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2020/06/28

Slide and Ride 扇ノ山2020と湖山池一周(鳥取二郎系3)

 雪が少ない冬だった。もう残雪期のスキー登山はあきらめていたのだが、先日鳥取市の空山から残雪の氷ノ山や扇ノ山の姿を見たら、滑り収めをしたくなった。記録的な暖冬だった昨年よりもさらなる暖冬。その一方で、4月は記録的な低温だった。唯一可能性の残る扇ノ山の大ヅッコ北斜面。行ってみよう。
 浜坂から湯村温泉へと南下し国道9号線へ。兵庫・鳥取県境の蒲生峠手前を扇ノ山の登山口上山高原目指して左折。湯村温泉までの道のりは、蘓武トンネル開通直後は、神鍋高原経由が早かったが、鳥取近畿自動車道が伸びた今は浜坂経由が早い。
 上山高原の広場には、大きなテントを張っている人が数組。ここが除雪の限界点で、年によってはこの時期でも、ここから歩かなければならない。今シーズンは、この先も雪がないだろうということでクルマを進める。小ヅッコ登山口が近づくと、道路わきに残雪が見られる。クルマが一台も止まっていない小ヅッコ登山口を過ぎ、県境を越えるとすぐに水とのふれあい広場。ここは何人もの人が見られる。7,8台のクルマが止められる道路わきのスペースは満車。そこからほんの少し進んだ河合谷登山口の手前の小さなスペースにクルマを止める。自転車とスキーの準備を開始。今日はシングルトラックなので、MTB以外の選択肢はない。もちろんブロックタイヤ。
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 「どこを滑るんですか」という女性の声に顔を上げる。20〜30代とみられるカップル。先ほど、登山口に向かって歩いて行った人たちだ。特に女性の方が、スキー板を積載したMTBに注視していたのだが、私にインタビューしに引き返してきたようだ。彼らもスキー登山をするとのことで、氷ノ山は経験があるが扇ノ山は初めてだという。ただし、さすがにこの時期に滑れることを想定していなかったようで、今日はスキーなし。まあ、こちらも滑れるかどうか行ってみないとわからないけどね。河合谷登山口へ向かう彼らを見送り、こちらも準備が完了。ただし、私は小ヅッコ登山口へ。河合谷登山口からは急な木段を登らねばならない。スキー板を積んだ自転車を担ぐことはあまりにもつらい。
 水とのふれあい広場のクルマは、先ほどと比べ半減していた。多くの人は扇ノ山から下山してきた後だったようだ。県境を越えて小ヅッコ登山口へ。1km近い車道だが、自転車ならわずかなな距離。小ヅッコ登山口からの登山道も木段から始まるが、それを迂回するダブルトラックのような緩やかな道ががある。自転車はそちらを押して登れる。それを登れば、小ヅッコ小屋までは緩やかで乗車可能。といってもわずかな距離であるが。小ヅッコ小屋からは杉林とブナ林の境界付近を行く道で、木の根が浮いていたり、段差があったりで乗車不能。押していく。小さな残雪も見られる。
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 河合谷登山口からの道が合流すると、木の根はマシになり、さらに行くと勾配も緩やかとなり乗車できるようになる。ところが、所々ぬかるんでいて、車輪を取られて乗車できない。自転車には障害となるぬかるみだが、スキーヤーの目線で見るとこれは良い兆候。少し前まで残雪があったということだ。今年の冬は記録的な暖冬で雪不足だったが、4月は記録的な低温だった。今年ほどではないがかなりの暖冬で、4月はかなり低温だった。例年遅くまで雪が残る大ヅッコ北斜面ならば5月でもスキーができる、と訪れたのが5月10日。残雪があるにはあったが、スキーにはかなり厳しい状態で、たったの1本滑っただけだった。その辺のこともあって、今年は1週間あまり早く来てみた。実際現場に行ってみるまで分からない。さあ、どうだろうか。
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  ブナ林にほとんど雪は見られないが、まだブナは芽を吹かず青空が見えている。
 ほぼ水平だった登山道に登り勾配が出てきて、沢のように水が流れている。さあもうすぐだ。しばらくすると前方の木々の間が白くなってきた。
 大ヅッコの北斜面は、ブナの疎林で前述のとおり遅くまで雪が残る。そのゲレンデの下部に自転車を止めてスキー板を下す。昨年よりは、滑れそうだ。
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 ステップソールなのでシールは不要。どのあたりが滑りやすそうかを見極めながら残雪のゲレンデの上部まで登る。そして、1本目。雪から顔を出した細かい木がかなりうるさい。でも、ここまでできらたった1本滑っただけで引き下がれない。そう思えるだけ昨年よりはいい。2本目はブッシュの密度の低いスペースを拾いながら西寄りにコースを取ってみる。そして3本目で自転車を止めたところへ戻る。まあ何とか今年も5月まで滑れたね。
 下山の準備をしていると、入山前に話をしたカップルが下山してきた。なかなか速いペースだ。少し話をして、彼らが去ったら、今度は犬がやってきた。続いてその犬の主を含めた年配の男性3人組。スキー板を積んだ自転車を見て「これ担いで登るんですか」と聞いてくる。「山頂にはいきませんよ。ここで滑ったから、もう下山です」と答える。こんな重いものを担ぐ気にはならない。山頂に行くなら少なくともスキーは置いていく。滑れないところにスキーを運ぶ必要はない。またこの先の登山道で乗車率が落ちる自転車も置いていく。どうしてもスキーと自転車を山頂に持っていくならば、せめてスキー板はザックに固定するなどして加重を分散させる方がいい。まあ、質問する方は頭に浮かんだ疑問をそのまま口にしているだけなのだろうけど。「山頂に行かない」という私の回答を聞いてか聞かずか、別の一人が「大変だなぁ」とつぶやいている。まあ、よくある決めつけだな、と思いながら聞き流す。
