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2019/05/04

新緑の丹後半島一周

 また自転車を増やしてしまった。稼働していない1台を数に入れると、9台目の自転車がラインナップに加わったということになる。そして2台目の折畳小径車である。フレームの色は「ライムグリーン」。黄緑色の新車だ。
 購入のいきさつや既に8割方完成しているカスタマイズのことは別の記事にまとめることにして、ここでは新車の本格デビュー戦について報告する。
 さて、2019年のゴールデンウィークは超大型連休。10日も休日が連なれば外国にだって北海道にだって行ける、と考える人は多いわけで、飛行機もフェリーもこの時期は割高、そしてすでにほぼ満席。ではもう少し近場で、と思ってみるも3泊くらいなら10連休でなくてもいいわけだし、わざわざ大混雑の日程を選ぶ必要はない。天気が今一つだった連休前半は、半分寝たきり生活で過ごした。後半に差し掛かりようやくこの時期らしい爽やかな陽気が続く予報。手元には新しい自転車。これは行くしかないだろう。
 こうして、今シーズン2度目、生涯通算50度目の丹後半島一周が始まった。

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 満を持して、丹後半島一周に向けて漕ぎだす。でも、京丹後市弥栄町の自宅を出たのは正午を大きく過ぎてから。晴れるという予報に期待して目覚めたものの小雨が降る朝。この時期にしては強い寒気が来ていて、昨日まで続いていた時雨模様の名残らしい。しつこいなあ。一気にテンションが下がる。10連休前半で唯一雨が降らなかった4月29日も、晴れ予報に期待したのに蓋を開けてみれば薄曇りで肌寒い日だった。今日はこの後急速に回復すると思われるが、灰色の空を見ると腰が上がらない。インターネットのライブカメラの画像を見ると、天橋立は曇天または雨だが、経ヶ岬に近い宇川地区や伊根は空は明るく、時間を追うごとに海の色も青くなってきている。窓の外も雲の切れ間に青空がのぞいてきて、ようやく家の外に出たのが11時前。
 でもまだすぐには走り出せない。とある調整のためリアホイールを外したら、ついでにスプロケットを変えるつもりだったことを思い出した。交換してディレイラーの調整。まだ発展途上なのだ。それ以外にもごそごそといじっているうち、刻一刻と時間が経過し正午を過ぎてしまった。延期しようかという気持ちが芽生えるも、いつしか空から燦々とサンシャインが降り注いでいる。日も長くなってきたし、というわけで何とか出発することができた。
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 スーパーマーケットでおにぎりを買って、竹野川の流れに沿うように北上、日本海を目指す。国道482号線は使わず、農道などをつないでいく。いくつかの田には水が張られ、サギやカモメが佇んでいる。この連休のうちに田植えが行われる。だから、いつもは車に出うことがない農道にたまに軽トラックが通る。
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 野山は萌黄色。その景色にコーディネートしたような自転車のフレーム色。緑の新車。新緑のコラボレーション。
 左前方からの向かい風を受けて走る。気温上昇による海風が吹き始めているのか。しかしやや冷たい。寒気の名残の北西風かもしれない。気圧配置はまだ西高東低だ。
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 10㎞ほどで竹野川の河口近くの道の駅「テンキテンキ丹後」。駐車場は満車に近く、自動理二輪も多い。自転車はロードレーサーが数台。ここでトイレと小休止。
 国道178号線で経ヶ岬を目指す。竹野集落を過ぎ急な登りをクリアして海岸段丘に乗り上げると左に日本海が広がる。青い。
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 海岸の断崖に対峙してそそり立つ一枚岩「屏風岩」を見下ろす。透明な海水と白い砂により、明るいコバルトブルーの海がみられる場所。ただし、それは空が青く海が穏やかな季節に限られる。今日は美しい色をした海を見ることができた。こういう日に走らないといけない。東屋でおにぎりを食べる。クルマが入れ代わり立ち代わり止まり、途切れることがない。
 風はほとんど感じないが、弱い追い風なのだろう。海岸のアップダウンをこなしていく。クルマが多いがここは国道を行くしかない。遠くから来たクルマも多い。松本ナンバーの自動二輪が6台連なって追い越していった。
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 海岸段丘を一度降りて宇川を越えて、また昇り返す。そして、すぐにまた下る。そこで国道をそれて久僧海水浴場へ。まだ人がいない白い砂浜と青い海、海岸に点在する奇岩を見ながらのんびりと行く。漁港を越えたら海岸段丘の上を行く国道へ合流。自衛隊の分屯地とアメリカ軍のレーダー基地を越え、袖志集落へ。波が穏やかで、今日はサーファーはいない。
