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2019/03/14

雪原を歩いて恩原三国山(みくにがせん)

 「そうだった、まだ三国山を滑っていなかったな。」先日ネットの記録を見て、ずっと忘れていた山のことを思い出した。三国山の存在を知ったのは、15年くらい前。氷ノ山のスキー登山に同行して知り合った岡山県の津山のテレマークスキーヤーの記録を、ネットで読んでのことだった。登山口の恩原高原は、何度かクルマで通過したことがある。あの近くにこんな山があるのか、と思った。
 そんな三国山を一度目指したことがある。スキーではなく自転車で。2006年の8月下旬のことだ。恩原高原スキー場からダブルトラックで途中まで登ったが、唐突に道がなくなりそこまで。自転車はMTB、その先シングルトラックがないかと探したが、見つからず。舗装のダブルトラックをブロックタイヤの音を響かせて走っただけだった。広くなだらかな稜線は恩原牧場で、ダブルトラックはその作業道。牧場の敷地内にしか道がないのは当たり前の話。道は途中で途切れているのは地図の通りだし、もし地図にないシングルトラックがあっても草ぼうぼうの季節。途中撤退は想定内で、あくまで本番は雪の時期というつもりだった。でも、遠いからだろうか、いつの間にかすっかり忘れていた。
 そういうわけで、快晴の土曜日に行動を起こす。先日のネットの記録の日から1週間後のことだ。満天の星空の元、5時半に自宅を出発。
 往路は国道482号線を使う。東は丹後半島、西は蒜山高原を結ぶ国道。平成の大合併以前の1990年前後、国道のない(そして鉄道も空港も高速道路もない)町や村が集まった「ないないサミット」の活動により、国道に昇格した路線のひとつ。ただし、国道482号線の兵庫・鳥取県境は2004年の台風23号以来ずっと通行止。国道昇格から随分遅れて開通した区間だが、開通からわずか2,3年で災害で通行止となり復旧していない。道路が損傷していなくても、1年のうちの3分の1は雪に閉ざされてしまうわけだから、いったい通れたのは何日だろうか。まるで明智光秀の三日天下のような区間だ。ちなみに、私は2003年5月18日に一度だけクルマで通り抜けている。
 というわけで、戸倉峠で兵庫県から鳥取県へ。その手前、養父市大屋町は合併前の町域にまだ国道がない、今や稀少な存在である。
 若桜町で国道482号線に復帰し、八頭町を経て鳥取市へ。といっても平成の大合併以前の鳥取市までは行かず、旧用瀬町から旧佐治村へ。佐治川の谷に集落が点在する秘境だ。市役所の支所がある中心集落辺りはやや谷が開け、進行方向に白い山並みが青空をバックに輝いている。本日の目的、三国山の峰々に違いない。佐治川の流れと白い峰が見える位置にクルマを止め、ここで朝食。
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 佐治川ダムを越えると、最終集落。その奥で道は急激に標高を上げ、周囲に雪が見られるようになる。そして、標高800m近い辰巳峠。その向こうは岡山県鏡野町、旧上斎原村。いわゆる片峠で、深い谷の鳥取県側に対し岡山県側は高原となっている。峠から1km進んだかどうかというくらいのところで、明るい落葉樹林の中の国道を右折、恩原湖畔を抜け、恩原高原スキー場へ。このスキー場は、レイクサイドゲレンデとパノラマゲレンデの2つのベースを持つうちの、パノラマゲレンデ下駐車場へ。ちょうど9時。171km、3時間半のドライブだった。
 スキー場は先日、今シーズンの営業を終えたばかり。スキー場関係者のものと思われる岡山ナンバーのクルマが数台止まっている。正面に見えるゲレンデは、上半分が雪解け。三国山から南西に延びる稜線の末端にあるのがこのパノラマゲレンデで、最後にゲレンデ滑走で下山を締めくくるつもりでいたが、それは明らかに無理だということがわかる。稜線の雪はどのくらい残っているだろうか。なだらかなゲレンデベース部は一面雪に覆われている。勾配が緩くて雪が積もりやすいのだろう。
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 さて、入山の準備を進める。風はやや冷たいが、春の日差しが降り注いでいる。下界では最高気温が15度を越える予報だ。春の装備でよいだろう。念のために持ってきたシールは、やはりクルマに置いて行こう。2日前の寒の戻りのものと思われる新雪がまだサラサラで薄く積もっているが、この日差しですぐにザラメとなるだろう。ステップソールが真価を発揮してくれるはずだ。
