのでちょっとがんばってみたが、さすがにスキーブーツでは効率よいペダリングはできない。すぐに押して歩き自転車は荷車と化す。
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 すぐに、小さな小屋がある。林道分岐から見える背面では倉庫かと思われたが、正面から見るとテラスがあるなどなかなか洒落たつくりになっている。そして「清流遊山荘」という看板。別荘?こんなゲートで閉ざされたところに?結局謎のまま。ついでにいうと分岐のところにも別荘風の建物があり、そちらはあまり手入れされていないが、清流遊山荘はきれいに整えられている。
 その先で不気味なものを発見。なにやら動物の骨だ。あばら骨が見事に骨格標本のように残っている。と思ったら、頭蓋骨も。ぱっと思い浮かんだのはシカだが、頭蓋骨の先端がくちばしのように細くなっている。コウノトリみたいな大型の鳥かと考えたが、歯があるからやっぱりシカだろう。不自然な方向を向いているが、足もあった。しかし、内臓や筋肉、皮膚などは全く見られず、きれいに骨だけが残っている。少し白い毛が落ちているだけだ。ただし、写真を撮る勇気はわかなかった。
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 道路を塞ぐ残雪を2度乗り越えた後、土砂崩れをひとつ乗り越える。その土砂崩れがちょうど干そうとダートの変わり目。そこからすぐ、またも残雪が道路を塞いでいた。自転車はここまでとする。1km弱、標高差ちょうど100m進んだところだ。
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 が、しばらくは板を担いで歩く。完全にふさがった部分を越えると、道路の山側は残雪は覆われ谷側は路面が出た区間が続く。路面はダートなので自転車を置いてきたのは正しい判断だろう。山側の雪はずっと続いているので、下りはスキーで滑れる。
 相変わらず勾配が急で、すぐわきを流れる沢も、落差こそ小さい物の滝が連続する急流だ。雪解け水がごうごうと音を立てて流れている。
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 またも道路が全面残雪に覆われている。今度は山側の法面からずり落ちてきた雪が斜めに分厚く積みあがっている。ここでスキーを装着。シールはまだ温存し、ステップソールの恩恵にあずかる。斜めの雪面なので、スキーのエッジも効果を発揮する。
 雪は増える一方で、自転車デポジット、そしてスキー装着のタイミングはばっちりだった。
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 やがて、谷が狭まり流れは沢となる。周囲は植林帯に変わる。ただし、先日のヘンブ谷ほど狭い谷ではなく、木々の間から日差しが降り注ぐ明るい谷だ。特に今日は青空がのぞき、いい雰囲気だ。道路の勾配が沢に追い付かないらしく、時折S字カーブで標高を稼ぐ。雪はすっかり量を増し、もう地肌が見えているところはない。
 この支線林道はヘアピンカーブで沢に背を向け斜面をトラバースしていく。そちらには向かわず、そのまま沢沿いを行く。ここからが林業の作業道だ。出だしは、地形の凹凸が複雑で、作業道なのかスノーブリッジに覆われた沢なのかわからない。落とし穴で沢に落ちるのは嫌なので、シールとスキーアイゼンを装着して法面を歩く。やがて、はっきりと作業道が確認できたのでそちらを歩く。左右方向が平らなのは楽である。
 その作業道もやがて先ほどの支線林道と同じようにヘアピンカーブで斜面にとりつく。道幅が狭い。シングルトラックとダブルトラックの間の、1.5トラックというところ。また相当の急勾配だ。とにかく軽トラックでも通行できないだろう。キャタピラ式の丸太運搬車が通れる道、という想定と思われる。雪がない時期にMTBできたら、下りで乗車できるかどうかその人の技術次第というところだろう。
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 基本的には左右方向には水平なのだが、時折山側の法面からずり落ちた雪で、完全に斜面になっている区間があるので、スキーアイゼンは付けたままで歩く。
 作業道は、何度もスイッチバックして高度を稼いでいく。正午を過ぎた。木々の合間から氷ノ山が見えたところで、ザックを下し持ってきたパンを食べる。ただし、見えるのは三ノ丸で、最高峰の1510m峰は見えない。
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 さらに作業道を行く。斜面は壁のような急勾配で作業道がなければとても登れそうにない。滝のような沢に沿って雪崩が起こったのか、量は少ないが大きなブロックのデブリも見られる。
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 標高980mを越えると、植林帯は終わり落葉樹林に変わる。そして作業道も終点に到達。ここからは斜面へ取り付かねばならない。もし藪が出ていればここで撤退、というつもりだったが、幸い斜面は雪に覆われている。山頂北ピークを目指して、スキー登山続行だ。ちなみに、GoogleEarthの航空写真から写し取った作業道はほとんどずれはなかった。
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 とりつき斜面の出だしは急勾配。作業道が張り付いて区間より、あるいは先日のくらます西斜面の上部よりは若干緩いものの、やはり厳しい。作業道をもう少し伸ばしてくれたらいいのに、と思うが、植林がないところにわざわざ道を付けるわけがないのである。それに、山に対しては作業道などない方が優しい。
 しかし、標高差30mほどで、明らかに勾配が緩む。これで少し楽になったが、それでも作業道よりは確実にペースは遅い。この斜面がしばらく続く。振り返れば、三室山。そして、氷ノ山山頂も見えている。兵庫県の2位、1位の高峰を背負って上る。
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 歩いているのは尾根筋で、その尾根の側面は立木がなくおびただしいクラックが口を開けている。その雪面の裂け目からは笹がのぞいている。クレバスのないところも雪面がしわが寄ったように波打っていて、近寄りがたい雰囲気だ。
 標高1100m近くなって落葉樹林が途切れ、いよいよオープンバーンとなる。ところが、ここが難所。稜線にもクラックができている。それを避けながらコース取りをするが、そうすると急斜面を越えなければならない場面が発生する。雪面には、つい先日、3月末の寒の戻りで積もった新雪がザラメとなって20cm程積もっていて、急斜面ではしっかり踏み固めながら歩かないと、小さな表層雪崩が発生する。それは、ゆっくりとした速度で滑り落ちていくもので、スキーで切断された雪面の谷側が流れ落ちていく。その下のしまった根雪の層にスキーアイゼンを刺しているので、自分自身が一緒に落ちることはないのだが、気持ちのいいものではない。
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 クラック地帯を抜けて徐々に斜度が緩み、満を持してという感じで山頂が見えてきた。もうかなり近い。斜度の変化の関係でオープンバーン全体が見えるわけではなかったが、憧れの雪原へ到着だ。青空と白い雪原がとにかくまぶしい。そして、まったくのノートレース。
 輝く雪原に目が眩む。つまり、目を「眩ます」大雪原だ。
 直登できるのでもうスキーアイゼンを外す。山頂にもって上がる必要はないので、一本の立木の足元に置いておく。アイゼンに詰まった雪ががちがちに凍り付いている。汗ばむ陽気なのだが、雪面に冷やされながら板とアイゼンに挟まれながら踏みつけられると、透明な氷に化している。
 足が軽くなった。シールを外したらもっと軽快になるのだが、今歩いている斜面ならステップソールで行けるが、山頂直下にやや急勾配の斜面が残っているので、山頂までシール登行とする。
 15時9分、山頂北ピークへ到着。標高1260m。すぐ南の三角点のある山頂より20mほど低い。北ピークには、三角点ピークから往復したスノーシューのトレースがあった。
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 西側は背の高い落葉樹林であまり展望はよくない。何とか、木々の合間から東山と沖ノ山を確認。大山は、霞により山影すら見えない。また、南に三角点ピークがあるので、後山連山は見えない。その代わり、東は大展望。氷ノ山と三室山。また北方には、扇ノ山、仏ノ尾、青ヶ丸が見える。他にも、但馬妙見山やら暁晴山やら、いろいろ見えているのだが、例によって登頂が遅くなったので、急いでシールを外して滑降にかかる。先日訪れた、三角点ピークには初めから登る気はない。
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 さあ、いよいよ憧れの雪面の滑降だ。程よい斜度で、重いザラメながら気持ちよくターンができる。何せ、ターンの度に氷ノ山と三室山が交互に正面に来る。贅沢な斜面だ。
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 立木の下でスキーアイゼンを回収。日差しによりアイゼンの中に詰まっていた氷は緩み、簡単に落とすことができた。
 そして、もう少し滑りを楽しむ。斜度もいい感じだ。雪質がよく、時間があれば、ステップソールで何度も登り返して滑りたいところだ。
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 しかし、落葉樹林との境界付近に来た。クラック帯に来た。下りはスピードが出てしまうので、発見が遅れてしまう。できるだけ、登りトレースをたどりたいが、斜度や立木の関係でどうしてもそうはいかないこともある。ザラメ雪に覆われたヒドゥンクレバスにテールが落ちてしまった。ステップソールで何とか這い出す。
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 尾根筋のクラック帯はすぐに越えることが切るが、その下の林間の急斜面もまた難所。尾根を外したいが、片方はクラック地帯なので、反対側の林間へ。浅い谷になっているが、雪面に凹凸があったり立木の密度が高かったり、そして表面のザラメが小さな表層雪崩を起こしたりして難儀する。先日の東斜面の上部でも急な林間に苦戦したが、その時よりも斜度が緩いのにむしろ難しいように感じる。雪面の凹凸は雪解けが進んだせいなのかもしれない。
 何とか難所を越えて、作業道に降り立った。これで一安心。ただし、狭く急なのでスピードコントロールが難しい。山側の法面が雪に覆われていれば、そちらに乗り上げれば減速、停止できるが、法面の雪がなければそうはいかない。その区間の手前で一度停止してから、ボーゲンで我慢して切り抜ける。スイッチバックは、とりあえず通り過ぎながら停止し。方向転換する。林道は複雑に張り巡らされているので、登りトレースを意識して滑る。シカの足跡が、登りトレースをたどっていた。細い脚のため、ラッセルの深さはあまり変わらないみたい。
 ふと気づけば、スキートレースが消え、シカのトレースのみとなっていた。スイッチバック地点を5mほど過ぎてしまった。登りでは、上方に向かっていけばいいのだが、下りではこうした道迷いしやすいポイントがある。吉川から登って、火事に降りる場合は、こうした事態に気を付けなければならない。
 ようやく谷底の沢が見えてきた。細く急な作業道にくたびれていたので、植林斜面に飛び出す。登りで何とか滑れそうだと目を付けていたところだ。杉の落ち葉に覆われているが、斜度があるのでそのまま滑ることができる。作業道を少しショートカットする形で沢沿いに降りる。そのあとは、沢音を聞きながら谷底を滑ればすぐに支線林道へ。
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 ここまでくればもう安心。車道としては急勾配でも、自動車が通れる設計なので、道幅もあるし快適に滑れる。むしろ10パーセントを越える勾配がないと板が走らない。
 道路脇の植林へ飛び出すことができたり、S字カーブがあったりして、それなりに変化を付けて滑る。
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 やがて植林帯が終わると、自転車までもうすぐ。落石の地雷を踏む場面があるが、元々ステップソールの板なので、滑走面の傷はあまり気にしないことにする。
 路面の谷側が露出したところで、気づくと登りトレースが消えている。あ、自転車を通り過ぎたのか、と焦るが、よく考えたら板を担いで歩いたのだった。
 そして、山側の残雪はつながっていて、板を外すことなく自転車デポジット地点に帰着。
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 板を積載し、自転車にまたがる。急なダートの下りなので、徐行運転。クロスバイクの700CタイヤにVブレーキの制動力では、すぐにタイヤはロックしてしまう。
 ダート区間はわずか。土砂崩れを越えて舗装路へ。しかし、急勾配に杉の落ち葉で覆われ雪解け水にぬれた路面のグリップは弱く、やはり徐行運転。それでも、歩くよりは早いし楽だ。
 登りでは、残雪区間を2度通過したが、下りでは1度のみ。なんと一つは、雪解けが進み、自転車が通れるほどになっていた。
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 シカの骸骨に再会し、清流遊山荘の前を通って、加地川の橋を越える。ゲートのわきを抜けて、17時9分、林道大通中江線との出合へゴールイン。ああ、今日も楽しかった。最終目的地のくらます北ピークに到達できて、東斜面を滑れて満足、満足。自転車に乗れたのも楽しかった。MTBだったらもっとよかったね。
 クルマにスキーと自転車を撤収して帰路に就く。