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 また軽く登って経ヶ岬へ。灯台への分岐を見送って、さらに上る。標高100mを越えたら白南風トンネル。それを抜けると眼下に青い海が広がる。カマヤ海岸。京丹後市から伊根町へと入った。丹後半島の東側、若狭湾に浮かぶ冠島と沓島。その向こうに若狭のリアス式海岸が見える。海岸線に垂直な方向には、うっすらと越前海岸(正確にはその奥の山)。白山が見えないかと目を凝らすが、そこまでは見えない。そんな大展望と100m下の海を見ながら緩い下りを快走する。いつもは静かなカマヤ海岸だが、駐車スペースにはいずれもクルマが見れる。
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 甲崎を越えると蒲入の集落と漁港を見下ろす。かつてはここから蒲入峠への登りが始まったのだが、蒲入トンネルが開通して下りのまま本庄へ。
 ようやく国道を離れることができる。海に向かう府道623号線を1kmほど進んで本庄浜。そこからは町道で野室崎を越えるアップダウン。いきなり急登が始まる。道路わきの数本の八重桜は、まだ少し花を残していた。
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 「3回地獄を見る。」2013年5月に放送されたNHK-BSプレミアムの「にっぽん縦断こころ旅」で伊根と経ヶ岬の間のこのコースを表現した言葉だ。火野正平は一つ目の地獄、新井崎で自転車を断念、ヒッチハイクした軽トラックの車窓から野室崎やカマヤ海岸を眺める。丹後半島一周が50回目の私は150回も地獄を見ることになるわけだが、私にとっては地獄でなく楽園なのだ。丹後半島一周の中で最も海の景色が美しい区間だと思っている。
 法面の崖の土がむき出しになった区間を過ぎる。落石防止のネットがはがされている。ここは7月上旬まで工事による通行止めなのだが、連休の間は通行可となっている。交通量の多い連休に丹後半島一周したのはここを通るためだ。しかしながら、ほとんどは国道を通ってこちらの町道は静かなものだ。
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 標高120mあまりでこの区間の最高地点。次に超える新井崎、さらに京都・福井の府県境の大浦半島成生岬が見える。そして泊へと下る。断崖に囲まれた小さな入り江の砂浜で家族連れが遊んでいるが、基本的には今日も静か。そして新井崎への登りへ向かう。こちらも登り始めが急登だ。2月下旬にはこの区間は工事で通行止めだった。しばらく上ると法面が崩れていた。昨年の7月豪雨の被害の復旧工事はまだ完了してはいないようだ。
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 標高差70mほどで登りがいったん落ち着き耕地整理された田んぼと新井の集落を過ぎる。30年くらい前は、ここも千枚田と呼ばれる小さな棚田だった。
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 その先で再び登りとなり、小さな田んぼがみられる。水が張られて田植えの準備がされている。新井の漁港を後方に見て、標高120mあまりで最高地点。登りが終わってホッとする反面、静かな区間が終わってしまうことが名残惜しい。野室崎新井崎区間で出会った車や自動二輪は数台、自転車は1台だけだった。
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 舟屋が並ぶ伊根湾沿いは狭い道を多数の歩行者が縦横無尽に行き交う。かつてはここが国道だったが、今は国道は高台にバイパスされてクルマの通行は少なくなった。しかし歩行者天国ではない。地元の生活道路だ。歩行者やたまに通る自動車に注意しながら狭い道を抜ける。伊根湾巡りの観光船乗り場を過ぎると安心して走れるようになる。
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 伊根町から宮津市へと変わり、養老の集落を抜けると国道178号線へと復帰。さあここから天橋立江尻まではクルマの多い道を行かねばならない。覚悟を決めて走る。渋滞まではいかないがクルマがあまり途切れることがなく、路肩も狭い。相変わらず関西のクルマは自転車の追い越しのタイミングが悪い。つまりへたくそである。手前で少し減速し対向車をやり過ごしてから自転車を追い越せばスムーズなのに、我先にと突っ込む関西人。なんでも勝負にしてしまう。結果的には大きく減速して対向車と自転車の間すれすれを行くことになる。自転車に追いつくまでは早くても、再加速までトータルすると時間も燃料もロスが大きい。そして危険だ。論理より感情を優先し、目先に気を取られ先を見通せないのが関西人の特徴だ。もちろん、そうでない人もいるけれど。