 彼らが去った後、準備が整い後を追うように下山開始。しばらくは勾配がそこそこあり、水の流れはまあいいとして、木の根が浮いて要注意。一方、スキー板を積んだMTBは意外と安定している。鈍重になるデメリットはどうしようもないが、後方に向かって突き出しているスキー板のおかげで、前転しにくい。急な下りでは重心が前方に位置するため、前輪が木の根や石を乗り越えられず、自転車ごと前転しやすい。それを防ぐため、尻をサドルから外して後方に体をひき重心を強制的に後方に持ってくるのだが、スキー板のおかげで、もともと重心が後方に位置した状態となっている。
 水とのふれあい広場までクルマが入れるようになってから、大ヅッコ北斜面だけを滑りに来たことはもう何度もあるがいつもスキー板を背負って登山道を歩いてアプローチしていた。そして去年初めてこの時期にMTBにスキー板を積んで大ヅッコ北斜面まで来た。扇ノ山の大ヅッコまでの登山道は緩やかで、比較的MTB初級者向き。スキー目的でなく、何度もMTBで、さらにランドナーで訪れたことがある。
 しかし、やはり初めてのことにはいろいろ誤算がつきもの。スキー板のおかげで重心が後方にきて安定するということがうれしい誤算。スキー板という荷物を担いで歩くよりも、自転車という荷車に積んで運べば楽だろう。乗れるに越したことはないが、乗れなくてもメリットはある。その程度の期待だったのだが、思いのほかMTBを楽しめることが分かった。しかし、スキーを自転車のサドル下に固定するベルトが、振動で切れてしまったのがマイナスの誤算だ。舗装路はもちろん、ダートの道でも今まで切れたことがなかったので、切れるとは想定していなかった。半分も下らないうちに切れてしまった。
 そこで今年は、使い古したタイヤチューブを使ってサドル下に固定している。これなら弾力もあり、またぐるぐる巻きにしているのでまず切れることはないだろう。念のため、予備のベルトも数本持ってきている。
 勾配が落ち着くとあとは比較的安全にMTBで行けるようになる。ただ、ところどころ浮いた木の根には要注意であることは変わりないが。すぐに犬連れの男性3人組を追い越していく。
 大ヅッコ登山口と河合谷登山口へのそれぞれの登山道の分岐手前がやや急勾配。木の根が浮いたところでは、安全のため自転車を降りて押してクリアする。下山は河合谷登山口へ。こちらの方が浮いた木の根が少ない。しかし油断は禁物。木の根をよけて左に寄りすぎて、ハンドルの左端が登山道わきの細い木に引っかかった。ハンドルが左に切れて、車体が右に傾く。そして、身体が右前方に投げ出される。右足を地面につき、左足は倒れる自転車をまたいで離脱に成功。しかし、前方につんのめる体。スキーブーツをどたどたと言わせながら走って、体勢を立て直す。どうにか転倒を回避し、振り返ると自転車は10m近く後方で倒れている。左足のふくらはぎの下部、アキレス腱との境界辺りが痛む。この冬以降、脚を酷使した後で痛む箇所だ。2月に北海道で雪や氷の上を2日間で30km近く歩いた後、先日の東床尾山登山の後。一番きつかったのは、2月下旬の氷ノ山の20kmを越えるロングスキーツアーの後。4,5日びっこをひいて歩き、1週間ほどたってほぼ普通に歩行できるようになったところで、職場で半開きのロッカーの扉にうっかり足をひっかけた。再発というか、幹部はふくらはぎの上部で、内出血をして肉離れの症状が半月ほど続いた。歩けないほどではなっかったが、他人が見てかなり違和感を感じるほどびっこをひいて歩いていた。今日はそこまでひどくなさそうだが、明日、明後日くらいは脚を引きずることになるだろう。
 そこから登山口まではもう少し。しばらくして木段の上までやってきた。木段を迂回する道ができている。去年もあっただろうか。そちらなら自転車を押していけるが、木段を3分の1ほど残して迂回路は終わり。自転車を持ち上げながら木段を降りる。登るのと比べれば、大してつらくはない。
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 舗装路に降り立てば、自転車の機動力をさらに強力に発揮できる。ペダリングには痛めた左脚の影響はない。クルマを通り過ぎ水とのふれあい広場へ。自転車をそのまま池に乗り入れ、タイヤとスキーブーツの泥を落とす。そしてクルマに戻って板を自転車から外す。サドルに固定するベルトをチューブに変えたことで、今日はMTBを楽しめた。ベルトと比べ、チューブのぐるぐる巻きには板の着脱に手間がかかるが、そんなことは知れている。
 道具の撤収をしていると犬がやってきた。男性の3人組がようやく下山だ。そういえば、カップルには追い付けなかった。もしかしたらまだクルマで帰宅準備中かと思ったが、水とのふれあい広場の駐車スペースにも姿が見られなかった。彼らはなかなかの健脚のようだ。
 さて、帰る前によるところがある。上山高原には戻らず、鳥取市街に向けて山を下りる。私のクルマはマニュアルトランスミッション。クラッチを切るとき左脚が痛む。殿ダムを見ながらクルマを進め、鳥取市街の南側を迂回して国道29号線に乗る。市街地に入ったら左折、湖山池の南西部の畔、桂見駐車場にクルマを止める。
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 ここで再び自転車を準備。湖岸を北上する。駐車場のすぐ北の「湖山池ナチュラルガーデン」には、ウォーキングやボールを使っての運動をする人たちが姿が見られる。さらにその向こうには鳥取大学の校舎が見える。湖山池から流れ出す湖山川を渡り、半島を回り込む。この半島は平坦で畑が広がっている。ラッキョウ畑だろうか。
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 そして、来ました鳥取大学前駅のその前の「ラーメンつけ麺 今を粋ろ 鳥大前店」。夜の営業開始の17時半を少し過ぎたばかりで、店内は空いている。いや小さな店なので、4,5人で半分ほど席が埋まっている。今日も300gの麺の量で、ニンニクあり野菜増し増しをコール。ちゃんとカメラを持ってきた。ラーメンとは別皿に山盛りの野菜をちゃんと撮影することができた。
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 食後の運動はこのまま湖山池を一周する。平坦な16kmあまり。歩行者と自転車だけしか通れない区間も多いし、全体的にクルマと出会うことは少なく快適。ブロックタイヤの音を響かせて走る。スリックタイヤのホイールも積んで来ればよかった。
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5月上旬

