« 2019年1月 | トップページ | 2019年3月 »

2019/02/28

暖冬の丹後半島一周

 雪がほとんど積もらないまま冬が終ろうとしている。京丹後市内のスキー場は一日も営業できず、我が家の除雪作業をする必要はなくスノーダンプは車庫の奥でほこりをかぶったままだ。2月中旬には、弱いながら寒波が居座ってくれたので、ここぞとばかりに雪遊びをした。でも、そのあと春を思わせる暖かい日、暖かい雨で、年末からどうにか途切れずに営業していた神鍋高原や鉢伏山・氷ノ山周辺のスキー場のいくつかが今シーズンの営業を終えた。
 春の風を受けると自転車に乗りたくなる。天気は周期変化。数日おきに安定した晴れの日が訪れる。日も長くなってきている。
 こうして、今シーズン初、生涯通算49回目の丹後半島一周が始まった。
 一日フリーになる日と天気が一致することはなかなかないが、どうにか昼前から行動可能となった。ただし、出先から帰宅する所要時間がもったいないので、与謝野町の岩滝をスタート地点とする。家に帰るよりも20分早くスタートできる。とにかく暗くなる前に走り終えたいのだ。
 クルマからランドナーを下ろして、11時ちょうどにスタート。海に背を向けて、府道53号線で内陸へ向かう。標高差200m程を越えるが、中腹には平野が広がり、田園や集落がある。朝のうちはやや雲が多めだったが、時間を追うごとに青空の割合が増し、日差しが背中を暖める。とはいえ、風の冷たさには、まだ冬の雰囲気が残る。過去48回の丹後半島一周は、ほとんどが4月下旬から9月までの間、3回ほど10月に走っている。田も山も緑の季節に走っていた。しかし今はまだ2月。灰色と茶色を混ぜたような色をした山。稲刈りのあとの株から伸びた「ひこばえ」が枯れ、あぜの雑草もまだ生えていない黄土色の田んぼ。土筆もフキノトウもまだ。
 堀越のあたりは標高は180m程でさほど高地ということもないのだが、積雪量の多い土地で2011年、2012年にはクルマよりも人の身の丈よりも高い2m程の雪の壁ができていた。それらの年には4月中旬まで残雪がみられた。しかし、今はどこにも雪は見られない。標高702mの高山にも、613mの金剛童子山もこの一週間ほどで雪の白色がみられなくなった。(下の写真右は2011年冬。左の写真とほぼ同じ場所。)
Img_5832Pict0007002


 京丹後市弥栄町へと下ると白梅が咲いている。春の雰囲気が混じる。しかし下りで体が冷えた。登りでは中間着を脱ごうかと思うほどだったが、すぐ先で下りになるので思いとどまった。その後、竹野川流域の平野から海岸線では冷たい北風に吹かれて中間着を脱ぐことはなかった。つまり、ずっと冬の装備で走った。この日の最高気温は、10度くらい。
Img_5833


 ここで自宅に立ち寄る。朝、家を出てすぐに忘れ物に気付いた。財布を忘れて陽気なはいかいさん、というわけで無一文なのだ。行動食や飲用水はあらかじめ用意していたので、お金は必要はない見込みなのだが、念のため少しは持っておいたほうがいいだろう。普段ならクルマの中に小銭があるのだが、今日は車検のためトランスポーターは自動車工場から借りた代車なのだ。自宅に寄らなければ、ルートを少しショートカットできるのだが、おそらくその差は1kmもないので大勢に影響はない。というわけで、朝は取りに戻らなかった。
 しかし最初の休憩ポイントが自宅とは不思議な感覚だ。
Img_5834


 ちょうど昼時なので行動食のパンを食べようかと思うが、家の中に入りくつろいでしまうと再スタートが遅くなりそうだし、薄暗い車庫の中で食べるくらいなら、外のほうがいい。日なたなら寒くない。家の前で食べるのは恥ずかしいので、少し移動して竹野川のほとりの公園で食べる。
 そのあとは竹野川の流れに沿って、北上。ただし、国道482号線ではなく、クルマがほとんど通らない農道へ。田植えの準備もまだ始まっていない、黄土色の田んぼの中を行く。冷たい北風に向かって進む。
Img_5835


 竹野川河口付近の道の駅「テンキテンキ丹後」でトイレ休憩。そして、海岸線の国道178号線で東に向かう。さあ、アップダウン始まりだ。まずは登り坂だが、風のベクトルは逆風の要素がなくなり、一長一短というところ。海岸段丘に乗り上げると青い海と水平線が見える。思いのほか青い。内陸の色はくすんでいたが、海は過去の丹後半島一周と変わらぬ鮮やかな青だ。
Img_5843Img_5847

 海にそそり立つ一枚岩、「屏風岩」を見下ろしながら一休み。北風なので波があり、多少海底の砂が舞い上がっているようだが、それでも予想よりも透明感が感じられる。冬と春の間の海だ。道路脇では、梅の花がほころんでいる。
Img_5849Img_5856Img_5860


 アップダウンを繰り返し、丹後松島へ。国道をそれ、集落の中を抜け、海水浴場や漁港を見ながら行く。国道沿いにあった近畿最北のスーパーマーケットが先日閉店となった。
Img_5862


 さらに自衛隊分屯地とアメリカ軍のレーダー基地を越え、経ヶ岬へ。まとまった登りとなり、標高140m程の白南風隧道へ。トンネルを抜けると眼下に青い海が広がる。断崖絶壁のカマヤ海岸だ。水平線には冠島と沓島が浮かぶ。こちらは経ヶ岬が風除けとなるので、海水が澄んでいる。
Img_5869Img_5871Img_5873


 下り基調のカマヤ海岸を快走。路肩に大きな落石。直径50cmくらいはあろうか。道路の中央に痕跡が残っているので、通行の邪魔にならないよう脇に寄せられたものと見られる。
Img_5876


 甲崎を越える。今度は蒲入漁港を見下ろす。そして、かつてはここから蒲入峠への登りが始まったわけだが、今は蒲入トンネルにより下り基調のまま本庄へ。しばらく内陸を行く国道178号線をそれて、本庄浜から野室崎越えの登りへ。ここは、登りだしが急勾配だ。急坂に取り掛かってすぐ、4月下旬に走ればまだ花を見られることもある八重桜はまだ冬の姿。そこを越えたら、標高130mのピークまでノンストップで登ることができた。最高地点からははるか東、大浦半島越しに若狭のク須夜ヶ岳がぼんやり見えた。これから霞が深くなると晴れても見えなくなる。
Img_5884Img_5886Img_5887