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2017/03/31

動画でございます、くらます

 林道に降りてからのシーン、酔わないようにお気を付けください。
※4月6日、動画差し替え。


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栃木県那須高原の高校山岳部雪崩事故

 痛ましい事故がまたも起きてしまった。栃木県の高校山岳部の合同春山合宿で、48人の生徒や教師が巻き込まれ、そのうち8人が死亡した。

 NPO法人「日本雪崩ネットワーク」による過去25年間(1990/91-2014/15)の統計(http://www.nadare.jp/assets/cms/Fatalitydata_25years.pdf)によれば、日本国内の平均で1シーズンあたり事故5件、犠牲者9人とのこと。大きな事故が起こればそれで跳ね上がるのだが、1件の事故で8人が亡くなるというのは大変な惨劇である。ちなみに統計の25年間のトータルで、栃木県の雪崩による死者は4人。
 学校や県教育委員会側のコメントは、「経験豊富な引率教員が安全だと判断した」とのこと。要するに「想定外」と言いたいのだろうが、こういう場で使うことに悪いイメージが付きまとうようになってしまったのであえてその言葉を避けているような印象だ。
 また、一言で経験豊富と言っても、何の経験が豊富なのか、という疑問が付きまとう。
 ちなみに、被害者の出た大田原高校のWebサイトの山岳部のページ(http://www.tochigi-edu.ed.jp/otawara/nc2/?page_id=92
)をみると、以下の通り。

