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2020/06/27

ワンデイ・ビワイチ

 夜明け前、堅田のコインパーキングにクルマを止めて自転車を準備。どんどん空が明るくなってくる。4時55分、夜明けとともにスタート。琵琶湖の最南端、瀬田唐橋を目指して南下。クルマが多く、自転車道の整備がされていない区間を、人々が活動を開始する前に通過してしまう作戦だ。気温はまだ低く、足が冷たい。夏場の定番、ビンディングサンダルのつま先は靴下が露出しているため、冷たい風が直接当たる。
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 雄琴を抜ける頃、対岸の湖東の山の上に朝日が昇ってきた。これから気温が上がってくるはず。大津港の辺りで、徐々にクルマが行きかうようになる。といっても、日中と比べれば劇的に空いているわけだが、その分スピードを上げている。
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 幹線道路から湖岸へエスケープ。湖岸は公園のように整備され、早朝というのにすでにウォーキングをする人が行きかう。年配の人が多い中、若者のグループもいる。もしかして徹夜組だったりして。
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 再び幹線道路に合流するが、車道でなく、車歩道を選ぶ。近江大橋のたもとを通過。早く自転車道が整備された東岸に渡りたいが、近江大橋でなく瀬田唐橋を渡るのだ。
 昨年11月、国土交通省が日本を代表し、世界に誇りうるサイクリングルートとして、「第1次ナショナルサイクルルート」が指定された。「つくば霞ヶ浦りんりんロード 」「しまなみ海道」そして「ビワイチ」の3コースである。一応、起点と終点などを決めなければならないようで、ビワイチの場合「瀬田唐橋を起点・終点とする反時計回り」と定義されている。まあ起点・終点は別の場所であるが、瀬田唐橋を通過した周回ならばビワイチと言って差し支えないだろう。もちろん時計回りだってビワイチには違いない。ただ、サイクリストなら湖岸を走れる反時計回りを選ぶ方が圧倒的にメリットが大きい。
 早く東岸に渡ることばかり考えていたら、国道1号線の橋を渡っているではないか。右手に風情ある橋が見える。瀬田唐橋はあちらだ。半分以上渡ったところで、強引にUターン。このご時世、事故を起こして医療機関への負担をかけてはいけない。危ない橋を渡ってしまった。いや渡る前に引き返したのだが、そんな話はどうでもいい。どうにか瀬田唐橋を渡る。
遠目には風情ある橋に見えたのだが、間近で見ればそれは形と色だけ。実際には鉄とコンクリートの橋。ともかく、ビワイチのキーポイントを無事通過だ。
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 東岸に渡れば、自転車道を安全に走行できる。要するに車歩道であるが、「さざなみ街道」と言われる湖岸の道路の湖岸側に設置されているため、枝道で寸断されることもクルマが横切ることもない、クルマと隔離されたなめらかな自転車道となっている。この自転車道に乗りやすいことも、反時計回りのメリットの一つだ。人々が活動する時間帯となり、車道はクルマが行き交っているが、すでに安全圏に到達したことを実感しながら走る。対岸の比良の山並みを左に見ながら北上。
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 琵琶湖大橋が見えてきた。あと少しで、南湖といわれる琵琶湖大橋の南側を走破となる。守山の市街地となり、道路脇の車歩道は花壇などが設置され自転車道というより公園のようになる。親子連れが歩いていたり自転車に乗っていたりしてあまりスピードを上げて走ることはできない。ベンチに腰かけて小休止。前日から用意していたパンを食べる。といっても、出発前に大方食べていたので、物足りない。どこかで補給しよう。
 琵琶湖大橋の東のたもとを通過。いよいよ北湖だ。この辺りは、道路と湖の間に商業施設や民家などがあり、枝道で車歩道が寸断され、クルマの出入りがある。
 そうした区間を過ぎる頃に現れる「琵琶湖マリオットホテル」に立ち寄る。ここは「輪の国びわ湖推進協議会」主催の「びわ湖一周サイクリング認定」チェックポイントの一つ。琵琶湖の周囲に15か所のチェックポイントがあり、そのうちの4か所をチェックすれば琵琶湖一周の認定証発行の申請ができる。チェックの方法は、スマートフォンのGPSによる位置情報を使う方法や現地に貼ってあるポスターのQRコードを読み取る方法のほか、スマートフォンを持っていない人でも走り終えてから郵送で申請する方法もある。各チェックポイントでクイズが出題されてそれにこたえる必要があるが、正解不正解を問わず通過がチェックされる。いずれにせよ、全15か所のうちの4か所をチェックすればいいわけだから、それだけで琵琶湖沿岸にいたことは証明されても、自転車で一周した証明とはならない。要するに自主申告というわけだ。まあ、事実のない証明書をもらったところで何の値打ちもない。