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空山と鳥取広域農道・広域基幹林道中央線(鳥取二郎系2)

 鳥取市内には、先日訪れた「今を粋ろ」以外にも二郎系のラーメン店がある。今度はそちらの店と、前回未遂に終わった鳥取中央林道を制覇するために、また鳥取へ。
 鳥取市の中心街にある「ラーメン・つけ麺 笑福」。聞き覚えのある店名。大阪に数店あるうちの2店にすでに訪れている。本社は米子、つまり山陰生まれの二郎系だ。二郎系といえば、狭く席数の少ない小さな店、が一般的だが、ここはファミリーレストランのような外観。周囲の店と共有であるが、店の前に広い駐車場がある。店内も広く、カウンター席のほか、いくつもの小上がりのテーブル席がある。こんな二郎系は初めてだ。もしかすると、居ぬき物件を利用しているのかもしれない。まだ昼の営業開始直後の11時過ぎなので、店内は空いていて、余計広く感じる。調理場と客席が隔離されているので、「ニンニク入れますか」から始まるやり取りは不可能。食券には各トッピングの増量、減量のチェックボックスが印刷されている。フロア係の女性が食券を受け取る際にトッピングを確認し、該当の個所にチェックを入れる。例によって、野菜は増し増し。この後、人と会うことはないから、ニンニクあり。笑福では、野菜増し増しの上に「バカ増し」なんていう増量レベルがあるが、まだそれを頼む勇気はない。ちなみに増量の各レベルは写真で示されている。また、この店舗では太麺と細麺の好きなほうが選べる。基本的に細麺が好きなのだが、量が多い二郎系は食べるのに時間がかかるので、伸びにくい太麺が基本。ここでも無難な太麺を選んでおく。
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 太麺のため、20分ほど待ってラーメンが運ばれてきた。「今を粋ろ」では増し増しの野菜が別皿だったが、ここはラーメンの上に乗せられている代わりに、取り皿としてもう一つ丼が出される。京阪神では、野菜をこぼさずに食べるのに苦労したのだが、取り皿があれば安心。鳥取の店はなかなか親切だ。この店では、麺の量が270gとやや控えめだが、二郎系以外のラーメン屋の大盛よりも十分に多い。おかげで今日も満足。
 食後の運動のため、南下。鳥取中央林道の前にもう一つ訪れる場所がある。前回訪れた毛無山などの事後調査の時に見つけた空山を目指す。放牧地や風力発電の風車群がある展望の良い山だ。山頂付近までクルマで登れるようだ。もちろん、私は自転車で。
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 千代川の右岸を南下するが、河原町との境まで南下するなど少々の迷走を経て、少し山間を走る県道291号線へ。その道を南下していくと「鳥取放牧場、風力発電所」への分岐点がある。その付近の道路わきの広いスペースにクルマを止め、自転車を下す。今日はランドナー。前回の毛無山でのロードレーサーにはもう懲りた。今日もアップダウンの連続する走りを予定している。ランドナーのギア比ならゆっくり楽に登れるし、フラットハンドルとVブレーキを備えているので下りも安心。この後の鳥取中央林道では、数日前の寒の戻りによる時雨を受けて路面がぬれている箇所があるかもしれないが、水撥ねは泥除けが受け止めてくれる。
 目指す空山山頂は標高340mだが、スタート地点が標高100m近いので標高差はさほどではない。それでもそれなりに急勾配の登りだ。通り抜けはできないので、クルマは少ない。ただし、公園のように整備された山頂部へと出入りするクルマが少しある。標高差があまりなく、急勾配ということは距離は短い。あっという間に景色が開け、風車が林立する山頂部へ。駐車場があり数台のクルマが止まっている。それらのクルマの主は、芝生にシートを広げて座っている子供連れのグループなど。舗装路はまだもう少し続くようだが、ゲートが閉ざされている。よく見ると駐車場の奥に、ゲートの向こう側への抜け道があり、歩行者はそちらからさらに進んでいける。もちろん、自転車も。
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 たどり着いた先が空山の頂。中継アンテナらしきものが立っている。景色は素晴らしい。北に鳥取市街、千代川、湖山池、そして青い日本海。東側の山並みには少し雪を残し峰が離れて2つ。左が扇ノ山で、右奥が氷ノ山だ。カメラでズームアップするとそれぞれの山頂の小屋が確認できる。扇ノ山のほうが白い部分が多いようだ。大ヅッコの北斜面はまだスキーができるかなぁ。西に目を転じるが、大山は見えないようだ。昨年スキーで登頂した三国山は、見えているかどうかわからない。結果的には見えていなかった。帰宅後の調査では、大山は鷲峰山、三国山は高鉢山に隠されてしまっていた。
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 景色を楽しんだら、一気に下っていったんクルマに自転車を収め、移動開始。右岸から左岸へと千代川を渡らないといけない。空山の西の麓の山間を走る県道291号線から千代川沿いへとつなぐ道は鳥取広域農道で、それがそのまま延長する形で左岸にも伸びているのだが、千代川には橋が架かっていない。なのに、クルマに常備している古い昭文社ツーリングマップルには橋が記されている。まあ、北か南にいずれも1.4kmほど行けば橋がある。今回は南に回る。
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 千代川は鳥取市街を経て日本海へと注ぐ。その千代川の支流、そして千代川の河口の南西に位置する湖山池へと注ぐ河川は、鳥取市街から放射状に南に広がっている。たとえるなら、鳥取市街を要として、南に扇子を広げたような形だ。それぞれの河川を鳥取平野から山間部へとさかのぼると、それぞれ谷を形成し、尾根によって区分けされているところも、扇子の形に似ている。川沿い、つまり谷には県道が伸びている。それとクロスする形、つまり扇の要を中心とする同心円の弧にそって、「鳥取広域農道」と「鳥取中央林道」が敷かれている。いずれも、谷と尾根を連続して超えるアップダウンの道だが、中央林道のほうが要から遠く、尾根が高く谷は深い。
 千代川の左岸から県道42号線で横枕集落、そして道は鳥取広域農道となりトンネルで尾根を越える。やがて有富川の谷へと降り立ち、川沿いの県道189号線沿いに駐車できる場所を探す。下流川沿いには見つからず、上流に向かうと高路集落手前、つまり下流側に広いスペースを発見。ここなら民家からも十分離れていて不審車両として通報されることもないだろう。クルマから自転車を下す。
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 とりあえず鳥取広域農道と鳥取中央林道を周回することだけしか決めていなくて、どこからどういうに手を付けるかは白紙。ただ、高路集落近くがスタート地点ならば、まずは中央林道からだ。高路で県道189号線と中央林道がクロスしているのだ。ところが、高路は中央林道の途中。さて東に向かうか、それとも西に向かうか。「衣笠山展望台まで3km」という案内板があった。よし行ってみよう。鳥取中央林道を東へ向かう。
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 「鳥取中央林道」とはツーリングマップルに記されている名称で、現地の案内板には「広域基幹林道鳥取中央線」とされている。小さな集落から山間の細道へ。そこそこの勾配で登る道には、クルマが通る気配はなく、のんびりと行く。
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 前方に木々が伐採されたピークが見えてきた。徐々に近づいていくと、あれが衣笠山の頂らしいとわかる。道は、山頂直下を西から東に反時計回りに巻いて進む。北側には巻き付いた植物のつると一体化したような、おどろおどろしい雰囲気のあずまやがあり、北方の景色が開けている。そこから山頂展望台への木段が始まっている。木段を上ること2,3分で、山頂展望広場へ。大きな日時計が設置され、その柱が影を落とす円盤が展望台となっている。山東三角点「猪子」、標高377.17m。北側には低い山々の向こうに鳥取市街と湖山池。空山とはまた違う角度から見下ろしている。しかし、大いに引っかかるのが、西の方をいくら注視しても大山が見えない。木段の入り口の立て看板には「野鳥のさえずりを聞きながら鳥取砂丘、霊石山、大山などの自然を楽しんでみませんか」とあり、展望台の円盤の西側の床面には大山らしき山のイラストが描かれている。なのに見えない。春霞に隠れているのだろうか。ほかの山々の見え方と比較して、大山だけが霞むということは不自然だ。うっすらとでも見えているはずだ。帰宅してから確かめると、衣笠山からは、ちょうど鷲峯山の延長線上に大山が位置する。見事に一直線だ。空山と同様、鷲峯山に大山が隠されているのだ。確かに、「大山が見える」という表現はされていないわけだが。ちなみに、霊石山鳥取砂丘や霊石山は見える。
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 さて、下りは早い。一気に千代川の流域平野へ。途中に砕石場がありそこからはダンプカーがたまに通る。さらに県道32号線に合流すると一般の車両も通るようになる。
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 平野部に降り立つと、県道42号線を北上。千代川対岸の国道53号線ほどではないが、クルマが次々に通りストレスを感じる。早く車の通らない道へ逃げ込みたい。と、すぐに左に分岐する道を見つけそちらへ。田園の中の農道として使われている細い道。用水路に沿っている。並行して自動車道も通っているが、そちらは高架なので別世界のこと。自動車道を通る車の轟音だけが、こちら側の世界に届く。その高架をくぐって県道227号線へ。西に進む。広域農道と重複しているということか。詳細は不明。
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 日谷トンネルを越えて有富川の谷へ。中央林道と比べると穏やかなアップダウン。道路もセンターラインがひかれた広い道。交通量はゼロではないが、少なめ。
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 降りた谷は田んぼが広がる農村風景。すぐ次の登りへ。今度は、トンネルのない峠越えで野坂川の谷へ。野坂川に合流する細見川を少しさかのぼる。細見集落からそのまま細見川をさかのぼり、奥細見から中央林道でスタート地点の高路へと戻ることも考えたが、やはりここまで来たら全線制覇しよう。ということで細見集落からトンネルで峠越え。長柄川の谷へ。降りたところは、先日毛無山へ上るとき、クルマを止めたところ。ちなみに、今までの川はすべて千代川の本流及び支流だったが、この長柄川は湖山池をへて千代川の河口のすぐに市の鳥取港から日本海へ注ぐ。
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 長柄川を矢橋までさかのぼるが、ここは前回毛無山走破ですでに訪れた区間。前方に立ちはだかる台形の壁、毛無山の姿にも当然既視感がある。それでも、半月足らずの間に季節は変化し、前回河原を覆っていた黄色の菜の花はもうない。
 矢橋集落から東の山間に向かう細い道への分岐を見つける。これが目指す道であるが、ここからの区間は中央林道でなく県道32号線。ただし県道といっても雰囲気は中央林道とほとんど変わらない。
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  まずは一つ目の山越えで、細見川の谷の奥細見。山間の小さな集落だ。次は、細見川から野坂川への峠越え。一つ進むごとに登りがきつくなる。野坂川の谷の向こうの尾根は高い。しかも鞍部がなく、付け入る隙が見られない。あれを越えなければならないのだ。
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 松上集落を流れる野坂川を超える。「広域基幹林道鳥取中央線」の案内板を発見。さあ最後の峠だ。今日はいくつ峠を越えたのか。数えてみれば、7つ。ただし空山は除いている。細見川と野坂川の合流点を通過した分、広域農道側が一つ少ない。稜線の高さ、標高300mまで登るこの峠が、衣笠山に次いで高い。でも最後だ。残された力を使い果たして構わない。なんていうほど疲れてはいないのだが。山は深く、あちこちに藤の花が咲いている。山桜も残っている。
 稜線付近まで登ったが、道は一向に下りにならない。鞍部らしい鞍部がないせいか、等高線に沿って進んでいる。木々の合間にわずかに鳥取平野が見えた。鳥取市街と湖山池だ。
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 細長いピークを巻くようにして、ようやく下りが始まる。あとは、有富川の谷、高路集落へと急降下。7つの峠を走り終えて、スタート地点へと戻ってきた。
4月下旬

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毛無山(鳥取二郎系1)