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 日置まで来たら、リゾートマンションやクルーザーが並ぶマリントピアアリーナへ。国道をそれて息抜きだ。世屋川に阻まれなけらばもっと長く国道をエスケープできるのだが、橋を渡るために国道に戻ると路肩が広くなっていてそのまま国道を走ってしまう。あと少しの辛抱だ。
 昨年の7月豪雨の復旧のための片側通行区間も3ヶ所まで減っていた。
 江尻まで来たら国道から集落の中の道へ。そして漁港を経て防波堤沿いを行く。前方に見えるは天橋立。
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 天橋立も観光客がうじゃうじゃ。江尻と文殊を結ぶ汽船乗り場の桟橋には長蛇の列ができていた。国道も車が渋滞しているが、こちらはシーサイド自転車道へ。自転車道といっても、主な利用者はウォーキングの人だが、今日は珍しく若い男女連れのクロスバイクが走っていた。彼らを追い越し岩滝へ。左は阿蘇海、右は水を張られた田んぼ。水辺に挟まれた道だ。
 岩滝町男山から府道53号線でゴールの京丹後市弥栄町へ戻ることが多いが、今日は府道651号線大内峠を越えることにする。
 もう一台の折畳小径車で丹後半島一周したのは2012年10月。デビューから3シーズン目で走行距離は3000㎞。2度目の北海道遠征では、標高400mの山越えを含む奥尻島一周70㎞もクリアし、丹後半島一周に挑んだのだった。結果的には見事に完走できたのだが、食料の補給をしそこなって軽くハンガーノックとなったこともあり、終盤にばててしまった。帰宅後にGPSのトラックデータを解析してみると経ヶ岬から伊根までの「3度の地獄」あたりでペースが落ちていったことが分かった。一番の原因は、フロントシングル、つまりフロントギアが一枚しかなく、ギア比をあまり落とせないこと。そして、そういう場合はハンドルを強く引きながらペダリングすることによって背筋など体全体の筋肉を使うのが常とう手段だが、折畳のハンドルポストが破損することが心配で強くハンドルを引くことができなかった。これがもう一つの要因。実際にはその時点では順調に走れているつもりだったが、徐々に蓄積された疲労が終盤に現れたということのようだ。ちなみに、その丹後半島一周が、一日の走行距離が長い。
 その経験を踏まえ、新しい折畳小径車はフロントにインナーギアを追加できるモデルを選択。納車前にフロントダブルにカスタマイズし、今日の出発前にリアスプロケットをローギア32Tから34Tのものへと交換した。既にこれまでのテスト走行でも感じていたことだが、フロントダブルの効果は絶大で、ランドナーやMTBなどフロントトリプルの主力バイクと比べてもあまり違和感を感じない走り具合だ。もちろん、前回の小径車の時も実感では大丈夫と思っていたのだが、最後に府道53号線より少しきつい651号線大内峠を選択し、そこで地獄を見た。ならば、同じ大内峠をたどり、フロントダブルの効果をはっきりさせてやろうという目論見だ。
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 シーサイド自転車道からクルマの多い国道178号線を越えて内陸へ。大内峠へと昇る。ヘアピンカーブが連続する。普段は日中に山菜取りなどのクルマがわずかに通る程度なのだが、今日はもう夕方にもかかわらずたまにクルマに出会う。さらに、オートバイが2台。長野と所沢のナンバー。この取り合わせには見覚えがあるような気がする。伊根から天橋立までの国道で追い越されたのではなかったか。
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 標高160mの大内峠も無事に登り切った。せっかくなので一字観公園に立ち寄り天橋立を眺めることにする。文字通り、天橋立が真一文字に見える。キャンプ場も併設されていて、先ほどの長野・所沢コンビが荷下ろし中。サイトに乗り入れができないので何度も往復している。ほかにもう一台の自動二輪と、クルマは10台くらい。
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 これでもう大きな上り坂はなくなった。京丹後市大宮町へと下る。下り切ると市街地となるので国道312号線もその他府道もクルマで混雑。だから、竹野川の堤防の上の道や農道、つまり小学生の通学路をつないで走る。そして、この折畳小径車を買った、自転車店「BULLDOG」に立ち寄り、報告を兼ねて小休止。30分ほど過ごす。
 完全に日が暮れたが、ヘッドライトがあるので問題ない。むしろ薄暮よりも安全だ。19時に再スタート。自宅までは8㎞。ほぼ平坦ではあるが、竹野川の流れに沿ったごく緩い下り基調。十分余力を残して走り終えた。

