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2019/04/23

亀岡から保津峡松尾谷林道・六丁峠・愛宕谷林道で嵐山往復

 ラーメン屋のスタンプラリーと並行しての亀岡シリーズ最終戦。スタンプラリーの目標達成とともに亀岡起点の一連のツーリングも終わる。というわけでまた亀岡にやってきた。ただし、今回は道の駅ではなく、大堰川(保津川、桂川)の左岸、保津小橋の北詰の河川敷の広場にクルマを止める。堤防には薄いピンクの残り花をつけた桜が立ち並び、土手は菜の葉の黄色が広がっている。春の日差しが降り注ぎ、川面はきらきらと輝いている。
 保津小橋は亀岡盆地内で大堰川を渡る橋としては最も下流に位置する橋で、四国の四万十川や吉野川流域に見られる沈下橋、あるいは潜水橋と同じタイプのものである。つまり、建設費を抑えるため橋脚が低く、増水時には流れに飲み込まれてしまう。そのとき、ダメージを受けないよう欄干がない。流れを受け流すのだ。クルマの通行も可能だが、車幅ぎりぎりで欄干のない橋を渡るのはスリリング。今日は渡らないけど。
 その保津小橋の下を保津峡下りの舟がくぐって行く。公式には「桂川」なのだが、ここから下流は「保津川」と呼ばれ、保津峡という渓谷を形成している。さらにその下流の嵐山からは「桂川」と呼ばれるようになる。保津小橋を過ぎると10kmほど下流の嵐山の渡月橋まで、つまり保津川区間には、本流を渡る車道の橋はない。鉄道橋があるだけだ。
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 自転車の準備が整ったら、走り出す。今日は保津川に沿って自転車で上洛する。保津の集落を抜け、右に保津川を見ながらいく。先ほど保津小橋の下をくぐり抜けた舟に併走する形。すると対岸の嵯峨野観光鉄道「トロッコ亀岡駅」から、トロッコ列車が嵐山に向けて出発する。その写真を撮る。
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 自転車、川下りの舟、トロッコ列車と異種格闘技戦ならぬ、異種レースは、トロッコ列車の圧勝。保津川の流れの急なところで、舟より自転車がやや優勢。流れの淀んだところがあるので、自転車の方が速いはずだが、こちらは写真撮影等で何度も止まるので結局自転車が最下位。保津川の景色を一番長く堪能するのだ。
 あと、写真撮影以外に自転車の巡航速度を落とす要因がある。この保津川左岸の道は、対岸にトロッコ亀岡駅を見て少し下流に進んだところの請田神社までは府道401号線。京都府の道路情報提供サイトでは災害のため通行止めとなっている。クルマを止める前に偵察しておいたが、道路脇に倒木が積み上げられていた。おそらく昨年9月初めの台風21号の被害だろうが、道路をふさぐ倒木は撤去されていたということ。ただし、その先は府道でなく松尾谷林道となるため道路情報提供サイトには状況が示されていない。偵察も請田神社までしかしていない。あとは行き当たりばったりだ。ちなみに、府道401号線は京都市の水尾付近で復活する。分断路線というわけだが、どういう経路で府道が敷かれる計画なのかはわからない。
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 松尾谷林道に入り、道路は荒れた舗装からダートとなる。右には保津川の流れ、対岸には嵯峨野観光鉄道の線路を見ながら行く。しばらく進むと倒木で道が塞がれていた。自転車を持ち上げ、倒木をまたいで越える。どうやらこちらは応急処置もされていないようだ。これの状況にはむしろ安心する。この奥に工事の車両が入っていない、つまり復旧作業が行われていないことがほぼ判明した。場合によっては京都市(嵐山)側から作業の手が入っている可能性もあるが、まあ大丈夫だろう。倒木は越えていけるが、復旧作業中だと道が通れない。
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 その先何度か倒木に出会う。その周囲は落石が散らばる。丸太が横たわっているのは越えるのに苦労しないが、枝の茂った部分が道路をふさいでいると苦労する。でもよく見ると、邪魔な枝は払われて人の通り道は確保されている。松尾谷林道は、今回の災害を受けてというわけでなく、常時車両通行止め。管理が手に負えないということのようだ。ただし、保津峡を見ながら歩くハイカーがいるようだ。
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 保津川が大きく蛇行する区間となる。しばらくは、川の蛇行に付き合って蛇行する林道だったが、途中から、もう蛇行に付き合っていられない、とばかりに、高度を上げて、渓谷を俯瞰するようになる。JR山陰線は初めから蛇行を無視してトンネルと鉄橋で直線的にこの区間を貫いている。列車が通れば大音響が谷を埋め尽くす。
 倒木や落石は落ち着き、路面は割と平らな舗装となった。標高を上げ尾根を越え、保津川の支流沿いへと降りる。橋を渡り支流に沿った府道50号線へと突き当たる。松尾谷林道はここまで。左は水尾集落へ、右は嵐山へ向かう。突き当りの法面は杉林だが、ここもまたすさまじい倒木。