 久しぶりに二郎系のラーメンを食べに行こう。といっても今、京阪神へと出かける気にはならない。でもそれ以外にもあるのだ二郎系は。二郎系は鳥取にあり。
 4月20日過ぎ時点での鳥取県の感染確認件数は3件。うち2件が鳥取市、1件が米子市。いずれも感染経路は特定され、市中感染はないものと思われる。経由地の兵庫県北部も感染件数がゼロだし、クルマでの移動だから人と出会わない。
 というわけで丹後から日本海に沿って西に進むこと120km余りで鳥取市。途切れ途切れではあるが、山陰近畿自動車道のおかげで2時間ちょっとで到着。しかも通行料が無料。途中の寄り道は、浜坂の居組漁港の公衆トイレ。人との接触はない。
 鳥取の中心街には向かわず国道9号線を少し西に進む。JR山陰本線鳥取大学前駅を目指す。湖山駅の北西、湖山町といわれるエリア。駅前の「ラーメンつけ麺 今を粋ろ 鳥大前店」を探す。通りにはたくさんの店が並びクルマの通行も多い。少し離れた湖山池の畔の公園の駐車場に車を止めて自転車に乗り換えるつもりだったが、昼の営業開始の11時を過ぎてしまった。店はすぐに見つかったが、前を何往復かしてやっと駐車場を見つける。貸し駐車場の一部の区画だ。幸い空いた枠もあった。京阪神の店には駐車場などない。
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 店の前には3,4人の若者が寒さに震えている。寒の戻りで日本海からの冷たい風が強く吹いている。店の前の彼らは、おそらく鳥取大学の学生なのだろう。グループらしく、行列を作らずおしゃべりをしながら細かくうごめいている。彼らのそばに立った時に「1名様、先にどうぞ」と店内から顔を出した店員から声をかけられた。店の前に置かれたアルコール消毒液を手に吹きかけて入店。そして食券を購入。ちなみに、二郎系の店では食券を買ってから並ぶのが一般的だが、ここは店に入ってから買うように張り紙がある。また、鳥取大学の学生限定のお得メニューも用意されているようだ。
 L字型のカウンターに10席ほどと、テーブル席が一つ。テーブル席は、会議室などに置かれている長机だ。この飾り気のなさがいい感じだ。カウンターテーブルの端に着席。ほかにも少し空席があり、しばらくして席がさらに空いたら先客のグループも入店。私以外は、ほとんど鳥取大学の学生のようだ。ジャージ姿のグループも見られる。
 300gの麺に野菜増し増しをコールしたが、出されたラーメンには全く野菜がない。即座に、「野菜は別皿です」と山盛りのもやし(内側にはキャベツも少し)が盛られた丼がもう一つ置かれた。驚いた。野菜だけとは思えない高さ。普通の店でもやしの増量を頼んで、ラーメンの上に乗せられた高さと同じくらいだ。しまった、カメラも携帯電話もクルマの中に置いてきた。この姿を写真に残したかった。店内の張り紙をみると、野菜増しで基本の3倍、増し増しだと6倍だそうだ。少し前まではこわごわ「増し」をコールしていたが、最近は慣れて調子に乗って増し増しを頼むようになっていた。もう引き下がるわけにはいかない(増量を頼んでおいて残すのはNG)。
 というわけで、平らげてしまった。満腹だ。まあ、野菜はいい。麺の300gが問題だ。カロリーを消費する必要がある。若者は食べるのが早い。先にいた客はもちろん、私のすぐ後に店内に入った客も先に食べ終えて、正午直前で店内は大方空席となる。オフィス街なら正午を境に込み合うが、ここは学生街。11時の開店直後の最初のサイクルが終わったという感じか。一方店の前には数名が入店待ち。ある程度の空席ができたら、まとめて入店を促す方式らしい。
 さて、食後には自転車で湖山池一周かな、と思っていたのだが風が強すぎる。ここは予定変更して内陸へ行こう。クルマに常備してある昭文社のツーリングマップルを開く。「鳥取中央林道」という道に興味をひかれる。行ってみよう。
 湖山池を南に回り込み、長柄川に沿った県道191号線を南西へ。名前だけは聞いたことがあった吉岡温泉を通過。温泉街というより、郊外の住宅街という雰囲気。さらに進むと田園風景、そして中山間地へと変わっていく。
 県道191号線とクロスする道に「鳥取広域農道」という表示。これは鳥取中央林道とは別なのか。確かに、GPSレシーバーの表示と地図を照らし合わせてみても位置が違うようだ。広域農道にも興味をひかれながらも、もう少し先へ進んでみる。長柄川の谷は狭くなり、矢橋の集落を過ぎたが、中央林道を示す表示は見当たらず。どうやら県道から分岐する細い道のどれからしい。先ほどの広域農道の分岐まで引き返し、その付近の道路わきのスペースにクルマを止める。この辺りにはスペースががいくつもあってそれぞれが広くて邪魔にならない。そして集落からも離れている。余り民家の近くに止めると不審車両として通報される心配がある。また広域農道を含めた周回コースの起点・終点としては都合がよい。ただし、何度かツーリングマップを見るうち、毛無山をが気になってきた。標高571m。「頂上から日本海が美しい」とある。「頂上まで舗装林道」とあるから大丈夫だろう。今日は、平坦な湖山池一周を想定してロードレーサーだ。毛無山に登るとなると、中央林道を全線走るのは時間的に無理だろう。それだけのボリュームのある道だ。まあ、成り行きで判断しよう。
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 まずは県道191号線で長柄川をさかのぼる。矢橋集落にかかるあたりから、前方に台形をした毛無山が壁のように立ちはだかっているのが見える。河原には黄色い菜の花が咲いている。それれに気を取られ中央林道の分岐を探すのを忘れていた。まあ、今頭に描いているコース案では、中央林道を経てこちらへ戻るということだから、分岐を見つける必要はないということになる。
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 矢橋を過ぎると谷は狭まり、道路の勾配も増す。先ほどクルマで来た地点を過ぎると道が細くなる。峠を鹿野に超えた先で通行止めとの案内。まあそちらにはいかない予定だ。ツーリングマップルでは、峠の手前から毛無山に登るようだ。さらにその手前に県道の分岐があり、トンネルで尾根を越えて東側の野坂川の谷へといけるように道が描かれている。曲がりくねった細い登り坂を進む。ところがその県道の分岐が見つからないまま、毛無山へ登る林道の分岐へ到着してしまった。
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 後日Googleストリートビューで確認したところ、分岐する県道は心もとないダートのダブルトラックだった。ツーリングマップルにはしっかりとした県道として描かれているのに。ただ、トンネルと思ったのは、未開通区間を表す破線だった。
 さて、毛無山への林道だ。入り口は鎖でふさがれ、何やら注意書きの文書が貼られている。「森林整備作業」実施中だそうだ。木材搬出のトラックが通行したり、急傾斜の岩石地のため作業中に林道への落石が起こる可能性があったりする、といったことが記されている。とはいえ、ここまで来て引き下がる気はない。鎖でふさがれているから、今日は作業していないかもしれない。作業者の出入りがあるときはこうした鎖やバリケードが外されていることが多い。
 自転車を持ち上げて林道へ。これまでよりさらに急勾配の登りが始まる。しばらく行くと道路わきに自動車が止まり、枝道の奥のほうから重機やチェーンソーなどの作業音が聞こえる。これは、間違いなく作業をしている。しかも、1か所通り過ぎたらまたしばらくして別の作業現場のそばを通る。前方からトラックが来た。ただし、オープンな荷台のものではなく、宅配便の配達車のように箱形の荷台のもの。作業員のものではないせいか、注意はされなかった。入り口に鎖は張られていたが、よく見ると南京錠などでの施錠はされていなかった。視覚的に部外者を侵入を防ぐためだったようだ。
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 勾配は10パーセントを少し超えるくらいか。私のロードレーサーのギア比では厳しいが、どうにか最低のギア比で登っていく。いくつかの作業現場の近くを過ぎ、山頂へと近づく。木々の切れ間に景色が広がる。鳥取市街とその向こうに日本海だ。曇天で海もさえない色をしているが、絶景だ。とりあえずその時は素通りして山頂を目指す。
 カーブミラーに、道を塞ぐようにトラックが止まっているの映っている。木材の積載作業中らしい。気付かれないようにすぐに引き返す。仕方ない、景色は先ほどのビューポイントで見よう。
 ところが、ビューポイントには景色を眺める人影が。派手な色をしたスポーティな服装にヘルメット。それに若い感じ。もしかして自転車乗りか、と思ったが、振り向くとヘルメットの前面には跳ね上げられた状態の顔を覆うシールド。森林の作業員だ。近くに止まっているクルマは彼のものらしい。
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 とはいえ素通りはできない。少し距離を取って停止してカメラを取り出す。すぐに作業員が「立ち入り禁止なんです」と警告を発する。「わかりました、すぐ下山します」と答えるが、彼はこちらに向かって歩み寄ってくる。どうやら、わずかでも景色を見せてはくれないようだ。写真を撮ったらすぐに自転車にまたがって退散。野良猫かハエのように追い払われた。
 登りもきついが下りも大変だ。平坦なところでは制動力に不足を感じないサイドプルのキャリパーブレーキだが、強い制動のためにはブレーキレバーを強く握らなければならない。ドロップハンドルのブレーキレバーは握りにくく、停止して握力が回復するまで休みたいが、停止するのがなかなか大変なのだ。最近は、強力なVブレーキに慣れてしまっているからね。
 林道の入り口まで急勾配が続く。鎖にぶつからないように早めにブレーキを掛けたら、20メートルほど手前で止まってしまった。ここからまた乗車したらブレーキングが大変なので押して下る。
 鎖を乗り越えたら、もう誰にも注意される心配はない。が、まだまだ下りの勾配がきつい。スピードは出せない。ようやく勾配が落ち着くと道もまっすぐになりロードレーサーらしい快走ができる。
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 当初は、東の野坂川の谷へと尾根を越えて周回しようと思っていたが、県道の分岐も見つからず、中央林道もわからなかったのでそのままクルマに戻る。まあ、もう毛無山で満足できたということだ。
 クルマに自転車を積み、広域農道で野坂川の谷へとレーンを変えて、鳥取市街へ北上。丹後への帰路に就く。途中豊岡で、ガソリンスタンドとスーパーマーケットに寄り道。ガソリンスタンドはセルフサービス。スーパーマーケットは、ほかにも買い物客がいたが混雑というほどではなく、会計はセルフレジ。
 さて、3つの課題が残った。「今を粋ろ」の野菜増し増しの別皿の写真を撮れなかったこと。鳥取中央林道を走れなかったこと。毛無山からの風景をじっくり見られなかったこと。いずれにせよ、中央林道と毛無山の両立は無理だった。毛無山は、天気も選ばないといけない。森林整備作業が終わった時期の晴れの日にまた。
4月下旬