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 9時25分、ベース部の緩斜面を歩き始める。メインゲレンデを左に見て、13年前に自転車で走った牧場の作業道をたどる。すると左右両側にそれぞれゲレンデが現れた。右側のゲレンデは尾根の向こうのレイクサイドゲレンデとつながっている。左側は、三国山からの尾根に設けられたゲレンデ。左側にはリフトが見当たらないので、駐車場から正面に見えたゲレンデと上部でつながりリフトを共有しているということだろう。しかも、うれしいことに全面真っ白だ。下山の最後にここを滑ることができる可能性が高まる。稜線の雪のつながり方しだいだ。ちなみに、帰宅してから調べてみると、駐車場の正面の半分雪が解けた斜面は「表斜面」、全面雪が残った方は「裏斜面」と呼ばれているそうだ。
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 両サイドにゲレンデがあるエリアまでは立木もなく一面圧雪整備された緩斜面だったが、その先はまばらに潅木も見られ、舗装のダブルトラックが雪面に浮かび上がる。そして、その上には無数の足跡がある。圧雪をされていないと雪が緩んだ時に足が沈むということだ。
 進行方向右側、つまりレイクサイドゲレンデとパノラマゲレンデを分ける尾根は、三国山から南西に伸びた主稜線から分かれた支尾根。その主稜線と支尾根の間の谷を進んで行く。すると、左の稜線上に2本ほどのアンテナと、急斜面につけられたガードレールが見える。あの道を登るのだ。
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 車道としては急勾配でも、スキーでは緩斜面。シールを貼らずともステップソールで十分対応できる。そうならば擦り足の抵抗が少ない分、シールよりステップソールの方が軽快だ。また、比較的平坦なため雪が積もりやすく、周囲の斜面が雪解けしていても車道には雪が残っていることが多い。さらに、立木や岩、そして沢といった障害物もない。スキーゲレンデを登る手もあるが、スキーの場合、直登できる勾配には限界があり、急斜面だとトラバースでジグザグに登ることになる。先ほど左に見たゲレンデも直登は無理。車道は距離が伸びるというが、急斜面のジグザグもそれなりに距離が長くなるはずだし、足場が悪い分体力の消耗が激しい。とにかく、車道、つまりダブルトラックがあるということは圧倒的に楽なのだ。そのダブルトラックに足跡。つぼ足の登山者が1人先行しているようだ。
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 さあ、主稜線に乗り上げた。なだらかな丘が連なる大雪原が広がる。恩原牧場だ。その丘の間を縫うようにダブルトラックが伸びている。丘もダブルトラックも全面雪に覆われている。スキー場ゲレンデまで藪こぎしなくてもたどり着ける見込み。ということで、今登ってきたダブルトラックで下山しなくて良さそうだ。ダブルトラックでも板が走りそうな勾配があり、快適に下山できそうだが、自由にコース取りできる斜面を滑降するほうが楽しい。
 進んでいくと景色が開け、進行方向はるか先には丘というより、小山の連なりが見えてきた。あの辺りが三国山なのだろう。遠いなあ。
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 右手はるか先には、白い峰が見える。ああ、あれに見えるは氷ノ山じゃないか。特に三ノ丸の純白が目立つ。急いで左後方を振り返る。一目でわかる白く鋭い、大山の姿。山襞の陰影がくっきりと見える。烏ヶ山や蒜山を従え、ひとつの大きな山塊となっている。右に視線を戻す。氷ノ山の南に東山、後山も。よく見れば、三室山も山頂を覗かせている。氷ノ山の北に扇ノ山が手前ブッシュの陰から顔を出した。これで、主要メンバーがそろった。いや、那岐山を忘れていた。しかし、余りなじみがなくどれが那岐山かわからなかった。