 泊まで下る。本日最後のまとまった登り、新井崎越えに向けて気合を入れていたのに、「通行止」の案内板が行く手に立ちふさがる。むむむ、京都府の道路情報サイトにはこんなことは載っていなかったぞ。期間は昨年の10月1日から当面の間とのこと。ということは、おそらく9月末の台風24号による被害だろう。復旧工事がまだ始まっていない可能性もある。工事をしていなければ、押し担ぎで越えられるかもしれない。強行突破を試みようか。などという考えがよぎったが、結局はおとなしく撤退することにした。その理由は、まず看板がかなり目立つように置かれていること。もう一つは、通行止は8~17時、とされてること。要するに工事が行われていて、その時簡帯は通れない、ということだ。
 帰宅してから、京都府の道路情報サイトを確認しても、やはりこの通行止は載っていなかった。理由は、その道路が伊根町の町道だからで、伊根町のサイトには通行止の情報が掲載されていた。古いロードマップには、野室崎から新井崎にかけての路線は府道623号線と出ていたが、今は、府道は本庄宇治から本庄浜までだそうだ。
 国道178号線に乗る。こちらも峠越えだが、海岸線ほどきついアップダウンではない。しかし、海岸の景色が美しい新井崎が通れなかったのは残念だ。また、初夏に丹後半島一周することになるだろうが、そのときは「新井の千枚田」と呼ばれる海を見下ろす棚田を見たいのだが、道路の復旧が間に合わないということも十分ありうる。そのときは、「今走っている国道を経由し、大原から新井の千枚田まで往復する」か「17時を過ぎてから新井崎を通過する」という案が浮かぶ。後者の場合家をスタートするなら13時、今日のように岩滝スタートなら正午というタイムスケジュール。初夏とはいえ、19時ごろには暗くなるから、岩滝をスタート・ゴール地点として明るいうちに走り終えたい。ただし、そのタイムスケジュールだと、海風を敵に回すことになる。晴れた初夏の昼下がりに発生する大気の対流。海上より内陸部が激しく気温上昇するために海から陸へと風が吹く。終盤の伊根から日置までの区間の順風満帆の快走ができないばかりか、序盤の竹野川沿いが向かい風になってしまう。距離のロスが発生しても、前者の方がいいかもしれない。まあそんなことは先になって考えたらいい。一番いいのは、3ヶ月足らずの間に工事が完了することだ。
Img_5890


 そのまま国道で伊根湾まで下ろうかとも思ったが、大原で国道をそれる。今はまだ、くすんだ色をしている千枚田を見に行く気はないが、伊根湾へ下るまでに外海を見ておきたい。そして、舟屋の並ぶ入り江を俯瞰しながら降下し、その舟屋の中をより長く走りたい。
Img_5891Img_5898Img_5899


 舟屋集落まで降りると、舟屋と母屋に挟まれた狭い道の真ん中を観光客が我が物顔で歩いている。漁港を過ぎ、かつて町役場があった場所を整備した公園に立ち寄り、かつての国道へ復帰。とはいえ、まだ道の狭い状態が続く。裏山を貫く道が開通したお陰でクルマの通行は少なくなり、かつて国道だった面影はない。それでも、ここを路線バスが通るのだ。母屋と舟屋の軒に両サイドを擦るような狭い道幅。かつてはバスと同じデザインに塗装され屋根に回転灯を乗せた軽ワゴン車がバスを先導していた。先導車を見た対向車は、退避スペースでバスをやり過ごすのだ。新しい道ができたせいか、今は先導車を見なくなた。
Img_5903


 伊根を過ぎると、道は平坦になる。北西の風が当たらないので冬でも波は穏やか。だから、集落は海のすぐそばにあり、道路も海べりを走る。初夏の海風ではないが、今日は北よりの風が吹いているお陰で追い風を受けて気持ちよく走れる。ただし、クルマの通行が多い。去年の梅雨の時期の豪雨による被害で、片側通行の区間が4~5箇所ほどある。豪雨から2,3ヶ月通行止だったところもある。
Img_5909


 日置では、国道をそれ、リゾートマンションやヨットハーバーの中を行く。バブル期にできたもので、失礼ながらまだ廃墟になっていないのが不思議。今のご時勢で維持できていることが奇跡のようだ。
 天橋立の北詰、江尻の観光遊覧船乗り場で一休み。そのあとは、阿蘇海シーサイド自転車道へ。ゴールはもうすぐ。アップダウンももうないし、クルマから隔離された道なので、何の不安もストレスもない。
Img_5912


 そして17時、クルマを止めた駐車場へ。暗くなる前に走り終えた。
 というわけで、何の問題もなく2月に丹後半島一周できてしまった。平年この時期路上に雪があるのは降雪直後の朝のみであるが、路肩に雪が積もっていることは珍しくない。そうすると、日中は雪解け水で路面が濡れるわけで自分自身や通行するクルマの水撥ねを浴びたり、午前中の山間部の日陰では路面凍結があったり、いろいろと苦難があることが想定される。そういう時期なのだ。
 ただし、雪がないからといって春というにはまだ少し早い。野にも山にもまだ緑が現れていない。厳冬期に雪がなかった分、雪解けという変化がないことも影響しているのかもしれない。むしろ雪があっても、その切れ目からフキノトウが顔を出している方が春を感じるのかもしれない。あと、やっぱり風が冷たかったね。
 さあ家に寄って自転車を下ろし、自動車屋に代車を返し、自分のクルマを引き取りに行こう。
 2月下旬、11:00~17:00、82.4km

