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2020/09/14

三川山と天空の集落三原

 兵庫県北部但馬地方の三川山は香美町香住区と豊岡市竹野町、そして豊岡市日高町の境をなす山。蘇武岳、但馬妙見山へと連なる山脈の北部に位置している。1km足らずの距離を置いて、標高917mの最高峰と、888mの三角点ピークが南北に並ぶ。両方の山頂にはたくさんの無線アンテナの施設があり、要するに周囲から目立つピークとなっている。周囲からいくつものダブルトラックがつけられ、四輪車での登頂も可能だ。ただし、急勾配の悪路であり、実際にクルマで通れる状態に維持されているダブルトラックは限られている。そんな三川山を自転車や積雪期のスキーで訪れていたのはもう10年以上前。久しぶりに行ってみた。
 豊岡市竹野町の三原集落を周回の起点・終点とする。国道178号線から竹野川沿いを6km以上さかのぼり、さらに急勾配を登った傾斜地に位置する天空の集落だ。標高は300m前後。集落から南へ。棚田を抜け、林間に入ったところにスペースを見つけクルマを止める。
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 本日の自転車は、ブロックタイヤ装着のランドナー。ダートのダブルトラックと舗装路が入り交じったコースにはこれが最適と思っている。
 まずは、今まで来た道をさらに南に進む。路面は舗装。道に沿った流れは、竹野川の上流部だ。道は西へと向かい、竹野川を渡って南へ。登りが徐々にきつくなる。竹野川を渡ると、舗装は終わり、ダートとなる。ガレた道だ。さらに勾配が増し、標高を上げていく。急勾配区間はコンクリート舗装だ。道中何度もシカの群れを見る。ほとんど展望はないが、三原集落が見下ろせるところがあった。
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 今は合併して豊岡市となったが、かつて竹野町と日高町を分ける尾根へと登る。最高地点の標高は640m。
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 日高町側へと下る。ガレているのであまり飛ばせない。三叉路に出た。神鍋高原の水口集落から三川山へと登るダブルトラックに突き当たった。神鍋高原からは、蘇武トンネルの脇の稲葉集落からと、この水口集落からの2本のルートがあるわけだが、おそらく稲葉集落からの方が路面状況はよい。四輪車なら稲葉から。水口からの道は、ガレや溝の掘れ方が激しく、コンクリート舗装との境目が段差となっている。
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 ブッシュの合間に広い田園と点在する集落が見えた。三原集落より広い。神鍋高原だ。手前は北神鍋のゴルフ場。
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 どうにか山頂部に到着。分岐を左にとり、917Pへ。無線アンテナの施設が並んでいるが、ブッシュに囲まれているので展望はない。分岐に戻り、今度はもう片方の道をたどる。こちらは、888Pへと向かう。下りを気持ちよく走っていたらいきなり前に転倒。下あごを地面に打ち付ける。今までにも前輪が段差や木の枝などを越えられずに自転車が前転したことはあったが、ハンドルを乗り越えて体だけはなんとか着地していた。今回は、なすすべなく地面に倒れるのみ。精神的なショックを感じながら、体を動かしてみる。腕も脚も動く。幸い大きな怪我はしていないようだ。歯で口の中を少し切っているが、外からわかる怪我はないようだ。マスクで隠れるとはいえ、顔の怪我は恥ずかしい。
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 立ち上がり自転車を起こす。むむむ、前輪が回らない。前輪のスポークの間に木の枝が入り込んでいる。これが原因で前輪がロックしたようだ。そしてその枝が、泥よけのステーに当たり、ステーを押し曲げている。そのせいで泥よけが前輪に干渉しているのだ。木の枝を抜くには前輪を回さないと行けないが、木の枝のせいで回らない。デッドロックの状態だ。とにかく、自転車を走れるようにしないとこの先の行程がこなせないので、強引に車輪を回して枝をホイールから外す。そして変形したステーを伸ばすが、まだ車輪が回らない。泥よけも変形している。力ずくで泥よけを曲げて車輪への干渉を少なくする。多少こすれながらも、どうにか車輪が回るようになる。車輪そのものは、変形等がなくて幸い。スポークも折れていない。乗車できそうだ。
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 だんだんと空が暗くなってきた。元々曇天の空模様だが、夕方から雨が降る予報。もうすぐ降り出すのかもしれない。2009年には同じコースを走っているが、その時よりもずいぶん時間がかかっている。豪雨が頻発し、林道の荒れ方の進行に整備が追い付いていない、というよくあるパターンがここにも当てはまる。そして転倒が追い打ちをかけた形だ。
 気持ちは焦るが、あまり進めない。動けないほどの大きな怪我はないが、手や脚のあちこちに打撲と擦り傷ができている。その中で最もダメージが大きいのは右手首。右手をついたおかげで、顔面を地面に強く打ち付けずに済んだようだ。体を支えるだけでも手首が痛む。さらに、ダートの路面からの衝撃が右手首を襲う。さらに握力も奪われていて、フロントブレーキをかけることができず、リアブレーキのみしか使えない。変速はどうにかできるが、かなり苦痛だ。ダウンチューブのWレバーでよかった。手首を使わず、腕全体の力でレバーを操作すれば、何とかシフトチェンジできる。ただし、その動作はもちろん、ハンドルから手を持ち上げるだけで手首を曲げる角度が変わり、痛みが走る。下り基調でシフトチェンジがあまり必要ないのが幸いだ。右手首以外の怪我は、走りに影響なかった。
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 917Pと888Pの中間あたりに、東へと向かうダブルトラックが分岐している。これで三原へと下る。ダートの道はこちらも荒れていて、ガレていたり木の枝が散らばっていたり。先ほどの転倒がトラウマとなり、車輪を止めてしまうほどの強度のない細い枝でさえ怖い。おかげでスピード控えめで、フロントブレーキなしでも大丈夫。三原へのダブルトラックは主稜線から東に分岐する支尾根にあるのだが、序盤には871P、823P、743Pと並ぶ小ピークの手前で少しの登り返しがある。シフトチェンジが苦痛なので、自転車を押して登り返しを越える。
 途中ぱらぱらと雨が降る時間帯があったが、本降りにならずに小康状態となる。路肩に丸太が横たわる区間もある。道路をふさぐ倒木を処理してあるようだ。一応最低限の整備はされているようだ。
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 尾根の末端まで進んだら、ヘアピンカーブの連続で高度を落とす。丸太の運び出しの重機が数台置かれていた。そこから路面状況が良くなり、少しスピードが出せる。ほどなく道路脇に田んぼが見られ、さらに進むと木々の合間から三原集落が見下ろせた。山間であるが、なかなか大きな集落。斜面の集落のため、田んぼや家屋の周囲には石垣が見られる。稲刈りはおおかた終わっているが、後処理などの作業もあるようでその後片付けをして帰宅する人の動きも見られる。
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 斜面集落を上から下に下り、次は水平移動。南側の棚田を抜けて駐車ポイントへ。
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 日常生活に最も支障をきたしたのは右手首。それ以外は、口の中の傷が飲食の際に少し痛んだこと。顔面に外傷がなかった。その代償が右手首に行ったわけだが。右手首の痛みのピークは翌日だった。さらに右腕付け根部分の胸の筋肉痛。右手をつっぱった時の火事場のくそ力のせいだろう。骨格や筋肉を損傷しないよう制御しているリミッターが緊急時には解除されるのだ。その後、筋肉痛や口の中の切り傷はもちろん、右手首の痛みも日に日に回復。大事に至らなくてよかった。フロントの泥除けは、まっすぐに直すのは無理かもしれない。

