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2021/08/15

台風の温帯低気圧化そして前線停滞

 まずは、このたびの豪雨で被災された方々にお見舞い申し上げます。

 盆を直撃した豪雨により、西日本から東日本各地に川の氾濫、土砂崩れ、家屋の浸水など大きな被害が出た。梅雨末期のような状態の前線停滞で、特に2018年7月に西日本を中心に災害をもたらした豪雨の時に似ている、とのことだった。豪雨当日までの数日間の天気図を比べてみた。

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 確かに共通点があった。台風が九州に上陸して、西日本から東日本へと日本列島を縦断していく途中で温帯低気圧に変わり、その軌跡に前線が停滞する、というパターン。

 まず、台風は南海上から湿った暖かい空気を運んでくる。日本列島は大雨の材料である水蒸気が漂った状態となる。

 次に、台風が温帯低気圧に変わったこと。このことを伝える気象キャスターは「勢力が弱まるわけではありません」と説明していた。勢力が弱まるのではなく、低気圧の種類が変わったのである。

 そもそも台風は、熱帯低気圧。中心付近の風速が基準値を超えるものを台風(南太平洋で発生するもの)と呼び、それ以外を単に熱帯低気圧と呼ぶ。以前は、台風以外の熱帯低気圧のことを「弱い熱帯低気圧」と呼んでいたが、誤解を招くので「弱い」という表現を外した。熱帯低気圧のうちで勢力が強いものを台風と呼ぶわけで、台風が熱帯低気圧に変わったら勢力が衰えたということになる。

 では、台風を含む熱帯低気圧と温帯低気圧との違いについて。台風など熱帯低気圧は、暖気の中に存在する。暖かい海水面から発生する水蒸気がエネルギー源である。それに対し、温帯低気圧は、暖気と寒気の境目に発生する。温度の異なる気団が混ざり合う力がエネルギー源である。

 台風は上陸したり、太平洋ほど水温が高くない日本海に出たりすると、エネルギー源の水蒸気の供給が落ちるため勢力を落とす。ところが、温帯低気圧に変わることで、勢力を維持、あるいはさらに強めることになった。

 台風が温帯低気圧に変わるということは、日本付近まで寒気が南下してきているということである。暖気と寒気の境目には前線が発生しやすい。熱帯低気圧が発生し台風に発達、そして日本に上陸するほどに、日本のすぐ南の海上は温まっているにもかかわらず、日本付近まで寒気が南下した状態。つまり、暖気と寒気が強くせめぎあっている。そこへ大量の水蒸気が供給された。

 さて、少し時を戻そう。8月3日に京都府北部に大雨洪水警報が出るほどの雨が降った。この時、明石海峡から丹後半島へ、南北に、それも東経135度、日本標準時子午線に沿った線状降水帯ができていた。日本の南海上には4つの温帯低気圧が並び、特に潮岬の少し南の温帯低気圧が暖かく湿った南風を送り込んでいる状況。一般的に日本海側は南風では雨があまり降らないのだが、線状降水帯ができると南風でも大雨が降るということを認識した。

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 日本の南海上に並んでい熱帯低気圧は、台風へと発達し、いくつかが日本に上陸するわけだ。大量の水蒸気が運び込まれ、前線が発生、活発化。上陸前にも通り過ぎた後にも、半月、あるいはそれを越える期間にわたり大きく影響を与えることとなった。

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