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 湖岸の走りやすい自転車道を淡々と北上する。道路が混雑してきた。近江八幡の市街地は少し内陸だが、そちらに出入りするクルマの通る幹線道路は湖岸に敷かれている。
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 幹線道路を離れ長命寺へとハンドルを切る。山が湖にせり出し少しアップダウンがある湖岸の道。こちらが県道25号線の旧道。クルマのほとんどは内陸のバイパスへと流れていくため、湖畔の道は静かでなんとも快適。やはり、こういう道を走りたい。
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 左に沖島を見て、休暇村や漁港を過ぎていく。景色が開けた。田んぼと麦畑が果てしなく広がっている。湖畔の旧道と内陸のバイパスに分かれていた県道25号線は、ここで再び一つにまとまる。かつて大中湖(だいなかのこ、だいなかこ)という長野県の諏訪湖よりも大きな湖があり、それが干拓され穀倉地帯となった。湖東にはこうした琵琶湖と砂州で仕切られた内湖と呼ばれる浅い湖がいくつもあり、大中湖は最大の内湖だった。
 旧道とバイパスの合流点のコンビニエンスストアに立ち寄り弁当を買う。店内に入る際には、マスク着用がエチケット。
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 その先は道路と琵琶湖の間にも田んぼや集落があるため、枝道により自転車道が途切れる。しかも段差の処理がきちんとされていないので、走りにくい。車道にも自転車通行のラインが引かれているが、クルマがそれなりに通る。段差、つまり自転車道の途切れ目の間隔が短ければ思い切って車道に降りるのだが、それほど短いわけでもない。だから安心・安全な自転車道を走るのだが、忘れたころに段差がやってくる。まあこの区間、もう少しの辛抱だ。
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 道が琵琶湖沿いになったところに公園があったので立ち寄る。ベンチに腰掛け、先ほど買った弁当を食べる。走行を再開したらすぐに分岐。左は集落の中の旧道。琵琶湖と家並みに挟まれた細い道。右は集落を避けたバイパス。当然左を選ぶ。こうした旧道へのアクセスの良さも、反時計回りの周回のメリット。時計回りならクルマの通行が多いバイパスを横断しなければならず、ついそのままバイパスをはしてしまうこともあるだろう。それは私にとっては、ビワイチの魅力を損なう行為だ。
 旧道沿い、湖畔の空き地の木の根元にベンチがある。ただそれだけで、Googleマップには「あのベンチ」として登録されるスポット。対岸の比良の山並みに沈むに夕陽を見ることができるということだが、湖畔にあるということでその値打ちが倍増するというわけだ。
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 彦根の市街地が近づく。右手には伊吹山。道路には信号が増えてきたが、湖畔の自転車道を走る限りは信号に関係なく走れる。段差もなく走りやすいため、対向する自転車もここを通っている。
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 彦根港に立ち寄る。沖島、多景島、竹生島などの離島や琵琶湖岸の他の港への航路がある。ここも琵琶湖一周のチェックポイント。
 彦根市街を過ぎる頃、後方を振り返る。彦根城を眺めておかねば。ちょうど信号機と重なってしまうが、写真にも納めておく。そうそう、この辺りは「鳥人間コンテスト」の会場だけど、おそらく今年は中止だろうなぁ(公式サイトに中止の知らせ)。
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 湖岸の自転車道を淡々と北上。ビワイチ認定チェックポイント「道の駅近江母の郷」は反対車線側。クルマの通行が多いので、横断しにくい。寄らないでおこう。
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 米原を過ぎ、長浜へ。ヨットハーバーから長浜城を中心とした豊公園へ。こちらの城は湖畔にあるため見落とす心配はない。ビワイチチェックポイントは長浜港だが、隣接する豊公園でチェックできた。ということは、「道の駅近江母の郷」でも道路の向かいからチェックできたかもしれない。別にこの先まだチェックポイントは十分にあるのだけれど。
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 長浜の市街地を過ぎるとようやく景色がのどかになってきた。ビワイチ認定のチェックポイント「道の駅湖北みずどりステーション」に立ち寄る。ここも反対車線側だが、クルマの通行は少なくなって何とか横断できる。チェックだけでなく、トイレ及び小休止もしておく。これで4か所チェックできたので、認定証発行の申請もしておいた。この辺りは、チェックポイントの過密地帯。平成の大合併前の市町村ごとにチェックポイントがあるようだ。後日談だが、この後個性でもポイントチェックを継続したのだが、認定証の裏面には申請時点までのチェックポイントしか記載されなかった。申請は後でよかったのだ。
