« 三日月のような太陽2020 | トップページ | ワンデイ・ビワイチ »

2020/06/22

緊急事態宣言下の丹後半島一周

 ゴールデンウィーク序盤。新型コロナウィルス感染症の感染拡大を受けて、不要不急の外出、および都道府県境を越えるような長距離の移動の自粛を呼びかけられている。「禁止」でなく「自粛要請」なので、自分の行動を自分で決める自由は認められているわけだが。気温も湿度も快適で、自転車に適した季節。自転車で丹後半島一周をすることは、京都府の外に出ないし、運動のためのウォーキングやジョギングと同ととみなされ、自粛の対象外だ。こうして、今シーズン初、生涯通算52回目の丹後半島一周が始まった。
 10時40分、京丹後市弥栄町の自宅を出発。竹野川に沿って北上する。出発が遅くなってすでに日は真上。気温もすでに上がっていて、海風が発生し、海に向かって走るには向かい風だ。感染である国道482号線を避け、田んぼの中の細い道をつないでいく。周囲では田植えの準備が進められている。農作業は、密閉空間ではないし、人の密集もないし、仕事だから不要不急でもないし、なんて自粛の対象かそうでないかとついつい考えてしまう。
Img_4894Img_4896
 竹野川の河口付近、道の駅「テンキテンキ丹後」でトイレ休憩。ゴールデンウィークとは思えない駐車場の空きの多さ。少ない台数のクルマのほか、自動二輪が2台、自転車も私以外に2台。
Img_4897Img_4899
 国道178号線を東へ。左に青い日本海を見ながら進む。海岸沿いのアップダウンが始まり、ひと登りして屏風岩を見下ろすポイントで小休止。東屋のベンチに座り、パンを食べていると、入れ代わり立ち代わりクルマが止まる。基本的に京都府内のクルマが多いが、兵庫県や大阪府をはじめ、府外ナンバーのクルマもちらほら。感染拡大を防ぐため県境を越えての移動の自粛が要請されているが、京都府北部の人間にとっては、京都ナンバーのクルマに乗った人に安心できるわけではない。京丹後市をはじめ、北部の多くの自治体では新型コロナウィルス感染者が1人も出ていなくて、北部全体でも10人。京都府全体の感染者の9割以上が南部である。同じような南北格差は、隣の兵庫県にもあり、北部の但馬地方全体で感染者ゼロを保っている。姫路ナンバーは、その但馬とゼロではないが感染者の少ない播磨地方のクルマであることを示しているわけだから、むしろ京都ナンバーよりも安心だ。とはいえ、クルマとすれ違ったり追い越されたりすることで感染するわけはないし、少し離れた場所で屏風岩を見下ろしている人がもし感染していてこちらが感染するということも、その逆もあり得ない。
Img_4902
 犬ヶ崎のトンネルを抜けると、丹後松島の景色が広がる。奥には経ヶ岬も見える。展望台の駐車場のクルマを確認すると、8台のうち6台が京都ナンバー。また、道行く車のナンバーにもつい目が行き、京都ナンバーが多いことを確認してしまう。結局、私も都道府県境を越えての移動の自粛要請に支配されてしまっている。
 下り坂で自転車が追い越していった。ロードレーサーだが、ライダーは身を縮めて空気抵抗を抑えている。こちらは、心地よい風を全身に受けて行く。
 宇川の河口を越え、小さなアップダウンを越える。国道をそれて、丹後松島の陸繋島を間近に見ながら海岸を行こうと立ち止まっていると自転車がやってきた。少し離れてもう一台。テンキテンキ丹後にいた2台だ。それに気を取られたわけではないのだが、海岸への道の入り口を間違え、集落の中に入る。あ、ここは知人の家だ。ちょうどいい機会だと、突然表敬訪問をする。お互いの近況報告などで小一時間経過。
Img_4909
 走行再開。経ヶ岬でも駐車場のクルマのナンバーを見てしまう。府内と府外が半々くらい。こんな状況でも、北九州など遠方のクルマがいると、ゴールデンウィークらしさを感じる。
 経ヶ岬を越えると、アップダウンがさらにきつくなる。まずは白南風トンネルへの登り。のんびり行こう。標高差は100mあまりなのでそんなに時間はかからない。白南風トンネルを越えると、カマヤ海岸。青い日本海が広がる。若狭のリアス式海岸は霞んでいる。ここは下り、快走できる。白南風トンネルを起点としたときのカマヤ海岸の終点は甲崎。トイレが設置され、ベンチもある。そこで小休止。
