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2020/04/20

14年ぶりの生野段ヶ峰の稜線をMTBで行く(朝来リバイバル1)

※これは、緊急事態宣言の対象が京都府を含めた全国に拡大される前のお話です。

 こちらには報告していないが、少し前に兵庫県神河町、つまり播磨の北端に位置する越知ヶ峰林道を走った。そのときに峠から北西方向に見えた稜線が強く印象に残った。あれは生野の段ヶ峰だ。あそこをMTBで走ったのはずいぶん前のことだ。もう10年以上も前のことだろう。再訪したくなった。ならばするしかない。記録を見たら、段ヶ峰のMTB縦走は2006年6月。その4か月前の2月にはテレマークスキーで初めて段ヶ峰を訪れている。いずれにせよ、14年ぶりということになる。
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 桜咲く竹田城を遠めに見上げながら、生野へ南下。少しの迷走を経て、生野高原のゴルフ場に隣接した達磨ヶ峰登山口へとクルマを止める。先客のクルマが一台ある。おそらく達磨ヶ峰、フトウガ峰を経由して段ヶ峰までのピストンだろう。出会うことはないと思われる。
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 自転車に跨り、車道を行く。スタート地点、達磨ヶ峰登山口の標高は570m。MTBにブロックタイヤを装着して走るのは久しぶり。昨年5月の加賀白山と扇ノ山以来。いずれもスキー登山がらみだ。ゴルフ場の施設、そして別荘地を抜けて林間へ。千町峠を目指す。稜線の南側の山腹を巻くこのダブルトラックはやがてダートとなる。林道かと思ったら、市道だ。山襞に沿って蛇行しながら、そこそこの急勾配の登りだ。所々で道がガレている。ひどいところでは、乗車できないほどだ。
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 ガレ場を上っていくとその原因が現れる。法面を流れ落ちる滝だ。大雨で増水するとこの水が路面に溢れ、土を洗い流してしまうのだ。千町峠までそんな滝が何本も現れ、その手前がガレ場となっている。時々、コンクリート舗装がされているところがあるが、そのなんと走りやすいことか。また、滝を過ぎればダートであっても土がとどまり、格段に走りやすくなる。また、水の流れが沢でなく滝であることは、地形が急峻であることを表している。稜線はなだらか。特にフトウガ峰は平坦な台地状になっている。そしてなだらかな稜線の縁からは急に切れ落ちた法面となっている。これは扇ノ山にも共通する地形の特徴である。扇ノ山の場合は稜線ではないが、その周囲に河合谷高原や畑ヶ平高原など大根畑が広がる平坦な高原が広がっている。その縁には霧ヶ滝、シワガラの滝、雨滝などいくつもの滝が流れ落ちている。まあこうした地形の究極は南米ギアナ高地のテーブルマウンテン。世界一の落差のエンジェルフォールなど水が途中でしぶきとなってしまうため滝つぼができない、そんな滝に囲まれている。
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 右手に壁のような崖、左手に深く大きな谷を見て市道のダブルトラックを進む。ダブルトラックの中間点辺りにあるのが杉谷登山口。「最低コル」と呼ばれる稜線の大きな鞍部の直下の谷だ。14年前の2月にスキーできたときには、未除雪のダブルトラックを苦労してここまでクルマで来て、板を背負って登山道を登った。名前の通り谷にある登山口だが、登山道は谷を詰めるのではなく、西側の尾根に乗り上げフトウガ峰へと到達する。
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 前方に千町峠と思われる鞍部が見えてきた。そして千町峠のすぐ手前で、道はきれいなアスファルト舗装となった。峠へ行くにはこんな道ではないだろうとすぐ先で分岐する荒れたダブルトラックを登って行ったら行き止まり。振り返れば千町峠とそこに建つ山小屋が見える。ダブルトラックを下って舗装道路で千町峠へ。標高970m。ここまでは但馬。この先車道を進めば播磨の国。ここまで順調に来たつもりでいたが、帰宅後に14年前の記録と比較すると今回は20分ほど余計にかかっていた。ガレた道のせいだろう。
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 段ヶ峰へは、山小屋の脇を通るシングルトラックへ。数段の急な木段をMTBを担いで登る。が、ボトルケージが邪魔で担ぎにくい。ずっと担いでなかったからそういうことがおろそかになっている。山小屋は個人所有のものらしい。シングルトラックへ入りひと登りすると景色がいい。これから駆ける稜線が見える。突き当りの達磨ヶ峰まではかなりの距離がある。
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 小屋からはまた急な登りが続く。左手は薄暗い杉林で右手は落葉した明るい林。登山道にクロスする方向に無数の木の根が浮き、まるで木段のようだ。ここが一番急なところ。もう少し登ればなだらかになる。
 このシングルトラックがつけられた稜線は播但国境。現在では市町境である。植林と雑木林の違いは行政区の違いを示しているということか。そういえば、2月にスキーで歩いた戸倉峠から氷ノ山三ノ丸に至る兵庫・鳥取の県境尾根でもこういう状況が見られた。
 GPSレシーバに搭載されている地図は、ある程度縮尺を大きくすると等高線が表示されるのだが、これが薄くて読み取りにくい。ところが、最近画面表示を夜間モードに切り替えると等高線が読み取りやすいことが判明した。普段は自動モードとなっていて日の出・日の入りで昼間・夜間のモードが自動的に切り替わる。今回は、シングルトラックに入るときに、これを強制的に夜間モードに設定した。これで地形がよくわかる。ただし道路の標示は日中は昼間モードのほうが読み取りやすいので、舗装路を走るときや自動車や自動二輪で利用するときは自動モードにしている。
