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2020/04/20

11年ぶりの林道床尾線で床尾山を一周(朝来リバイバル2)

※これは、緊急事態宣言の対象が京都府を含めた全国に拡大される前のお話です。

 兵庫県の朝来市和田山町と豊岡市但東町の境、東床尾山(ひがしとこのおさん)と鉄鈷山(かなとこやま)の鞍部を超える林道床尾線のことを思い出した。全線開通して間もなくMTBで走ったのだが、峠を越えたところでタイヤがバーストして苦労した覚えがある。そういえば、まだリベンジしていない。あれはいつだったっけ。
 記録を見れば2009年4月。11年前だ。すっかり忘れていた。
 兵庫県豊岡市但東町を経由し、豊岡市出石町へ。出石の中心街の手前、国道426号線沿いのトイレのあるパーキングスペースにクルマを止める。自転車はランドナー。ダートに備えブロックタイヤを履いている。ここから、東西の床尾山を時計回りに一回りする周回のスタートだ。
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 まずは出石川をさかのぼる。スタート地点の標高は15m。国道426号線を避けて左岸ののどかな道を行く。基本的に交通量はほとんどないが、工場があるため狭い道を資材の搬入出の大型トレーラーが通る。まあ、このくらいは仕方ないか。
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 10km足らず走り、但東町中心街の手前、出合市場の交差点を県道56号線へと右折。1kmほどで右へ分岐する道へ。標高60m。畜舎の入り口の脇からダートの急坂が始まる。ガレていてきつい。東床尾山の北東へと長く伸びた尾根へと乗り上げるまでが最も厳しい。ただし、尾根に乗り上げてからも、勾配が少し緩む程度で十分にきつい。周囲の眺めが良くなってくることを励みに登っていく。11年前は開通して1年くらいしか経っていなかったので走りやすいダートだったはずだが、何度も大雨を経験してガレ場が出来上がっている。路肩の側溝が詰まっている個所で水があふれ、路面の土を洗い流してゴロゴロとした石だけが残る。その詰まった個所を境に上側は走りやすい土の路面。まるで道路劣化の標本のようだ。ただ先日の段ヶ峰のダブルトラックほどガレ場区間が多くなくて良かった。山腹でなく稜線付近にダブルトラックが位置していることが幸いだったようだ。日本アルプスなどの山小屋だって、稜線に建つものはより水不足が深刻だ。
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 東床尾山は標高800m台の低山であるが、周囲に高い山がなくよく目立つ。特に北側の麓を回り込むように出石川が流れ、但東や出石の市街地の平野となっているため、私が住む丹後半島の山々や、神鍋高原から見れば独立峰のようにそびえている。その北側の尾根を行く林道からも展望が良いのだ。
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 右前方に東床尾山の山頂部が見え隠れする。山頂に近づくにつれダブルトラックは稜線を外れ、山頂の東側に到達するともう山頂は見えない。代わりにこれからたどる道が山肌に張り付いている様子が見える。なかなかダイナミックな景観だ。見えている範囲を超えると峠だろうか、ときたしながら進むも山襞の向こうにまた上りが続いていた。
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 路盤が崩れている個所があった。道幅が半分くらいになっている。自転車は問題なく通れるが、クルマは車幅ぎりぎりといったところ。そこを過ぎると、前方に何やら動くものが見えたような気がした。鹿かな。でも白かったような気がする。しばらくして山襞の向こうから現れたのはクルマだった。こんな道で対向車が現れるとは意外。でも、先ほどの崩落個所を超えることができるだろうか。大きくて重いワゴン車だ。道幅はぎりぎり行けそうだが、崩れかけた路盤だからね。ある種の賭けといえる。すれ違ってしばらくして振り返る。見通しのきく区間だが、クルマの姿はない。無事通過したようだ。まあ、賭けに勝ったということだが、もしかするとこれも「誤った成功体験」かも知れない。
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 鉄鋸山との鞍部らしきものが見えてきた。ようやく峠だ。でもその手前にきつめのガレ場があった。
