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2021/06/03

島根半島と美保関(伯雲の境4)

 境港・美保関エリア、伯雲の境シリーズ4度目の遠征。今回でファイナルの予定。5月も下旬となり、すっかり初夏の装いの大山。ひと月半前は白かったのに。
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 例によって米子で腹ごしらえ。慣れてきたとはいえ、今日も少し迷走の末「今を粋ろ米子店」に12時半ごろに到着。入り口に席が空くのを待つ人影が見られるが、どうにか駐車場は1台分空いている。と思ったら初心者マークのクルマが枠線をまたいで止めていて十分な間隔がないではないか。2台分占拠というわけだ。おいおい、勘弁してくれよ。でも、すぐに店内から客が出てきて別のスペースが空く。11時半の開店直後にどっと押し寄せた客が、12時を過ぎると順次店を去り、その後回転率よく客が入れ替わる。これまでに学習した通りに事が進む。店内に入ると、待合席に先客2名だが、すぐに彼らに続いて席に案内される。今日はつけ麺だ。もちろん、野菜は増し増し。今日も満足。
 食後、もう一軒寄り道。今日は携帯用のポンプを忘れてきた。大型のフロアポンプは常時クルマに積んでいるのだが、これを自転車で携行するわけにはいかない。パンクした場合のことを考えると、空気入れを持たずに走る勇気はない。エンジン付きバイクに常時積載の2個を含め、全部で6~7個の携帯ポンプを持っている。よく乗る自転車には常備していて、あと小型のものをクルマにも積んでいた。が、その小型のものが数ヶ月まえから行方不明。どこかで落としたのかもしれない。その代わりのものを買おう。「今を粋ろ」でラーメンを待つ間に調べた店へ。スマートフォンがあるから、通り道にある店を探し出し、ロスなく行ける。約3000円の、小型で、米英仏3通りのバルブに対応した携帯ポンプをゲット。
 というわけで、境港へ北上。さらに境水道大橋を渡って、島根県松江市美保関町へ。橋のたもとの広場にクルマを止めて自転車を準備。今日は、20インチの折畳小径車2号。昨年10月の北海道利尻島以来7か月ぶりの出番。ずっと懸案だった、美保関をと今日はいくぞ。
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 まずは、美保関とは反対方向へと境水道沿いを走りだす。強い西風を真正面から受けて進む。常時20km/h未満。時折吹く突風で10km/h台前半まで速度が落ちてしまう。ここは前々回、つまり2回目の遠征で走っている。ひと月と少し前に見た景色の復習だ。
 岬越えの小さな峠をトンネルで越え、境水道から中海沿いの道をしばらく進んだところから分岐を左にとって中海の堤防道路へ向かったのが前々回。今回はその分岐を直進して少し進み、右の道へハンドルを切る。ここから、島根半島北岸へ向けての峠越えだ。というわけで登り坂だが、向かい風から解放されて、むしろ楽に感じる。しばらくは県道152号線。標高50m余りでピーク。下ると県道37号線に突き当たり、右へ。もう一つ同じような標高差のピークを越えてようやく北岸へ。深い入り江に面した小さな漁村集落。島根半島の北岸は、リアス式海岸で、こうした入江の集落と、半島越えの峠が交互に現れる。待望の追い風を受けて快調に進む。
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 境水道側と比べて集落の間隔は大きく、道行くクルマはほとんどない。やっぱり走るならこういう道だね。しかし気がかりなのは、空模様だ。霞こそ深かったが、走り出したときは青空から日差しが降り注いでいた。ところが、急速に雲が広がり小雨が降りだしてきたではないか。まるで、1回目の遠征の時のような急速な天気の急降下。幸い、ツーリングを中断するほどの雨脚にならずに止んでくれた。まあ、この場で雨が強まってもクルマに戻るまで走らねばならないわけだが。
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 入江の集落と半島越えを2つずつこなしてたどり着いたのが七類。北岸で最大(多分ね)の集落で、隠岐への航路の発着港だ。それまでの漁港とは異なる、広大な敷地のフェリーターミナルへ。隠岐を訪れたのは、2005年8月。その時は境港発着の航路を利用したので、島根半島北岸を訪れるのは今日は初めて。
 写真を撮ろうと自転車を止めてカメラを構えたら、突風にあおられて無人の自転車が走りだし、すぐに転倒。いくら吹き曝しとはいえ、すごい強風だ。
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 七類を越えるとさらに集落がまばらになる。これまでより大きめの半島の峠越え。登りの途中でまた雨が降り出す。今度は結構強く降ってきたぞ。その代わり、追い風による強力なアシストを受ける。登り坂なのにペダルが軽い。
 次の入り江では海岸まで下りずに高度を維持しながらその次の半島も超える。要するに集落はないのだ。そして次の入り江が、法田集落。さらに東へ。島根半島北岸の道は集落まで下りずに、家並みを上から見下ろして内陸に向かう。これまでの集落もそうだったが、赤褐色の屋根瓦の家が多い。石州瓦というやつだ。島根県に来たことを実感する。