Img_4915
 甲崎の向こうは側からは蒲入の漁港を見下ろせる。漁港のある小さな漁村が俯瞰できる。そして蒲入トンネルへ。かつては蒲入峠を越えていた。峠が一つ減って楽になったが、丹後半島一周で一番の山岳ステージが弱体化してしまった物足りなさもある、少しだけ。
Img_4920_20200622225701
 浦島伝説の宇良神社(最近は浦島神社という)のある本庄から国道をそれ海岸沿いへ。野室崎越えのアップダウンが始まる。この登りは、出だしが特にきつい。その急坂の途中の八重桜は、少し花が残っていた。今年は記録的な暖冬だったが、4月の低温も記録的だった。
Img_4925
 登っていくと、青い海と水平線、そこに浮かぶ冠島と沓島が見渡せる。ずっと海だが、景色が変わっていくので全く飽きない。下りに差し掛かると、泊の入江、その向こうの新井崎と、これから訪れる地が見える。泊までは一気の下り。いつものゴールデンウィークなら、浜で遊ぶ人影がちらほらみられるのだが、今日は地元と思われる人が散歩しているだけ。次の新井崎越えのアップダウンもやはり出だしがきつい。登りが一段落すると、ほぼ水平な区間となる。すぐそこの岩礁に人影が見える。釣り人だ。夕方、渡船が迎えに来る。
Img_4930Img_4936Img_4935
 耕地整理された田んぼには水がはられ田植え準備の作業する人たち。かつてはここも千枚田と呼ばれる棚田だった。ここは新井の集落。このまま道なりでもまだ残る千枚田のそばを通るのだが、せっかくだからそれを見下ろすために一段高いところを通る道へ。またきついのぼりだが、ギア比を落としてのんびりと行く。
Img_4939
 千枚田は少し田植えが遅く、まだ水がはられていない。例年のことなので分かっていたが、それでも荒越しされ冬の田とは違う表情を見せている。その棚田と、新井の漁港を一つの景色として眺められるのが、この道の売りだ。
 新井崎を越えて舟屋の並ぶ伊根湾へと降り立つ。近年たくさんの観光客が訪れるようになった。住民と舟屋観光以外のクルマは舟屋の家並みの外側の道を通すようにしたので、狭い道が歩行者天国のようだったのだが、今日は自転車ですいすい走れる。かつて町役場があった入江の畔は公園となっているが、人は少ない。向かいの駐車場は閉鎖されている。
Img_4947
 さらに進み、舟屋集落の外れへ。こちらの駐車場は閉鎖されていなくて、たくさんのクルマが止まっている。多くは釣り客のようだ。そこに2台のパトカーが止まり、拡声器で「現在緊急事態宣言が発出されています。不要不急の外出は自粛をお願いします」と呼びかけている。あくまで自粛要請だから強制的に追い返すことはできないが、この場にいづらい雰囲気づくりに徹しているようだ。しばらく様子をうかがっていると、なんとなくこちらにも圧力をかけているように感じられてきた。遠いので車内の警察官の視線はわからないのだが。
Img_4949
 伊根を過ぎると平坦区間。午後の海風を背負って快走できる区間。フロントをアウターに入れる。が、今日はもう一つスピードが伸び悩んでいるような感触。25km/hくらいは出ているのだが。
Img_4952
 天橋立の北詰、江尻で小休止。観光汽船乗り場は閉鎖。ほとんど人がいない。去年のゴールデンウィークには、乗り場に長蛇の列ができていたことが思い出される。ベンチに座り、なんとなく自転車を触っているとなぜかペダルが重い。フロントディレイラーとアウターギアが干渉していた。センターやインナーのギアにチェーンがかかっているときには干渉がない。スピードの伸び悩みはこれかもしれない。とりあえずアウターでも変速レバーを引きすぎなければ問題ない。アジャスターボルトで調整するのは帰宅後、あるいは後日としよう。
Img_4955
 しばらく天橋立の内海、阿蘇海沿いの自転車道を走り、男山から海に背を向け山間部へ。最後の峠越え。標高200mまで、本日最大の標高差だが、単独の峠だし府道のため勾配も緩い。それに最後だからもう焦りも不安もない。

|

« 三日月のような太陽2020 | トップページ | ワンデイ・ビワイチ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 三日月のような太陽2020 | トップページ | ワンデイ・ビワイチ »