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2019/02/04

雨が降る前の氷ノ山三ノ丸スキー登山

 前の記事に書いたとおり、この冬は極めて雪が少ない。北近畿の日本海沿岸部は、私の知る限り最も雪が少ないが、少し内陸に入ると状況は異なる。少なくとも、2007年よりは多い。京丹後市のスイス村スキー場は2月には言ってもまだ今シーズンの営業が始まらないのに対し、神鍋高原や鉢伏山・氷ノ山周辺のスキー場は年末から途切れずに営業が続いている。1月31日夜から2月1日朝にかけての寒波で、またその差が開いたようだ。
 というわけで、2月3日、氷ノ山へ。4時過ぎにおきて、5時前に丹後を出発。6時半に養父市大屋町ですうさんと合流。若杉峠を越え宍粟市波賀町の道谷集落は雪が多い。屋根の雪を下ろしている建物も見られる。
 戸倉峠を越えて鳥取県に入り、7時40分にわかさ氷ノ山スキー場へ。準備を整え、スキーパトロールで登山届の用紙に記入し、8時20分、少し前に営業開始したリフトに乗車。2本乗り継いで、標高1195mの樹氷スノーピアゲレンデ最上部へ。強風が吹き荒れている。今日は天気下り坂。夕方には雨が降り出す予報だ。早く登って早く滑ってしまいたい。
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 東は何とか晴れ間も見えるが、西の空は分厚い雲に覆われて暗い。辛うじて大山が見える、と思ったが見えていたのは烏ヶ山。大山本峰は見えていなかった。帰宅後、写真を検証するも、烏ヶ山も怪しい。白いのは雲かもしれない。
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 スキー板をザックに付けて、8時50分、登行開始。急斜面だが林間のため風が和らいで助かる。前日はたくさんの人が入山したようで、しっかりとした踏み跡ができている。それが今朝の冷え込みで固まり、雪面を踏み抜く心配はない。むしろ、キックステップが難しい。先行者はアイゼンを使っている。プラブーツでなければ、アイゼン必須だ。
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 やせ尾根区間に出ると先行者の姿を捉えた。そして、氷ノ山山頂や三ノ丸の景色が開ける。その方向は晴れているので青空をバックに白がまぶしい。一方、西の大山はますます霞んでいる。風上側には常緑樹である杉が並んでいて、防風林の役目を果たしてくれる。例年、雪庇ができる区間なのだが、今年は雪庇といえるまで発達していない。
 やせ尾根のアップダウンを越えるとブナ林となり三ノ丸へと続く広い稜線へとでる。ここでスキー板を装着。すうさんはシールを貼るが、私はステップソールがあるので今日はシールの出番がなさそうだ。
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 三ノ丸とは反対方向、大段手前のピークには少し樹氷が残っていた。帰宅後に読んだ、インターネットに上がっていた記録によれば、昨日の朝まではたくさんの樹氷が見られたそうだ。
 ブナ林は直ぐに終わり吹きさらしの雪原へ。幸い南からの追い風だ。緩い登りもらくらく。すれ違う人は、顔が引きつっていた。我々はピストンコースでなくてよかった。まともに滑れないところだった。
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 先行のつぼ足2人組を追い越し、単独のアルペン山スキーヤーに追い越される。
 10時に三ノ丸。氷ノ山山頂が近く見える。また、南には三室山や後山も。兵庫県の標高ベスト3のそろい踏みだ。また、2年前に滑った「くらます」やもっと前に滑った東山(とうせん)、毎年滑っている扇ノ山もみえる。東山の左肩には那岐山が除く。但馬妙見山の向こうに目を凝らすが、丹後の山は見えない。当然そのはるか先の加賀白山など見えるはずもない。
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 私が記憶する限り、最も雪が少なかった2007年には、このあたりの笹が埋まらず、まともに滑走できなかった。今年は問題なく滑走できる。つまり、12年前よりははるかにましだ、このエリアでは。
 風が強いので、先を急ぐ。いったん下って、ワサビ谷の頭のピークを越える。クラストした雪に板を取られて転倒。顔面に、地吹雪が吹き付ける。
 先ほど追い越された単独山スキーヤーに再び追い越される。三ノ丸の避難小屋で休憩していたようだ。彼はそのまま山頂に向かっていった。
 10時25分、ワサビ谷へと少し下りてみる。風が弱まるのを期待したが、まだまだ強い。休憩は先延ばし。
 昨日は平野部で10度を越える陽気となったので心配したが、雪はどうにか賞味期限ぎりぎり。ふわふわの新雪とは行かないが、それに近い浮力を感じるところもある。谷の滑り出しは広い疎林の急斜面。前日のものと思われるたくさんのシュプールがあるが、斜面が広いので気にならない。すうさんは気持ち良さそうに滑り降りていくが、私は何度もこける。それでも楽しい。
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 下るにつれて、斜度は落ち着くが、谷は狭まり両側の法面が切り立つ。コース取りの幅が狭まり、先行シュプールが集まるので雪面が荒れてくる。これらのシュプールの主は、登りトレースの主でもあるわけで、文句は言えない。また所々にデブリが見られる。急な法面から小規模な雪崩が起こったようだ。3日前のまとまった積雪の後、昨日の気温上昇。ここでは見慣れた光景だ。完全埋没するほどの雪量はないものの、やはり出会わないに越したことはない。そして、デブリは滑りにくい。
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 単独のアルペン山スキーヤーが追い越して下っていった。少しウエアが似ていたので惑わされたが、山頂に向かった山スキーヤーとは別人のようだった。山頂まで往復して来たにしては、あまりに早すぎる。
 谷に深く入って風が弱まったので、小休止。パンを食べる。すうさんはおにぎり。それでも少し風があって体温を奪われる。長居は無用、滑降開始。
 谷が狭まり沢芯を行く。スノーブリッジのお陰で渡渉せず滑れるが、雪の量は少ないので岩のおうとつが雪面に反映されてコース取りに苦心する。
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 やがて雪面がわれ、沢が露出していた。まあ、例年沢が出ている区間ではあるが、今年は少しスノーブリッジの発達が少ないようだ。右岸の法面を斜滑降でクリアし、杉林へ。林に入っても急なトラバースが続く。10分ほどで杉林を抜け、わかさ表線スキー場イヌワシゲレンデ上部へでた。12時05分。
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 最後はゲレンデ滑走。
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 駐車場に戻り、撤収していると雨が降り出した。予報より早い降り出しだ。気付けば山頂稜線はすっかりガスに覆われていた。スキーパトロールに下山報告し、クルマで走り出すと雨足は徐々に強まり、帰宅する頃には本降りの雨。日中の最高気温は10度程だったが、この後、夕暮れ以降気温は上がり日付が変わるころには15度ほどになるという。日本海の低気圧に向かって南風が吹き、フェーン現象が起こるためだ。これで、雪は質量ともに悪化・減退する。この土日、正確には日曜の午前中までがこの冬の貴重なチャンスだった。帰宅後に読んだインターネット上の記録では、前日は尾根の急登でのツボ足で踏み抜きに苦労したそうだ。その分、ワサビ谷の雪質はよかったに違いない。天気は、下界のようにはすっきりと晴れたわけではなく、強風と時折のガスに見舞われたそうだ。要するに、今日の午前中と変わらない天候といえる。おかげで、雪の鮮度がどうにか保たれたということのようだ。