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019/02/25

京都駅前運転免許更新センターと丹波三国岳一周

 運転免許更新の案内のはがきが来た。もう8回目。ずっと地元の警察署で更新してきたが、前々回と前回は京都市まで出向いて更新していた。京都府内といっても、京都市までの往復に半日以上かかる土地に住んでいるので、京都市で更新手続きをすると丸一日つぶれてしまう。でも、誕生日の前後あわせて2ヶ月の内で自分の都合のよい日を選ぶことができるし、新しい免許が即日交付されその日で完結する。
 地元の警察署では、手続きそのものはこちらの都合のよい日にできるが、講習を受けるため後日もう一度足を運ばねばならず、日を指定されてしまう。過疎地で対象者が少ないため、決められた日に受講者をまとめるということだ。ずっと前は、無事故無違反なら講習が免除だったのだが、今は最低でも30分の講習を受けなければならない。
 10年前、平日に都合が付いたため初めて京都市伏見区にある運転免許試験場で免許更新をした。その前の更新までは誕生日の前の1ヶ月間に更新しなければならなかったのだが、更新期間が誕生日の後の1ヶ月も含め2ヶ月に延長されたことが大きい。また、当時は地元の警察署の更新には証明写真を持参する必要があり、写真屋に撮影に行く手間もかかるし費用もかかる。それが運転免許試験場なら写真がいらないという。
 さらに、警察署での手続きの時には交通安全協会の会費を毎回納めていた。更新の窓口から交通安全協会の窓口へと流れるように案内され、会員になるかどうかは任意であることの説明もほとんどなく、いきなりお金を請求されるのである。しかも、警察署での免許更新では、同じタイミングで更新する誰かと居合わせることなどなくたった一人。まさに四面楚歌。まだ世間を知らぬ20代前半のうちに、協会費を払うもの、と教え込まれそのままずっと更新のたびに払い続けていたのだった。
 ところが、運転免許試験場では形成逆転。大勢の人が免許の更新に押し寄せている。交通安全協会費の協力を呼びかける係員がいるものの、ほとんど誰も関わろうとしていない。私も協力を遠慮させていただいた。
 ちなみに、交通安全協会費については、上述の「任意ということを説明せずに支払いを求める」とこだけでなく、その使い道についてもいろいろと問題点があったようである。報道番組で取り上げられて、おそらく現在は改善されている部分もあるだろうが、私としても過去に収めた分でもう役割を果たしたということで、今後も協力を遠慮させていただくつもりである。
 ちなみに、10年前は、写真代と交通安全協会費が浮いた分で、京都市までのガソリン代を十分まかなうことができた。
 もちろん、わざわざ1日つぶして京都市に出向くわけだから、免許更新以外にも目的を果たすようにしている。5年前の前回は、亀岡までクルマで行って、自転車を持ってJRの列車に乗り換え。嵐山で下車し自転車道を走って桂川の畔の運転免許試験場を訪れた。
 さて、先日届いた葉書に記載されている「更新できる場所」の欄には、「運転免許試験場」と「警察署等」以外に「京都駅前運転免許更新センター」という謎の施設が記されていた。これは何ぞや、とネット検索してみると、2012年3月に京都府警七条警察署が廃止され、その跡地で2016年9月から運用されている施設だそうだ。京都駅前という名の通りで、ヨドバシカメラの北隣だ。ただし、ここで更新できるのは高齢運転者と優良運転者のみ。運転免許試験場ほど混み合わないとのこと。もちろん、こちらも即日交付だ。
 ということで、京都駅前の更新センターに行くことにした。桂川自転車道は年末に走ったばかりだから、未練はない。
Img_5722Img_5717

 午後の更新をめがけ、朝はのんびり出発。園部駅よりひとつ京都よりの吉富駅近くの駐車場に11時19分にクルマを入れる。駐車料金は24時間ごとに300円。吉富発11時20分の列車には間に合わず、11時53分の列車に乗車。12時34分京都駅に到着。ヨドバシカメラのレストラン街へ上がってみるが、混雑しているので諦めて更新センターへ。午後の受付開始の13時ちょうどに到着。ビルの1階と地下1階が更新センターで、上階はホテル。よって入り口はなんだか落ち着いた雰囲気。でも、入ってみれば普通の役所。すでに行列ができている。運転免許試験場ほど混み合っていないとはいえ、やはり京都市やその周辺の人の大半は、警察署ではなく即日交付の試験場か更新センターを選ぶのだろう。
 書類を作成して手数料と講習受講料を支払って、視力検査等で30分弱。手数料と受講料支払いの後、同じ窓口で交通安全協会の活動が記されたパンフレットを渡され、ご入会いただけますか、と言われたが、遠慮します、と答えると、ではまたご検討ください、とすぐに引き下がってくれた。
Img_5720


 手続きを終えたら、地下の講習会場へ移動。会場は数室あるようだ。20分ほど待って13時50分から講習が始まる。ただし、その10分前からSDカード(SafeDriver)の案内があった。講習でないからトイレ等で席を立ってもかまわない、とのことだったので本を読んで過ごした。ちなみに、過去に無事故無違反10年以上のゴールドSDカードをゲットしたことがある。1年以上の無事故無違反で手に入れることできるが、無事故無違反の期間によりいろいろとグレードがある。発行には手数料が必要だが、発行から1年間いくつかの店舗や施設で優待が受けられる。ただし、そのほとんどが京都市および周辺部に集中し、私の生活圏である京都府北部では余りメリットがない。前回は、紳士服の量販チェーン店でスラックスを買うことで手数料の元を取る見通しがあったが、今はスラックスを買う必要がない。20年以上無事故無違反の証、最高グレードのスーパーゴールドSDカードの資格が得られるまで待つことにしよう。
 14時20分に講習は終了。講習の内容は、京都府内での交通事故の件数、死傷者のデータ分析、道路交通法の変更点の説明、高齢ドライバーや自転車の保険について、などなど。
 ヨドバシカメラのレストラン街でラーメンを食べて、15時07分、JR京都駅から園部行きの快速列車に乗車。
 15時41分、吉富駅下車。すぐにクルマで国道9号線を北上。観音峠を越えたところで左折、府道702号線へ。3kmほど南下し、府道453号線が分岐する京丹波町口八田あたりでクルマを止める場所を探す。今日はこの辺りで自転車に乗るのだ。しかし、駐車スペースは見つからず、代わりに府道(県道)702号線の通行止の看板を発見。京都府から兵庫県へと越える峠のあたりで工事だそうだ。な、なんと予定のコースが走れないではないか。迂回路が示されているが、かなり遠回りだし、その一部は交通量こそ少ないものの大型トラックが爆走する国道173号線だ。そんな道はまっぴらごめんだね。こっちは静かな道を走りに来ているんだ。
 ただ17時を過ぎると工事が終わり通行可能となる。それならば、と府道453号線の中山峠を越え南丹市園部町へ。通行止めが解除されてから府県境の峠を通過するよう、スタート地点を変えるのだ。園部側には道路脇にスペースがいくつもある。ここにクルマを止めて自転車を下ろす。今日はクロスバイク。ウォーキングしている人がいる。船阪集落はすぐ先だ。
Img_5728


 16時45分、船阪集落に背を向け中山峠に向けてスタート。こちらをスタート地点にするならば、クルマで観音峠を越える必要はなかったが、その場合通行止の看板を見て呆然としたことだろう。行ったり来たりにも偵察という意味があったことにしておこう。
Img_5730Img_5731Img_5733


 峠道はクルマ1台分の道幅の薄暗い杉林。木々の間から園部の中心街を見下ろせる箇所があった。標高差100mあまりで中山峠(標高256m)。南丹市と京丹波町の境。京丹波側の下りは短い。これは、1.5km北東にある国道9号線の観音峠と同じ。
Img_5737


 口八田で府道702号線に左折し、府県境の峠へ向かう。ここで、17時を過ぎる。目論見通り、通行止が解除される時間となった。トタンを被せた茅葺屋根の民家が並ぶ集落の外を、広くてまっすぐな道が延びている。しかし、通行するクルマは少ない。
 17時15分、通行止区間へ。もちろん、すでに車止めは路肩に除けられている。その先で道幅が狭くなり、すでに無人の工事区間へ。決壊した路肩を修復しているように見えるが、帰宅後に京都府の道路情報サイトを見たら道路改良工事とのことだ。
Img_5751Img_5752

