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2019/02/28

暖冬の丹後半島一周

 雪がほとんど積もらないまま冬が終ろうとしている。京丹後市内のスキー場は一日も営業できず、我が家の除雪作業をする必要はなくスノーダンプは車庫の奥でほこりをかぶったままだ。2月中旬には、弱いながら寒波が居座ってくれたので、ここぞとばかりに雪遊びをした。でも、そのあと春を思わせる暖かい日、暖かい雨で、年末からどうにか途切れずに営業していた神鍋高原や鉢伏山・氷ノ山周辺のスキー場のいくつかが今シーズンの営業を終えた。
 春の風を受けると自転車に乗りたくなる。天気は周期変化。数日おきに安定した晴れの日が訪れる。日も長くなってきている。
 こうして、今シーズン初、生涯通算49回目の丹後半島一周が始まった。
 一日フリーになる日と天気が一致することはなかなかないが、どうにか昼前から行動可能となった。ただし、出先から帰宅する所要時間がもったいないので、与謝野町の岩滝をスタート地点とする。家に帰るよりも20分早くスタートできる。とにかく暗くなる前に走り終えたいのだ。
 クルマからランドナーを下ろして、11時ちょうどにスタート。海に背を向けて、府道53号線で内陸へ向かう。標高差200m程を越えるが、中腹には平野が広がり、田園や集落がある。朝のうちはやや雲が多めだったが、時間を追うごとに青空の割合が増し、日差しが背中を暖める。とはいえ、風の冷たさには、まだ冬の雰囲気が残る。過去48回の丹後半島一周は、ほとんどが4月下旬から9月までの間、3回ほど10月に走っている。田も山も緑の季節に走っていた。しかし今はまだ2月。灰色と茶色を混ぜたような色をした山。稲刈りのあとの株から伸びた「ひこばえ」が枯れ、あぜの雑草もまだ生えていない黄土色の田んぼ。土筆もフキノトウもまだ。
 堀越のあたりは標高は180m程でさほど高地ということもないのだが、積雪量の多い土地で2011年、2012年にはクルマよりも人の身の丈よりも高い2m程の雪の壁ができていた。それらの年には4月中旬まで残雪がみられた。しかし、今はどこにも雪は見られない。標高702mの高山にも、613mの金剛童子山もこの一週間ほどで雪の白色がみられなくなった。(下の写真右は2011年冬。左の写真とほぼ同じ場所。)
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 京丹後市弥栄町へと下ると白梅が咲いている。春の雰囲気が混じる。しかし下りで体が冷えた。登りでは中間着を脱ごうかと思うほどだったが、すぐ先で下りになるので思いとどまった。その後、竹野川流域の平野から海岸線では冷たい北風に吹かれて中間着を脱ぐことはなかった。つまり、ずっと冬の装備で走った。この日の最高気温は、10度くらい。
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 ここで自宅に立ち寄る。朝、家を出てすぐに忘れ物に気付いた。財布を忘れて陽気なはいかいさん、というわけで無一文なのだ。行動食や飲用水はあらかじめ用意していたので、お金は必要はない見込みなのだが、念のため少しは持っておいたほうがいいだろう。普段ならクルマの中に小銭があるのだが、今日は車検のためトランスポーターは自動車工場から借りた代車なのだ。自宅に寄らなければ、ルートを少しショートカットできるのだが、おそらくその差は1kmもないので大勢に影響はない。というわけで、朝は取りに戻らなかった。
 しかし最初の休憩ポイントが自宅とは不思議な感覚だ。
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 ちょうど昼時なので行動食のパンを食べようかと思うが、家の中に入りくつろいでしまうと再スタートが遅くなりそうだし、薄暗い車庫の中で食べるくらいなら、外のほうがいい。日なたなら寒くない。家の前で食べるのは恥ずかしいので、少し移動して竹野川のほとりの公園で食べる。
 そのあとは竹野川の流れに沿って、北上。ただし、国道482号線ではなく、クルマがほとんど通らない農道へ。田植えの準備もまだ始まっていない、黄土色の田んぼの中を行く。冷たい北風に向かって進む。