 5月2日、12:30~19:25、約90㎞

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コメント

 フロントシングルをダブルに変更されたのでしょうか?登坂能力アップはロングライドでは重要ですね。
 ボクのロードバイクは最ハイギアは50×11、その反対は34×28。リアをもっと大きいのに変えようとするとディレーラーも変えないといけない。それで最大30(多分)。フロントは純正では34以下はなく、スギノに46×30があったと思います。
 これから体力がますます落ちていくことを考えると、軽いギアに変更するのも必要ではなかと考えています。軽いギアだとどこへでもいける気になりますね。

投稿: すう | 2019/05/06 18:14

 やっぱりロードレーサってギア比が高いですね。
 距離600m、高低差80m、最大勾配は22パーセントとも24パーセントともいわれる小樽の「励ましの坂」。これをノンストップで登ると坂の上の宿「とまや」で「おめでとう」と言ってもらえる。
 達成者の大半はロードレーサーに乗ったサイクリストです。要因の1つは、サイクリストの中でロードーレーサーにのる人の割合が多いからということでありますが。それとやっぱり鍛えているということもありますね。
 それ以外は少数派ですが、MTBなどギア比が低い自転車乗りもいます。私もここに含まれます。MTBで2回、MTB並みのギア比のランドナーで1回達成していますので。
 基本的に挑戦に成功した人しか宿のブログ等に掲載されないのですが、5年 前のNHK「にっぽん紀行」では達成できなかったシーンもいくつか放送されていました。いずれもクロスバイクでした。クロスバイクに荷物を積んで北海道を旅するサイクリストは、ロードレーサーと並んで多いのですが、確かに成功者の数はあまり伸びていないようです。ロードレーサーに乗る人ほど鍛えているわけではなく、MTBほどギア比が低くない、ということでしょうか。
 そして、稀少ながら折畳小径車での成功例もあります。それもなんと「ブロンプトン」。折畳んだ時の小ささを優先し、走りを少し犠牲にしたモデル(私見です)。もちろんフロントシングル。
 というわけで、「励ましの坂」も視野に入れています。成功すれば、とまやの宿主夫婦はきっとまた「やったね、おめでとう」と言ってくれるでしょう。特に折畳小径車での挑戦はインパクトがあるようです。

投稿: はいかい | 2019/05/07 23:20

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