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2019/02/18

鳩の山に雪を!2019(大江山連峰鳩ヶ峰スキー登山)

 スキー登山を始めた頃の1996年以来、23シーズン途切れることなく雪の大江山連峰を訪れてきた。過去最も雪が少なかった2007年にも、金曜に寒波、土曜に出動とタイミングの良い降雪でどうにか大江山連峰を滑ることができた。それに次いで雪が少なかった、2016年、1998年にも寒波集落に合わせてスキー登山を実現できた。しかし、丹後半島では、今年2019年は、過去の寡雪の年を上回る深刻な雪不足。スイス村スキー場が全く営業できていない。
 一方、内陸部では話が別で、少ないながらも過去最悪レベルということはなく、先日の氷ノ山では十分にスキー登山を楽しむことができた。氷ノ山ほどではないが、やや内陸の神鍋高原の奥神鍋や万場のスキー場も年末から営業途切れずを続けている。
 ならば、大江山連峰も可能性はあるんではなかろうか。12月上旬、下旬、1月末に控えめながら寒波が来て、平野部でも少しだけ雪化粧をした。大江山連峰の近隣の道路の積雪情報を調べると、この冬で最も深い積雪を観測したのは12月下旬の年末寒波直後。チャンスを逃してしまったのかなあ、とも思うが、そのデータは山間部ではあるがあくまでも麓。積もった雪が完全に溶けてからまた積もる、ということの繰り返しならばここの寒波で積もった雪の量の比較となるが、根雪として残る状態ならば、寒波を繰り返すごとに積雪深は増していく。山の雪は後者であることを期待したい。
 2月中旬、待望の寒波がやってきた。幸い、丸一日は無理でも、昼前から行動できる。平野部は冷たい小雨。山間部に入ると雪に変わりうっすらと雪化粧。登山口の福知山市大江町の千丈ヶ原に向かうにつれ、道路脇の積雪が増していく。路面も雪に覆われた。いいぞ。
 鬼嶽稲荷神社へ向かう道と鍋塚林道の分岐にあたる、除雪の限界点へクルマを止める。といっても今回の寒波では除雪されていない。本日の目標は鳩ヶ峰。鍋塚林道を登っていくわけだが、このままクルマで登れそうなほど積雪は浅い。実際、分岐の両方に轍が続いている。とはいえ、上に行けば積雪は増すだろうし、日当たりの悪いところではなおのこと深い雪のとなることは間違いなく、下手にクルマでチャレンジしてスタックしたら面倒だ。ここにクルマを止めよう。積雪は20cmほど。念のため、進行方向を下に向けておく。前進で下り方向なら脱出は容易だ。
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 準備をしようとして、重大なミスに気付く。ストックを忘れているではないか。手ぶらでなんて無理に決まっている。取りに帰れば往復2時間以上。そんな余裕はない。寒波は今日で終り。すぐに雪は劣化。何かで代用するしかない。クルマの中を物色。まずは、カメラの一脚。自撮り棒のご先祖様みたいなものだ。古い物で、ストック代用として長さもちょうどよくしっかりしている。もう一本は、雨傘。ダメだ。長さが足りないし、すぐ折れそう。あ、これだ。雪崩に埋もれた人を捜索するゾンデ棒(プローブ)だ。もちろんゾンデ棒として使用する状態では長すぎるし、しなやか過ぎる。だから、二つ折り(収納および携行時には短くできる)にして、マジックテープのベルトで固定。これで長さも強度もいい感じ。
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 正午ごろ、鍋塚林道を歩き出す。ステップソールの板で、シールは車に残してきた。歩き出して数分。300m程進んだところで、雪が深くなりクルマの轍が途切れていた。格闘の痕跡が見られる。やはり、分岐にクルマを止めて正解だった。
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 複数のスノーシューで踏み固められた、しっかりとしたトレースができている。現在進行形で降り続く雪にコーティングされているが、今日のトレースだ。このトレースの主たちは、どこにクルマを止めたのだろう。そして、轍の主も同じ人たちなのだろうか。
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 距離およそ3km、標高差200mの鍋塚林道は、2箇所ほどヘアピンカーブをショートカットできるのだが、今回は雪が薄くてダメ。それに、急斜面を直登するにはシールの方がよい。ただし、今日はしっかりしたトレースのついた林道をステップソールで軽快にいけるので、むしろショートカットできたときよりも速い。
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 登るにつれて雪は深くなっていき、50cmほどになっているようだ。見えるはずの鳩ヶ峰や千丈ヶ嶽は、雪とガスで見えない。ただし風はない。
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 林道終点が近づいたところで、前方から数人の登山者が降りてきた。年配の男女2人ずつのパーティ。トレースの主だ。トレースの感謝を込め挨拶を交わす。