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 片山隧道を抜け琵琶湖岸を離れる。余呉川沿いの道はクルマが多く自転車道がない。対岸の道を選ぶが、舗装されていなかったので次の橋で元の道に戻る。対岸に河川公園が見えてきた。そこから先は対岸の道が舗装されているはず、と橋を渡る。公園のベンチで少し休んでから静かな、そして舗装された道を北上。
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 ここまで順調に来ている。状況を見て奥琵琶湖カークウェイを走るかどうか決めるつもりだったが、もちろん、GOだ。ただし、腹が減ってきた。飲料水も補給しないといけない。この先の順路を思い浮かべる。旧西浅井で補給できる。
 クルマの多い国道303号線、賤ケ岳隧道で再び湖畔へ。トンネル内は砂ぼこりが待って目が痛い。国道から逃げるように湖畔の県道336号線へ。トンネル開通により国道から県道へ降格した、要するに国道の旧道だ。廃れたドライブインが降格を物語っている。けれども静かな湖畔の道は、自転車乗りと釣り人の楽園と化している。
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 再び国道に合流する寸前、背後に迫るエンジン音は自動二輪のもとと思われた。しかし、追い越していったのは、なんとトゥクトゥク(タイなど東南アジアに多く走るオート三輪)だった。実際に道を走るのを見るのは初めて。あっという間に走り去って、写真を撮ることもできなかったのが残念。
 西浅井の国道303号線沿いのドライブイン「湖北ほくほく亭」で腹ごしらえ。北湖一周以来5年ぶり2回目。だけど、33年前に初めてここをクルマで通ったときからここにこの店があったように記憶している。ラーメンと焼き飯の定食を平らげた。今日はカロリーをいくら摂取しても、十分に消費している。気兼ねなく炭水化物をとることができる。
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 食べたら次はコンビニエンスストアへ。飲料水の補給。1Lの紙パック入りのお茶を買って、2本のペットボトルに移す。いよいよ、コース最大の山場、奥琵琶湖パークウェイへと挑む。まずは、岩熊トンネルへの登り。標高差は50mもないが、そこそこの急坂。確か8〜9パーセントくらいの表示が出ていたように思う。
 トンネルを出たところが、奥琵琶湖パークウェイへと続く道への分岐。けれどもパークウェイは一方通行でこちらは出口側。ここは素通り。「工事中通行止」の看板が立っているのが気にかかるが、今は気にしないことにする。
 パークウェイ入口へは、本来ならば下りきってから左折すべきだったが、勇み足で八田部の集落へと迷い込んでしまう。迷走の挙句国道へと復帰し永原で左折。県道513号線で琵琶湖岸大浦漁港へ。
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 すぐにパークウェイが始まるわけではなく、静かな入り江に沿った道が芝浦集落へと続く。クルマも少なく本当にのどか。たまに自動二輪が追い越していく。
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 湖畔の公園に立ち寄り小休止。駐車場は閉鎖されている。琵琶湖での釣りや浜遊びは自粛要請されている。これまでにも釣り人を何人も見かけたが、さほどリスクを感じることはないくらいの人数だった。自粛要請がなければ人が密集するのだろうか。まあ最終的には、それぞれが判断すればいい。
 波打ち際に降りる階段があったので、琵琶湖にぎりぎりまで近づく。沖をモーターボートが過ぎる。天気が良くて風は爽やか。ああ、気持ちが良い。
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 このあたりで風が出てきた。今日は風があまり吹かない予報だったが、さすがに朝と比べると気温がかなり上昇している。空気が滞留し風が起こる。
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 芝浦集落の手前がパークウェイの起点。湖畔の右から分岐し、急勾配で尾根へと登る。急カーブが連続して眺めがよい。つづら尾崎展望台までは対面通行なので、追い越していった自動二輪が折り返してきて再会、という場面もある。
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 つづら尾崎展望台は閉鎖されてはいないが、半分程度に制限されている。まあ、人が多く集まらないようにやってますよ、ということだろう。いずれにせよクルマも人もまばら。のんびり景色を楽しむ。湖面より200m高い位置から見る琵琶湖、長浜市街などの平野部、そしてその奥の伊吹山は絶景。
