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2020/08/27

北海道一周30ヶ年計画「最西端」補完の旅(1)

■飛行機からフェリーへ道北から道南へ
 舞鶴からのフェリーに、バイクの日(8月19日)にバイク(折畳小径車)を積んだバイク(250CC自動二輪)とともに乗り込む。乗船待ち行列に自転車はなく、自動二輪が6台。クルマも夏とは思えない少ない台数。夏やGWといった混雑する時期は、出港予定時刻の90分前までに港に来るようにとのことだが、この日の乗船開始は出港予定の20分前の23時半。さらに貨物の積み込みがなかなか終わらず、23時40分を過ぎてようやく乗船開始。出航は予定より20分遅れの翌0時10分。
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 今回の旅はフェリーで行くか飛行機にするか直前まで迷った。舞鶴港フェリーターミナルまで車や自動二輪で1時間ちょっとのところに住んでいるので、ずっとフェリーばかり利用していて、飛行機についてはあまり考えたことがなかった。今回降雨県の価格比較サイトをチェックしていると、LCCの安い航空券が提供されていることを知った。関西の各空港から新千歳空港まで1万円を少し超えるくらい、あるいは6千円前後というものもある。ただよく見ると、1万円の方は受託手荷物込みの値段で、6千円台の方は受託手荷物の料金を加算すると、結局1万円を少し超えるくらいになる。それで、舞鶴から小樽までの旅客のみのフェリー料金と同等。自転車の料金分だけLCCが安いといえる。残念ながら、国内線航空券は「Go To トラベルキャンペーン」の対象とはならないが、格安航空券が出発前日まで売れ残っている状況は、この夏のだからこそ。これまでは少なくとも1月以上前には売り切れていたと思われる。来年以降はどうなるか。客足が戻るのか、それとも戻らないのか。もし戻らないなら、さらに飛行機は減便されるように思われる。需要が減れば、供給も減るということだ。今年は、飛行機も千載一遇の大チャンスなのかもしれない。
 さらに、北海道のどこへ行くかということも、二転三転した。初めに行きたいと思ったのは利尻島。とほ宿「利尻うみねこゲストハウス」に泊まって、自転車で利尻一周をすると記念品がもらえる。10年前に利尻一周は走破済みだが、記念品をもらうには、一周だけでなく4つの坂道を登ることが条件として加わる。坂道はまだ未経験だし、なによりこうした企画を用意してくれている「うみねこ」に泊まりたい。そんなことを思っていると、サロベツ原野のとほ宿「あしたの城(じょう)」のブログに宿主、城さんが自転車を手に入れご機嫌で乗っている、という報告が。せっかく道北に行くんなら城さんに「自転車ゲットおめでとう」を言いに行こうか。利尻だけなら、新千歳で乗り継いで利尻空港まで飛行機で、と思っていたが、サロベツに寄るなら、片道の道内はフェリーと陸路ということになる。宗谷本線は便が少ない。それに高速バスの方がかなり安い。と計画を立ててみたものの、新型コロナウィルス感染症のことが頭に浮かぶ。バスにせよ鉄道にせよ、サロベツから札幌まで片道5時間。もし車内に感染者がいたら。幸いこちらへの感染がなくても、濃厚接触者とみなされたら旅の後の社会生活に支障をきたす。そんなふうに考えたら、いくら搭乗時間が短いとはいえ、飛行機も怖くなってきた。自走が一番リスクが低い。ということで、昨夏と同じく、自動二輪をトランスポーターとすることにした。北海道まではフェリーに乗らないといけないが、空間が広く、今年は乗客も少なくソーシャルディスタンスを考慮した船室の割り振りをする、とのことだからリスクは低いと思われる。それにそれに、夜行フェリーはGoTOトラベル対象だし(ただしこの時点では認可申請中)。
 そうなると日程的に利尻は無理。必然的にあしたの城が残った。まずはWebページでフェリーを予約。たいがいは、空き状況を確認しながら飛び込みでチケットを買うが、GoToトラベルの手続きのためには予約しておくことが必要らしいので、念のため予約しておく。そして、あしたの城へ予約の電話。なんと団体客が泊まるので貸切、と断られた。Webページを見れば、この夏唯一の貸切。なんてこった。完全に目的を見失った。北海道のどこに行けばいいんだ。何をすればいいんだ。実はこれは出発当日の話。それもすでに夜。深夜のフェリー乗船時刻が刻一刻と迫る。もう道北である必要はない。とにかく地図をにらむ。
 瀬棚の尾花岬に目が留まる。あ、これだ!
 昨夏、一応の完結となった「北海道一周30ヶ年計画」。渡島半島の日本海側、通称「追分ソーランライン」は2013年のゴールデンウイークに走っている。その時は、国道229号線を江差から岩内へと走り、尾花岬の海岸線を走る道道740号線を走らなかった。その道道は長い間尾花岬付近で行き止まりとなっていたのだが、2013年4月24日に道道が全線開通したことを後で知った。訪れる1週間前に開通したことを、知らずに旅していたのだ。しかも、尾花岬は「北海道最西端」という要所。必ず行かなければと思いながらも、忘れかけていた。この7年越しの懸案を解決するチャンスが巡ってきた。