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 峠は鉄鋸山の登山口になっている。標高635m。ここから朝来市和田山町だ。ところが和田山側の風景に絶句してしまった。路面が舗装されているではないか。11年の間に舗装されてしまったようだ。登りがダートで下りが舗装なんて、本末転倒。スキーを履いてゲレンデを歩いて登り、リフトで下山するようなものだ。
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 11年前にはこの下りの途中でタイヤがバーストした。ブレーキシューの角でタイヤが避けるという情けないトラブルで、ガムテープを持っていれば裂け目をふさぐことができたのに持ち合わせてなく、ただチューブだけを交換したらすぐにパンク。もう一本の予備チューブを使う気になれず、残り半分の行程をどうするか途方に暮れた。進むか戻るか迷ったあげく、進むことを選んだ。その根拠は二つ。一度見た景色より、新しい景色を見たいということが一点。もう一つは、アップダウンと平坦区間の割合を考えてのこと。出石川沿いの10km近い平坦区間を避けた。幸いなことにバーストしたタイヤは前輪。フロントサスペンションもあるし何とか乗車できる。ただし当然抵抗が大きい。下りは地球の引力が推進力となる。登りは、開き直って押しで行こう。どうせ乗車でもスピードは出ない。一番厄介なのは平坦区間だと判断した。何せ20km/hで走れるはずが、ペダルが重くてスピードが出ないのは精神的にきつい。空気の入っていないタイヤとチューブを外したほうが抵抗は小さくなるだろうが、リムを保護するためにつけたままで行った。それでも、ホイールへのダメージが心配だった。ところが、結果的にはリムもスポークも無事で、その時のものを使い続けて11年、今日に至る。MTBって頑丈だね。
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 今回は舗装路を飛ばしあっという間に糸井の大カツラへの分岐へと降りた。標高380m。その間特筆すべきことは、何頭もの鹿に出会ったこと。驚いたのは、法面から目の前に大きな茶色の塊が転がり落ちてきた、と思ったら鹿で、一瞬で立ち上がりかつかつと蹄の音を響かせて走り出した。
 大カツラは分岐から床尾山の懐にもぐりこんだところにあり、そこが登山道の入口だ。今日は分岐を素通りする。
 お目当てのダートの下りを堪能できなかったが、タイヤに空気が入っているだけいい。いや、日も傾いてきたし、安全にスピーディに下れたことはメリットかも知れない。
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 道はコンクリート舗装となり、まだまだ下りが続く。竹ノ内の集落が見えてきたら下り勾配が緩くなる。それでも緩い下りだが、空気の抜けたタイヤではさぞかしペダルが重かったことだろう。
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 和田の集落で右折。標高115m。ここから県道10号線の峠越えで出石へと戻る。やや急な登り。11年前は押して登った。ダブルピークのひとつ目(標高370m)を超えると廃屋の多い朝日の集落だが、窓に明かりの灯る家もある。だいぶ暗くなってきた。糸井小学校朝日分校も廃校のようだ。轟音を立ててマイクロバスが追い越していった。スクールバスだ。市境の峠となる二つ目のピークの手前の分岐で一人の生徒を下す。その生徒が歩いて行った先には、堀場という集落がある。まだ住人がいるんだ。
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 ヘッドライトをともして峠(標高360m)を出石へと下る。名前からしても山間の集落、奥山にも蕎麦屋があるがここも出石そばなのだろうか。夕暮れの集落に、桜が白く浮かんでいる。奥山川に沿って、ひたすら下っていく。11年前は、もっと遅くなってすっかり夜になってからこの道を下った。暗い川底を鹿が走っていた。空気のない前輪のタイヤの乗り心地の悪い自転車から川を見下ろし、並走する鹿の軽やかにそして優雅に跳ねる足取りがうらやましかった。こちらは舗装路、向こうは石がゴロゴロした河原だというのに。
 結局今回も車に戻るころにはすっかり夜のとばりが下りた。前輪タイヤの空気がないまま後半20kmあまりを走った前回よりも、40分ほど速く走り終えた。当時も大体村くらいの時間のロスだろうと考えていたが、間違っていなかったようだ。だが、まだこれで完全なリベンジとは言えない。次は逆コースで走り、舗装路を登りダートを下らなければならない。
 4月中旬。14:47〜19:10。42.2km。

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