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 蛇行するダブルトラックをショートカットしながら行く。丘を越えるアップダウンとなるが、この方が変化があっていい。スキーだから滑走が楽しいし、ステップソールのお陰で登りもらくらく。想定したとおり、ステップソールの真価が発揮されるコースだ。一応登り基調ということだが、それも微々たるもの.復路でもアップダウンを繰り返して少しずつ高度を下げていく形になる。そのため、スキーで三国山を訪れる場合、中津河(なかつこ)がベースとなることが多いようだ。先週、先々週にスキーで訪れた記録は、いずれも中津河からのピストンだった。
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 恩原牧場の稜線から三国山に向かって左手に見えるのが中津河川の谷。谷底のダブルトラックを遡り、二股に分かれたうちの左の谷をつめ、ダブルトラックの終点から尾根に取り付いて西側から三国山に登る。これが、中津河からのコースの概略だが、その尾根の様子が良く見える。今回は、初めての山ということで、安全で楽なコースを選んだ。中津河川のダブルトラック終点から尾根の取り付きの序盤の沢のスノーブリッジがもう危険だと、先々週の記録にでていた。そして、いずれもロングコースであるが、谷底の歩きが長いことよりも稜線歩きが長い方が満足度が高い。
 小山の連なりが近づいてきた。黒々とした杉林のピークの奥に白いピーク。白い方が三国山かな、とこのときは思っていたのだが、実際には三国山はさらにその奥。白いピークの左に見える貧祖な、いや控えめなピークだった。
 雪面に顔を出していた柵や東屋のような建築物がなくなり、牧場を通り過ぎたことがわかる。ダブルトラックも終ったようだ。昨日の朝までに積もった新雪は、少し深くなったが、吹き溜まりで5cm程度。
 登り勾配が増し周囲は落葉樹林となった。木々の密度が高く、まっすぐにはコースを取れない。復路の下りが気にかかる。
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 そのまま、杉に覆われたピークに登っていくのかと思われたが、その前にひとつ鞍部があった。落差は大きくないが、それでも結構急な下りに直面する。木々の間を上手く滑り降りられるだろうか。
 幸いなことに、ザラメ雪の上に解けかけの新雪が薄く乗った、要するに単なるザラメでいい、雪面は思いのほかスキーのコントロールがしやすく、転倒することなく、そして楽しく鞍部に降り立つ。
 ここで、先行の登山者とすれ違う。軽快な足取り。健脚のようだ。挨拶を交わし後姿を撮影させてもらおうと振り向いたが、もう見えない。逆に、後姿を撮影されていたことが、後日判明する。
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 杉に覆われたピークへの登りだが、手前から見るほどきつい斜度ではなく、ステップソールんグリップもよく、割にあっさり標高差100mを登りきった。
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 しかし、そのあとの下りが難所だった。尾根がやせ細り、立木や大きな岩がある。右側は少しだけ雪庇になっている。基本的に慎重に下るが、ここは大丈夫だろうとスピードを出したら、段差が現れ宙に飛ばされる。50cm程度の段差だが、パニックで体が動かず尻餅をつく。でも日差しで緩んだ雪はやわらかく、足から落ちたので体に痛みはない。落ちた場所も雪庇ではない。息が整うのを待って立ち上がり、改めて体もスキーも傷んでいないことを確認する。
 その先、先行者の足跡に従うように、左側に稜線を外して鞍部に下りる。北西斜面で、雪がふわふわだ。この雪質ならば滑落の心配は余りないので、復路はやせ尾根まで登り返さずに北西斜面を巻いていこう。ふわふわといっても、積もりたてのさらさらではなく、日差しを受けてやや湿った、つまり粘着性がある安定した雪なので、雪崩の恐れもない。
 さあ白いピークへの登りだ。これが三国山と期待しているのだが、どうも見た目の距離とGPSレシーバの地図に引いたコースの長さが合わない。お勧めできないことだが、実は初めての山にも関わらす紙の地図を持参していない。バッテリー切れや故障の恐れがある、電子機器の地図のみだ。GPSレシーバには予備の電池を準備しているし、もう一台タブレット端末もある。でも、タブレット端末はザックに入れたまま。GPSレシーバに搭載された地図は等高線が薄くて、今日のような強い日差しの下では地形を読み取れない。予定コースの軌跡が頼りだ。