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 竹野川河口付近の道の駅「テンキテンキ丹後」でトイレ休憩。そして、海岸線の国道178号線で東に向かう。さあ、アップダウン始まりだ。まずは登り坂だが、風のベクトルは逆風の要素がなくなり、一長一短というところ。海岸段丘に乗り上げると青い海と水平線が見える。思いのほか青い。内陸の色はくすんでいたが、海は過去の丹後半島一周と変わらぬ鮮やかな青だ。
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 海にそそり立つ一枚岩、「屏風岩」を見下ろしながら一休み。北風なので波があり、多少海底の砂が舞い上がっているようだが、それでも予想よりも透明感が感じられる。冬と春の間の海だ。道路脇では、梅の花がほころんでいる。
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 アップダウンを繰り返し、丹後松島へ。国道をそれ、集落の中を抜け、海水浴場や漁港を見ながら行く。国道沿いにあった近畿最北のスーパーマーケットが先日閉店となった。
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 さらに自衛隊分屯地とアメリカ軍のレーダー基地を越え、経ヶ岬へ。まとまった登りとなり、標高140m程の白南風隧道へ。トンネルを抜けると眼下に青い海が広がる。断崖絶壁のカマヤ海岸だ。水平線には冠島と沓島が浮かぶ。こちらは経ヶ岬が風除けとなるので、海水が澄んでいる。
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 下り基調のカマヤ海岸を快走。路肩に大きな落石。直径50cmくらいはあろうか。道路の中央に痕跡が残っているので、通行の邪魔にならないよう脇に寄せられたものと見られる。
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 甲崎を越える。今度は蒲入漁港を見下ろす。そして、かつてはここから蒲入峠への登りが始まったわけだが、今は蒲入トンネルにより下り基調のまま本庄へ。しばらく内陸を行く国道178号線をそれて、本庄浜から野室崎越えの登りへ。ここは、登りだしが急勾配だ。急坂に取り掛かってすぐ、4月下旬に走ればまだ花を見られることもある八重桜はまだ冬の姿。そこを越えたら、標高130mのピークまでノンストップで登ることができた。最高地点からははるか東、大浦半島越しに若狭のク須夜ヶ岳がぼんやり見えた。これから霞が深くなると晴れても見えなくなる。
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 泊まで下る。本日最後のまとまった登り、新井崎越えに向けて気合を入れていたのに、「通行止」の案内板が行く手に立ちふさがる。むむむ、京都府の道路情報サイトにはこんなことは載っていなかったぞ。期間は昨年の10月1日から当面の間とのこと。ということは、おそらく9月末の台風24号による被害だろう。復旧工事がまだ始まっていない可能性もある。工事をしていなければ、押し担ぎで越えられるかもしれない。強行突破を試みようか。などという考えがよぎったが、結局はおとなしく撤退することにした。その理由は、まず看板がかなり目立つように置かれていること。もう一つは、通行止は8~17時、とされてること。要するに工事が行われていて、その時簡帯は通れない、ということだ。
 帰宅してから、京都府の道路情報サイトを確認しても、やはりこの通行止は載っていなかった。理由は、その道路が伊根町の町道だからで、伊根町のサイトには通行止の情報が掲載されていた。古いロードマップには、野室崎から新井崎にかけての路線は府道623号線と出ていたが、今は、府道は本庄宇治から本庄浜までだそうだ。