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コメント

 枝が車輪に挟まるトラブル怖い。前輪が枝を踏んだ拍子にスポーク間に入ってしまうのでしょうか?
 手をとっさについて身を守る代わりに手首を痛めるのは、想像がつきます。自分も山スキーで前のめりにコケて手をついたら、衝撃が手首を越えて肩に来た。痛くて腕が上がらないのにバドミントンやって、挙句の果てに筋断裂を起こした苦い経験があります。気をつけてください。

投稿: すう | 2020/09/25 07:51

 右手首のけがは、TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷:Triangular Fibrocartilage Complex損傷)に当てはまると思います。
     https://medicalnote.jp/diseases/TFCC損傷
 発症から半月でかなり癒えてきているので、そう重い症例ではないのかもしれません。ドアノブや水道の栓をひねったり、タオルを絞ったりすることは、1週間もしないうちに問題なくできるようになりました。床(畳)から立ち上がったり座ったりするのに体を支えることは、まだ痛みが出てしまいます。もちろん左手で支えるわけですが、今回改めてこういう場面で常に右手に頼っていたことに気づきました。これを機に、左手を意識して活用するようにします。
 尺骨関連ですが、左手の尺骨神経麻痺は、ほぼ完治といっていい状態です。琵琶湖一周から3ヶ月余りが経過した8月下旬、北海道の旅から帰って「そういえば左手の小指がほとんどしびれていないな」と気づきました。そろそろ、4ヶ月間ほぼご無沙汰だったドロップハンドルを解禁ですね。

投稿: はいかい | 2020/09/27 22:23

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