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2020/06/27

ワンデイ・ビワイチ

 夜明け前、堅田のコインパーキングにクルマを止めて自転車を準備。どんどん空が明るくなってくる。4時55分、夜明けとともにスタート。琵琶湖の最南端、瀬田唐橋を目指して南下。クルマが多く、自転車道の整備がされていない区間を、人々が活動を開始する前に通過してしまう作戦だ。気温はまだ低く、足が冷たい。夏場の定番、ビンディングサンダルのつま先は靴下が露出しているため、冷たい風が直接当たる。
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 雄琴を抜ける頃、対岸の湖東の山の上に朝日が昇ってきた。これから気温が上がってくるはず。大津港の辺りで、徐々にクルマが行きかうようになる。といっても、日中と比べれば劇的に空いているわけだが、その分スピードを上げている。
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 幹線道路から湖岸へエスケープ。湖岸は公園のように整備され、早朝というのにすでにウォーキングをする人が行きかう。年配の人が多い中、若者のグループもいる。もしかして徹夜組だったりして。
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 再び幹線道路に合流するが、車道でなく、車歩道を選ぶ。近江大橋のたもとを通過。早く自転車道が整備された東岸に渡りたいが、近江大橋でなく瀬田唐橋を渡るのだ。
 昨年11月、国土交通省が日本を代表し、世界に誇りうるサイクリングルートとして、「第1次ナショナルサイクルルート」が指定された。「つくば霞ヶ浦りんりんロード 」「しまなみ海道」そして「ビワイチ」の3コースである。一応、起点と終点などを決めなければならないようで、ビワイチの場合「瀬田唐橋を起点・終点とする反時計回り」と定義されている。まあ起点・終点は別の場所であるが、瀬田唐橋を通過した周回ならばビワイチと言って差し支えないだろう。もちろん時計回りだってビワイチには違いない。ただ、サイクリストなら湖岸を走れる反時計回りを選ぶ方が圧倒的にメリットが大きい。
 早く東岸に渡ることばかり考えていたら、国道1号線の橋を渡っているではないか。右手に風情ある橋が見える。瀬田唐橋はあちらだ。半分以上渡ったところで、強引にUターン。このご時世、事故を起こして医療機関への負担をかけてはいけない。危ない橋を渡ってしまった。いや渡る前に引き返したのだが、そんな話はどうでもいい。どうにか瀬田唐橋を渡る。
遠目には風情ある橋に見えたのだが、間近で見ればそれは形と色だけ。実際には鉄とコンクリートの橋。ともかく、ビワイチのキーポイントを無事通過だ。
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 東岸に渡れば、自転車道を安全に走行できる。要するに車歩道であるが、「さざなみ街道」と言われる湖岸の道路の湖岸側に設置されているため、枝道で寸断されることもクルマが横切ることもない、クルマと隔離されたなめらかな自転車道となっている。この自転車道に乗りやすいことも、反時計回りのメリットの一つだ。人々が活動する時間帯となり、車道はクルマが行き交っているが、すでに安全圏に到達したことを実感しながら走る。対岸の比良の山並みを左に見ながら北上。
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 琵琶湖大橋が見えてきた。あと少しで、南湖といわれる琵琶湖大橋の南側を走破となる。守山の市街地となり、道路脇の車歩道は花壇などが設置され自転車道というより公園のようになる。親子連れが歩いていたり自転車に乗っていたりしてあまりスピードを上げて走ることはできない。ベンチに腰かけて小休止。前日から用意していたパンを食べる。といっても、出発前に大方食べていたので、物足りない。どこかで補給しよう。
 琵琶湖大橋の東のたもとを通過。いよいよ北湖だ。この辺りは、道路と湖の間に商業施設や民家などがあり、枝道で車歩道が寸断され、クルマの出入りがある。
 そうした区間を過ぎる頃に現れる「琵琶湖マリオットホテル」に立ち寄る。ここは「輪の国びわ湖推進協議会」主催の「びわ湖一周サイクリング認定」チェックポイントの一つ。琵琶湖の周囲に15か所のチェックポイントがあり、そのうちの4か所をチェックすれば琵琶湖一周の認定証発行の申請ができる。チェックの方法は、スマートフォンのGPSによる位置情報を使う方法や現地に貼ってあるポスターのQRコードを読み取る方法のほか、スマートフォンを持っていない人でも走り終えてから郵送で申請する方法もある。各チェックポイントでクイズが出題されてそれにこたえる必要があるが、正解不正解を問わず通過がチェックされる。いずれにせよ、全15か所のうちの4か所をチェックすればいいわけだから、それだけで琵琶湖沿岸にいたことは証明されても、自転車で一周した証明とはならない。要するに自主申告というわけだ。まあ、事実のない証明書をもらったところで何の値打ちもない。
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 湖岸の走りやすい自転車道を淡々と北上する。道路が混雑してきた。近江八幡の市街地は少し内陸だが、そちらに出入りするクルマの通る幹線道路は湖岸に敷かれている。
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 幹線道路を離れ長命寺へとハンドルを切る。山が湖にせり出し少しアップダウンがある湖岸の道。こちらが県道25号線の旧道。クルマのほとんどは内陸のバイパスへと流れていくため、湖畔の道は静かでなんとも快適。やはり、こういう道を走りたい。
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 左に沖島を見て、休暇村や漁港を過ぎていく。景色が開けた。田んぼと麦畑が果てしなく広がっている。湖畔の旧道と内陸のバイパスに分かれていた県道25号線は、ここで再び一つにまとまる。かつて大中湖(だいなかのこ、だいなかこ)という長野県の諏訪湖よりも大きな湖があり、それが干拓され穀倉地帯となった。湖東にはこうした琵琶湖と砂州で仕切られた内湖と呼ばれる浅い湖がいくつもあり、大中湖は最大の内湖だった。
 旧道とバイパスの合流点のコンビニエンスストアに立ち寄り弁当を買う。店内に入る際には、マスク着用がエチケット。
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 その先は道路と琵琶湖の間にも田んぼや集落があるため、枝道により自転車道が途切れる。しかも段差の処理がきちんとされていないので、走りにくい。車道にも自転車通行のラインが引かれているが、クルマがそれなりに通る。段差、つまり自転車道の途切れ目の間隔が短ければ思い切って車道に降りるのだが、それほど短いわけでもない。だから安心・安全な自転車道を走るのだが、忘れたころに段差がやってくる。まあこの区間、もう少しの辛抱だ。
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 道が琵琶湖沿いになったところに公園があったので立ち寄る。ベンチに腰掛け、先ほど買った弁当を食べる。走行を再開したらすぐに分岐。左は集落の中の旧道。琵琶湖と家並みに挟まれた細い道。右は集落を避けたバイパス。当然左を選ぶ。こうした旧道へのアクセスの良さも、反時計回りの周回のメリット。時計回りならクルマの通行が多いバイパスを横断しなければならず、ついそのままバイパスをはしてしまうこともあるだろう。それは私にとっては、ビワイチの魅力を損なう行為だ。
 旧道沿い、湖畔の空き地の木の根元にベンチがある。ただそれだけで、Googleマップには「あのベンチ」として登録されるスポット。対岸の比良の山並みに沈むに夕陽を見ることができるということだが、湖畔にあるということでその値打ちが倍増するというわけだ。
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 彦根の市街地が近づく。右手には伊吹山。道路には信号が増えてきたが、湖畔の自転車道を走る限りは信号に関係なく走れる。段差もなく走りやすいため、対向する自転車もここを通っている。
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 彦根港に立ち寄る。沖島、多景島、竹生島などの離島や琵琶湖岸の他の港への航路がある。ここも琵琶湖一周のチェックポイント。