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 千町峠から段ヶ峰の頂までの標高差は140mほどしかないので、急登はさほど長くない。登山道の勾配は落ち着き、林間を抜け景色が開けた。右は但馬の朝来市生野町。左は播磨。千町峠からの登り出しは神河町(旧大河内町)だったがすぐに宍粟市一宮町となっている。さらにこの先進んでいき段ヶ峰の頂を超えると両側ともに但馬となる。右はずっと朝来市生野町のままで、左は朝来市朝来町となる。
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 山頂が見えてきた。立木はまばらになり、景色がさらに開ける。まるで庭園のような風景だ。そして14年ぶりの段ヶ峰登頂.「段ヶ峰1106m」と記された標柱に「段ヶ峰1103m」という表示板が立てかけられている。国土地理院の地図や登山国と案内板などには1103.4mと記されている。帰宅してから14年前の写真を見ると、当時は1106mの表示のみだった。つまり、その後修正されたのだが、なぜか古い方の表示板が撤去されずに置かれているということのようだ。
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 山頂からは360度の展望が広がる。達摩ヶ峰へと続く稜線は、千町峠からよりもよく見える。麓の集落も見下ろせる。西には、まだら模様ではあるが唯一白い雪を残した氷ノ山が三ノ丸、そして戸倉峠へと連なるなだらかな山容を見せている。南には、砥峰高原のススキ野原も見える。
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 さあ、ここからがお楽しみ。稜線を駆けよう。フトウガ峰に向けて少し進んだところに三角点があるが、ブッシュの中なのでご対面せずに素通り。フトウガ峰までは標高の変化はほとんどなくわずかなアップダウンを繰り返すのみで、MTBのためにあるような道。だったはずなのだが。シングルトラックの真ん中に溝が掘れている。はまると転倒してしまう深さだ。14年前もこんなんだったっけ。平坦な区間ならまだいいが、上りでも下りでも勾配が付くと乗車が難しい。新年度早々「はいかいさんは、骨折でしばらくお休みです」なんてことになったら、面目丸つぶれである。とにかく安全に。怖いと思ったら押していく。風が冷たいので、グローブを指切りから防寒のものに交換。さらにウィンドブレーカーを着る。
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 少し進んでから山頂を振り返ると、雪景色を思い出す。14年前の2月にスキー登山にきた時は、杉谷登山口からフトウガ峰までの急登を越えても、スキー板を背負ったまま段ヶ峰まで来た。そして、稜線の南斜面を繰り返し滑った。下山の途中に、今回と同じように振り返り雪面につけたシュプール眺めた。
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 結局あまり乗れないままフトウガ峰。標高1082m。ここは台地のようになだらかな草原となっている。杉谷登山口への分岐もある。そちらの登山道もしばらくはなだらかでそのあと急勾配になる。達摩ヶ峰に向けて進んでいくと特徴的な岩が見えてきた。トサカというか、魚の背びれというか、ウルトラセブンのアイスラッガーというか、板状の岩が立っている。
 その先からこれまでより大きなアップダウンが現れてくる。基本的には下り基調で、下りは大きく上り返しは小さい。アップダウン発生の代わりに、道の溝がない区間が増えむしろ乗車率が上がった。帰宅してから14年前の記録を読むと、フトウガ峰を過ぎるとアップダウンが大きくなって乗車率が下がる、とある。全く逆の記述だが、おそらくフトウガ峰以降の状況はあまり変わっていなくて、段ヶ峰・フトウガ峰間の状況が大きく悪化しているということだろう。
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 フトウガ峰から2段目の下りはものすごく大きい。植林らしき木々の中へと降りていくガレた急なシングルトラックで、当然乗車できない。下りきったところが「最低コル」だ。標高900m。ということは、まだ稜線の中間を少し過ぎた程度。ずいぶん時間がかかっている。だいぶ日が傾いてきたぞ。
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 最低コルというだけあって、上り返しもやや大きめ。登り切ったら少し乗車できるが、その先でまた乗車できないアップダウン。これが延々と続く。達摩ヶ峰にたどり着くころには、日没間際となってしまった。標高912m。最後に稜線から景色を眺める。アンテナが林立する丸いピークは、峰山高原の暁晴山。もしかするともっと前から見えていたのに気付かなかったのかも知れない。生野の中心街がある市川の大きな谷の対岸の山の合間にはダムも見える。また、ダムの堰堤のような壁面が見えるが、その向こうにダム湖が見えないものもある。鉱山を掘り出した土が谷を埋めて積み上げられた場所なのかもしれない。
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 達摩ヶ峰からはクルマを止めた地点へと急降下。もうほとんど乗車できない。下界にゴルフのコースが見える。さらに下には集落が見える。車のヘッドライトや街灯の明かりが目立つほどに薄暗くなってきた。日没を過ぎ残照の時間帯だ。どうせもう乗車できないので、落ち着いて下っていく。急ではあるが登山道は明瞭なので、焦る必要はない。ヘッドランプも持っている。かなり薄暗くなってから、クルマを止めた地点に降り立つ。14年前より1時間余り時間がかかった。先客のクルマはもうない。予想通り誰とも出会わなかった。自転車の前後のホイールを外してクルマに収める。単独行動でアプローチもクルマだから他人との接触はない。でも腹が減ったから、途中で何か食べる物を買おう。混雑する時間を過ぎ閑散とした朝来のスーパーマーケットで買い物。これが唯一の他者との接近だった。
 4月上旬。13:43〜18:52。16.5km。

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