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 右折をして支流に沿って下るとやがて保津川本流の左岸を行く。こちら側は府道401号線が復活。50号線との重複区間だ。川の合流点のすぐ手前、支流の向こう側にJR山陰線の保津峡駅。トンネルの合間、保津川本流の橋上駅。山陰線の線路はすぐトンネルに姿を消すが、入れ替わるように別のトンネルから嵯峨野観光鉄道の線路が現れる。この先は、保津川と、その向こうの嵯峨野観光鉄道の線路を右に見て進む。府道ということで、舗装の路面は滑らかだし、倒木で塞がれていることもない。もちろん、一般車両通行可の路線である。
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 しばらく行くと、歩行者用の橋がかかり対岸に嵯峨野観光鉄道の保津峡駅。なんだか懐かしさがこみ上げてくる。かつてはこちらが山陰本線だった。複線電化に伴い、現在の路線に切り替えられたのが平成元年3月。旧路線は平成3年から嵯峨野観光鉄道として生まれ変わった。つまり現在、渓谷美を楽しむ観光鉄道は昭和の時代には、出張のビジネスマンも通学の学生も、さらには大きな荷物を背負った行商人も利用した路線だった。私も、家族旅行、大学受験、帰省などで利用した。印象深いのは、子どもの頃の家族旅行からの帰り道によく乗車した、18時05分京都駅発の急行列車。京都府北部の丹後地域には21~22時頃に到着する。京都駅で買った駅弁を車内で食べるのがその日の夕食となる。京都駅を出て30分ほどのこの保津峡辺りで駅弁を食べるのが、我が家の通例だった。40年の時を経て、そのときの駅弁「うなぎの蒲焼弁当」のたれの味がよみがえってきた。
 ここからは小さなザックを背負って歩く人がちらほら見られる。外国人が多い。保津峡駅でトロッコ列車を降りて、嵐山まで歩くということなのだろう。
 狭いトンネルの入り口で歩行者に呼び止められる。暗くてわからなかったが、外国人の若い男性だった。英語で何やら言っている。何度目かでようやく「嵐山に行くのはこっちでいいか」と訪ねていることがわかった。前方を指差し「Arashiyama!」と伝える。そして、お互い笑顔で別れる。
 やがて道はヘアピンカーブを繰り返す急な登りとなった。六丁峠へ向かう。府道と嵐山高雄パークウェイが立体交差する六丁峠からは保津峡を見下ろすことができる。
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 そして嵐山側への下りは、さらに急勾配。峠に立つカーブミラーがうつむいている。
 こちらもヘアピンカーブがいくつか連なり、小さな沢沿いをへて赤い鳥居の脇に出た。萱葺き屋根の茶屋から石畳が始まっている。嵯峨鳥居本。茶屋に続く家並みは、日本の伝統的な建物。萱葺き屋根もいくつか見られる。何組かの外国人観光客が散策している。ここから程近い渡月橋周辺と比べると静かな雰囲気だ。
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 さて、保津川から名を変えた桂川沿いへと行きたいのだが、たくさんの観光客がひしめきあうJR嵯峨嵐山駅や嵐山電鉄嵐山駅周辺を避けたい。そこで少し下流側で桂川へ。できれば対岸の桂川自転車道へ行きたいところだが、そのために渡月橋へ戻るのは混雑を避けた意味がなくなる。そのまま左岸を行く。川沿いの府道29号線はクルマの通行が多いが、自転車通高架の歩道に上がる。対岸と違って、こちらは人があまり歩いていない。1kmあまりで松尾橋。これを渡って阪急電車の松尾大社駅の駐輪場に自転車を止める。市街地走行は嫌なので電車に乗換えだ。ちなみに、嵐山駅の駐輪場の半額の100円で自転車を止められる。距離は2kmも離れていない。
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 阪急電車に乗り込み、桂駅で乗り換えて河原町駅で下車。高瀬川の流れを見ながら木屋町通りを北上。こちらも外国人観光客が多い。途中で目的のラーメン屋がある河原町通りへとレーンチェンジ。歩道は人が入り乱れ歩きにくい。三条通を越えたところのラーメン屋へ。時刻は14時半。狭い店内は空いている。まぜそばを食べて、6個目のスタンプをゲット。そして、前回もらえなかった5個達成のラーメン無料券をここでもらう。同時に、次の無料券の権利が得られる7個へのリーチがかかった。
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 店を出たら、すぐに歩きやすい木屋町通りへ向かい南下する。往復1.5kmの歩行。
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 阪急電車で松尾大社駅へ戻り自転車に再会。今度は桂川自転車道で嵐山へ。北西の風が正面から吹き付ける。桜ももう見ごろを過ぎたせいか、渡月橋から嵯峨嵐山駅間の混雑も以前ほどではなく、何とか無事通過。往路を引き返すのだが、鳥居本の石畳に入りそこね、いつの間にか並行する府道を走っている。嵐山高雄パークウェイ入り口の陸橋を渡る。ここから京都の市街地が見下ろせる。京都タワーが目立っている。橋を渡ったら、階段を下りて鳥居本の石畳へ降り立つ。自転車はMTBとはいえ階段は乗車でなく押して下る。