----------------------(引用開始)----------------------
県大会
インターハイ予選会(第1位のみインターハイ出場) 8連覇中
関東大会予選会(第6位まで関東大会出場) 3連覇中
新人大会(上位大会なし) 3連覇中
-----------------------(引用終)-----------------------

 最新の情報では、県大会9連覇中とか。一般的なレジャーとしての登山という面だけではなく、大会を目指す体育会系の部活という面も併せ持っている。しかも県内での強豪校。大会出場を見越した登山競技の比重が大きかったのではないか。ちなみに、山岳部のページにこんなことも記述されている。

----------------------(引用開始)----------------------
夏山合宿
平成27年 白馬岳(2932m)第26位  富士山(3776m)日本一
平成26年 槍ヶ岳(3180m)第5位 北穂高岳(3106m)第9位 富士山(3776m)日本一
-----------------------(引用終)-----------------------

 合宿で訪れた山が日本で何番目に高いかということまで書かれている。この原稿を書いた人は、おそらく顧問の教師だろうが、順位へのこだわりが強いように思われる。などというのは穿ち過ぎた見方だろうか。

 ところで、インターハイの登山競技とはどのようなものか。新潟県央工業高校山岳部OB会(http://mtob.sakura.ne.jp/pages/ih/index.html)のサイトに次のように記されていた。

----------------------(引用開始)----------------------
1.安全に登山することのできる体力と歩行技術がある「行動」…40点
2.しっかりとした装備を準備・携行する「装備」…10点
3.テントの設営などを協力して効率よくできる「設営・撤収」…10点
4.カロリーなどを考えた献立で炊事する「炊事」…5点
5.天気に関する知識の習得・天気図を書く「気象」…7点
6.登る山について知る、地図を読むことができる「自然観察」…8点
7.計画を立てる、事後に役立つような行動記録をとる「計画・記録」…10点
8.けがや病気の場合の救急の知識、対処法、医薬品を備えておく「救急」…5点
9.自然に対するマナー、仲間との協調性を持っている「態度」…5点
-----------------------(引用終)-----------------------

 いわゆる「山岳レース」ではなく、総合的な観点で評価されるようだ。審査員は出場者に同行したり、待ち受けたりして、安全で的確に行動できているかを常に監視しているとのこと。また実技だけでなく、筆記試験もあるそうだ。
 ただし、これがは競技であり実際の登山と全く同じということはあり得ないと個人的に思う。強いて言えば、受験英語と実用英語は必ずしも一致しない(無関係ではないが)、と同じようなことがあるのではないか。
 例えば、3.のテントの「設営・撤収」は、同じテントで競わねば競技にならないわけで、当然最新モデルであるわけもなかろう。「時代遅れのテントをストップウォッチでタイムを計られながら、しわなくきれいに張ることを競った」という経験者のコメントもある。
 さらに、高校生が行う競技であるので、もともと安全が確保された状況で行われていることは間違いない。
 そして、上記登山競技は夏山でのもので、雪山では行われない。夏山と雪山は別物で、特に雪崩などは独自の知識や技術(危機管理など)が必要である。経験豊富な顧問は、雪山の経験も豊富だったのだろうか。

 ニュースを見て驚いたのは、「周囲には埋まっているとみられる数人の顔や手足が雪の上に出ているのが見えた」という那須山岳救助隊の副隊長のコメント。雪崩事故が起きてから通報までに1時間ほどがかかり、救助隊が到着したのはさらにそのあと。雪崩事故での死因で最も多いのは窒息死。前出の日本雪崩ネットワークの講演「アバランチナイト」によれば、死因の65パーセントが窒息。さらに埋没時間15分で生存率80パーセント、30分で50パーセント。救助隊が来るのを待っていてはだめで、即座に自分たちで救助活動を行う「セルフレスキュー」が必須である。
 ニュース等では、ビーコン等の装備を持っていなかったこととについて批判が集まっているが、それ以前の問題である。顔や手足が出ていればビーコンはいらない。それでも掘り出していないのだ。

 ところで、一言で窒息といっても雪の中に空気が存在していないというだけではない。たまたま顔の周りに空洞ができて空気が存在しても、胸や腹を圧迫されるとあばらの筋肉や横隔膜で肺を膨らませることができず窒息する。腹が出た人は前かがみになると息苦しい、ということもこれにあたる。
 ちなみに、昨年1月のNHKスペシャル「震度7 何が生死を分けたのか〜埋もれたデータ21年目の真実〜」では、阪神淡路大震災の犠牲者のうち多くは倒壊した家屋や家財道具で胸や腹を圧迫された窒息死であった、とのこと。ちなみに「もしものとき.com」(https://moshimonotoki.com/item1341/)のサイトにそのことが記述されている。

----------------------(引用開始)----------------------
死亡原因は窒息死だった
 地震発生から1時間経つと、当日死亡者の約75%にあたる3,842人が死亡しました。その死因は7%が焼死、90%は倒壊した建物の下敷きとなった圧迫死で、さらに検案書の記録から詳しく調べると、即死を意味する圧死は8%にすぎず、61%にあたる2,116人は窒息死でした。
-----------------------(引用終)-----------------------

 大雪のためあらかじめ計画していた那須岳への登山を中止せざるを得ず、だからと言って何もしないのではなく、何か代わりのことを、と考えたのだろう。生徒だけでなく合宿への費用負担を含めた保護者のサポートに対して答えなければならないという思いがあったのかもしれない。
 ただ、指導経験豊富な教師が、雪山に対するリスクマネジメントやセルフレスキューの知識や技術も豊富だったかどうかはわからない。