 工事区間を過ぎて少し登ると、府県境の峠。京都府道から兵庫県道へ変わるが、路線番号は702号線のまま。ちなみに峠は、標高360m程。口八田から150mくらい登った。
 兵庫県側に下り始めてすぐに篠山ゴルフ場入り口。この辺りには、ゴルフ場が多い。下りきったら、市野々集落。中山間地の集落と田園の風景。相変わらずクルマが非常に少なく快適。
Img_5756Img_5766Img_5768


 立金の集落で、のどかな枝道に思わず左折してしまった。大藤集落にかかったところで、ミスに気付いて引き返す。今日のコースはなかなか複雑で、しかも薄暗くなってきて地図を読む余裕もない。GPSレシーバーが頼りだ。
Img_5776


 立金から少し南下したところで左に分岐があった。ここを左折だ。山間部の細い道を登って行く。すでにライトを点灯。心細い道だが、こういうのにはもう慣れっこ。クマはもう冬眠を終えただろうか。鳳鳴カントリークラブの入り口を過ぎ、もう少し登ると峠。地図に峠名は出ていない。標高は330m程。市野々から100m余り登った。予定ではここが本日の最高地点のはずだったのだが…。
Img_5778


 暗い道を下る。下原山の家の明かりが見えるとホッとする。しばらくは集落の中の道を走り、そのあと県道303号線で、中原山そして奥原山へ。県道を道なりに進む。登りがきつくなってきた。センターラインのある広い道を軽自動車が追い越して行き.、少し先で停車。運転席のドアが開き、降りてきた年配の女性が犬を追い掛け回している。ようやく捕まえて、助手席側のドアからクルマに入れたようだが、開きっぱなしの運転席ドアから犬が飛び出しこちらに向かって走ってきて吠える。大型犬ではないので、さほど危険を感じることはない。しかし、一体全体何が行われているのだろう。年配の女性は私に謝りながら「脱走しちゃって」。脱走した犬を見つけ、あわててドアを閉め忘れたまま犬をクルマに放り込んでしまった、ということだろうか。
 犬と女性の現場を過ぎさらに登る。左は、オータニ広尾カントリークラブ。またもゴルフ場だ。そして車線を半分塞ぐ車止めと「この先行き止まり」の看板。事前にGoogleストリートビューで確認したところ、府県境の原山峠を兵庫側から京都側に越える場合、京都側で道幅が狭まり、ストリートビューも峠で途切れている。だから、そこに到達したのだろう、と思いながらGPSレシーバを見て愕然。またも道を間違えているではないか。標高は420m。本日の最高地点だ。
 引き返すしかない。下っていくと、先ほどの軽自動車がいる。速度が遅いので追いつきそうだ、と思ったら停止した。犬は確保できたのだろうか。私は部外者なので、通り過ぎる。
 帰宅後改めて地図を見て気付いたことだが、市野々から立金、そして迷い込んだ大藤の道も県道303号線。そして、原山からオータニ広尾カントリークラブの道も、県道303号線。標高500m程の三国岳を挟んで、同じ路線ということだ。国土地理院の地図には、大藤と広尾カントリークラブの間、三国岳の山頂のすぐ北を経由する破線の道が描かれている。
 奥原山集落の手前に分岐を発見。原山峠に行くには県道を道なりではなく、こちらへ右折する必要があったのだ。暗くなって、GPSレシーバの画面を確認するには、その都度バックライトを点灯させなければいけなかった、のがルートミスの原因のひとつ。さらに分岐のところには学校の体育館ほどの大きな建物が普通の民家と同じ敷地内にあり「何だろう、工場かな、あっ工場だ」などと考えながら通って、分岐そのものに気付かなかった。そして、その先のお犬騒動で気をとられ、ミスに気付くのが遅れた。
 その分岐からセンターラインのない山道を少し登ったところが府県境の原山峠。京都府側の道はさらに狭まるが、これは想定内。見ればこの先はダートのようだし、「通行止」の看板があるが、ここで引き返す気にはならない。ここを超えればゴールはもうすぐ。引き返すとなると、これまでの20km程をやり直すことになる。
Img_5782


 700cの頼りないタイヤを履いたクロスバイクでバラスが敷かれたダートの下りへ突入。制動力のあるVブレーキだが、タイヤのグリップが不足。すぐに後輪が滑るので、スピードを出さずに行くしかない。600ルーメンの明るいLEDライトは頼もしく、路面状況が良く見える。峠には「通行止」とあったが、路面はフラットだし倒木でふさがれることもなく十分整備されている。山仕事のクルマ等の通行があるのだろう。明るい時間でランドナーなら問題ない。MTBなら舗装路と余り変わらないくらいだ。
Img_5783


 登りに比べて長い下り、しかもスピードが出せないのでより長く感じたものの、ようやく終わりが見えてきた。谷が開けてきて、周囲は畑、そして田んぼに変わる。道幅は広がったものの、まだ未舗装で緩く下っている。敷かれていたバラスがほとんどなくなり、凹凸のない土の路面。舗装路に近い速度を出すことができる。前方を行き交うクルマのヘッドライトが見える。そこは竹井集落。舗装された府道54号線で船阪へ。30㎞近く走って、最初で最後の信号のある交差点を左折し、中山峠に向かってすぐにクルマを止めた場所に到着。
 このコースは、前述の三国岳の周りをぐるりと一周するもの。今は京都兵庫の府県境にあるものの、三国岳という名に反して丹波の国のまっただ中にある。まあ、それでも現在の行政区、南丹市、京丹波町、篠山市を隔てるものであり、歴史的にも村、そして郡を三分し続けていたと思われる。また、麓からの標高差が100~150m程の小さな峠が連続することも丹波の道を象徴している。
 この冬は雪が少ないとはいえ、丹後や但馬などの山間部ではまだ雪に閉ざされた道もある。クルマの通行が少なく除雪されない峠道の日陰区間は、一度積もった雪は春になるまで溶けないことが多い。免許更新のため南下してきたついでに、久しぶりにクルマの少ない山間部を走ることができた。
 2月下旬、16:45~19:00、29.4km

| | コメント (0) | トラックバック (0)

神鍋アルペンローズで春の新雪を滑り20世紀を懐かしむ

 先日の大江山連峰鳩ヶ峰での新雪滑りが楽しかったので、2匹目のドジョウを狙う。2月中旬には北からの寒気団が日本付近に南下、長く居座ってくれたおかげで、弱いながら寒波が波状攻撃してきた。これはまたチャンス到来。冷たい雨が降る丹後を出発。但馬の国との境の河梨峠はうっすら雪化粧。豊岡盆地に降りると雪は全くないが、神鍋高原へと登るとまた雪景色となった。空から降ってきているのも雪だ。一度は雪不足で営業を休止せざるを得なかった神鍋山アップ神鍋スキー場も息を吹き返し、全面真っ白。今シーズン最後のひと花を咲かせている。
 右にアップ神鍋、左に万場、奥神鍋のゲレンデを見ながら蘇武トンネル方向に進み、万劫集落へ。集落の外れ、かつてのアルペンローズスキー場の駐車場だった広場にクルマを止める。昨日からの新雪が積もっているが、除雪されるほどではない。15~20cmといったところか。湿った春の雪だ。
Img_5625