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  激坂の六丁峠を越える。道を尋ねられた外国人の青年は無事に嵐山にたどり着いただろうか。普通に行けば、私が阪急電車でラーメンを食べに行っている間に到着しているはずだ。
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 松尾谷林道への分岐までは来た道を引き返す。まったく同じ道を戻っても面白くないので、松尾谷林道には向かわず、そのまま直進。水尾の集落を目指す。道は登り坂だ。
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 しばらく登っていくと、右手の山側の法面のコンクリート壁の上面に何やら茶色の物体が動いている。サルかと思ったが、イノシシの子どもだった。山に戻りたいのだが、コンクリート壁の上のフェンスに阻まれ戻れない。私に気付いてパニックになっているのだろう。何度もフェンスに体当たりを食らわせている。しかし、いくらがんばっても金網を突き破ることはできない。そのうち、コンクリート壁から転げ落ちる。しばらくコンクリート壁に沿って走るが、へとへとに疲れているようあ走り方。一度私に向かって突撃してきたが、足で追い払うと、今度は道の反対側へ。ガードレールをくぐろうとするが、落差のある絶壁で下りられない。ガードレールの支柱を越えるたびに下を覗き込むが、そんなに急に状況は変わらない。というより、一度見ればずっと先の様子までわかるはずなのに。まさに猪突猛進(目標に対して、向こう見ずに突き進むこと。三省堂新明解四字熟語辞典)の視野の狭さだ。
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 そんなイノシシを追い越して、さらに登る。水尾は山間斜面の小さな集落。ゆずの里だ。集落とゆずの木の畑が入り混じった水尾を過ぎてさらに登ると神明峠。ここから愛宕谷林道へ。こちらも松尾谷林道と同じく車両通行止。両側の入り口はゲートで塞がれているのだが、そのゲートが開いている。反対側の入り口をアプローチの際に偵察していたのだがそちらもゲートが開いていた。おそらくこれは災害復旧工事のためだろう。その工事を示す看板が立っている。工事開始として4月中旬の日付が記されていて、それはまさに今日。ただし、日付には「頃」の文字。工事の時間帯は18時まで。現在の時刻は17時40分。もし今日工事が行われていたとしてもそろそろ撤収、後片付けの時間だ。そして、工事関係者は麓の亀岡側に戻っていくだろう。こちら側には向かってこない。つまり、今からこの林道を下っても大丈夫だろう。
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 ということでコンクリート舗装の急な下りに突入。ちなみに、もしこの林道がダメなら樒原まで北上して、そちらから亀岡盆地へ下るつもりだった。その道もダメなら、さらに北上越畑を越えて国道477号線を下ることになる。京都府の道路情報提供サイトで国道は通れることがわかっている。でも、そちらにエスケープしなくても愛宕谷林道が通れそうなのでよかった。
 この愛宕谷林道は2016年1月以来、また往路の松尾谷林道は2015年6月以来、ともに2度目。どちらも一般車両通行止の自転車向きの道。多少路面は荒れているが、オンロードタイヤで十分対応可能。この日の自転車はMTBだが、26×1.50のスリックタイヤ。650Aのランドナーでも全く問題ないだろう。
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 ため池を過ぎたら杉の林間の下りとなる。たくさんの倒木が見られるが、道路を塞ぐものは切られて通行できるようにされている。道路そのものが傷んでいる様子は見られず、災害復旧工事とは倒木の処理ということか。しかし、それももう一通り澄んでいるようで、今日工事が行われていた様子はない。雪が少なく、前倒しして工事が行われたのか。真相は不明。
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 というわけで無事愛宕谷林道を通過。クルマを止めた保津小橋まではすぐ。
 4月中旬、36.2km

