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2019/03/04

扇ノ山残雪調査と湖山池一周

 2月中旬を最後に新たな雪の供給は途絶えたまま、3月を迎えてしまった。この後も、大きな寒の戻りの見通しはない。残雪期も短いことだろう。チャンスを逃さぬよう残雪の状況を見極めておこう、と扇ノ山へと向かった。京丹後市からは、神鍋高原を経由し蘇武トンネルで村岡に抜け国道9号線に乗るルートと、日本海に近い国道178号線で香住、余部、浜坂を経由し湯村温泉から国道9号線に乗るルートがあり、どちらもほぼ同じ距離。とりあえず、往路は後者の国道178号線ルートを使うことにした。竹野からの山陰近畿自動車道が、以前は余部までだったのが、浜坂まで延伸していた。屈曲の多い峠越えからトンネルで山を貫く自動車専用道路に変わり、わずか10kmほどの区間だが5分以上の時間短縮になるようだ。
 湯村温泉から国道9号線で鳥取方面に向かい、県境手前で左折。海上集落へ。除雪が行われるのはこの集落まで。例年3月初めには集落の奥までしかクルマが入れないことがほとんどだ。でも今年は別。予想通り、路肩にもほとんど雪が見られず、どんどんクルマは山間部へ。芝桜公園となっている丘とその周囲に田んぼが広がるエリアにもほとんど雪が見られない。周囲の山にもまだらに雪が残る程度。ただし、上の方はガスで見えない。
 さらに進むと日当たりの悪い区間に入り、雪が出てきた。シワガラの滝の入り口付近で、路面が雪に覆われクルマはここまで。だいたい予想通り。路面の雪は薄いので、がんばれば乗り越えられるかもしれないが、300~400m先のヘアピンカーブで残雪は厚みを増しているはずなので、がんばってもあまり意味がない。この雰囲気からすると、日当りのよい上山高原の雪解けはかなり進んでいそうだ。
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 状況によっては、このまま扇ノ山を目指すことも考え、自転車とスキーを用意してきたのだが、今日は撤退。まず天気が悪い。上の方雲に覆われているし小雨も降っている。ただし、この状況は山間部だけ。平野部では日が射していた。
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 ついでに河合谷牧場側も調べておこうと、国道9号線に戻り県境の蒲生峠を越えてすぐに左折、蕪島へ。しかし、蕪島集落から十王峠を越え雨滝へ向かう極細の道が通行止。今年は雪がないから冬季閉鎖は関係ないのだが、土砂崩れだそうだ。おそらく昨年の梅雨前線による7月豪雨だろう。となると岩美からのアプローチとなるが、だいたいの雰囲気はわかったから、もう割愛しよう。
 せっかくここまで来たのだから国道9号線で鳥取を目指す。鳥取市街地手前で国道はまたも自動車専用道路となる。
 鳥取市中心街を抜け、湖山池の南東の畔の桂見駐車場へクルマを止める。スタッドレスタイヤからノーマルタイヤへ、クルマのタイヤ交換をしている人がいる。私は、自転車をクルマから下ろす。春の日差しが降り注ぎ窓を閉め切ったクルマの中はぽかぽかと暖かいが、車外に出ると風が冷たい。ヘルメットは自転車用でなく、耳当てが付いたスキー用を使うことにしよう。自転車は今年初めてMTBだ。ただし、タイヤはスリック。
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 では、湖山池一周スタート。もちろん、反時計回りの周回だ。まずは、公園の中の遊歩道のような小道を行く。湖山池公園お花畑ゾーンだそうだ。そして、その小道には、「湖山池一周コース」との文字が随所に描かれている。
 湖山池と日本海をつなぐ湖山川を渡ると、広い畑のが広がる。鳥取だからラッキョウかな、と思いながらも、今の時期は何も植えられていない。いずれにせよ、元々は砂丘だったのだろう。
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 その畑の向こうに鉄筋コンクリートの建物が並んだエリアが見える。鳥取大学だ。学生マンションらしき建物が学舎の周囲を囲むように建っている。
 畑と湖の境界線を走る小道は唐突に途切れてしまった。少し引き返して、内陸へ。学生マンション街を抜けると、湖の北岸へ。湖山池一周コースは車道との共用区間となるが、並走する山陰本線の線路の反対側の車道が幹線のようで、湖側の道は静かに走ることができる。湖の畔には「グリーンフィールド」で、運動場や公園があり、その中の小道へレーンチェンジ。どうやらこちらが「一周コース」のようだ。このコースの案内を見落としてしまいがちなのだが、そもそもこれは自転車道ではなく(自転車通行禁止とはかかれていないが)、歩行者の速度ならば見落とすことはないのかもしれない。