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2017/03/29

ホワイトくらます西面滑降

■くらますでございます(山の名は)
 その珍しい山名のせいで、ずっと前から存在を知っていた「くらます」。意識したのは去年、2016年2月11日。快晴の氷ノ山三ノ丸から南方、兵庫・鳥取・岡山の三県境をなす山々の中の峰のひとつに立木のない真っ白な斜面が見えた。スキー場? 方向からして「ちくさ高原」?
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 帰宅後、調べてみるとその山が、「くらます」だった。
 いつか登ってみたい。そして、その真っ白なオープンバーンを滑ってみたい。
 そして雪に恵まれた今シーズン、決行することとなった。
 急斜面と藪のため、登山道は整備されていない。南北に伸びる山頂稜線上の標高約1000mの小通峠(こどれとうげ)に舗装林道がしかれている。くらますは小通峠の北方にある標高1282mであるが、その間には標高1137mの高倉、そして1144mの無名ピークがあり、藪の中のアップダウンを越えなければならない。というわけで、藪が雪に埋もれた冬場の入山する人の割合が多い山だが、小通峠への林道は当然除雪されておらず、西または東の急斜面を登ることとなる。東は、国道29号線沿いといってもいい加地集落から、未除雪の加地林道を延々とたどらねばならない。西は、麓の吉川集落までクルマで入ることができ、積雪期の入山口としてはこちらが主である。
 というわけで、吉川集落からの入山と言うことで計画を練る。標高差は700mあり、登りの遅い私ではラッセルでの登頂は難しい。ということで残雪期を狙うことになる。3月初旬にチャンスがあったが、ボーっとして逃してしまった。そのあと2度ほど寒の戻り。ようやく雪が落ち着いたのが3月下旬というわけだ。
 相方は、2年前に一緒に三ノ丸からくらますを眺めた、すうさん。今シーズンは、ちょうど1ヶ月前の大江山以来の同行だ。 
■おはようございます、くらます
 3月25日5時20分、京丹後の自宅を出発。豊岡市の但東、出石を経由して、7時に養父市大屋町ですうさんと合流。若杉峠、戸倉峠を越えて鳥取県若桜町へ。道の駅「若桜」でトイレ休憩を入れ、岩屋堂へと引き返す。県道72号線を5km南下し吉川集落へ。標高500m程の山間部にあるが、なかなか大きな集落だ。世帯数は30以上ありそうだ。
 途中の戸倉峠の兵庫側などは路肩にまだ1mを越えるような積雪が見られたが、鳥取県に入り周囲の山々を見上げながら「雪はまだあるのだろうか」と不安を感じていた。しかし、吉川に近づくに従いその不安は薄れていった。そして、集落の一番奥の牛舎の先で、車道をふさぐ分厚い雪を見て不安は消え去った。
 固さなどの状態を確かめるために雪の上に乗ってみると、表面は凍てついているがすぐ下の層は緩んでいてツボ脚なら少し踏み抜く。曇天で放射冷却は起こらず、冷え込みは緩めだった。しかし、スキーならラッセルはないだろう。雪から降りたところで転倒。雪解け水が凍りついたブラックアイスバーンとなっていた。
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 今日除雪作業をすることはないだろうが、それでも除雪作業の邪魔にならないように少し間をあけ、もちろん牛舎に出入りする人の邪魔にならないような位置を考えて路肩に駐車。ちなみに我々の1台のみだ。
■おじゃまします、くらます
 出発の準備を整え、雪に埋もれた車道を歩きだす。すうさんはシール、私はステップソールで。当然もう民家はないのだが、すぐに山に入るわけではなく、少し開けた谷には田んぼがあるようで、農作業や山仕事の関係と思われる納屋が見られる。道路のわきに「県管理はここまで」という意味の標識があった。この先は県道でなく沖ノ山林道ということか(もっと先まで県道として表示された地図もある)。その辺りの木々の切れ間から山が見えた。くらますだ。よし、白い!
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 足元の雪面には、ツボ脚、スノーシューまたはかんじき、そしてうっすらスキーのトレースが見られる。スキーは下りのものとみられる。
 谷が狭まりいよいよ山に入り、沖ノ山林道はカーブを繰り返し標高を上げていく。ヘアピンカーブの先端から飛び出しているのがヘンブ谷川沿いの林道。こちらへと入り込む。下りとみられる2人分のスキーのトレースがついている。雪面が凍てついていてステップソールのグリップが弱い。踏まれていないところの方がいいかと路肩に寄ったら、側溝の落とし穴に落ちた。脱出に体力を消耗した。
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 ヘンブ谷川に沿ったダブルトラックは、蛇行の振幅は小さく結構な勾配で直登に近く登っていく。この谷の周辺は、くらますの麓で最も勾配が緩い。いたるところに植林があるので、山の周囲からいくつもの林道が山腹に伸びているが、ヘンブ谷以外は蛇行が激しく距離がかさんでしまう。また下りでも勾配が緩く板が走らない。その点、今歩いているヘンブ谷川の林道は、むしろ下りでのスピード出すぎが心配になるくらいの勾配がある。距離、標高差の両面で最も山頂に近い吉川集落までクルマで入れることと、このヘンブ谷の林道があることが、積雪期にこのルートでの入山が一番多い要因である。
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 さすがに雪解けも進んでいて、コンクリート舗装の路面が顔を出している箇所がいくつかあった。なんとか雪がつながっていて、板を外すことなく進むことができた。
 砂防ダムを越え、勾配が急になってきたところで私もシールを装着。もう雪の切れ目はない。
■急登でございます、くらます
 標高800m付近が林道終点。さあ、ここからは道がない。スキーアイゼンを装着し、スキーの下りトレースにいざなわれるように斜面にとりつく。林道をたどってきたわけだから出だしは植林だ。しばらく登ると植林は終わり、比較的なだらかな雪原に出た。ここは楽しく滑れそうだ。朝は曇天だったが、いつしか青空が広がり、とても明るい雰囲気。期待を胸に上る。さらに行くと落葉樹の疎林となり、ここも十分ツリーランが楽しめる感じ。
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 先ほど道がないと書いたが、国土地理院の地図には林道終点から深い谷に破線が描かれている。我々が登っているルートはその破線の北側。谷の南側は植林。当然自分たちが今いる方が滑降に適しているので、登りでこちらにトレースを目印として付けていくのは正解だろう。スキーの先行トレースはさらに北方に消えていった。我々は、くらますの頂のすぐ南の稜線に向けて直登していくことにする。結局先行トレースを上部で見ることはなかった。
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 しかし、進むにつれて勾配は急になり、木々は密になっていく。振り返ると木々の合間に東山が見える。また周囲には大きな岩が見られる。ちなみに、くらます山頂にある三等三角点の点名は「天狗岩」だ。
 標高1000mを越えたところで正午となり、昼食の休憩。
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 登行を再開するが、勾配はさらにさらに増していく。木々の密度も濃く滑るのも快適ではなさそうだが、斜滑降できるだけの隙間はある感じ。登りでは、長い斜登行で大きくジグザグを描いていく。背後の景色にも変化があり、東山の左の稜線の奥に沖ノ山が顔を出した。