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 サーモグラフィによる検温を経て乗り込んだフェリーは、夏とは思えないほど空いていた。バイクの日なのに、自転車はゼロ。オートバイは6台。神戸ナンバーが2台、あとは熊本、姫路、なにわ、そして私の京都ナンバーが1台ずつ。一番安い、ドミトリー形式の船室も、定員10名の1室に1名ずつ。事実上の個室だ。おかげでにおいを気にせず、船室でカップ焼きそばを食べることができた。ただし、冷房がきつくて寒かった。長袖の服も船室に持ち込んでおくべきだった。
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 20日日夜、小樽上陸。夜でも明るいはずの小樽運河が今宵は暗い。
 いつものように、坂の上の旅人宿「とまや」へ。宿主のベルさん、さりさんと再会。泊まり合わせた旅人も、何やら見覚えがあるお方。
■励ましの坂5度目の挑戦、今年のテーマは「笑顔」
 21日朝、何はともあれ、励ましの坂への挑戦。最大勾配24パーセントといわれるこの坂を自転車で足をつかずノンストップで登り切ったら、「やったね」とほめてもらえる。去年も折畳小径車(新車)での挑戦だったが、今年はそれとは別の11年目の折畳小径車。去年の北海道の旅の後に、「励ましの坂」対応の大改造に成功したので、その実証を兼ねての挑戦だ。
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 ということでまずは坂道を急降下。そして体制を整えてスタート。ところが、チェーンがローに落ちない。どうやら、出発前にディレイラーハンガーを交換したことが原因のようだ。交換した後全く乗らずに北海道に来てしまった。ローギアが使えなければ、坂をクリアすることはできない。アジャスターボルトの調整をすればいいのだが、工具を坂の上に置いてきてしまった。いったん仕切り直しだ。再挑戦のための体力を温存するため、急坂を押して登る。
 ところが調整がうまくいかない。どうやら変速ワイヤーがもうダメみたい。「今夜も連泊させてもらって、今日のうちにワイヤーをゲットして、明日の朝再挑戦」というと、「いや、クルマ出すから今すぐワイヤー買って再挑戦するのだ」と強い口調のベルさん。では、お言葉に甘えますね。坂の下の自転車屋「フレンド商会」で変速ワイヤーをゲットし、手早く交換を済ませる。
 ところで夏が終わろうとしているのに今年はまだ励ましの坂への挑戦者は表れていない。もしかすると誰も挑戦しないままシーズンが終わるかもしれない。それは寂しい。だから、今年も小樽に来た。なんとしても北海道を訪れたかった。ただし、励ましの坂だけでは、北海道の旅の費用や労力に対しては弱いので、別の目的も捻出する必要があったわけだ。とにかく、なんとしても登り切りたい。
 さらに、ワイヤーゲットにも手を貸してもらったので、余計にプレッシャーが加わる。でもそんな思いも走り出すまで。ペダルをこぎ始めたら、あとは励ましの坂との真っ向勝負。
 「励ましの坂」前半は一般的には急坂ではあるが、常識の範囲内。おそらく10パーセント程度。しかし、その段階で伝家の宝刀「フロントダブルの38Tのギア」を使ってしまった。早すぎやしないか。ほぼ中間点、手宮小学校への交差点を過ぎると勾配が増し20パーセントを越える。でも、思いのほかペダルが重くはならない。ギア比だけで比較すれば、去年の小径車と同じ。ただし、ホイールが少しだけ小さい分、今年が有利なのだ。けれど、それ以上に軽い気がする。
Tengu
 それと、去年あたりからのテーマは「笑顔」。登り切れないサイクリスト続出。歯を食いしばり、顔をゆがめて登るこの坂を、笑みを浮かべながら登る人がいる。前人未踏、去年の夏で9年連続達成のO氏だ。
Smile
 最後の最後、最も勾配のきついところでカメラを構えて待ち受けるさりさんへ向けて、ハンドルから離した右手を振り、渾身のスマイル光線照射。その向こうのベルさんにも向けて。
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 やった、登り切った。5回目の挑戦、5回目の達成だ。そして笑顔の目標も達成だ。率直に言う。今までで一番楽だった。考えてみれば、過去4度の挑戦は、フェリー下船直後かとまやでの朝食のあと。今日は、変速トラブルにまつわるエトセトラがちょうどウォーミングアップとなったようだ。

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