 それなりに新雪が積もっているので、今日はステップソールの板ではなく、新雪専用の太めの板を選択。今シーズン初めてシールの出番。いずれの板でも今日のコースはシールが必要だ。確か、昨シーズンはシールを使う機会がなかったので2シーズンぶりか。
 ここに来るのも2年ぶり。昨シーズン1月、2月はたっぷり雪があったにもかかわらず、アルペンローズを滑ることができなかった。1回の寒波で雪が積もりすぎたのだ。ニュースに出るような大規模な立ち往生まではいかないが、各所で交通障害が発生。渋滞や事故のリスクを避けて、不要不急の外出を控える必要があった。その点、雪不足の今年の方が道路は全く普段通りに走れて身動きがとりやすい。
 板を担いで、万劫集落へ。驚くほど雪が少ない。これまで身長くらいかそれよりも高い雪の壁に挟まれていたのに、今日は足首程度の積雪だ。古い家が撤去され更地が増えているので余計開放的に見えるのかもしれない。(下の写真左側が今年、右は2年前)
 Img_5636Dscn9374

集落の最奥で板を装着。ダブルトラックへ。墓地となっていていくつかの墓石が並んでいるが、それらよりひときわ大きいコンクリートの塊がそそり立っている。かつてのリフトの支柱だ。
Img_5638Img_5642Img_5643


 1965年に西神鍋スキー場としてスタート。1970年代にリフトがかけられ、隣の稲葉集落をベースとする別経営のリフトと合わせてアルペンローズスキー場となり、スキー場が群雄割拠する神鍋高原の穴場としての存在だった。映画「私をスキーに連れてって」のヒットやスノーボードのブームで、1990年代初めまでは賑わいを見せた神鍋高原だが、スキーバブルの崩壊で1999-2000年のシーズンには、アルペンローズは土日のみの営業となり、次のシーズンはリフトのワイヤーに椅子が吊るされることがなかった。
 ダブルトラックを登っていく。車道としては急勾配で、かつてはスキーの下山コースだった。しばらく登っていくと分岐。どちらもすぐ上の平らな部分に出るのだが、道なりでない方、つまりショートカットする方を選ぶ。こちらがかつてのスキーコースなのだが、現在は使われなくなっているようで細かい木が生えて通行に難儀する。下山は、道なりの方がいいかもしれない。
 広い雪原に出た。歩き始めたときよりも何となくガスが薄くなってきているようだ。万劫集落よりもこの平原が実質的なスキー場のベース。ゲレンデ食堂やレンタルスキーの店、そしてリフト中間駅がある。中間駅は普通は下車専用だが、ここは珍しい乗車専用の中間駅だ。つまり、下半分が登行リフトとしての役割。朝は麓からリフトに乗車するのだが、入山してゲレンデやコースを繰り返し滑るには麓集落まで降りずに中間駅から乗車する。そのため、朝の入山の混雑時に麓から乗車する際は、中間駅から乗車する人のため一つおきに乗車するルールとなっていた。
Img_5646


 広い雪原に降りてくるコースは2つ。山頂から一気に急降下してくるススキコースと、このスキー場で随一の広さを持つあすなろゲレンデ。初心者、初級者、家族連れが安心して楽しめる緩やかな斜面がないのことが、ここが穴場だった理由。しかし、シングルリフト3本のみの小規模のわりに、二つのベースを持ち、あみだくじのように交錯するコースは中級者以上には面白く、私もよく訪れた。
 平原からあすなろコースにかけても細かい木が密集して生えている。小さなアップダウンがある中、できるだけ歩きやすい部分をつないで歩いていくと密林の中に入り込んでしまった。木々の密度が高く、身動きが取れなくなるのではないか、脱出に苦労するのではないか、と心配したが並木道のような一本の道があった。山仕事の人の通路なのかもしれない。中級ゲレンデを直登する形だが、シールとクライミングサポートのおかげでぐいぐい登れる。雪は足首程度のラッセル。新雪だが、湿って重い春の雪であまり沈まない。
Img_5648Img_5650

 木々がまばらになってあすなろゲレンデの上部に来た。このあたりが標高差の中間点。あともう少ししたら狭いコースとなる。ガスがはれて麓の神鍋高原やアップ神鍋スキー場のある神鍋山が見えてきた。さらに足どりが重くなってきた。シール面に雪が貼り付いているようだ。湿り気の多い雪はこうなってしまう。
Img_5658Img_5655

 狭いコースがスイッチバックするように山肌にレイアウトされている。この辺りは3本のリフトが集まる交通の要衝で、コースであると同時に連絡通路でもある。山頂へ向かう斜面に鉄の支柱が並んだままだ。山頂へのリフト乗り場もこの辺りのはずだが、そちらは跡形もない。山を切り開いた狭い場所のため、山頂リフト乗り場はリフト待ち行列を蛇行させる広さがない。そこで2列縦隊を形成し、1列目がなくなってきたら係員が合図ととも仕切りのロープを持ち上げ、2列目が横移動して1列目に昇格する。たまたまその場に居合わせた見ず知らずの面々が整列した状態で合図を受けて一斉に動く様子を、今思い出せば特徴的。乗車専用の中間駅といい、個性あるスキー場だった。
 さらにしばらく登ると稲葉からのリフト降り場。こちらも何もない。
 その先は山頂に向けての尾根コースだ。「馬の背コース」とスキー場として営業していた頃は呼ばれていたが、その名前ほど狭いわけでなく中級者が楽しく滑れる。ここまで来たら、標高差は残り100m余り。あと3分の1だ。
 このあたりにも灌木が生えているかあすなろゲレンデのように密生せずずっと疎らなままでいてくれている。
 脚が重い。たまらず板を外しシールワックスをかける。ついでに行動食のパンを半分ほど食べる。でも飲み物がない。飲料水を忘れていることには、歩き出してしばらくして気付いたのだが、もうとりに戻る気持ちにならなかった。
 シールワックスのお陰で劇的に歩みが軽くなるが、効果は一次的。すくにまた重くなった。山頂はもう近い。このまま行こう。
Img_5662


スキー場最上部が近づくとコース内に灌木はほとんどなくなる。北向き斜面のため雪質もよく、早く滑りたい気分になる。けれど、残念ながらこちらを滑り降りる予定ではない。
 そして山頂に到着。標高698m。万劫集落から標高差350m程を2時間余り。山頂と呼んでいるが、三川山、蘇武岳、妙見山と1000m前後の山が連なる稜線の支尾根の末端近くの小ピーク。三等三角点「万劫」がある、アルペンローズスキー場の最高地点だ。山頂リフト降り場の施設は撤去されて、何もない。
Img_5664Img_5665