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 走行再開。ここから先は一方通行。一方通行の根拠は、主に事故防止と思われるが、法面の崩落対策という側面もあるようだ。法面が崩れると片側通行にして修復工事、となるところだが、一方通行なので道路の真ん中に仕切りのついたてを設置し法面側は落石がそのまま置かれている。もともと対面通行の道幅があるので、それで支障はない。
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 道路は半島の尾根付近を行くので景色が良い。ただし、細かいアップダウンが連続しなかなか厳しい。
 もういい加減アップダウンにうんざりしたころに分岐に到着。道なりでなく左折して岩熊トンネルの西側に降りるつもりだったのだが、通行止の表示板。すぐ先に口を開けた短いトンネルはガードレールで塞がれ、さらにその手前の路面には落石や倒木がぎっしりと、おそらく故意に、散りばめられている。二重三重の障害物を設け、意地でも通してやらないぞ、という強い意志を感じる。といっても自転車ならばそれらの障害を乗り越えられるのだが、岩熊トンネル側にもあった通行止の表示が気にかかる。本来の通行止のの根拠は何だろう。それは自転車で通り抜けられるのだろうか。よく見れば、トンネルの向こう側の口もガードレールでふさがれている。ということは、このトンネルが通行止めということか。それにしてはトンネル内に損傷があるわけでも、工事がされているわけでもない。とりあえず、トンネルの向こう側に行ってみよう。というわけで突入。
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 反対側で倒れている表示板を起こすと、予想通り「通行止」の文字。何やら手書きで書き足されている。何文字か消えているが、天井のコンクリートが崩落する恐れがある、ということらしい。何年か前(2012年)の中央自動車道の笹子トンネルの天井崩落事故を思い出す。そういえば、昨年暮れに湖西の高島から朽木スキー場へ抜ける入部谷越のトンネルも工事中だった。
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 とにかくこれで通行止め区間を抜けたわけだ。このまま安心して下っていける。今の小さなトンネルで尾根を西に超えたので、湖岸までずっと下り。しかもこの先ゴールの堅田まで登りらしい登りがない、ということだ。とはいえ、まだ琵琶湖一周の3分の1を残しているのだが。
 岩熊トンネルの西側に降り立つ。国道303号線をさらに下り、県道で大浦漁港へ。この4kmの区間は2時間と少し前に見た景色だ。国道は下り、県道はのどかなので2回走るのも悪くない。ちなみにパークウェイ出口の分岐を道なりに進んでいたら、重複区間が伸びることに加え、岩熊トンネルへの登りも2回走ることになる。また、もし奥琵琶湖パークウェイが一方通行でなければ、重複区間2回分、8kmが短縮される。
 風はいつしか止んでいた。大浦の集落の分岐を右折。海津大崎へ向かう。集落の中に大きく「ライダー」とかかれた建物が目に留まる。さらに別の面には手書きでたくさんのメッセージが書き込まれている。その中には、滋賀県知事の名前も。隣接する木造の日本建築の玄関に「ライダーハウス日本何周」の看板。バイクスタンドもある。ちなみに「ライダー」の文字と手書きメッセージの別棟は、ビワイチトイレとのこと。その時は休業中だった。先が気になって素通りしたが、せっかくの機会なので声をかけてみたらよかった。
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 琵琶湖の最北は、リアス式と表現したくなるような入り組んだ湖岸。奥琵琶湖パークウェイのあるつづら尾崎と海津大崎の両半島に挟まれた深い入り江に沿った道を行く。クルマは、ほとんど通らない。半島の先端、海津大崎には短くて狭いトンネルが連なる。そういえば、この区間も一昨年の暮れに訪れた時には通行止めだった。つまり、湖北や湖西、あるいは滋賀県内の古いトンネルの安全の見直しが行われているのかもしれない。奥琵琶湖パークウェイ出口近くのトンネルは、補修の順番待ちということか、それともこのまま廃道となるのだろうか。道の重要性、迂回の道のりの長さから考えると、廃道もありうる。
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 湖北を走り終え、いよいよ湖西だ。海津から今津は、湖岸の集落をつなぐ道を行く。クルマは少なく、快適。ビワイチ認定のチェックポイント今津港でクイズに回答するが、すでに認定申請をしてしまったのでここの通過は認定証には記載されない。