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 雲津集落を見下ろしたら、峠を越えて美保湾側へ向かうことにする。クルマのすれ違いが難しい細い道だが、クルマには出会わなかった。けれど登りがなかなか終わらない。もうすぐ美保湾のはずなのに。北岸と美保湾側の内分比が3:1、といったところに位置する長浜越。当然美保湾側はつづら折れの急降下。
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 少し前から雨は小康状態となっていて、稜線の南側は北側よりも空が明るい。とにかく今日は美保関へ行こう。美保湾岸に降り立ったら、ハンドルを左に切る。またも追い風、スピードが上がる。ただし、後でこの道を引き返すことを考えると気が重くなる。日本海の荒波の影響はあまりないらしく、海沿いの平坦な道が続く。
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 小さくて深い入り江の奥の美保関集落へ。山に囲まれた深い入り江は、風がさえぎられてこれまでが嘘のように穏やか。波も穏やかで、さらに干満差も少ないらしく、水面と変わらぬ高さに道路があり、山側に建つ1階がガレージとなった建物は、遠くから見るとまるで舟屋のように見える。美保神社の参拝は、復路にして、今は美保関(集落ではなく岬の方)を目指そう。ここから岬への2kmは登りとなる。ちょっと安心。これなら復路は下りで、万有引力を味方につけて、向かい風に立ち向かうことができる。
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 美保関を訪れるのは確か2回目のはず。初めて訪れたのは、1992年の2月。もう30年近く前だ。その時は自転車ではなく、クルマで訪れた。当時はまだデジタルカメラもGPSレシーバもなかったから、簡単に記録が探し出せない。銀塩カメラで撮った写真があるはずなので、家に帰ってからアルバムをあさるしかない。
 岬の広い駐車場にはクルマが1台止まっているが、人影は見えない。白い灯台と日本海を眺める。以前雨は小康状態で薄日が差しているが。大山は深い霞で見えない。弓ヶ浜がうっすらと見える。
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 さあ、時間が押している。クルマに戻ろう。美保関集落までは下り坂。入江の趣きある漁港と集落。古い木造の旅館。そして美保神社参拝。感染症予防のため、手水舎には使用禁止の張り紙。代わりにアルコール消毒液で手を清める。
 そして青石畳通りへ。その名の通り石畳が敷かれた狭い通り。両側には木造の建物が並んでいる。何となく、伊根などの舟屋集落の道を思い出す。帰宅してから調べると、かつては一本内陸にあるこの石畳の道が本通りだったそうだ。ということは、波打ち際の車道は後からつけられた道。やはりここは舟屋が並ぶ集落だったのではないか。
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 さて、美保関集落からは、向かい風との真っ向勝負。海辺に佇む2頭のヤギに癒されながら、境水道大橋を目指す。美保関集落のすぐに死のう岬は小さな漁港のある入江。その中にまた小さな入り江があるが、道は入り江をふさぐ堤防の上を行く。入江の中の入江の波打ち際には舟屋風の建物。堤防に開けられた狭い出入り口で美保湾と行き来できる。長浜越からの合流点を過ぎ、境水道ぞいの福浦集落も同様の堤防道路。
 福浦からはすぐにクルマを止めた広場に到着。その寸前にパラパラと雨を感じたと思ったら、一気に雨脚が強まる。急いでクルマに自転車を押し込むが、かなり濡れてしまった。そのせいで、クルマのウィンドウが曇る。あと、気温も一気に5度くらい下がって、クルマの内外の温度差も曇りを濃くする要因だ。
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 それでも4度目の正直で、美保関再訪達成だ。思えば初回の遠征からもうひと月以上が経過している。4分の3で最後雨に打たれるパターンとなった。まあこれで、今回の遠征シリーズも一区切り。当分ここまで来ることはないだろうから、思い残すことはなく岐路に就きたい。だから雨の中もうひと踏ん張りだ。数時間前自転車で走った道を今度はクルマで走る。境水道を西へ。中海にたどり着いたら、ひと月前に自転車で走った堤防道路で江島、そして大根島へ。1回目と2回目の遠征で訪れた通称「ベタ踏み坂」の江島大橋を撮影するのだ。もちろん、過去の遠征でも写真は撮った。けれど、ベタ踏み坂が最も映える地点での撮影をし損ねているのだ。それは大根島の最北端付近。ちょうど橋の延長線上にある地点だ。ここからだと中海越しに橋が見える。距離があるので望遠で撮影することになるが、そうすると遠近感が弱まり、ベタ踏み坂がまるで壁のようそびえる急勾配に見える。雨で見通しが悪くなるのでもうあきらめようかとも思ったが、やはり心残りなく帰りたい。というわけでどうにか撮影成功。雨も小降りになってくれてよかった。あとは、また4時間かけての帰り道。

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