 霧が薄くなり、その切れ間から神鍋高原が覗く。雪はほとんど止んでいる。そして無風。気温は高めで、汗をかいている。脱水症状になるほど汗をかいていないのが幸い。またパンを食べ、滑降に備えてシールを剥がす。
 さて、ススキコースへと滑り込む。万劫からのリフトの中間駅のある広場へと一気に滑り降りる中上級者向けのコースだ。圧雪されない斜面では、このくらいの勾配があるほうが楽しい。ススキコースを滑降する前に、馬の背コースを少し滑り降りて登り返すという案もちらりと頭をよぎったが、飲料水がないので却下。ススキコースでの最初のターンでその選択でよかったと思う。雪が湿って重いのだ。まあ、新雪だから操作はできるしふわふわ感はあるのだが。
Img_5668Img_5669

 徐々に成長してきた潅木の間を抜けていく。中腹では潅木が濃い。スキー場クローズから19年、だんだんと滑るのに支障をきたす密度になってきた。自由の利く新雪だからいいが、雪が悪いとさらに大変だ。とにかく林の中でスピードは出せない。ターン一回ごとに停止だ。木々は直径5~10cm程だが、例えば雪崩で流されているときに引っかかったらこの程度の木でも脚の骨は折れる。雪崩でなく、つまり流れる雪の圧力がなくても、スピードが出た状態でぶつかれば、やはり危険である。ここは我慢のしどころ。慎重に抜ける。
Img_5675Img_5681Img_5685


 潅木帯を抜けると、広い雪原が見えてきた。リフト中間駅のプレハブ小屋がまだ残っている。
Img_5686Img_5687


 滑り降りたら、平原を歩いて横断。万劫集落へと降りるダブルトラックへ。積もりたての新雪の滑降はそれなりに楽しめた。でも重く湿った春の新雪。2本目を挑みたくなるほどではなく、思い残すことなく下山できる。自分がつけたトレースを辿れば1本目より楽に登れるとはいえ、飲料水もないことだし。
 潅木が邪魔な下山コースを避ける。植物のつるがからみ、お化け屋敷のようになったゲレンデ食堂兼レンタルスキーの店の建物を回りこむ。車庫として使われている部分の屋根が落ちナンバープレートのない軽トラックにかぶさっている。そこからのダブルトラックは山仕事の人が使うのか、路上にブッシュはない。雪が薄く路面が見えている箇所があるので、慎重に。幸い勾配が緩く板が走らない。すぐに、ブッシュに覆われた道と合流。つまり、かつての下山コース。勾配も雪も十分あり、あっという間に万劫集落へ。駐車場の雪は、ずいぶんとけていた。
Img_5689Img_5691

 高原の中央のリゾートホテルの裏山の斜面に人影が見える。スノーボードで遊んでいるようだ。あそこも、かつてのスキー場ゲレンデ。神鍋ファミリースキー場(新神鍋スキー場)跡地だ。アルペンローズと同じ、20世紀の遺構である。
Img_5692Img_5693

 2月中旬、11:05~14:10

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019/02/18

鳩の山に雪を!2019(大江山連峰鳩ヶ峰スキー登山)

 スキー登山を始めた頃の1996年以来、23シーズン途切れることなく雪の大江山連峰を訪れてきた。過去最も雪が少なかった2007年にも、金曜に寒波、土曜に出動とタイミングの良い降雪でどうにか大江山連峰を滑ることができた。それに次いで雪が少なかった、2016年、1998年にも寒波集落に合わせてスキー登山を実現できた。しかし、丹後半島では、今年2019年は、過去の寡雪の年を上回る深刻な雪不足。スイス村スキー場が全く営業できていない。
 一方、内陸部では話が別で、少ないながらも過去最悪レベルということはなく、先日の氷ノ山では十分にスキー登山を楽しむことができた。氷ノ山ほどではないが、やや内陸の神鍋高原の奥神鍋や万場のスキー場も年末から営業途切れずを続けている。
 ならば、大江山連峰も可能性はあるんではなかろうか。12月上旬、下旬、1月末に控えめながら寒波が来て、平野部でも少しだけ雪化粧をした。大江山連峰の近隣の道路の積雪情報を調べると、この冬で最も深い積雪を観測したのは12月下旬の年末寒波直後。チャンスを逃してしまったのかなあ、とも思うが、そのデータは山間部ではあるがあくまでも麓。積もった雪が完全に溶けてからまた積もる、ということの繰り返しならばここの寒波で積もった雪の量の比較となるが、根雪として残る状態ならば、寒波を繰り返すごとに積雪深は増していく。山の雪は後者であることを期待したい。
 2月中旬、待望の寒波がやってきた。幸い、丸一日は無理でも、昼前から行動できる。平野部は冷たい小雨。山間部に入ると雪に変わりうっすらと雪化粧。登山口の福知山市大江町の千丈ヶ原に向かうにつれ、道路脇の積雪が増していく。路面も雪に覆われた。いいぞ。
 鬼嶽稲荷神社へ向かう道と鍋塚林道の分岐にあたる、除雪の限界点へクルマを止める。といっても今回の寒波では除雪されていない。本日の目標は鳩ヶ峰。鍋塚林道を登っていくわけだが、このままクルマで登れそうなほど積雪は浅い。実際、分岐の両方に轍が続いている。とはいえ、上に行けば積雪は増すだろうし、日当たりの悪いところではなおのこと深い雪のとなることは間違いなく、下手にクルマでチャレンジしてスタックしたら面倒だ。ここにクルマを止めよう。積雪は20cmほど。念のため、進行方向を下に向けておく。前進で下り方向なら脱出は容易だ。
Img_5420


 準備をしようとして、重大なミスに気付く。ストックを忘れているではないか。手ぶらでなんて無理に決まっている。取りに帰れば往復2時間以上。そんな余裕はない。寒波は今日で終り。すぐに雪は劣化。何かで代用するしかない。クルマの中を物色。まずは、カメラの一脚。自撮り棒のご先祖様みたいなものだ。古い物で、ストック代用として長さもちょうどよくしっかりしている。もう一本は、雨傘。ダメだ。長さが足りないし、すぐ折れそう。あ、これだ。雪崩に埋もれた人を捜索するゾンデ棒(プローブ)だ。もちろんゾンデ棒として使用する状態では長すぎるし、しなやか過ぎる。だから、二つ折り(収納および携行時には短くできる)にして、マジックテープのベルトで固定。これで長さも強度もいい感じ。
Img_5497


 正午ごろ、鍋塚林道を歩き出す。ステップソールの板で、シールは車に残してきた。歩き出して数分。300m程進んだところで、雪が深くなりクルマの轍が途切れていた。格闘の痕跡が見られる。やはり、分岐にクルマを止めて正解だった。
Img_5422