 稜線らしき斜面の端は見えているのだが、なかなか近づかない。あまりにも遅いので、先行したすうさんが、心配して降りてきてくれた。
 ようやく勾配が少し緩んできた。稜線が近い。大変な時間を要して、そして、どうにか稜線に到着。稜線歩きは勾配が緩く快適。東側の展望が開け、右後方に立派な山が見えてきた。このあたりの地理にはあまり詳しくなくてわからなかったが、山頂で地図を見たら三室山だった。さらに前方には大きな氷ノ山も見えてきた。三ノ丸が白い。
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 くらます東斜面に注目しながら山頂を目指す。昨年氷ノ山から臨んだオープンバーンが気になるところだが、稜線の両側に結構立木のない斜面があるようだ。
■ありがとうございます、くらます
 両側が切り立った狭い山頂、標高1282mに到着。雪庇に要注意だ。さすがに急勾配の山だけあって展望がいい。
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 そして立地もいい。兵庫県の標高ベスト3である、氷ノ山(1510m)、三室山(1357m)、後山(1344m)、そして鳥取県の東山(1388m)、沖ノ山(1312m)にぐるりと囲まれている。また沖ノ山の左手の奥には那岐山も姿を見せているし、現地では認識できなかったが東山と沖ノ山の間には遥かに大山を望むことができる。写真には辛うじてその山影が写っていた。
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 ただし、稜線は南北に続き、特に北方はすぐ近くに同じような高さの北ピークがあり、そちらのブッシュにより展望がさえぎられる。北方の扇ノ山はどうにかブッシュの脇に見えた。足元の雪の量が少ないと見えなかったかもしれない。
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 北ピークとの間の鞍部は結構急に見える。お目当ての北ピーク東斜面は目の前だが、もうそちらを滑っている時間はないので泣く泣く諦める。
 登りが遅くてごめんなさい。すうさんのペースなら十分北ピークの東斜面で遊ぶ時間があったはずなのに。まあ、登頂を果たしたのだから撤退ではないよね。
■滑ります、くらます
 シールを外し、登ってきたルートをたどる。狭いので慎重に。そして西斜面へ。重いザラメだが、何とかコントロールできる。最初は少し緩いので何とかターンできたが、急斜面になってくるともうダメ。斜滑降・キックターンを繰り返す。斜面が広いのが幸いだ。少し斜度が緩んできたらすうさんは果敢にターンをしているが、怖がりの私はキックターンに頼るしかない。
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■メリーくらます
 我慢の下りを経て、ようやく斜度が緩み木々が疎らになってきた。登りで楽しみにしていた斜面だ。ここで快適な滑りを堪能。お互いの滑りを動画に撮り合う。
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しかし、楽しい時間はあっという間に終わってしまい、植林帯に突入。何度も転倒。
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 そしてようやく林道に降り立つ。ヘンブ谷の林道は斜度があって板が適度に走る。ぐんぐんと下っていく。雪が切れかけたところを慎重に越え、あっという間に沖ノ山林道との出会い。こちらは斜度がなくて板が走らない。ほんのわずかに登りがあって、そこでステップソール板の本領を発揮するが、そのあとのごく緩い下りではステップが抵抗となり、すうさんのシュプールを拝借しているのに、あれよあれよと引き離される。そういいながらも下りは速く、農作業小屋などの建造物が見えたと思ったら、牛舎が見えてすぐに除雪の限界点。お疲れさま。
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 クルマにスキーなどを撤収して帰路に就く。お目当ての山頂北ピーク東斜面を滑ることはできなかったが、雪は十分あって、登りも下りもずっと板を付けたまま行動できた。滑りもそこそこ楽しんだ。まあ、楽しかったね。
■家に帰るまでがスキー登山です
 戸倉峠、若杉峠を越えて大屋ですうさんとお別れ。八鹿氷ノ山I.C.から北側の日高神鍋高原I.C.まで延伸し、今開通したばかりの北近畿豊岡自動車道を通って帰ろう。大屋・養父の旧町境手前の交差点を琴引トンネルへと左折していくクルマが多い。国道9号線および八鹿へのルートだが、この先の自動車道を使えばいいのに。と思いながら大屋川沿いの県道を進み、養父I.C.で南に向かうすうさんに続いて入線しようとしたのだが。北向き車線には入ることができない、ハーフインターチェンジだった。
 そういうことか。先ほど琴引トンネルへと向かったクルマの中には、八鹿氷ノ山I.C.へと向かうクルマもいたのかも知れない。ここまでくるともう自動車道の利用は遠回りになるのであきらめる。
 出石・但東経由が最速ルートだが、安いガソリン給油するために円山川沿いの一般道を日高に向けて北上。見事に空いている。ところが日高で、複数の消防車、救急車、ドクターカーに遭遇。いずれも血相を変えて叫びながら走っている。帰宅してから調べてみると、なんと自動車道開通直後に立て続けに3件の追突事故。南向きで1件、北向きで2件。そのうち北向きの片方は4台の玉突き。開通直後に、3時間の通行止め。
 自動車道に乗れなくてよかった。やはり、トラブルなく変えるのが一番大事。
■振り返ります、くらます
 この報告を書いていて気になったのは、スキーの先行トレース。下りのシュプールだったが、標高900mから下は我々が上り下りしたコースと同じだが、それより上は北方からトラバース気味に降りてきている。そして山頂付近ではトレースを見かけなかった。
 もしかすると北側のピークから直接下ったのかもしれない。
 我々が登頂した三角点のあるピークが最高点。そのすぐ北(直線距離400m足らず)のピークは、三角点より標高で20mほど低い。その分広くなだらかな雪原となっていて東斜面を目当てに訪れる滑走系登山者ばかりでなく、スノーシューやかんじきでの登山者もその解放感と展望を目当てに訪れるようだ。
 我々は、自分たちが立つ三角点ピークから鞍部への急な下りを見て北ピークをあきらめた。三角点ピークから鞍部までの下りは標高差40m程の急勾配だが、鞍部から北ピークへは標高差20mでしかもなだらか。北に行くと、戻ってくるのに時間がかかると思ったのだ。
 来た道を引き返す、という固定観念にとらわれ、北ピークからそのまま西斜面に下るという発想がなかった。北ピークへといっておけばよかった、と今にして思う。まあ、そういうことを思いつく余裕がなくなったのは、私のスローな登りのせいなんだけどね。
 地図を見れば、我々はヘンブ谷の林道終点からほぼ真東に上り下りしている。ヘンブ谷林道の終点から標高1000m辺りまでは真東直登で正解だっただろう。滑りを楽しめる斜面があったし(あの斜面があるかないかで、今回のスキー登山の満足度は大きく異なる)。問題はその上だ。
 三角点ピークの南西側の標高1050~1150m付近は周辺でも最も勾配がきつい辺りとみられる。標高1000mあたりから鞍部に向けて北東に上り下りするコース取りもあり得る。どっちみち登りは斜登行、下りは斜滑降でジグザグを描いていたわけだから、スイッチバックせずそれを斜めにいけばいい。標高1000より上ならば尾根や谷も浅く、トラバースしやすいように見受けられる。見えている範囲、つまり浅い谷から出ないことにこだわりすぎていたのではないだろうか。特に登りで体力を消耗する方向転換を減らす意味もある。
 もし、二度目があるなら、いろいろ考えてみたい。

