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2019/10/16

台風19号の猛威と大河の恐ろしさ

 今回の台風により亡くなられた方のご冥福をお祈りし、大切な人を亡くされた方、けがをされた方、財産を失われた方、不自由な生活をされている方にお見舞い申し上げます。
 さて、以下は、台風19号が伊豆半島付近に上陸した10月12日19~20時にかけての、台風の位置図、降雨レーダー画像、アメダスの降水量の図(いずれもtenki.jpから引用)台風の西側よりも東側、そして日本海側よりも太平洋側に雨が強く降っていることがわかる。東側は、おおむね「進行方向の右側」に当たる。
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 しかしながら、西日本を見ると日本海側の山陰地方が、瀬戸内や太平洋側よりも降っている。実は、「進行方向の右側」が危険なのは主に太平洋側のことで、日本海側にはほとんど当てはまらない。それは、進行方向の右側が危険、と言われる根拠を考えればわかる。台風そのものの反時計回りに渦を巻く風と、台風の推進力の風が重なりより強い風が吹く。台風はおおかた南から北へと向かうので、南寄りの強い風が吹く。太平洋の水蒸気を含んだこの風が陸に上がり山肌を駆け上がることで上昇気流が発生し積乱雲が発生する。バックビルディング現象もこれに当たる。紀伊山地、四国山地、九州山地などは南風により積乱雲が発生しやすい地形である。今回は、箱根の山がこれにより24時間で1000㎜を超す強烈な豪雨となった。もちろん、箱根での観測史上の最大値だ。
 南風ということは、日本列島の脊梁山地が風よけとなってくれる日本海側には影響は少ない。それでも山を越えて普段より強い風が吹くのだが、山から吹きおろしてくる風では雲は発生しにくい。ちょうど冬場の日本海からの北西の季節風の状況の裏返しのような状態だ。
 日本海側では、冬型の気圧配置「西高東低」のように、東に低気圧があるほうが雨が降りやすい。今回のように秋雨前線(あるいは梅雨前線)が邸内場合には、台風が過ぎ去っていくときの吹き替えしによる時雨の方が雨量が多くなる。よって、「台風一過」も日本海には当てはまらない。
 今回の台風19号では、新潟県や長野県北部の日本海側地域でも特別警報が発令される状況となった。これは日本海から吹き寄せる北西の風がもたらした豪雨だ。太平洋よりも海水温が低く水蒸気の供給も少ない日本海。そちらからの風でこれほどの被害をもたらすということは、それだけ台風が強力だったということ。実際、気象庁のアメダスのデータベースによれば、山梨県に近い長野県中南部まで北西の風が吹き込んでいる。
 その長野県では、千曲川が猛威を振るった。長野市内では、堤防が決壊して氾濫。住宅地や北陸新幹線の車両基地が水没した。ところで、長野市の12日の24時間雨量は132mm。前日及び翌日の降水量はわずか。元々降水量が少ない地域であり、130㎜とは(この地では)100年に一度の大雨と想定されているとのことだが、箱根の1000mmよりも一桁少なく、各地で500㎜を越える雨量を記録していることからすると、少ない印象だ。
 ところで、埼玉県秩父市の三峰のアメダスで観測された12日の24時間の雨量は549㎜。千曲川の直接の流域ではないが、この山塊の裏側が千曲川の源流部である。千曲川源流に近い長野県の北相木のアメダスの値は、395.5㎜。
 長野・群馬・埼玉山梨の県境の秩父山地は金峰山、国師ヶ岳.、瑞牆山、甲武信ヶ岳など標高2000~2500mクラスの山がそびえる。この山地へ、太平洋から東より風、日本海から北寄りの風が吹き寄せ、山肌を駆け上がって強大な積乱雲を発生させた。
 長野県を通過し、新潟県で信濃川と名を変える千曲川は日本で一番長い川。その源流で降った雨は長い旅をして日本海へと注ぐ。源流で大量に降った雨がその旅の途中、長野盆地であふれたというわけだ。

 最後に近畿地方北部の降水量はというと、兵庫県の豊岡74.5mm、京都府の舞鶴74mm、そして当方の最寄りの京丹後市峰山は43mm。これは12日の24時間降水量で、翌日も時雨模様が続いたが20mmを少し超える程度。合わせても100mm程度。まあ、大きな被害はなかったが、台風がもっと西寄りのコースをたどっていたら危なかった。同じ日本海側の新潟県の状況は、他人事とは思えない。

 

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