 複数のスノーシューで踏み固められた、しっかりとしたトレースができている。現在進行形で降り続く雪にコーティングされているが、今日のトレースだ。このトレースの主たちは、どこにクルマを止めたのだろう。そして、轍の主も同じ人たちなのだろうか。
Img_5432


 距離およそ3km、標高差200mの鍋塚林道は、2箇所ほどヘアピンカーブをショートカットできるのだが、今回は雪が薄くてダメ。それに、急斜面を直登するにはシールの方がよい。ただし、今日はしっかりしたトレースのついた林道をステップソールで軽快にいけるので、むしろショートカットできたときよりも速い。
Img_5424


 登るにつれて雪は深くなっていき、50cmほどになっているようだ。見えるはずの鳩ヶ峰や千丈ヶ嶽は、雪とガスで見えない。ただし風はない。
Img_5434


 林道終点が近づいたところで、前方から数人の登山者が降りてきた。年配の男女2人ずつのパーティ。トレースの主だ。トレースの感謝を込め挨拶を交わす。
Img_5435Img_5438

 大江山連峰の主稜線、鍋塚と鳩ヶ峰の鞍部が林道終点。1時間あまりで登ってきた。トレースのお陰でいいペースだった。そこには小屋があるので、中で休憩。行動食のパンを食べる。床には雪の塊が少し散らかり、先ほどパーティが利用していた痕跡が残る。温度計によると気温は2度。
 小屋を出て、鳩ヶ峰へ。ここからはノートラック。先ほどのパーティは林道往復のみのようだ。景色も見えないし雪は深いし、で心が折れたというところか。
Img_5443Img_5445

 比較的なだらかな山容の鳩ヶ峰だが、当然林道よりは勾配もあり、新雪のためステップソールの効果は薄れる。ここだけシールを使った方が良かったか。それと、ストックがないことも大きい。一脚とゾンデ棒の代用品はあるとないとで大違いだが、バスケット(リング)がないので、雪にどんどん刺さってしまい体を支えることができない。
 でもそれはいいことで、つまりそれだけの積雪量があるということだ。前回、前々回の寒波で積もった雪は、リセットされずにどんどん蓄積されていったようだ。根雪があれば、さらに積雪は増えやすい。実際、新雪の下に根雪の層を感じる。バスケットがあればその層で止まるのだが、代用ストックでは少し体重をかけるだけで層を突き破ってしまう。
Img_5446Img_5447

 貸切で、自分以外誰もいないはずの山で、何か大きなものが動く。鹿だった。
Img_5453Img_5459

 結局、林道終点から距離700m、標高差100mあまりを1時間かけて、鳩ヶ峰山頂へ。相変わらず景色は真っ白で見えず、雪が降り続いているが、無風なので、一息つける。登りでは汗で曇りそうなのでゴーグルをつけずに来たが、ここでゴーグルをザックから取り出す。そして、ゴーグルを付けてびっくり。麓の加悦谷(野田川流域の平野)が見える。霧を透視する機能があったのか。と思ったら、霧が晴れてきている。雪も小降りになっている。加悦谷を隔て対峙する磯砂山。さらに丹後半島の依遅ヶ尾山や金剛童子山も見えてきた。むしろ、今いる大江山連峰の方が見えないくらい。鍋塚は徐々に姿が見えてきたが、すぐ隣、目と鼻の先の主峰千丈ヶ嶽はガスの中。
Img_5468Img_5484Img_5469


 さて、滑るとするか。鳩ヶ峰の東斜面から東尾根へとつないだら林道を使わずに下山できるのだが、東斜面は雪が薄い。来た道を引き返すのが無難だ。ということで北斜面へ。北向きで緩斜面。斜度のある東斜面に比べると滑降の楽しみは薄いが、雪が積もりやすいのが北斜面。積もりたてふわふわの雪を楽しく滑る。代用ストックは、十分役割を果たしてくれる。ガスが晴れすっかり白い姿を現した鍋塚に向かって滑って行く。
Img_5487


 雪が悪いと手こずる樹林帯も、今日は楽しい。あっという間に林道まで下った。楽しい時間は短い。
 林道を下る。この後、林道だけでは芸がないので、東尾根へと向かう案も頭にあったが、最初のヘアピンカーブをショートカットしたら、東尾根へ向かう支線林道の分岐を通り過ぎてしまった。ちなみにこのショートカットは下り専用。歩行距離はあまり短縮できないし、高度差が大きくて登るのはきつい。でも、滑るにはいい。本日は標高により積雪量の違いが大きい。さらに下では大きくショートカットできる箇所が2つあるが、雪が薄い。
 しばらく先で、林道と東尾根が接近する箇所がある。登りで確認したら、どうにか尾根を滑るだけの積雪はありそうだった。しかし、林道と尾根の間の沢が雪に埋もれていないし、尾根の末端まで下ると雪が薄く林道に下りるのに苦労しそうだったので止めておく。東尾根を使うには、最初のヘアピンカーブをショートカットせず、支線を行くべきだった。
 その後、東尾根も使わず、ショートカットもせず、愚直に林道を下るのは久しぶり。冬の大江山連峰を訪れるようになった初期の頃は、山の経験が浅いため林道を下るしかなく、それがつまらなかった。しかも、スキー登山を始めた頃は重く、歩行が得意でないアルペンの山スキーだった。今は、ノルディックのテレマークスキーで、しかもステップソールつき。今日は、雪も良くトレースもばっちり。林道下りもそう苦痛ではない。それに安全だ。下るにつれて山肌の雪は薄く、下手にショートカットを試みても、岩、切り株、倒木の罠にかかる心配がある。脚の骨くらい簡単に折れてしまうのだ。幸い過去にそういう経験がないし、今後もそうでありたい。
 林道でも鹿に遭遇。急な斜面を駆け下りて林道に着地。転倒するも、素早く立て直して軽快にカーブの向こうに消えていった。いつしか千丈ヶ嶽も見えていた。
Img_5492


 最後に千丈ヶ原から鳩ヶ峰を振り返る。
Img_5501


 2月中旬、11:55~15:25

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019/02/04

雨が降る前の氷ノ山三ノ丸スキー登山

 前の記事に書いたとおり、この冬は極めて雪が少ない。北近畿の日本海沿岸部は、私の知る限り最も雪が少ないが、少し内陸に入ると状況は異なる。少なくとも、2007年よりは多い。京丹後市のスイス村スキー場は2月には言ってもまだ今シーズンの営業が始まらないのに対し、神鍋高原や鉢伏山・氷ノ山周辺のスキー場は年末から途切れずに営業が続いている。1月31日夜から2月1日朝にかけての寒波で、またその差が開いたようだ。
 というわけで、2月3日、氷ノ山へ。4時過ぎにおきて、5時前に丹後を出発。6時半に養父市大屋町ですうさんと合流。若杉峠を越え宍粟市波賀町の道谷集落は雪が多い。屋根の雪を下ろしている建物も見られる。
 戸倉峠を越えて鳥取県に入り、7時40分にわかさ氷ノ山スキー場へ。準備を整え、スキーパトロールで登山届の用紙に記入し、8時20分、少し前に営業開始したリフトに乗車。2本乗り継いで、標高1195mの樹氷スノーピアゲレンデ最上部へ。強風が吹き荒れている。今日は天気下り坂。夕方には雨が降り出す予報だ。早く登って早く滑ってしまいたい。
Img_5242_7


