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2019/08/13

北海道一周30カ年計画完遂は3度目のB&B 中編

 30日、4時過ぎ起床。キャンプの朝は早い。そして夏の北海道の夜明けは早い。連泊なのでテントは張りっぱなし。カブライダーはもう起きているかも知れないが、声をかけずに静かにキャンプ場を出発。またネットでやり取りできるのだからかまわないのだ。
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 昨日下見しておいた静内駅の駐車場に自動二輪を止めて自転車を下ろす。そして5時26分の鵡川行きのバスに乗る。乗客は渡し一人。JR日高本線は数年前の高潮被害により鵡川・様似間が運休中。そして、復旧の見通しはなくこのまま廃線となる見込みだ。今乗っているバスは、列車の代行バス。路線バスとは違い、日高本線の駅をたどって行く。高校も夏休みに入っている時期なので車内がすいていることは想定の範囲内。輪行袋に入れた自転車の持ち込みも大丈夫だった。結局、4,5人の乗客を乗せた鵡川駅へ。ここからは列車に乗り換え、苫小牧へ。2両編成の列車には、夏休みとはいえ高校生が結構乗っている。もちろん満員ではなく、悠々と座れた。
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 2時間半近い長旅を終え、苫小牧駅の南口で自転車の準備。去年の春先にもここから自転車で走り出したが、あの時は室蘭へ向かった。今日は反対方向に向かう。2001年夏、その頃までは早朝にフェリーが到着。小樽から列車で日高本線へ。最初の目的地は襟裳岬だが、その日は雨がしっかりと降る日。終点の様似まで列車を利用した。そしてそのまま苫小牧・様似間が最後の自転車未走区間として残っている。
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 曇天ながら、雲は薄く所々青空ものぞく。苫小牧西港を回りこんで、苫小牧東港へ。港に隣接しているのは、苫東厚真火力発電所。地元舞鶴からのフェリーは小樽港のみの航路だが、過去には敦賀や新潟からのこの苫小牧東港への航路を何度か利用したことがあるので、この発電所にも見覚えがある。苫小牧といってもここは厚真町で、勇払原野の真っ只中だ。

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 去年9月の胆振東部地震では苫東厚真発電所が停止し、全道的に停電が発生し大きな話題となったが、そのときも東港のフェリーは運航していた。飛行機も鉄道もストップした中、北海道と本州をつなぐ稀少なルートだった。

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 港の周辺は大型車が轟音を立てて爆走する。対向車の風圧がすさまじい。勇払原野も広大な景色が広がるが、景色を楽しむ余裕もなく、早くこの区間を走り過ぎたいという一心で黙々と行く。鵡川の町が近づくとようやく大型車の割合が普通の状態になった。
 シシャモの街、鵡川を通過。昨年の地震の直接的被害はほとんどないものの、訪れる観光客が減ったというニュースが報じられていた。

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 いつしか空は青く、強い日差しが降り注いでいる。雨の心配はない。たまに緩やかな登りが現れ高台へと登る。広がる牧草には馬が佇む。胆振から日高へ。周辺には牧場が増えて行く。また、北海道にしては短い間隔でまとまった市街地が現れてセイコーマートなどのコンビニエンスストアもあり、食料や飲料水の補給には不自由しない。
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 現在は使われていない駅舎にたまに寄り道しながらもくもくと走り新冠へ。判官舘森林公園の入り口を過ぎ、新冠の中心街。道の駅に隣接して「レ・コード館」がある。新冠はサラブレッドとレコードの町なのだ。が、レ・コード館には入らずに次の町、静内へ。ここで昼食をとり、駅へ。すでに90kmほど走っている。今年の初夏にこの折畳小径車で丹後半島一周でアップダウンを伴う80km余りを走った感触からして、平坦な日高の道なら100kmは問題なく走れると思っていたが、そのとおりだ。まだまだいける。あわよくば、様似までの140km余りを今日だけで走りきってしまうことだってできるかも知れない。
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 駅の駐車場に止めた自動二輪のリアボックスを開け、荷物を入れ替える。気温の低かった朝は着ていたが、もう使わない衣類を自動二輪に納め、携行するの忘れていたバックミラーを自転車のハンドルに装着。
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 新冠までは、海が感じられる範囲ではあるが、少し海岸から離れたところに道があった。新冠からは海を間近にして走る区間がたびたび現れる。また、キャンプ場も点在していて、テントがあれば泊まるところを探すのはさほど難しくなさそうだ。ただし、いつでも好きな時にチェックイン・チェックアウトできる無料キャンプ場はない。基本的に管理人がいる間に受付が必要な有料キャンプ場がほとんどだ。判官舘森林公園では管理人がいない夜間や早朝では、受付用紙と料金を郵便受けに入れることで対応しているが、他でもそのようにしているのだろうか。
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 キャンプ場のある三石を過ぎる。やはり、今日中に様似までは無理だということがはっきりとわかる。自転車で走り終えたら本数の少ない代行バスで静内へと戻らないといけないからだ。様似まで橋っても最終便には間に合うだろうが、それだと静内に戻るのが夜遅くになる。そのひとつ前の便に乗りたいが、様似発の時間には間に合わない。浦河までは十分行ける。浦河と様似の中間の日高幌別辺りかなぁ。