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 すぐにグリーンフィールド区間は終わり、車道との共用区間となり住宅街の中を行く。そして、廃棄物の処理施設らしき荒野を抜けるとまた湖畔の小道となる。山肌が湖に迫り、小さな入り江が並ぶ入り組んだ湖岸となる。前方の小さな岬の辺りに人影が見える。湖岸から数m沖に石を積み上げた人工の小さな島のようなものが浮かび、その上に長いさをのようなものを持った5~6人がなにやら作業をしている。このしばらく後にわかることだが、これは石がま漁と呼ばれる湖山池独自の漁法だそうだ。この人工島は魚が潜む迷路のような魚道ができるよう石が積まれていて、それを上から棒で突いて魚道の奥へと誘い込み、最奥部の胴函(洞檻)という捕獲装置(中に魚が入ると入り口を塞ぐことができる箱)で魚を捕らえるのだそうだ。この漁が行われるのは冬場で、1月下旬の大寒の頃から2月頃まで、年によっては3月上旬まで行われるとのこと。ただし、毎日というわけには行かず、水温が比較的暖かい魚道に魚が住み着くのを数週間から1ヶ月ほど待って、水は冷たいが波は穏やかな日に漁を行うのだそうだ。魚道の外に魚が逃げ出さないように、すべての魚が洞檻までの迷路を抜けるまで4,5時間みんなで棒でつつき続けるのだという。そんな珍しい伝統漁法を見ることができたのは、ラッキーだね。
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 三津という漁村集落から車道との共用区間を行く。クルマはほとんど通らず快適。もう湖の西岸だ。
 湖畔にまたも公園があり、そちらの中の小道へ。小さな岬は「防己尾城跡」で、それを越えてもまた公園が続く。公園の片隅にリゾートホテルがあり、それを過ぎると車道との共用区間。今度はクルマが通る県道21号線。もう南岸に差し掛かっている。あと少しの辛抱だ。
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 一周までもう一息のところ、湖山池最大の島「青島」へと渡る橋の袂の公園にやってきた。「オートバイ通行禁止」との注意書き、さらに「公園整備や工事関係車両は通行可」とされているが、自転車についての記述はない。敷地内にある「湖山池情報プラザ」という建物、要するにビジターセンターに入る。中は、湖山池や山陰海岸ジオパーク、さらには全国のジオパークの資料が展示されている。前述の石がま漁の説明もされていた。
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 とにかく、自転車通行禁止とはどこにも書かれていないので、橋を渡って青島へ。遊具の並ぶ公園があり、なんと桜が咲き始めている。キャンプ場や展望台もあるようだ。遊歩道で島を一周する。ウォーキングの人も利用している。あっという間に一周を終えて、橋を戻る。
 再び県道21号線を行くが、すぐにクルマを止めた桂見駐車場に到着。青島一周を含めてちょうど20km。諏訪湖一周と同じくらいだ。また、都市と隣接した水辺、緑地公園の向こうにビルが並ぶ風景は台湾の淡水河に似ているような気もした。台北ほど大きな街ではないが、鳥取も県庁所在都市なのだ。
 自転車をクルマに積んだら、帰路に着く。鳥取市街でラーメンを食べ、東へ。鳥取市からだと、日本海178号線ルートが近い。正味2時間ほどで丹後に到着。
 3月上旬
 参考「湖山池研究所

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コメント

昔、海上集落から扇ノ山へ、スノーシューで歩きました。
4月の頃でも、名水公園は雪の壁だった気がしますが、
暖冬なんでしょうかね。

投稿: トラ | 2019/03/13 06:47

 トラさん、お久しぶり。暖冬で、特に今年は寡雪ですね。まあ麓の様子は本文のとおりですが、当然山全体としても少ないでしょう。この冬の「日本海に近いほど少ない」という傾向からして、雪の絶対量は氷ノ山と余り変わらないくらい少ないのかも知れません。私が知る限りでは2007年に次ぐ雪の少なさだと思います。

投稿: はいかい | 2019/03/15 00:17

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