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2017/03/21

寒さもスキー場も彼岸まで

 兵庫県北部のスキー場の営業も彼岸まで、というところが多い。ただ、今年の場合は雪が解けて営業できなくなるのではなく、1m以上の雪を残しての営業終了である。ハチ高原や神鍋の万場など1.5mも雪がある。標高が低く例年なら3月になると地面が露出し始めるアップ神鍋も余裕で営業できていた。三連休を過ぎても営業しているのは、奥神鍋とおじろが26日まで、ハチ北高原が4月初めまで。2月中旬、つまりおそがけに大雪が降ったことや、3月の気温の低さが影響しているのだろう。
 丹後の低山もまだまだ白い。大江山連峰など、まだスキーができそうなほどだ。下の写真は、左が千丈ヶ嶽と鳩ヶ峰、右が鍋塚。
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 京丹後市の磯砂山も久次岳も宮津の杉山も、この時期にしては白い。
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 週に一度くらいの割合で寒の戻りがある。15日には終日アラレが降ったりやんだり日が差したりという空模様だった。その前の週は少し積もった。左が3月7日で右が8日。どちらも朝の写真で、夕方にはほとんど解けてしまった。
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 山にはもう少し多く積もったんだろうけど、この時期の新雪はすぐに重くなって快適ではない。今回もそうだったけど、寒の戻りの前にはまとまった雨が降ることが多いので、山の根雪も状態が悪くなる。風の当たる雪面だとアイスバーンになる。まあ、気温が低いと根雪が長持ちするので、長い目で見ると寒の戻りがあるのはいいことだ。今天気が悪くて山に行けない分、残雪シーズンが伸びる。
 大雪の被害もいくつか見られ、ビニルハウス、カーポート(簡易車庫)、農作業小屋などがつぶれているのも見かけたが、天橋立の松並木の枝折れも大変な状況だった。枝だけでなく幹まで折れてしまったものもある。折れた枝が集められて山積みになっている様子は、洪水や地震の被災地の瓦礫を思い出させる。折れたものの皮一枚でつながってぶら下がっている枝をクレーン車を使って落とす作業をしている場面もあった。
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 そんな景色を頭に思い浮かべながら、庭木の雪吊りを外す。この雪吊りも庭園業者にやってもらっていて、結構お金がかかる。去年など雪がほとんど積もらなくて雪吊りをしなくても良かったのだが、今年は実際に役に立ったと言えるだろう。
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2017/03/06

続々冬の播磨遠征「RiverWalker再訪と加西のショートダブルトラック」

 話題は前後するが、碇高原でスキー板が折れた。山で使うメインの板、それもこれからの季節に本領を発揮するステップソールが掘られたものだ。
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 2006年4月に名古屋の店で購入。板を携えて市内の地下鉄や近鉄電車に乗って帰ってきた。本格的な使用は2007年から。思えばずいぶんいろいろな山で行動を共にしてきた。2011年シーズンを終えてから、富山の工房でステップソールの加工をしてもらい、活躍の場が広がった。
 ステップソールと言えば、ダブルキャンバーでターンには不利となる。踏み込んでも、たわみにくいのだ。そこで、元々ステップソールではないシングルキャンバーの板に、後からステップを刻んでもらった。購入から11年。本格的な使用開始から10年。昨シーズンにリーシュが切れ、今シーズンにはビンディングケーブルが切れ、続いて板が折れた。天寿を全うしたといえる。
 ところが、しばらく板を買わないうちに、ずいぶんとステップソールの板が充実しているではないか。それも、歩き重視でなく滑りも行けるようだ。私の知る限りでは、KARHUの「XCD GUIDE」というシングルキャンバーとステップソールを取り合わせたモデルが少し話題になっていたが、いまはKarhuではスキー板を製造していないらしい。
 ところが、Madshusというブランドの「ANNUM」というモデルが、かつてのKARHUの生産ラインをそのまま使ってGUIDEと外装は異なれども、中身が全く同じものを作っているらしい。ちなみに、どちらのブランドもK2の子会社とのこと。
 また、ほかのメーカーでもなかなか積極的にステップソールの板を売り出している。
 2月はじめに訪れた、姫路(香寺)のRiverWalkerという店にいくつも置いてあるようだ。通販でもいいのだが、やはり店頭で現物を見て、店主から話を聞きながら選ぶのがいい。そうだ、ビンディングも持って行ってつけてもらおう。自分でつけるとどうしてもビスが抜ける恐れがある。やはり、素人ではなくプロの技に期待しよう。ちなみにビンディングは切れたケーブルを含め、両方とも新しい物に交換。スペアのケーブル及びカートリッジも購入したばかりなので、まだ使わないといけない。
 というわけで、RiverWalkerへ。
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 元々目をつけていたのは、G3の「Stinger 78XCD」。最近は、ステップソールでもずいぶん板が太い。また、カービングの流行が一段落したのか、サイドカーブは緩くなっている。ロッカースキーにもステップソールモデルがあるそうだ。Stingerはセンターの幅が78mmと店の中のステップソールの板では一番細い。また、キャンバーが少なめで、フレックスも柔らかい。ターンのしやすさについて店主に聞けば、「普通のスキーと思ってもらって結構です」とのこと。これで決定。
 そして折れた板から外してきたビンディングをクルマから降ろし、取り付けをお願いする。うっかりヒールピースを忘れてしまったので、そちらは穴だけあけてもらうことになった。
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 ビンディングの取り付けには2時間ほどかかるとのことなので、クルマに乗って店を後にする。市川を渡って加西へ。西谷町あるいは谷町のあたりで県道23号線の北側の田んぼの中へ。農道にクルマを止める。農作業の車両を止める必要があるため、道路脇にスペースがある。今は農閑期なので誰の邪魔にもならない。
 ここで自転車を下ろす。ランドナーだが、久しぶりにブロックタイヤのホイールを装着。今日はダート走行ありだ。
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 クルマが行き交う県道23号線を左に見ながら、農道をのんびり西へ。畑町の集落の中で北に進路を変え、山間部を目指す。道はダートとなり、獣を避けるフェンスの扉を開けて山に入る。高峯神社の入り口をすぎ、ため池を越えると、木々に覆われた薄暗い道となり、本格的な登りとなる。しかし、その登りも標高差150mほど。少しだけ、南側の展望がある。峠を越えると万願寺川の谷への下り。一気に行く。
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 県道145号線まで行かず、手前の集落の中の道を南東へ。ひたすらのどかな中山間地である。
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 若井町の集落で南に進路をとり山間部へ。やはりこちらにもため池があり、その奥に福祉施設がある。それを越えると道幅は狭くなるが、こちらは舗装が途切れることはない。峠までは標高差100mほどしかない。峠から南は、加西の市街地がよく見える。日が暮れてきているので、町明かりが暖かい。
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 クルマがうるさい県道23号線の手前、集落をつなぐ農道へ左折。すぐにクルマを止めたポイントに戻る。12kmの周回を完了。
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 自転車をクルマに積み込んで、RiverWalkerへ戻る。「できあがってますよ」という声で迎えられ、板を受け取る。また、2月初めには、現金を下ろし損ねて変えなかった小物をいくつか買う。この店は、ビンディングのパーツが豊富にそろっている。普通は売られていないものだが、独自に仕入れているんだそうだ。これは頼もしい。
 満足して、店を後にする。これで今度の土日に山に行ける。
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 というわけで、先日報告済みの大江山連峰千丈ヶ嶽・鳩ヶ峰のスキー登山が新しいスキー板のデビューとなった。
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2017/02/28