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 旧新旭町に入ったところで、クルマが行きかう国道161号線に最接近するが、すぐに別の道を歩む。半円状に琵琶湖に突き出した安曇川の扇状地の縁を行く。このあたり、夏は遊泳場が点在し、浜に隣接した駐車場がいくつもある。丹後からの琵琶湖の入り口ということもあり、このあたりの駐車場をこの日のビワイチの周回の起点とするつもりだったが、たくさんの駐車場はことごとくバリケードで塞がれている。なんと、共同墓地の駐車場まで。ただし、結果的には堅田を起点・終点として正解だった。幹線道路を走らざるを得ない、堅田から浜大津までを早朝に越えるとするなら、新旭起点だと夜明け前の暗いうちから走らねばならなかった。寒さの問題もあるし、白髭神社辺りの国道161号線は深夜でも大型トラックが爆走する。何より、景色を楽しめない。
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 ところで、滋賀県に来れば近江ちゃんぽんが食べたくなる。その近江ちゃんぽんが食べられる「ちゃんぽん亭」の前を通過するが、ほくほく亭で食べたラーメンの存在感がまだ残っている。ここは素通りしよう。ゴールの堅田にもちゃんぽん亭はあるのだ。
 かつて道の駅「しんあさひ風車村」だった、ステージクス高島でビワイチ認定のクイズ回答。ただし、幻のチェック。道の駅の中核施設は休業の末、民間のグランピング施設としてリニューアルされているが、道の駅としての機能は継続されているかどうかはよくわからない。地図や道の駅のリストには、載っていたりいなかったり。そして、このときは休業中。
 扇状地を走り終えると、比良の山が琵琶湖にせまる区間。つまり、平野部がないので、湖岸の道は国道161号線に集約される。白髭神社の鳥居がたたずむ湖面、対岸の伊吹山など、風光明媚ではあるが、クルマの多い道を走らねばならない。飲料水が切れたので、コンビニエンスストアに立ち寄るが、道路の反対側に渡るのもすんなりとはいかない。
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 比良の山と琵琶湖の間に少し平野部が存在する北小松からは国道を離脱。安心して走れるようになる。集落の中の道、JR湖西線の高架に沿った道、田んぼの中の道などを進む。見上げる比良の山には、ロープウェイかゴンドラリフトのケーブルが見える。特に良いのは、比良駅の南側の区間。八屋戸浜のすぐそばを行く。浜と集落に挟まれた狭い道はクルマが通らず、この日最後のお楽しみ区間。比良の山が冬場に吹き付ける北西の季節風から守ってくれるのだろう。防波堤などはなく、波打ち際を走る。マリンレシャー(マリンじゃないけど)の施設もあり、リゾートの雰囲気もある。
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 JR蓬莱駅を過ぎたら、国道161号線の旧道を走らなくてはならない。クルマが多いが、逃げ道がない。最後の難所。けれど、もう少しの辛抱4だ。
 日が暮れてきた。ゴールの堅田市街地に入ったところでライトを装着、点灯。今日は日の出とともに走り出し、日の入りとともにゴール。
 ちゃんぽん亭の前を通過。このまま立ち寄りたい気もするが、走り終えてクルマに自転車を積んでからにしよう。ということで、19:10、コインパーキングに到着。217km。実に31年ぶりの一日200km破だ。
 脚はまだ使い果たしていないが、足には少しダメージ。ビンディングサンダルでは、引き足の時に足の甲のベルトがかかっている部分に力が集中する。そのベルトの部分、小指が擦れて痛い。長時間走るときには、ビンディングシューズのほうが良い。
 限界を感じるのは手。上半身を支え続けた掌が痛い。特に左手。右手の症状が軽いのは、変速操作のため頻繁にハンドルから手を離し、手を動かしているからだろう。自転車が古いおかげで、フレーム(ダウンチューブ)に変速レバーがあることの副産物だ。フロントギアの変速レバーは左側についているが、変速頻度は右側のリアに比べて圧倒的に少ないし、左側のレバーも右手で操作している。
 翌日から、手の小指がしびれる。右手の症状はほんのわずかだが、左手は比較的重い。パソコンのキーボードで、「A」のキーを打つのがつらい。「尺骨神経麻痺」とか「尺骨神経障害」と呼ばれる症例だ。掌の付け根、手首に近い部分の小指側を通る、尺骨神経が圧迫されて起こる症状。ドロップハンドルの自転車である程度の時間走ると発症する。31年前の200km走行でも発症した。ドロップハンドルに苦手意識を感じるようになったきっかけの一つだ。
 自転車をクルマに収めてちゃんぽん亭へ。やけに店内が空いているな、と思ったらなんと時短営業。閉店の20時までまだ数分あるが、すでにオーダーストップということだ。ショックを受けつつ駐車場を出る。商業施設によってお土産などを買い、傷心で帰路に就く。新旭のちゃんぽん亭も時短営業に違いないと決めつけ、国道161号線のバイパスを素通り。実は、通常通り営業していた。近江ちゃんぽんが食べられなかったことが、この日の最大の心残り。
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 半月ほど過ぎたころ、ビワイチ認定証が届いた。琵琶湖のヨシ紙を使っているそうだ。さらにステッカーも。でも、左手小指はまだしびれている。症状は軽くなったけれども。
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