 国道178号線に乗る。こちらも峠越えだが、海岸線ほどきついアップダウンではない。しかし、海岸の景色が美しい新井崎が通れなかったのは残念だ。また、初夏に丹後半島一周することになるだろうが、そのときは「新井の千枚田」と呼ばれる海を見下ろす棚田を見たいのだが、道路の復旧が間に合わないということも十分ありうる。そのときは、「今走っている国道を経由し、大原から新井の千枚田まで往復する」か「17時を過ぎてから新井崎を通過する」という案が浮かぶ。後者の場合家をスタートするなら13時、今日のように岩滝スタートなら正午というタイムスケジュール。初夏とはいえ、19時ごろには暗くなるから、岩滝をスタート・ゴール地点として明るいうちに走り終えたい。ただし、そのタイムスケジュールだと、海風を敵に回すことになる。晴れた初夏の昼下がりに発生する大気の対流。海上より内陸部が激しく気温上昇するために海から陸へと風が吹く。終盤の伊根から日置までの区間の順風満帆の快走ができないばかりか、序盤の竹野川沿いが向かい風になってしまう。距離のロスが発生しても、前者の方がいいかもしれない。まあそんなことは先になって考えたらいい。一番いいのは、3ヶ月足らずの間に工事が完了することだ。
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 そのまま国道で伊根湾まで下ろうかとも思ったが、大原で国道をそれる。今はまだ、くすんだ色をしている千枚田を見に行く気はないが、伊根湾へ下るまでに外海を見ておきたい。そして、舟屋の並ぶ入り江を俯瞰しながら降下し、その舟屋の中をより長く走りたい。
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 舟屋集落まで降りると、舟屋と母屋に挟まれた狭い道の真ん中を観光客が我が物顔で歩いている。漁港を過ぎ、かつて町役場があった場所を整備した公園に立ち寄り、かつての国道へ復帰。とはいえ、まだ道の狭い状態が続く。裏山を貫く道が開通したお陰でクルマの通行は少なくなり、かつて国道だった面影はない。それでも、ここを路線バスが通るのだ。母屋と舟屋の軒に両サイドを擦るような狭い道幅。かつてはバスと同じデザインに塗装され屋根に回転灯を乗せた軽ワゴン車がバスを先導していた。先導車を見た対向車は、退避スペースでバスをやり過ごすのだ。新しい道ができたせいか、今は先導車を見なくなた。
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 伊根を過ぎると、道は平坦になる。北西の風が当たらないので冬でも波は穏やか。だから、集落は海のすぐそばにあり、道路も海べりを走る。初夏の海風ではないが、今日は北よりの風が吹いているお陰で追い風を受けて気持ちよく走れる。ただし、クルマの通行が多い。去年の梅雨の時期の豪雨による被害で、片側通行の区間が4~5箇所ほどある。豪雨から2,3ヶ月通行止だったところもある。
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 日置では、国道をそれ、リゾートマンションやヨットハーバーの中を行く。バブル期にできたもので、失礼ながらまだ廃墟になっていないのが不思議。今のご時勢で維持できていることが奇跡のようだ。
 天橋立の北詰、江尻の観光遊覧船乗り場で一休み。そのあとは、阿蘇海シーサイド自転車道へ。ゴールはもうすぐ。アップダウンももうないし、クルマから隔離された道なので、何の不安もストレスもない。
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 そして17時、クルマを止めた駐車場へ。暗くなる前に走り終えた。
 というわけで、何の問題もなく2月に丹後半島一周できてしまった。平年この時期路上に雪があるのは降雪直後の朝のみであるが、路肩に雪が積もっていることは珍しくない。そうすると、日中は雪解け水で路面が濡れるわけで自分自身や通行するクルマの水撥ねを浴びたり、午前中の山間部の日陰では路面凍結があったり、いろいろと苦難があることが想定される。そういう時期なのだ。
 ただし、雪がないからといって春というにはまだ少し早い。野にも山にもまだ緑が現れていない。厳冬期に雪がなかった分、雪解けという変化がないことも影響しているのかもしれない。むしろ雪があっても、その切れ目からフキノトウが顔を出している方が春を感じるのかもしれない。あと、やっぱり風が冷たかったね。
 さあ家に寄って自転車を下ろし、自動車屋に代車を返し、自分のクルマを引き取りに行こう。
 2月下旬、11:00~17:00、82.4km

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