大江山連峰千丈ヶ嶽北面鳩ヶ峰東面滑降

 昨年2月の氷ノ山以来のすうさんとのスキー登山。なかなかスケジュールが合わずに2月の下旬になってしまったが、雪の豊富な今年は大江山連峰でもまだ十分スキーができそうだ。鳩ヶ峰と鍋塚は過去に案内したことがあるので、今回は最高峰の千丈ヶ嶽を目指す。ちなみに広義では北から大笠山、鍋塚、鳩ヶ峰、千丈ヶ嶽、赤石ヶ岳の山塊を大江山と呼ぶが、狭義での大江山は主峰の千丈ヶ嶽を指す。
 2月26日7時55分、福知山市大江町の大江山グリーンロッジへ。10人以上の団体が入山の準備中。そのグループのクルマに混じるようにすうさんのクルマを発見。何でも、後から団体が到着したのだそうだ。
 久しぶりに会うすうさんとつい話し込んでしまいがちだが、1台に乗りあわせて千丈ヶ原へ。今シーズンは例年よりも800mほど奥の鍋塚林道分岐点まで除雪されている。その限界点にクルマを停めて、入山準備。
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 8時45分、すうさんはシールを貼って、私は本日デビューのステップソール板で鬼嶽稲荷神社への道を歩く。凍てついた根雪に一昨日の夜から昨日の朝の新雪がうっすら乗っているので、ステップソールが効きにくい。杉林の木洩れ日を拾うように歩く。日が当たると雪が緩んでステップが効くのだ。無雪期にはクルマが通る道には、スキー、スノーシューまたはかんじき、そしてツボ足のトレース。おそらく前日のものだろう。スキーは下りが1人前。
 根雪は締まり新雪は薄い。つまり、ラッセルはなくトレースを追う必要はない。並んでおしゃべりをしながら歩く。徐々に高度を上げ、日当たりが増してステップソールが本領を発揮していく。
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 北原集落から上ってくる道との合流点で由良川の流域が見下ろせた。見事な雲海だ。残念ながら手前のブッシュが邪魔だ。落葉樹なので雲海があることははっきり見えるのだが、写真を撮ると見栄えが悪い。鬼嶽稲荷神社まで、もう遠くないはず。そこからの眺めに期待しよう。
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 スタート地点から70分ほどで雪に閉ざされた鬼嶽稲荷神社に到着。分岐からはすぐだった。晩秋から初冬にかけては、雲海を目当てに朝訪れる人がいるが、道路に雪が積もるまでの話。今日のこの雲海は我々2人だけのもの。ブッシュはなく展望が開けているのだが、少し時間がたって雲海の密度が薄まっている。でも、十分見事な雲海だ。千丈ヶ原を起点として千丈ヶ嶽と鳩ヶ峰を周回する人の多くは、本日の我々と逆コースをたどる。そうすると、鬼嶽稲荷神社は周回の終盤に訪れることになり、この雲海には出会えない。また、スキーの場合には、南斜面を登り北斜面を下る我々の周回の方が滑りが楽しめるのだ。
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 雲海を堪能したら、いざ千丈ヶ嶽へ。ここが夏の登山口。ここから登山道が始まる。いきなり急登のスタートで、急斜面をスイッチバックする登山道へ。急な区間は、登山道を逸れ大きく山肌を巻いていく。念のためにシールを持ってきたが、ステップソールでクリアできた。
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 尾根に乗り上げると勾配が落ち着いていき、そのうちなだらかで明るいブナかナラの落葉樹林を行く。どこでも好きなところを歩き放題だ。そのうち植林帯と落葉樹林の境界を歩き、小さな下りを経て、11時30分山頂へ。いつしか空は薄雲に覆われてきたが、展望が広がる。ただし、なだらかなピークの為、鍋塚や鳩ヶ峰の方が展望では勝る。
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 大江山連峰の峰々はもちろん、隣接している三岳、磯砂山、少し離れて高竜寺ヶ岳、依遅ヶ尾山、金剛童子山、さらには青葉山、神鍋高原のスキー場群、粟鹿山。西の方にぼんやりとかすむ白い山は氷ノ山だろうか。検証の為、いろいろな倍率で写真を撮っておく。
 で、検証の結果、東床ノ尾山の向こうの氷ノ山であった。ちなみに、右は3年前、鳩ヶ峰からの氷ノ山。
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 大江山連峰の中でもすぐ隣の鳩ヶ峰をズームアップして撮影。山頂に誰もいないと思ったが、帰宅してからパソコンで見てみると、2人の登山者がいた。
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 風もないし薄雲越しに日も差しているので、山頂の雪原に腰を下ろしてお昼ごはんの大休止。相変わらず、ずっとしゃべり続けている。鳩ヶ峰方面からかんじきのハイカー2人組が到着。先程撮った写真に写っていた人たちだろう。彼らは、東屋で休憩。結局、山で出会ったのは彼ら2人だけだった。グリーンロッジにいた団体さんはどこに行ったのだろう。
 12時20分、鳩ヶ峰に向けて北尾根を滑降開始。連峰最高峰の北斜面でしかも樹林帯。大江山一帯で一番雪質の良い斜面で2年前には深雪を楽しめた。しかし、半月の間まとまった降雪がないこの日は、しまった根雪の上に、まだ新雪のフレッシュさを保った前日朝の雪が乗っかっているがいささか薄い。板が走りすぎて、何度も木にぶつかりそうになる。
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 どうにか鞍部へと標高差150mを滑り降りた。鞍部は、地面が露出しているので板を外して歩く。ここはいつも雪が薄い。少し歩いて鳩ヶ峰への上り返し。標高差は50m程。私はステップソール、すうさんは比較的雪が締まっているのでつぼ脚で。
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 13時15分、鳩ヶ峰へと到着。いつの間にか空は雲に覆われ風も出てきた。千丈ヶ嶽で大休止を取ったのは正解だった。鍋塚はまだらに地肌が見えている。基本的に南向き斜面はもうダメ。
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 13時45分、滑降開始。鳩ヶ峰の東斜面へ。午後には雪が悪くなることが多いが、曇天のお陰かいい状態だ。千丈ヶ嶽北尾根と同じような雪質だが、障害物が内分自由に滑れる。今日一番の滑降だ。
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 しかし、楽しい時間は短い。あっという間に雪が湿って重くなる。春の重い雪に苦労しながら、杉の樹林帯を何とか林道へ。その林道を越えて、鳩ヶ峰東尾根へ。尾根の北斜面をトラバースする形で行くため、雪はいい。ただ、ひたすら斜滑降とギルランデで、ターンの楽しみはあまりない。
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 やはり楽しい時間は短く、鍋塚林道に降り立つ。1km足らず林道を滑って、千丈ヶ原にゴール。全体的に、春の雪だった。
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 さあスキーをクルマに積み込み、800m移動。例年の除雪の限界点へ。ここは鳩ヶ峰が見えるポイント。1時間前につけたシュプールを眺める。
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 そして大江山グリーンロッジへ3km移動。すうさんのクルマは、またも大勢のハイカー達に囲まれている。朝入山準備をしていた団体が、今度は下山して帰宅準備中。あっ、その中の一人が知り合いだった。聞けば、初めてのスノーシューで鍋塚へ行ってきたそうだ。どうりで、出会わなかったわけだ。
 すうさんと別れて、帰路に就く。宮津市街で雨が降り出した。家に到着してしばらくしたら雨が止んだ。まだ17時過ぎで明るいので、自転車で少し走ろう。するとコウノトリに遭遇。ちなみに前日も遭遇したのだが、別の個体かな。詳細は別の記事に。
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 そうだ、コメをつきに行かなければならなかった。自転車からスーパーカブに乗り換えて精米所へ。今日は、自動車、スキー、自転車、オートバイといろいろ乗った。さすがに疲れていて、30kgの米袋がいつもより重く感じられた。