 彦根市街を過ぎる頃、後方を振り返る。彦根城を眺めておかねば。ちょうど信号機と重なってしまうが、写真にも納めておく。そうそう、この辺りは「鳥人間コンテスト」の会場だけど、おそらく今年は中止だろうなぁ(公式サイトに中止の知らせ)。
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 湖岸の自転車道を淡々と北上。ビワイチ認定チェックポイント「道の駅近江母の郷」は反対車線側。クルマの通行が多いので、横断しにくい。寄らないでおこう。
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 米原を過ぎ、長浜へ。ヨットハーバーから長浜城を中心とした豊公園へ。こちらの城は湖畔にあるため見落とす心配はない。ビワイチチェックポイントは長浜港だが、隣接する豊公園でチェックできた。ということは、「道の駅近江母の郷」でも道路の向かいからチェックできたかもしれない。別にこの先まだチェックポイントは十分にあるのだけれど。
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 長浜の市街地を過ぎるとようやく景色がのどかになってきた。ビワイチ認定のチェックポイント「道の駅湖北みずどりステーション」に立ち寄る。ここも反対車線側だが、クルマの通行は少なくなって何とか横断できる。チェックだけでなく、トイレ及び小休止もしておく。これで4か所チェックできたので、認定証発行の申請もしておいた。この辺りは、チェックポイントの過密地帯。平成の大合併前の市町村ごとにチェックポイントがあるようだ。後日談だが、この後個性でもポイントチェックを継続したのだが、認定証の裏面には申請時点までのチェックポイントしか記載されなかった。申請は後でよかったのだ。
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 片山隧道を抜け琵琶湖岸を離れる。余呉川沿いの道はクルマが多く自転車道がない。対岸の道を選ぶが、舗装されていなかったので次の橋で元の道に戻る。対岸に河川公園が見えてきた。そこから先は対岸の道が舗装されているはず、と橋を渡る。公園のベンチで少し休んでから静かな、そして舗装された道を北上。
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 ここまで順調に来ている。状況を見て奥琵琶湖カークウェイを走るかどうか決めるつもりだったが、もちろん、GOだ。ただし、腹が減ってきた。飲料水も補給しないといけない。この先の順路を思い浮かべる。旧西浅井で補給できる。
 クルマの多い国道303号線、賤ケ岳隧道で再び湖畔へ。トンネル内は砂ぼこりが待って目が痛い。国道から逃げるように湖畔の県道336号線へ。トンネル開通により国道から県道へ降格した、要するに国道の旧道だ。廃れたドライブインが降格を物語っている。けれども静かな湖畔の道は、自転車乗りと釣り人の楽園と化している。
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 再び国道に合流する寸前、背後に迫るエンジン音は自動二輪のもとと思われた。しかし、追い越していったのは、なんとトゥクトゥク(タイなど東南アジアに多く走るオート三輪)だった。実際に道を走るのを見るのは初めて。あっという間に走り去って、写真を撮ることもできなかったのが残念。
 西浅井の国道303号線沿いのドライブイン「湖北ほくほく亭」で腹ごしらえ。北湖一周以来5年ぶり2回目。だけど、33年前に初めてここをクルマで通ったときからここにこの店があったように記憶している。ラーメンと焼き飯の定食を平らげた。今日はカロリーをいくら摂取しても、十分に消費している。気兼ねなく炭水化物をとることができる。
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 食べたら次はコンビニエンスストアへ。飲料水の補給。1Lの紙パック入りのお茶を買って、2本のペットボトルに移す。いよいよ、コース最大の山場、奥琵琶湖パークウェイへと挑む。まずは、岩熊トンネルへの登り。標高差は50mもないが、そこそこの急坂。確か8〜9パーセントくらいの表示が出ていたように思う。
 トンネルを出たところが、奥琵琶湖パークウェイへと続く道への分岐。けれどもパークウェイは一方通行でこちらは出口側。ここは素通り。「工事中通行止」の看板が立っているのが気にかかるが、今は気にしないことにする。
 パークウェイ入口へは、本来ならば下りきってから左折すべきだったが、勇み足で八田部の集落へと迷い込んでしまう。迷走の挙句国道へと復帰し永原で左折。県道513号線で琵琶湖岸大浦漁港へ。
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 すぐにパークウェイが始まるわけではなく、静かな入り江に沿った道が芝浦集落へと続く。クルマも少なく本当にのどか。たまに自動二輪が追い越していく。
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 湖畔の公園に立ち寄り小休止。駐車場は閉鎖されている。琵琶湖での釣りや浜遊びは自粛要請されている。これまでにも釣り人を何人も見かけたが、さほどリスクを感じることはないくらいの人数だった。自粛要請がなければ人が密集するのだろうか。まあ最終的には、それぞれが判断すればいい。
 波打ち際に降りる階段があったので、琵琶湖にぎりぎりまで近づく。沖をモーターボートが過ぎる。天気が良くて風は爽やか。ああ、気持ちが良い。
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 このあたりで風が出てきた。今日は風があまり吹かない予報だったが、さすがに朝と比べると気温がかなり上昇している。空気が滞留し風が起こる。
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 芝浦集落の手前がパークウェイの起点。湖畔の右から分岐し、急勾配で尾根へと登る。急カーブが連続して眺めがよい。つづら尾崎展望台までは対面通行なので、追い越していった自動二輪が折り返してきて再会、という場面もある。
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 つづら尾崎展望台は閉鎖されてはいないが、半分程度に制限されている。まあ、人が多く集まらないようにやってますよ、ということだろう。いずれにせよクルマも人もまばら。のんびり景色を楽しむ。湖面より200m高い位置から見る琵琶湖、長浜市街などの平野部、そしてその奥の伊吹山は絶景。
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 走行再開。ここから先は一方通行。一方通行の根拠は、主に事故防止と思われるが、法面の崩落対策という側面もあるようだ。法面が崩れると片側通行にして修復工事、となるところだが、一方通行なので道路の真ん中に仕切りのついたてを設置し法面側は落石がそのまま置かれている。もともと対面通行の道幅があるので、それで支障はない。
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 道路は半島の尾根付近を行くので景色が良い。ただし、細かいアップダウンが連続しなかなか厳しい。
 もういい加減アップダウンにうんざりしたころに分岐に到着。道なりでなく左折して岩熊トンネルの西側に降りるつもりだったのだが、通行止の表示板。すぐ先に口を開けた短いトンネルはガードレールで塞がれ、さらにその手前の路面には落石や倒木がぎっしりと、おそらく故意に、散りばめられている。二重三重の障害物を設け、意地でも通してやらないぞ、という強い意志を感じる。といっても自転車ならばそれらの障害を乗り越えられるのだが、岩熊トンネル側にもあった通行止の表示が気にかかる。本来の通行止のの根拠は何だろう。それは自転車で通り抜けられるのだろうか。よく見れば、トンネルの向こう側の口もガードレールでふさがれている。ということは、このトンネルが通行止めということか。それにしてはトンネル内に損傷があるわけでも、工事がされているわけでもない。とりあえず、トンネルの向こう側に行ってみよう。というわけで突入。