 東は何とか晴れ間も見えるが、西の空は分厚い雲に覆われて暗い。辛うじて大山が見える、と思ったが見えていたのは烏ヶ山。大山本峰は見えていなかった。帰宅後、写真を検証するも、烏ヶ山も怪しい。白いのは雲かもしれない。
190203hyodaisen_2


 スキー板をザックに付けて、8時50分、登行開始。急斜面だが林間のため風が和らいで助かる。前日はたくさんの人が入山したようで、しっかりとした踏み跡ができている。それが今朝の冷え込みで固まり、雪面を踏み抜く心配はない。むしろ、キックステップが難しい。先行者はアイゼンを使っている。プラブーツでなければ、アイゼン必須だ。
Img_5251Img_5258Img_5257


 やせ尾根区間に出ると先行者の姿を捉えた。そして、氷ノ山山頂や三ノ丸の景色が開ける。その方向は晴れているので青空をバックに白がまぶしい。一方、西の大山はますます霞んでいる。風上側には常緑樹である杉が並んでいて、防風林の役目を果たしてくれる。例年、雪庇ができる区間なのだが、今年は雪庇といえるまで発達していない。
 やせ尾根のアップダウンを越えるとブナ林となり三ノ丸へと続く広い稜線へとでる。ここでスキー板を装着。すうさんはシールを貼るが、私はステップソールがあるので今日はシールの出番がなさそうだ。
Img_5263Img_5269

 三ノ丸とは反対方向、大段手前のピークには少し樹氷が残っていた。帰宅後に読んだ、インターネットに上がっていた記録によれば、昨日の朝まではたくさんの樹氷が見られたそうだ。
 ブナ林は直ぐに終わり吹きさらしの雪原へ。幸い南からの追い風だ。緩い登りもらくらく。すれ違う人は、顔が引きつっていた。我々はピストンコースでなくてよかった。まともに滑れないところだった。
Img_5270Img_5272Img_5275


 先行のつぼ足2人組を追い越し、単独のアルペン山スキーヤーに追い越される。
 10時に三ノ丸。氷ノ山山頂が近く見える。また、南には三室山や後山も。兵庫県の標高ベスト3のそろい踏みだ。また、2年前に滑った「くらます」やもっと前に滑った東山(とうせん)、毎年滑っている扇ノ山もみえる。東山の左肩には那岐山が除く。但馬妙見山の向こうに目を凝らすが、丹後の山は見えない。当然そのはるか先の加賀白山など見えるはずもない。
Img_5280Img_5286Img_5288


 私が記憶する限り、最も雪が少なかった2007年には、このあたりの笹が埋まらず、まともに滑走できなかった。今年は問題なく滑走できる。つまり、12年前よりははるかにましだ、このエリアでは。
 風が強いので、先を急ぐ。いったん下って、ワサビ谷の頭のピークを越える。クラストした雪に板を取られて転倒。顔面に、地吹雪が吹き付ける。
 先ほど追い越された単独山スキーヤーに再び追い越される。三ノ丸の避難小屋で休憩していたようだ。彼はそのまま山頂に向かっていった。
 10時25分、ワサビ谷へと少し下りてみる。風が弱まるのを期待したが、まだまだ強い。休憩は先延ばし。
 昨日は平野部で10度を越える陽気となったので心配したが、雪はどうにか賞味期限ぎりぎり。ふわふわの新雪とは行かないが、それに近い浮力を感じるところもある。谷の滑り出しは広い疎林の急斜面。前日のものと思われるたくさんのシュプールがあるが、斜面が広いので気にならない。すうさんは気持ち良さそうに滑り降りていくが、私は何度もこける。それでも楽しい。
 Img_5304Img_5305

 下るにつれて、斜度は落ち着くが、谷は狭まり両側の法面が切り立つ。コース取りの幅が狭まり、先行シュプールが集まるので雪面が荒れてくる。これらのシュプールの主は、登りトレースの主でもあるわけで、文句は言えない。また所々にデブリが見られる。急な法面から小規模な雪崩が起こったようだ。3日前のまとまった積雪の後、昨日の気温上昇。ここでは見慣れた光景だ。完全埋没するほどの雪量はないものの、やはり出会わないに越したことはない。そして、デブリは滑りにくい。
Img_5312Img_5313

 単独のアルペン山スキーヤーが追い越して下っていった。少しウエアが似ていたので惑わされたが、山頂に向かった山スキーヤーとは別人のようだった。山頂まで往復して来たにしては、あまりに早すぎる。
 谷に深く入って風が弱まったので、小休止。パンを食べる。すうさんはおにぎり。それでも少し風があって体温を奪われる。長居は無用、滑降開始。
 谷が狭まり沢芯を行く。スノーブリッジのお陰で渡渉せず滑れるが、雪の量は少ないので岩のおうとつが雪面に反映されてコース取りに苦心する。
Img_5314


 やがて雪面がわれ、沢が露出していた。まあ、例年沢が出ている区間ではあるが、今年は少しスノーブリッジの発達が少ないようだ。右岸の法面を斜滑降でクリアし、杉林へ。林に入っても急なトラバースが続く。10分ほどで杉林を抜け、わかさ表線スキー場イヌワシゲレンデ上部へでた。12時05分。
190203hyo001190203hyo

 最後はゲレンデ滑走。
Img_5317


 駐車場に戻り、撤収していると雨が降り出した。予報より早い降り出しだ。気付けば山頂稜線はすっかりガスに覆われていた。スキーパトロールに下山報告し、クルマで走り出すと雨足は徐々に強まり、帰宅する頃には本降りの雨。日中の最高気温は10度程だったが、この後、夕暮れ以降気温は上がり日付が変わるころには15度ほどになるという。日本海の低気圧に向かって南風が吹き、フェーン現象が起こるためだ。これで、雪は質量ともに悪化・減退する。この土日、正確には日曜の午前中までがこの冬の貴重なチャンスだった。帰宅後に読んだインターネット上の記録では、前日は尾根の急登でのツボ足で踏み抜きに苦労したそうだ。その分、ワサビ谷の雪質はよかったに違いない。天気は、下界のようにはすっきりと晴れたわけではなく、強風と時折のガスに見舞われたそうだ。要するに、今日の午前中と変わらない天候といえる。おかげで、雪の鮮度がどうにか保たれたということのようだ。


| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2019年1月 | トップページ | 2019年3月 »