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2017冬の思い出動画集

 2月も今日で終わり。マスコミは「最強寒波」を乱発。1月中旬「小寒寒波」、下旬「大寒寒波」、2月中旬「建国記念寒波」と最強寒波が群雄割拠。ちなみに寒波の名称は、こちらで勝手に命名。雪がたくさん降ったけど、短い冬だった。

●1月の大江山連峰鳩ヶ峰のスキー登山


●1月の氷ノ山スキー登山


●2月の播磨の峰山高原と丹後の碇高原のお手軽スキー登山


●ゲレンデスキー


●車載カメラ。前のクルマが反対車線を逆走。あわや、対向車と正面衝突。

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2017/02/25

碇高原でスキー板が折れた

 18、19日の土日にはどこか山に行く話もあったが、どうも天気がすっきりしないので見送り。ところが日曜は朝のうちは曇天で山は雲に隠れていたものの、急速に天候が回復。午後は、春のような日差しが降り注ぐ陽気となった。
 ということで、先週に引き続き碇高原へ。路面の雪はなく、道幅も広がり、20kmを30分で到着。
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 まずは手掘りステップソールの板を装着。先週のトレースがうっすらと残る牧場のダブルトラックを上る。標高差100m余りを上り、笠山三角点へ。神鍋高原のスキー場のゲレンデがうっすら確認できる。先週は雪で真っ白だった宇川河口部の平野も田んぼの茶色。そして波で真っ白だった海も、今日は青い。一通り景色を眺めたら滑降。さすがに大雪直後の雪質ではないので、先週ほどの快感はなかった。登り返してもう一度滑るほどではない。次の斜面へ。
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 随分雪解けが進んで、地面がかなり露出している。なんとか雪のつながったエントリーポイントを見つけ、そちらへ移動。斜面に向けて方向転換しようとするが、なぜか右のスキーのテールが引っ掛かってうまくいかない。おかしいな。雪面から持ち上げているはずなのに。何度かトライするとメリメリと妙な音が。これは・・・・。
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 板が折れていた。3週間前に氷ノ山でケーブルが切れた、そのビンディングがついている板。どうやら、あちらこちら限界に来ていたようだ。
 板は首の皮一枚、ならぬ滑走面のソール一枚でつながった状態。斜面には下りず、ダブルトラックを下る。下りだが板が走らない。勾配が緩く、雪も滑りが悪いのだが、ステップソールの影響も大きいようだ。特に、折れた方の右の板はキャンバーがなくなったのでステップソールが強く雪面に押し付けられている。せっかく上った標高差を歩いて下るのはつらい。笠山直下だけでも滑れてよかった。
 でも、今週は山に行かなくて正解。ショートコースの碇高原で折れたことは、不幸中の幸いだった。というわけで、すぐにクルマに戻ることができた。
 さて、板は折れたが心は折れていない。クルマの中には太い板(ファットスキー)がある。そちらに交換だ。これはステップが刻まれていないので、シールを貼る。板は太くて重いしシールだし、板の違いによる軽快感の違いを痛感する。1本目のトレースをたどっても、2本目の方が足が重い。
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 先ほどエントリーしようとした斜面の手前、一番下の斜面にエントリーポイントでシールを外す。さあ、滑るぞ。若干クラスト気味なのと、日差しで雪が緩んで比較的柔らかいということの境界線。新雪用の太い板だが、鮮度の落ちた雪でも何とか楽しめた。最後は排水溝を越えることができるかどうか。越えられなければ窮屈な場所を滑り、さらに板を担いでの歩気が少し長くなる。スノーブリッジは穴だらけだが、ブリッジがつながっている部分を選んで慎重にチャレンジ。何とか排水溝の落とし穴には落ちなかった。ただし、トレースの部分は新たに穴が開いた。
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 道路に面した雪原を歩いていると、通行するクルマがスピードを緩めてこちらを見ている様子。大雪だった先週と違って、今日は数台のクルマが通り過ぎって行った。
 クルマに戻ったが、やっぱりもう一本行くことにした。最後は、一番手前の短い急斜面。先週も最後に滑ったところだ。そして、ここは車道からもよく見える斜面。シュプールを刻んでおけば、数日はアピールできる。
 再びシールを貼ってダブルトラックを上る。すぐにエントリイーポイント。先ほど滑った斜面がよく見える。シュプールがいい感じだ。また、足元には先週のシュプールもうっすら残っている。雪はかなり薄くなって、しかもクラスト気味。ブッシュなどで凹凸のある部分を避けて、平らな雪面を選んでターンする。短い急斜面なので一瞬で、フィニッシュ。ああ楽しかった。
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 さて板をクルマに撤収して、帰路に就く。山でメインに使っている板が折れてしまった。しかもこれからの季節に活躍すべきステップソールの板。ああ、どうしよう。

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