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 しかし、走行距離は100kmを越え、疲れてきて休憩の間隔が短くなっている。幸い追い風となってきたが、疲労によるペースダウンは否めない。ちなみに、静内辺りまでは海から吹く横風が主体で、少し逆風のベクトルが含まれていた。
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 浦河の中心街を過ぎる頃には、日高幌別到着がバスの時間ぎりぎりという見通しとなった。バスを逃したくないので、浦河駅の次の東町駅を落としどころとする。
 浦河駅は、国道側が駅の裏口。町の中心に背を向けていて、陸橋を渡って線路を越えないと駅の正面に行けない。これはかつての浦河の中心街が線路より内陸側にあったことを示している。現在国道が走り役場や店が立ち並ぶ線路よりも海側の市街地は埋め立て地だ。国道と線路の間には、かつての防波堤が残っている。
 浦河中心街から小さなアップダウンを越えた集落が東町。駅は住宅街の中。バスが入り込むには狭い道なので、代行バスも路線バスと同じ高校や病院に近いバス停に止まるようだ。自転車は駅に止めておく。駐輪場はないがバス停よりは駅の方が良さそうだ。明日はここから続きを走る。本日の走行距離は、138km。

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 駐輪場所を捜し求めていたら代行バスの時間が迫ってきた。やはり、無理せず余裕を持って切り上げてよかった。予想に反してバスは空いていた。またしても片手で足りるくらいの乗客だ。浦河から静内までの区間は、海岸を走る国道336号線と日高本線とが離れていることが多い。そこでバスは国道を離れ内陸の駅へと向かう。夕暮れの寂れた駅はわびさびの世界。
 1時間あまりのバスの旅を経て、静内へ。自動二輪でいったん新冠のキャンプ場に戻る。昨日は1泊分の受付のみ。今朝は早朝出発だったので、受付用紙と料金を郵便受けに入れておいた。テントの中を見ると期待の品が置いてあった。レ・コードの湯の割引券。これで今夜も100円安く温泉に入れる。着替えとタオルももってまた自動二輪にまたがる。まずは入浴だ。
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 温泉施設は、静内との町境近くにある。新冠の中心街に店は入浴前にすでに閉まりつつあったので、再び静内へ。夕食と明日の朝食などの買出しだ。明日も早起きするのだ。
 新冠への帰り道、弱いながらも雨に打たれる。毎日一度は雨が降る。
 31日、5時過ぎ起床。昨日ほど早くは起きられなかった。テントの撤収もあり、6時過ぎの出発。静内駅で自動二輪から自転車に乗り換える。さあ様似まであと13~15km位だろう。ラストランだ。
 7時過ぎにスタート。追い風に乗って走るが、さすがに昨日の138kmの疲れが残っている。
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 4kmで日高幌別。あっという間だった。さらに黙々と行く。親子岩という奇岩があって、漁港があって、そして様似の町中へ。漁港を見ながら休んでいると、砂浜を軽トラックが走っている。昆布漁のようだ。いずれの軽トラも昆布を吊り上げるクレーンが付けられ、荷台には昆布を満載している。また、道路沿いでは昆布を干す人の姿も見られる

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 駅はどこだろうと思いながら走る。赤信号で停止。左を見ると交差する道を200m程進んだ突き当りが駅だ。東町から14kmだった。
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 1991年の夏、音威子府からサロベツ原野、宗谷岬、そしてオホーツク海沿いを網走まで自転車で走ったのが始まり。あれから28年、17回目の北海道ツーリングで北海道の海岸沿いを走りきった。もちろん、初めから一周しようなんてことは思っていなくて内陸も走ったし、同じところを2度、3度走ったこともある。これまでに走ってないところを目的地に選ぶようになり、北海道一周30カ年計画と名づけたのが2,3年前。これで、ひとつの区切りとなった。
 さらに、日高本線の列車を降り、間断なく雨が降る様似駅前の景色を呆然と眺めた、2001年の夏もよみがえる。28年前も、18年前も、こんなに長く自転車に乗り続けるとは思っていなかった。
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 さて、走っているときは自転車で東町に自走で戻るつもりでいたが、なんかもう走りたくなくなった。昨日の10分の1しか走っていないのに。現在の時刻は8時20分。9時2分にここから代行バスが出る。疲れが残っているし、復路は向かい風だし、今から自転車で走っても東町到着時刻は、40分遅れで出発するバスと同じ位なのかもしれない。代行バスに乗ることに決定。バスによる日高線駅巡りを楽しもう。そうすれば代行バスも全区間制覇だ。その代行バスよりも2分早い9時ちょうどに、浦河行きの路線バスが様似駅前を出発した。代行バスと同じJRバスだ。代行バスは日高本線の駅だけで停車するのに対し、路線バスは小刻みなバス停に停車する。20分後東町には、代行バス、路線バスが連なって停車。代行バスが時間差スタートによる2分送れを挽回した形だが、同じような時簡に同じようなルートを同じ会社のバスが走っている。国道から少し離れた西様似駅の辺りで両者のコースは違ようで、その代行バスの回り道と路線バスの小刻み停車がちょうど両者の所要時間を同じくらいにしたようだ。代行バスの車内は、やはりガラガラ。深刻な赤字は大きくなるばかり、という印象だ。

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