 手元にあるGPSレシーバは、半年前に買ったもの。これで5代目だ。GPSレシーバを使うようになって17年で5代目だから、平均すると4年で代替わりしていることになる。1台2万円くらいなので、とうとうこれでGPSレシーバに10万円も費やしたことになる。さらに今のモデルは日本全国の地図が付きのセット。ずっと地図を無料で手配していたのだが、とうとう地図にまでお金をかけてしまった。その地図は、クルマは自転車で使いやすい縮尺だとロードマップ、登山で使いやすい縮尺に拡大すると等高線などの表示が加わるように、表示レベルが設定されている。お金をかけて手に入れただけのことはある、と思ったが実際に使うときに見えなければ意味がない。コースの軌跡をインストールしておけば大丈夫だろう、という考えも甘かった。今日はともかく、何かの都合でコース変更することもある。やはり、CustomMapを使おう。CustomMapとは文字通りカスタマイズされた地図で、パソコンソフトの「カシミール3D」で作成できる。カシミール3Dに表示された地図の必要な範囲を切り出し、GPSレシーバに保存する。もちろん、晴れの屋外で見やすいように、表示濃度を調整することもできる。夏に電源スイッチが壊れて起動しなくなった先代GPSレシーバの内部メモリに、これまで訪れたエリアののCustomMapが大量に保存されている。起動しないからもうフィールドで使うことはできないが、パソコンにUSBで接続すれば内部メモリにアクセスできるから、データの発掘は可能だ。
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 白いピークに立つ。やはり、GPSレシーバ上のコースはまだ続いている。先を見ると、手前半分が白く開け、奥は杉と落葉樹の林に覆われた次のピークは、このエリアの主峰というには随分控え目な佇まい。そして、その奥には風格あるピーク。もしかして、2つ先のピークまで行かないといけないの。もう十分歩いたよぉ。心の支えは、GPSレシーバに描かれたコースの残りが余り長くないこと。
 とりあえずは、鞍部への下り。立木が少なくザラメの楽しい滑り。そしてわずかな登り返しで次のピークへ。GPSレシーバのコースはここまで。念のため、ザックからタブレット端末を取り出してOSに続いて地図アプリを起動し、GPS受信機能をONにして、衛星の電波を受信するまでしばし放置。
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 やはりここが三国山だ。要するに、1200m級の峰が続く3つの尾根の交差点。いわゆるジャンクションピーク。因幡、伯耆、美作の三国を分ける山である。ただし、南と北に伸びる尾根にはより高いピークが、西に伸びる尾根には同等のピークが隣接している。さらに、三角点は、北隣に一頭三角点「三国山」、先ほど越えた南隣の白いピークに四等三角点「ギラガ仙」が置かれている。ウィキペディアによれば、北の一等三角点ピーク「北嶺」、(今到達した)ジャンクションピーク「南嶺」の二つの嶺を持つが、南嶺が本来の三国山にあたる、とのこと。ちなみに、それぞれの標高は、ジャンクションピークで主峰の南嶺1212m、北嶺1251m、ギラガ仙1247m。また、西の尾根上で隣接するピークも1213mでわずかに主峰より高い。中津河川の谷からだと、西の尾根がルートになる。
 目的地に到達したし時刻もちょうど正午過ぎなので昼ごはんを食べたいところだが、やはり展望のよいギラガ仙まで戻ってからにしよう。その前に、なだらかなジャンクションピークを散策。落葉樹林の中に、杉の大木が数本。これが結構遠くから良く見えた。開けた南側はいいが、北側の展望はブッシュに阻まれる。
 その開けた南斜面を滑り降りる。いい感じだ。でも、目の前に立ちはだかるギラガ仙。ちょうど、扇ノ山の北の鞍部から大ヅッコへを見上げるような感じだ。登り返し斜面を見ながらだと、滑降の楽しみが少し弱まってしまう。そして、そのくだりもすぐに終る。
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 実際に登って見ると、ギラガ仙への登り返しは大したことなく、ご機嫌の大展望と昼ごはんにありつく。ごはんと言ってもパンだけど。視界は360度。三国山南嶺からは見難かった北側の日本海や北条砂丘の風車群、そして山陰近畿自動車道の高架も確認できる。大山や氷ノ山などの峰々は、少し霞んできている。往路では、色々なことに気を取られて気付かなかったが、潅木に小さな「ギラガ仙」と書かれた札が付いていた。
