« 続ランドナーにVブレーキを | トップページ | 2日続けてコウノトリに遭遇 »

2019/08/27

晩夏の丹後半島一周

 この夏手に入れたロードレーサー「RADAC」の自分なりのレストアが完了した。となると、丹後半島一周しないといけない。大学受験を間近に控えた17歳の秋分の日に通学用自転車で初めて走った、私の原点と言えるコース。ずっとほぼ同じコースを走り続けているからこそ、自分のサイクリストとしての成長、体力の衰え、自転車の特性を感じることができる。
 こうして、今シーズン3度目、生涯通算51度目の丹後半島一周が始まった。
 10時、自宅のある京丹後市弥栄町を出発。猛暑日と熱帯夜が続いた8月も下旬となり、ここ数日随分過ごしやすい気候となった。朝は肌寒いくらいだ。かつては、晩夏のこの時期にもよく丹後半島一周をしていたのだが、残暑が厳しく9月上旬まで真夏日が続くことが当たり前となり、秋が来るのを待って走るようになった。この時期の丹後半島一周は20年ぶりくらいか。
Img_9040 Img_9041 Img_9043

 竹野川沿いに北上。国道を避け、農道をつなぐ。7kmほど走り、黄金色の大海原に佇む、サギよりも一回り大きい、白と黒の鳥。コウノトリのつがいだ。個体を判別する足環は、稲穂に隠れて見えない。色を見分ける以前に、足環がついているかどうかがわからない。
 竹野川河口部の道の駅「テンキテンキ丹後」でトイレ休憩して、海岸沿いを走る。急坂を登れば左に海が見えてきた。海にそそり立つ一枚岩「屏風岩」を見下ろす展望所で小休止。何より、海の水が透き通ってきれいなのが魅力。今日は北よりの風で少し波があるが、それでも水は澄んでいる。海底の砂が白いので、青色がとても明るい。
Img_9050

 アップダウンを繰り返しながら東へ。
Img_9051

 経ヶ岬の手前で、目の前を1頭のシカが横切る。この辺りでは、サルはよく見るがシカを見るのは初めて。この2年ほど、それまで見ることがなかった場所でシカを見るようになった。直後、後方から来た1台のオートバイが私に並走する。女性ライダーのようだ。なぜか追い越さず私の横位置をキープ。話しかけてくるわけでもない。シカを警戒しているのだろうか。確かに、続けて2頭目、3頭目が飛び出してくる場合があるから、気を付けた方がいい。しばらく並走してから加速して走り去る後姿を見れば奈良ナンバー。もしかすると奈良公園のシカの飛び出しで危ない目にあった経験があるのではないか、と頭の中で勝手にストーリーを作ってしまう。そういう自分自身も、1頭目を見送り、2頭目を急ブレーキでかわたものの、3頭目の悪質タックルの餌食になった経験がある。二輪車でなかったのが幸いだが、クルマがへこんだ。
Img_9059

 経ヶ岬を越えると、これまでよりきつめの登りが始まる。標高100mの白南風隧道を越えると、絶景のカマヤ海岸。100m下に海を見下ろす断崖の空中散歩。東側の景色が開ける。思いのほか見通しがよく、若狭湾越しに越前、近江、美濃の境をなす山々がうっすらと見えているようだ。加賀白山も見えているのではないか、と目を凝らし、さらに帰宅してからの検証の材料にと写真を撮るが、どうやら見えていなかった。夏の日中に白山が見えることはかなり難しい。
Img_9060

 カマヤ海岸の南の端、甲崎で小休止。反対側は、蒲入の漁港と集落。ここでちょうど正午を知らせる音楽が聞こえてくる。中山美穂の「幸せになるために」。伊根を舞台にした1994年のNHK朝の連続テレビ小説の主題歌だ。懐かしい。
 蒲入トンネルを越える。5年ほど前に開通したトンネルだ。標高差100m足らずのアップダウンではあるが、峠がひとつなくなったのだ。冒頭に「ほぼ同じコース」と書いたとおり、全く同じであり続けることはない。少しずつ道は変わっていくのだ。
Img_9068 Img_9069 Img_9081

 しかしその先、野室崎と新井崎の2つの厳しいアップダウンが残っている。内陸を行く国道を離れ、クルマは少なく海の景色がすばらしい。迷わずこちらを選ぶ。海から標高差120mの登りが2回。いずれも登り出しがきつい。おそらく10パーセントくらいなので、乗車のままクリアできる。フロントチェーンリングのアウターを小さく、リアスプロケットのローを大きくしたのだが、それでも38x32。そのうちローギアを34にするつもりだが、インナーは現在のPCD130では38が最小。野室崎越えは何とかノンストップで登りきった。新井崎越えは、写真撮影ポイントがあるのでノンストップとはいかない。千枚田を構成する小さな田んぼももうすっかり黄金色。8月が晴れて高温だったので、生育は早いようだ。
Img_9084 Img_9086