 この数日後、近場のラーメン屋で7個目のスタンプとともに2枚目の無料券をゲット。これで、スタンプラリーに区切りをつけた。

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コメント

 松尾谷林道が125ccまでのバイクと自転車が通行可能(天橋立と同じ?)だったらいいのにな。京都市内にアクセスする裏道になりますね、きっと。自転車だと六丁峠がしんどいので健脚者のみとなります。
 このあたり、地域の人が使わない道だと昨年から通行止めのままです。国道477号線もまだ開通していません。道が通れるか否かは事前に調べるのがいいですね。
 ともあれ、亀岡の西に東にお疲れ様です。

投稿: すう | 2019/04/29 13:57

 松尾谷林道は、自己責任で通行可ととらえればいいでしょう。倒木と落石のおかげで自動車も自動二輪も通れない。倒木がなければ自動二輪でも通れるでしょう。排気量の制限の意味はないと思います。ちなみに天橋立の場合は、通勤及び郵便配達への配慮だと思われます。現状は自転車天国。個人的にはこのまま倒木でふさがれた状態がベストですね。ただし、タイムや速度を気にして走るロードレーサーの人はこういう道を走りたくならないかな。水たまりを避け、スリップやパンクしないように注意して走ることを楽しいと感じるかどうか。また、通れるかどうかの判断力、そして通れない場合の対応力を問われることが面白いかどうか。当方の場合、700Cタイヤのクロスバイクでこういう道に差し掛かっても、「自転車の選択を誤ったなあ」と思いながらも「迷わずGO!」ですね。
 六丁峠は勾配がきついですが、標高差は国道9号線の老ノ坂峠ほどはありません。まあ、松尾谷林道も六丁峠と同じくらいのアップダウンがあるので、この二つを越えたら老ノ坂を上回りますけどね。それ以上にクルマが多いのが嫌。
 国道477号線の通行止めは、南丹市八木町神吉のあたりですよね。当方がこの日、エスケープルートのさらにエスケープルートと想定していた越畑から亀岡盆地に下る区間は大丈夫だと思っているんですが。
 倒木は9月の台風21号の強風被害でしょうが、道路の通行止めは梅雨前線による7月豪雨が要因であるところが多いですね。通行止めの開始時期から読み取れます。京都府の中南部より北部のほうが復旧に手がついていなところが多いように思われます。公共工事の減少などにより土建業者の廃業が相次ぎ手が回らない、という話を聞いたこともあります。

投稿: はいかい | 2019/04/29 19:23

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