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 ギラガ仙を滑り降りる。気持ちの良い滑降だが、残念ながら短い。すぐに次の、杉に覆われた黒いピークへの登り返し。こちらは、ギラガ仙から見下ろす形だったので、威圧感は薄い。そしてやせ尾根に登り返す手前で、北西斜面をトラバース。ふんわりとした新雪の感触を楽しむ。
 杉の黒ピークは、ネットに上がっている記録には「ギラガ仙南峰」と書かれていることもある。その南斜面は、林の開けたスペースがあり快適なザラメ滑降。そして次の鞍部殻の登り返しはやや急だが、短いので楽々クリア。心配された密度の高い落葉樹林も、斜度は余りきつくなく、ザラメ雪はコントロール可能で、やや開けたスペースも見つかり快適に下ることができた。
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 そして恩原牧場へ。緩やかな下り基調。なだらかな丘を越えるアップダウン。往路より下りの割合が多目であるはずだが、余り滑降という雰囲気ではない。行く手には、往路でつけたスキーのトレースとつぼ足のあとが絡み合いながら延々と続いている。日差しで雪が緩んでいて、復路のつぼ足の足跡は深い。
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 ダブルトラックが主稜線から外れるポイントまで戻ってきた。ここで往路のトレースと分かれ、主稜を突き進む。余り標高は変わらないはずなのだが、だんだんブッシュが出ていたり、雪が切れたりしてくる。枯れススキを踏みながら、どうにか雪のつながった部分を歩いて行く。そしてようやくリフト降り場を発見。あそこがゲレンデ最上部だ。
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 リフト降り場から、南側の表斜面と東側の裏斜面へと滑りこめる。せっかくなので、表斜面を少し降りてみる。すぐに雪が切れ、茶色の斜面が広がっている。朝、駐車場から見上げてわかっていたことであるが、改めて納得。
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 リフト降り場まで登り返す。ステップソールのお陰で自由自在に動ける。そして、裏斜面へ。強い日差しのせいで、朝よりも浮きが薄くなっているようだ。地面が透けて見えているところを避けて滑る。この斜面が、今日一番の滑降だった。
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 向かい合う斜面にもスキーのシュプールが見える。麓には、親子連れが遊んでいる。その脇を抜け、ベース部の緩斜面を行く。雪が緩んで板が走らない。ステップソールだからなおのこと。ストックで漕いで漕いでようやく駐車場へ。
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 ゲレンデ入り口の管理施設兼レストハウスの建物の脇の雪の切れ目に、まだ開封されていないお茶のペットボトルが2本置かれている。朝にも見かけたが、そのまま放置されている。スキー場の職員が、日差しで暖めるために置いているのかと思ったが、そのまま忘れられているのだろうか。もう完全に暖まっているはずだ。
 15時40分、クルマに戻りスキーなどを撤収。ああ満足、満足。大展望とザラメ雪に恵まれた。13年暖め、満を持して訪れただけのことはある。といっても忘れていたのだが。前述の通り2006年晩夏にMTBで下見したものの、2007年は雪が少なくて初めての山どころではなかった。神鍋や鉢伏山のスキー場が、2月中旬に雪不足で営業休止に追い込まれるほどの寡雪。氷ノ山も、扇ノ山も藪が完全に埋まらず満足に滑ることができなかった。
 さて、本日のマイナス面を強いて言えば、滑降の楽しみが薄かったか。もし次回があるならば、中津河川の谷に滑り降りるコースを考えてみようか。でも、恩原牧場の大展望稜線歩きも捨てがたい。ならば周回コースか。単独でも、自転車を利用すればいい。難点は、林道に降りる手前のスノーブリッジ等、要注意の箇所を登りで確認できないことだ。その時の雪の量だとかをよく考えて計画しよう。