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 反対側で倒れている表示板を起こすと、予想通り「通行止」の文字。何やら手書きで書き足されている。何文字か消えているが、天井のコンクリートが崩落する恐れがある、ということらしい。何年か前(2012年)の中央自動車道の笹子トンネルの天井崩落事故を思い出す。そういえば、昨年暮れに湖西の高島から朽木スキー場へ抜ける入部谷越のトンネルも工事中だった。
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 とにかくこれで通行止め区間を抜けたわけだ。このまま安心して下っていける。今の小さなトンネルで尾根を西に超えたので、湖岸までずっと下り。しかもこの先ゴールの堅田まで登りらしい登りがない、ということだ。とはいえ、まだ琵琶湖一周の3分の1を残しているのだが。
 岩熊トンネルの西側に降り立つ。国道303号線をさらに下り、県道で大浦漁港へ。この4kmの区間は2時間と少し前に見た景色だ。国道は下り、県道はのどかなので2回走るのも悪くない。ちなみにパークウェイ出口の分岐を道なりに進んでいたら、重複区間が伸びることに加え、岩熊トンネルへの登りも2回走ることになる。また、もし奥琵琶湖パークウェイが一方通行でなければ、重複区間2回分、8kmが短縮される。
 風はいつしか止んでいた。大浦の集落の分岐を右折。海津大崎へ向かう。集落の中に大きく「ライダー」とかかれた建物が目に留まる。さらに別の面には手書きでたくさんのメッセージが書き込まれている。その中には、滋賀県知事の名前も。隣接する木造の日本建築の玄関に「ライダーハウス日本何周」の看板。バイクスタンドもある。ちなみに「ライダー」の文字と手書きメッセージの別棟は、ビワイチトイレとのこと。その時は休業中だった。先が気になって素通りしたが、せっかくの機会なので声をかけてみたらよかった。
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 琵琶湖の最北は、リアス式と表現したくなるような入り組んだ湖岸。奥琵琶湖パークウェイのあるつづら尾崎と海津大崎の両半島に挟まれた深い入り江に沿った道を行く。クルマは、ほとんど通らない。半島の先端、海津大崎には短くて狭いトンネルが連なる。そういえば、この区間も一昨年の暮れに訪れた時には通行止めだった。つまり、湖北や湖西、あるいは滋賀県内の古いトンネルの安全の見直しが行われているのかもしれない。奥琵琶湖パークウェイ出口近くのトンネルは、補修の順番待ちということか、それともこのまま廃道となるのだろうか。道の重要性、迂回の道のりの長さから考えると、廃道もありうる。
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 湖北を走り終え、いよいよ湖西だ。海津から今津は、湖岸の集落をつなぐ道を行く。クルマは少なく、快適。ビワイチ認定のチェックポイント今津港でクイズに回答するが、すでに認定申請をしてしまったのでここの通過は認定証には記載されない。
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 旧新旭町に入ったところで、クルマが行きかう国道161号線に最接近するが、すぐに別の道を歩む。半円状に琵琶湖に突き出した安曇川の扇状地の縁を行く。このあたり、夏は遊泳場が点在し、浜に隣接した駐車場がいくつもある。丹後からの琵琶湖の入り口ということもあり、このあたりの駐車場をこの日のビワイチの周回の起点とするつもりだったが、たくさんの駐車場はことごとくバリケードで塞がれている。なんと、共同墓地の駐車場まで。ただし、結果的には堅田を起点・終点として正解だった。幹線道路を走らざるを得ない、堅田から浜大津までを早朝に越えるとするなら、新旭起点だと夜明け前の暗いうちから走らねばならなかった。寒さの問題もあるし、白髭神社辺りの国道161号線は深夜でも大型トラックが爆走する。何より、景色を楽しめない。
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 ところで、滋賀県に来れば近江ちゃんぽんが食べたくなる。その近江ちゃんぽんが食べられる「ちゃんぽん亭」の前を通過するが、ほくほく亭で食べたラーメンの存在感がまだ残っている。ここは素通りしよう。ゴールの堅田にもちゃんぽん亭はあるのだ。
 かつて道の駅「しんあさひ風車村」だった、ステージクス高島でビワイチ認定のクイズ回答。ただし、幻のチェック。道の駅の中核施設は休業の末、民間のグランピング施設としてリニューアルされているが、道の駅としての機能は継続されているかどうかはよくわからない。地図や道の駅のリストには、載っていたりいなかったり。そして、このときは休業中。
 扇状地を走り終えると、比良の山が琵琶湖にせまる区間。つまり、平野部がないので、湖岸の道は国道161号線に集約される。白髭神社の鳥居がたたずむ湖面、対岸の伊吹山など、風光明媚ではあるが、クルマの多い道を走らねばならない。飲料水が切れたので、コンビニエンスストアに立ち寄るが、道路の反対側に渡るのもすんなりとはいかない。
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 比良の山と琵琶湖の間に少し平野部が存在する北小松からは国道を離脱。安心して走れるようになる。集落の中の道、JR湖西線の高架に沿った道、田んぼの中の道などを進む。見上げる比良の山には、ロープウェイかゴンドラリフトのケーブルが見える。特に良いのは、比良駅の南側の区間。八屋戸浜のすぐそばを行く。浜と集落に挟まれた狭い道はクルマが通らず、この日最後のお楽しみ区間。比良の山が冬場に吹き付ける北西の季節風から守ってくれるのだろう。防波堤などはなく、波打ち際を走る。マリンレシャー(マリンじゃないけど)の施設もあり、リゾートの雰囲気もある。
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 JR蓬莱駅を過ぎたら、国道161号線の旧道を走らなくてはならない。クルマが多いが、逃げ道がない。最後の難所。けれど、もう少しの辛抱4だ。
 日が暮れてきた。ゴールの堅田市街地に入ったところでライトを装着、点灯。今日は日の出とともに走り出し、日の入りとともにゴール。
 ちゃんぽん亭の前を通過。このまま立ち寄りたい気もするが、走り終えてクルマに自転車を積んでからにしよう。ということで、19:10、コインパーキングに到着。217km。実に31年ぶりの一日200km破だ。
 脚はまだ使い果たしていないが、足には少しダメージ。ビンディングサンダルでは、引き足の時に足の甲のベルトがかかっている部分に力が集中する。そのベルトの部分、小指が擦れて痛い。長時間走るときには、ビンディングシューズのほうが良い。
 限界を感じるのは手。上半身を支え続けた掌が痛い。特に左手。右手の症状が軽いのは、変速操作のため頻繁にハンドルから手を離し、手を動かしているからだろう。自転車が古いおかげで、フレーム(ダウンチューブ)に変速レバーがあることの副産物だ。フロントギアの変速レバーは左側についているが、変速頻度は右側のリアに比べて圧倒的に少ないし、左側のレバーも右手で操作している。
 翌日から、手の小指がしびれる。右手の症状はほんのわずかだが、左手は比較的重い。パソコンのキーボードで、「A」のキーを打つのがつらい。「尺骨神経麻痺」とか「尺骨神経障害」と呼ばれる症例だ。掌の付け根、手首に近い部分の小指側を通る、尺骨神経が圧迫されて起こる症状。ドロップハンドルの自転車である程度の時間走ると発症する。31年前の200km走行でも発症した。ドロップハンドルに苦手意識を感じるようになったきっかけの一つだ。
 自転車をクルマに収めてちゃんぽん亭へ。やけに店内が空いているな、と思ったらなんと時短営業。閉店の20時までまだ数分あるが、すでにオーダーストップということだ。ショックを受けつつ駐車場を出る。商業施設によってお土産などを買い、傷心で帰路に就く。新旭のちゃんぽん亭も時短営業に違いないと決めつけ、国道161号線のバイパスを素通り。実は、通常通り営業していた。近江ちゃんぽんが食べられなかったことが、この日の最大の心残り。
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    *      *      *
 半月ほど過ぎたころ、ビワイチ認定証が届いた。琵琶湖のヨシ紙を使っているそうだ。さらにステッカーも。でも、左手小指はまだしびれている。症状は軽くなったけれども。
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2020/06/22