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 大江山連峰の主稜線、鍋塚と鳩ヶ峰の鞍部が林道終点。1時間あまりで登ってきた。トレースのお陰でいいペースだった。そこには小屋があるので、中で休憩。行動食のパンを食べる。床には雪の塊が少し散らかり、先ほどパーティが利用していた痕跡が残る。温度計によると気温は2度。
 小屋を出て、鳩ヶ峰へ。ここからはノートラック。先ほどのパーティは林道往復のみのようだ。景色も見えないし雪は深いし、で心が折れたというところか。
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 比較的なだらかな山容の鳩ヶ峰だが、当然林道よりは勾配もあり、新雪のためステップソールの効果は薄れる。ここだけシールを使った方が良かったか。それと、ストックがないことも大きい。一脚とゾンデ棒の代用品はあるとないとで大違いだが、バスケット(リング)がないので、雪にどんどん刺さってしまい体を支えることができない。
 でもそれはいいことで、つまりそれだけの積雪量があるということだ。前回、前々回の寒波で積もった雪は、リセットされずにどんどん蓄積されていったようだ。根雪があれば、さらに積雪は増えやすい。実際、新雪の下に根雪の層を感じる。バスケットがあればその層で止まるのだが、代用ストックでは少し体重をかけるだけで層を突き破ってしまう。
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 貸切で、自分以外誰もいないはずの山で、何か大きなものが動く。鹿だった。
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 結局、林道終点から距離700m、標高差100mあまりを1時間かけて、鳩ヶ峰山頂へ。相変わらず景色は真っ白で見えず、雪が降り続いているが、無風なので、一息つける。登りでは汗で曇りそうなのでゴーグルをつけずに来たが、ここでゴーグルをザックから取り出す。そして、ゴーグルを付けてびっくり。麓の加悦谷(野田川流域の平野)が見える。霧を透視する機能があったのか。と思ったら、霧が晴れてきている。雪も小降りになっている。加悦谷を隔て対峙する磯砂山。さらに丹後半島の依遅ヶ尾山や金剛童子山も見えてきた。むしろ、今いる大江山連峰の方が見えないくらい。鍋塚は徐々に姿が見えてきたが、すぐ隣、目と鼻の先の主峰千丈ヶ嶽はガスの中。
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 さて、滑るとするか。鳩ヶ峰の東斜面から東尾根へとつないだら林道を使わずに下山できるのだが、東斜面は雪が薄い。来た道を引き返すのが無難だ。ということで北斜面へ。北向きで緩斜面。斜度のある東斜面に比べると滑降の楽しみは薄いが、雪が積もりやすいのが北斜面。積もりたてふわふわの雪を楽しく滑る。代用ストックは、十分役割を果たしてくれる。ガスが晴れすっかり白い姿を現した鍋塚に向かって滑って行く。
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 雪が悪いと手こずる樹林帯も、今日は楽しい。あっという間に林道まで下った。楽しい時間は短い。
 林道を下る。この後、林道だけでは芸がないので、東尾根へと向かう案も頭にあったが、最初のヘアピンカーブをショートカットしたら、東尾根へ向かう支線林道の分岐を通り過ぎてしまった。ちなみにこのショートカットは下り専用。歩行距離はあまり短縮できないし、高度差が大きくて登るのはきつい。でも、滑るにはいい。本日は標高により積雪量の違いが大きい。さらに下では大きくショートカットできる箇所が2つあるが、雪が薄い。
 しばらく先で、林道と東尾根が接近する箇所がある。登りで確認したら、どうにか尾根を滑るだけの積雪はありそうだった。しかし、林道と尾根の間の沢が雪に埋もれていないし、尾根の末端まで下ると雪が薄く林道に下りるのに苦労しそうだったので止めておく。東尾根を使うには、最初のヘアピンカーブをショートカットせず、支線を行くべきだった。
 その後、東尾根も使わず、ショートカットもせず、愚直に林道を下るのは久しぶり。冬の大江山連峰を訪れるようになった初期の頃は、山の経験が浅いため林道を下るしかなく、それがつまらなかった。しかも、スキー登山を始めた頃は重く、歩行が得意でないアルペンの山スキーだった。今は、ノルディックのテレマークスキーで、しかもステップソールつき。今日は、雪も良くトレースもばっちり。林道下りもそう苦痛ではない。それに安全だ。下るにつれて山肌の雪は薄く、下手にショートカットを試みても、岩、切り株、倒木の罠にかかる心配がある。脚の骨くらい簡単に折れてしまうのだ。幸い過去にそういう経験がないし、今後もそうでありたい。
 林道でも鹿に遭遇。急な斜面を駆け下りて林道に着地。転倒するも、素早く立て直して軽快にカーブの向こうに消えていった。いつしか千丈ヶ嶽も見えていた。
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 最後に千丈ヶ原から鳩ヶ峰を振り返る。
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 2月中旬、11:55~15:25

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