 さて、午後の日差しが降り注ぐ恩原高原スキー場を後にする。辰巳峠、佐治村、用瀬を経て、船岡までは来た道を引き返す。そこから若桜に向かうのでなく、国道29号線を北上。鳥取市に入る前に、郡家で右折する。その理由の一つは、鳥取市街の道路の混雑を避けること。各地に無料の高速道路が張り巡らされた鳥取県だが、なぜか鳥取市中心街は一般道しかない。そして、今日こなす予定の要件がもう一つ。扇ノ山残雪調査の第2弾だ。
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 田舎道を走って、国府町雨滝。河合谷林道へ。クルマで入ることができたのは、河合谷牧場入口分岐の少し手前まで。標高560m位。2か所ほど残雪を乗り越えてたどり着いたが、さらに深い残雪に阻まれた。その残雪にもクルマの轍がついていたが、かなり深い。車輪が大きく最低地上高の高いクロスカントリー4WDだろう。こんな山深いところでスタックしたら、助けが来るまで相当待たされる。だからチャレンジはしないで引き下がる。別に今日入山するわけではないのだから。
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 河合谷林道を降りて、岩見に北上。日本海沿いの国道178号線で兵庫県を抜けて京都府の丹後に帰還。河合谷林道の往復を差し引けば、鳥取市内を経由する場合とほぼ同じ距離。また往路の戸倉峠経由ともほぼ同じ。ロスのない寄り道だった。
3月上旬

 

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コメント

 お疲れ様です。出来るところはあるものですね。写真で見る限りでは、ステップソール向きの場所に見えます。軽快に緩い斜面を上り下りしてるような。
 ホントはボクも行ってみたいのですよ、丘のようなところ。BCクロカンのような軽い道具でお散歩のようなことをしたいのですよ。
 でも、細いステップソールはダブルキャンバーだという。(=滑りにはマイナス)
 また、最近は自転車に気が行って年に1回しかスキーしていない。
 でも、数年前に行った石徹白1周がステップソールなら、シールの着脱やスキー板の着脱で1時間以上は時間短縮できると思うと、あの時のように日没下山ということはなかったかと。また、道具の軽さで移動スピードが上がることも考えられますし。
 テレマークは軽快ですが、もっと軽快な(そして不安定な)道具を体験してみたいなあ、って想像したりしています。

投稿: すう | 2019/03/17 13:41

 はい、ステップソールとの相性の良いコースを選びました。
 寒の戻りで雪解けは足踏み。残雪の量は、ここへきて去年並みに持ち直しているのではないでしょうか。氷ノ山、大山はまだ滑れるし、扇ノ山はこれから。
 何せ、去年は3月に入るなり20度を超える日があり、中旬以降は20度越えの日が数日続くことが何度もありました。春の小川はさらさら行くよ、どころか、北海道のサロベツ原野では雪解け水のために洪水警報が発令されてましたね。
 でも、スキーをおろそかにするほど自転車に入れ込むとはすごいですね。当方は広く浅くやってます。
 ところで、僭越ながら訂正しておきます。
 ダブルキャンバーで滑りが悪くなることはありません。滑りを悪くするのはステップソールです。滑走時のステップソールの影響を抑えるためベンド(板の反り、アーチベンド)を強くした板がダブルキャンバーです。あくまで滑りをよくするための加工です。歩行時には、片足(片方の板)に荷重することでベンドが負けてステップが雪面に食い込みグリップします。
 ダブルキャンバーで不利になるのは滑りではなく、ターンです。このあたりが誤解の要因かと思います。
 ステップソールのない板にダブルキャンバーはありません。あえて加工をするのには、必ず理由があります。
 なぜ、何のため、ということを考えれば理解できる話です。
 ちなみに、三国山などで使ったステップソールの板は、滑りが悪いです。シングルキャンバーですから。かわりにターンはしやすいです。
 すうさんは、わかっていらっしゃるのかもしれませんが、読む人が誤解するかもしれませんので補足・訂正しました。すみません。

投稿: はいかい | 2019/03/17 16:11

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