緊急事態宣言下の丹後半島一周

 ゴールデンウィーク序盤。新型コロナウィルス感染症の感染拡大を受けて、不要不急の外出、および都道府県境を越えるような長距離の移動の自粛を呼びかけられている。「禁止」でなく「自粛要請」なので、自分の行動を自分で決める自由は認められているわけだが。気温も湿度も快適で、自転車に適した季節。自転車で丹後半島一周をすることは、京都府の外に出ないし、運動のためのウォーキングやジョギングと同ととみなされ、自粛の対象外だ。こうして、今シーズン初、生涯通算52回目の丹後半島一周が始まった。
 10時40分、京丹後市弥栄町の自宅を出発。竹野川に沿って北上する。出発が遅くなってすでに日は真上。気温もすでに上がっていて、海風が発生し、海に向かって走るには向かい風だ。感染である国道482号線を避け、田んぼの中の細い道をつないでいく。周囲では田植えの準備が進められている。農作業は、密閉空間ではないし、人の密集もないし、仕事だから不要不急でもないし、なんて自粛の対象かそうでないかとついつい考えてしまう。
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 竹野川の河口付近、道の駅「テンキテンキ丹後」でトイレ休憩。ゴールデンウィークとは思えない駐車場の空きの多さ。少ない台数のクルマのほか、自動二輪が2台、自転車も私以外に2台。
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 国道178号線を東へ。左に青い日本海を見ながら進む。海岸沿いのアップダウンが始まり、ひと登りして屏風岩を見下ろすポイントで小休止。東屋のベンチに座り、パンを食べていると、入れ代わり立ち代わりクルマが止まる。基本的に京都府内のクルマが多いが、兵庫県や大阪府をはじめ、府外ナンバーのクルマもちらほら。感染拡大を防ぐため県境を越えての移動の自粛が要請されているが、京都府北部の人間にとっては、京都ナンバーのクルマに乗った人に安心できるわけではない。京丹後市をはじめ、北部の多くの自治体では新型コロナウィルス感染者が1人も出ていなくて、北部全体でも10人。京都府全体の感染者の9割以上が南部である。同じような南北格差は、隣の兵庫県にもあり、北部の但馬地方全体で感染者ゼロを保っている。姫路ナンバーは、その但馬とゼロではないが感染者の少ない播磨地方のクルマであることを示しているわけだから、むしろ京都ナンバーよりも安心だ。とはいえ、クルマとすれ違ったり追い越されたりすることで感染するわけはないし、少し離れた場所で屏風岩を見下ろしている人がもし感染していてこちらが感染するということも、その逆もあり得ない。
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 犬ヶ崎のトンネルを抜けると、丹後松島の景色が広がる。奥には経ヶ岬も見える。展望台の駐車場のクルマを確認すると、8台のうち6台が京都ナンバー。また、道行く車のナンバーにもつい目が行き、京都ナンバーが多いことを確認してしまう。結局、私も都道府県境を越えての移動の自粛要請に支配されてしまっている。
 下り坂で自転車が追い越していった。ロードレーサーだが、ライダーは身を縮めて空気抵抗を抑えている。こちらは、心地よい風を全身に受けて行く。
 宇川の河口を越え、小さなアップダウンを越える。国道をそれて、丹後松島の陸繋島を間近に見ながら海岸を行こうと立ち止まっていると自転車がやってきた。少し離れてもう一台。テンキテンキ丹後にいた2台だ。それに気を取られたわけではないのだが、海岸への道の入り口を間違え、集落の中に入る。あ、ここは知人の家だ。ちょうどいい機会だと、突然表敬訪問をする。お互いの近況報告などで小一時間経過。
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 走行再開。経ヶ岬でも駐車場のクルマのナンバーを見てしまう。府内と府外が半々くらい。こんな状況でも、北九州など遠方のクルマがいると、ゴールデンウィークらしさを感じる。
 経ヶ岬を越えると、アップダウンがさらにきつくなる。まずは白南風トンネルへの登り。のんびり行こう。標高差は100mあまりなのでそんなに時間はかからない。白南風トンネルを越えると、カマヤ海岸。青い日本海が広がる。若狭のリアス式海岸は霞んでいる。ここは下り、快走できる。白南風トンネルを起点としたときのカマヤ海岸の終点は甲崎。トイレが設置され、ベンチもある。そこで小休止。
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 甲崎の向こうは側からは蒲入の漁港を見下ろせる。漁港のある小さな漁村が俯瞰できる。そして蒲入トンネルへ。かつては蒲入峠を越えていた。峠が一つ減って楽になったが、丹後半島一周で一番の山岳ステージが弱体化してしまった物足りなさもある、少しだけ。
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 浦島伝説の宇良神社(最近は浦島神社という)のある本庄から国道をそれ海岸沿いへ。野室崎越えのアップダウンが始まる。この登りは、出だしが特にきつい。その急坂の途中の八重桜は、少し花が残っていた。今年は記録的な暖冬だったが、4月の低温も記録的だった。
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 登っていくと、青い海と水平線、そこに浮かぶ冠島と沓島が見渡せる。ずっと海だが、景色が変わっていくので全く飽きない。下りに差し掛かると、泊の入江、その向こうの新井崎と、これから訪れる地が見える。泊までは一気の下り。いつものゴールデンウィークなら、浜で遊ぶ人影がちらほらみられるのだが、今日は地元と思われる人が散歩しているだけ。次の新井崎越えのアップダウンもやはり出だしがきつい。登りが一段落すると、ほぼ水平な区間となる。すぐそこの岩礁に人影が見える。釣り人だ。夕方、渡船が迎えに来る。
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 耕地整理された田んぼには水がはられ田植え準備の作業する人たち。かつてはここも千枚田と呼ばれる棚田だった。ここは新井の集落。このまま道なりでもまだ残る千枚田のそばを通るのだが、せっかくだからそれを見下ろすために一段高いところを通る道へ。またきついのぼりだが、ギア比を落としてのんびりと行く。
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 千枚田は少し田植えが遅く、まだ水がはられていない。例年のことなので分かっていたが、それでも荒越しされ冬の田とは違う表情を見せている。その棚田と、新井の漁港を一つの景色として眺められるのが、この道の売りだ。
 新井崎を越えて舟屋の並ぶ伊根湾へと降り立つ。近年たくさんの観光客が訪れるようになった。住民と舟屋観光以外のクルマは舟屋の家並みの外側の道を通すようにしたので、狭い道が歩行者天国のようだったのだが、今日は自転車ですいすい走れる。かつて町役場があった入江の畔は公園となっているが、人は少ない。向かいの駐車場は閉鎖されている。
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 さらに進み、舟屋集落の外れへ。こちらの駐車場は閉鎖されていなくて、たくさんのクルマが止まっている。多くは釣り客のようだ。そこに2台のパトカーが止まり、拡声器で「現在緊急事態宣言が発出されています。不要不急の外出は自粛をお願いします」と呼びかけている。あくまで自粛要請だから強制的に追い返すことはできないが、この場にいづらい雰囲気づくりに徹しているようだ。しばらく様子をうかがっていると、なんとなくこちらにも圧力をかけているように感じられてきた。遠いので車内の警察官の視線はわからないのだが。
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 伊根を過ぎると平坦区間。午後の海風を背負って快走できる区間。フロントをアウターに入れる。が、今日はもう一つスピードが伸び悩んでいるような感触。25km/hくらいは出ているのだが。
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 天橋立の北詰、江尻で小休止。観光汽船乗り場は閉鎖。ほとんど人がいない。去年のゴールデンウィークには、乗り場に長蛇の列ができていたことが思い出される。ベンチに座り、なんとなく自転車を触っているとなぜかペダルが重い。フロントディレイラーとアウターギアが干渉していた。センターやインナーのギアにチェーンがかかっているときには干渉がない。スピードの伸び悩みはこれかもしれない。とりあえずアウターでも変速レバーを引きすぎなければ問題ない。アジャスターボルトで調整するのは帰宅後、あるいは後日としよう。
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 しばらく天橋立の内海、阿蘇海沿いの自転車道を走り、男山から海に背を向け山間部へ。最後の峠越え。標高200mまで、本日最大の標高差だが、単独の峠だし府道のため勾配も緩い。それに最後だからもう焦りも不安もない。

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三日月のような太陽2020

 6月21日、午前中は快晴、見事な五月晴れ(さつきばれ)だ。今年は閏月の関係でようやく夏至のこの日(新暦6月21日)が、五月(さつき)の一日(ついたち)。ちなみに、五月雨(さみだれ)は梅雨の雨、五月晴れは梅雨の晴れ間を意味する。五月蠅い(うるさい)のは梅雨の時期に発生するハエ。これらの言葉が使われるようになったときには、旧暦が使われていたということだね。
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 夕方に部分日食が観測されるのだが、午後になって空は雲に覆われた。五月晴れをほめるなら夕暮れを待て、ということか。とはいえ、雲はさほど分厚いわけではなく、太陽が透けて見えるタイミングもある。16時頃に始まった日食は、食の最大となる17時10分ごろには薄雲越しに太陽が透けた好条件。ちゃんとしたフィルターを持っていないので、雲のフィルターがあった方がいい。それでも手元のフィルターも必要で、実際に使ったのは写真のネガフィルム。これを重ねて使った。目を痛めるので真似しないでね。太陽観測用のものを使った方がいい。でも、小学生のころは、色のついた下敷きで観測していた。
 肉眼ではそれなりにはっきりと掛けた形が見えたけど、写真に撮るのはなかなか難しい。どうしても輪郭がぼやけてしまう。
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 前回の部分日食、2012年5月21日にはもう少し南の京都市あたりで金環食が見られ、京丹後市でもかなり欠けた。ということは光量も少なく観測しやすかった。
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ソーシャルディスタンス

 6月中旬のある日の夕方、自転車でのお散歩中にコウノトリを見かけた。
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  単独かと思ったら500mほど離れてもう一羽。これまでに見かけたカップルならもっと接近していた。どうやらコウノトリの業界にもソーシャルディスタンスが定着しているようだ。
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 得体のしれない脅威に迫られた数か月間。その未知の物への対応の仕方が少しずつ分かってきた。徐々に自粛要請が解除されているが、完全に元通りの生活に戻っていい、というわけではない。リスクの大きさを自分で判断し、自分の行動を自分の責任で行うこと、が必要になった。
 白状すると、元々人に決められた行動をするのが好きではないし、真面目に自粛要請に応じたわけではない。私はずっと自分の判断で行動していた。いずれそういう時期が来ることも想定されたわけだし。
 例えば、外出していた。ただし、行先はリスクの低いところのみ、としていた。リスクが高いのは人口過密地帯。その対局である過疎地、つまり田舎はリスクが低い。クルマ依存もこういう場面では有利となった。まあ、普段から単独で人のいないところをふらつくことが多いわけだから、普段通りの外出にはあまり自粛する意味を感じなかった。だから、気候のいい春から初夏を野外で気持ちよく過ごしていた。
 ただし、自粛生活をされている方々、感染リスクの中で働いている方々の気持ちを考え、活動報告を自粛していた。その自粛をそろそろ解除しよう。投稿を再開する。

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