 舟屋の並ぶ伊根湾へと降り立つ。観光客が多い。外国人の割合が大きくなっているようだ。
Img_9092

 天橋立の江尻まで平坦な道が続く。今日は元々の北よりの風に加え、さらに気温上昇による空気の対流現象から発生する海風に押されて快走。天橋立の北詰め観光船乗り場で小休止してから、最後の峠越え。200m近い、今日一番の標高差だが、勾配はきつくない。
Img_9094

 今日一番のダウンヒルを終えて、15時15分、ゴール。早かった。大学生だった20歳の夏以来の短い所要時間。平均速度が20km/hを越えるのも20年ぶりくらい。いや、かつては20km/hを辛うじて越えるくらいだったのに、今日は20.7km/h。自己新記録だ。トンネル開通で蒲入峠がなくなったことを差し引いても、記録更新は間違いない。これが、ロードレーサーの走りということか。
 このRADACが世の中に出回っていた30年前、サイクルスポーツ誌の読者のツーリングレポートでよく見かけた「ダイレクトなパワー伝達」という表現を思い出す。その名の通り元々は競技用だったロードレーサーだが、路面状況がよくなったから、とツーリングでも使われるようになり、ランドナーが誌面に出なくなっていった時期だ。そのあとMTBのブームを経て、ロードバイクと呼び名を変えたロードレーサーがスポーツサイクルの代名詞となって長い。
 ただし、手のひら、特に左手に痛みが出た。ポジションに改善の余地あり。
 8月下旬、10:00~15:15、81.9km

 

|

« 続ランドナーにVブレーキを | トップページ | 2日続けてコウノトリに遭遇 »

コメント

 やはり速いのですね、ロードレーサーは。新記録が出るような感触は初めからあったのでしょうか。
 また、どのような斜面がロードレーサーの得意とするところでしょうか。

投稿: すう | 2019/09/04 22:07

 特別な感触はありません。自転車が変わろうが、同じ負荷を感じながら走ります。そのための変速システムです。そうやって同じ感触で走るからこそ、所要時間だとか平均速度だとかの比較ができるわけです。
 丹後半島一周よりも前、北海道から帰ってきてからの3週間に、10㎞余りのコースを走っていました。元のままのハンドルやディレイラー(ローギアには入りません)の状態も含め、9回。40年前のランドナー「山口べニックス」のデータと比較して、わずかではあるけれどコンスタントにRADACのほうが速いということがわかっていました。強いて、感触のようなものをあげるなら、目の前の信号が青のうちに交差点を通過しようとペダルを強く踏み込んだ時の反応がいい、ということでした。もっと長い距離を走るとどうなるだろうか、そう思いながらの丹後半島一周でした。
 「斜面」ですか。700Cオンロードタイヤですから当然舗装路面向きです。が、そのホイールをクロスバイクに装着していてもそうだったし、ロードレーサーに装着したつい最近も、クルマが通らない道を優先するあまりついついダートを走ってしまいます。勾配についても、ロードレーサーということよりも、ギア比と体力次第でしょう。本文に書いたように、ギア比は低くできませんでした。現在のコンパクトドライブとかコンパクトクランクが出回るはるか前のモデルですから。MTBやランドナーのようには、急坂を登れません。また、折畳小径車と同じギア比ですが、車輪が小さい分折畳小径車のほうが登坂性能には分があります。特に、強引にフロントダブル化した古いほうの小径車は、新しい方の小径車よりもホイールが小さいので、実質的にMTB並みの低速ギアを実現しています。
 私の所有する自転車のラインナップで、RADACが有利なのは平坦なコースでしょう。丹後半島一周は平坦とまでは言いませんが、野室崎越えの登りだしの推定10パーセント位が登り勾配の最大値なので、それほど厳しい坂道はありません。この夏の北海道で、朝夕にバスや列車に乗らなければならない時間的制約の中、折畳小径車で140kmほど走れたことを併せると、RADACなら日帰り琵琶湖一周もさほど難しくないような気がしています。

投稿: はいかい | 2019/09/05 19:06

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 続ランドナーにVブレーキを | トップページ | 2日続けてコウノトリに遭遇 »