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コメント

 誘っていただいてありがとうございました。
 さすがに豊富な情報量で少ないチャンスをモノにされますね。おかげであきらめていた山スキーができました。
 思ったより雪があって、思ったより天気の崩れが早かった。してやったり、という気持ちです。

投稿: すう | 2019/02/13 22:32

 そうですか、情報は豊富でしたか。我々が訪れる前の1週間くらいの間に数件の山行記録がインターネット上に上がっていたことを指しているのですかね。今では、道路情報サイトやスキー場サイトでライブカメラ画像や積雪情報が発信されています。でも、実際に訪れた情報に勝るものではありません。人気の山は情報が豊富ですね。
 でも、やっぱりその日行ってみるまではよくわかりません。先人の記録の後でまとまった降雪があり、その後雨は降っていない。しかし、前日にはこの時期にしては気温が高くなった。雪の量は増加傾向で間違いないけど、質はどうだろう、と思いながらお誘いの連絡をしました。
 本文に書いたとおり、当方としてはぎりぎり賞味期限内だったという印象です。
 思えば先シーズンは、雪は十分にあるのに天気がすぐれずなかなか決行できなくて、結局雪質の悪い中(アイスバーン)、予定のコース変更を余儀なくされました。その点雪不足の今シーズン、あっさりワンチャンスをものにできました。こういうものなんですね。
 あと、日本海沿岸部と内陸部の積雪量の傾向を見極めるために、丹後半島のスイス村スキー場と氷ノ山の南側にあるばんしゅう戸倉スキー場の雪の量を参考にします。ばんしゅう戸倉の方が標高が高く、スイス村は日本海が近く周辺で最も高い山の頂付近にゲレンデがあって風や日射の影響があることから、基本的にばんしゅう戸倉の方が雪は多いです。とはいえ、ばんしゅう戸倉も中央分水界よりは南に位置し、その分水界には大きな氷ノ山がいるため、風下のばんしゅう戸倉には出がらしの雪雲。神鍋高原ほどの積雪量とはなりません。
 シーズンによっては、スイス村の積雪量は安定しているのに、ばんしゅう戸倉はとぎれとぎれにしか営業できないこともあります。沿岸部に雪が多いパターンですね。それが今年は、ばんしゅう戸倉は年末年始から途切れず営業しているのに、スイス村は一日も営業できていない。これだけでも氷ノ山に雪がある根拠となります。

投稿: はいかい | 2019/02/16 11:17

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