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2018/12/27

アバランチナイトin大阪

 雪のシーズンの始まりを告げる、特定非営利活動法人「日本雪崩ネットワーク」主催のアバランチナイト。雪山での注意喚起する雪崩安全セミナーだ。全国の主要都市や、長野、新潟、富山など雪山に近い地域で開催されることもある。伯耆大山に近い米子で開催されたこともあるし、ワンダーフォーゲル部との協賛により大学で開催されることもあった。
 ほぼ毎年開催される大阪会場。今年の12月12日に駆け付けた。昼過ぎに勤務を切り上げて丹後を出発。クルマで2時間だが、福知山での昼食に30分、15時半過ぎに篠山市へ。JR篠山口近くのコインパーキングにクルマを入れ自転車を準備。毎日のように雨が降る日本海側からはるばる南下してきたので、自転車に乗っておこう。
 福知山を過ぎたくらいから雨は止み地面は乾いた状態だったのだが、なんだか空が暗くなってきている。走り出したら、弱い雨が降ったり止んだりする空模様となった。クルマが通らない田園の中の農道などをつないで南下。南矢代、古市の駅を過ぎ、草野駅手前で折り返し、武庫川沿い北上し南矢代からはほぼ来た道を戻る。16㎞程。
 前後のホイールとリアの泥除けを外し、自転車を1分でクルマにクルマに積む。速足で篠山口駅へ向かい、17時9分の大阪行きの区間快速列車に滑り込む。何とか間に合った。
 大阪駅で環状線に乗り換え。ぎゅうぎゅう詰めだったが、京橋で少し余裕ができ、鶴橋からは座れた。19時前に天王寺駅下車。夜空にそびえるあべのハルカスを見ながら、800m歩いて、19時5分阿倍野区民センターへ。オープニングの映像が始まっていた。
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 2006年の初参加からアバランチナイトには10回近く参加している。19時から21時までの2時間のうち、前半は雪崩学概論というべき雪や雪崩の基礎知識と安全対策について。休憩をはさみ、後半は昨シーズンの雪崩事故の事例報告。もちろん、北アルプスの立山連峰などアバランチナイト直前の11月下旬等に発生した事故についても、速報として調査報告が行われることもあった。
 前半については毎年変わる内容ではないため、言い方が悪いがマンネリの感もあった。後半の事例報告だけでも駆けつける値打ちがあり、年によっては後半のみの参加ということもあった。
 しかし今年は、「バックカントリーの雪崩対策:7つのステップ」というタイトルで、我々が事前にどんな知識・技術・体力・装備を身につけ、どんな訓練をし、さらに山ではどんな行動をとるかということをまとめた講演内容だった。救護については7段階の内の最後の1ステップ。山に入って救護とむしろ同等かそれ以上に大切なのは周りをよく見て、気づくこと。雪崩に巻き込まれないことが第一なのである。
 後半の事例報告について。昨シーズンの事例からは、2018年1月20日の白馬連峰の小蓮華山・船越ノ頭のみ。昨シーズンは事故が少なかったようで、JANの公式サイトにも前述の船越ノ頭を含めて2例しか掲載されていない。公式サイトの報告は事故直後の調査結果の速報であり、アバランチナイトではその後の聞き取り調査の結果などが加えられてより詳しいものとなっている。
 昨シーズンの事故が少なかった代わりということかどうかわからないが、2013年11月23日の立山連峰真砂岳と2017年3月27の那須岳の事故についての話があった。ともにニュース等で大きく報道され、過去のアバランチナイトでもそれなりの時間を割いて触れられた内容である。
 それぞれ起こったことの説明がされた後、世間の反響や講演している「でがわあずさ氏」の考えなどが語られた。
 真砂岳の方は、「その瞬間、現場付近にいて、他のパーティーが救護に駆け付けているのを見ていたのだが、あまりの雪崩のすさまじさに恐怖を感じて自分は救護に参加することができなかった。自分は間違っていたのだろうか」という人がいたのだが、それは間違いではない。インターネット上で、救護しなかった人を批判する発言が見受けられるが、そちらの方が間違っている、とのこと。
 那須岳の方は、栃木県の高校の山岳部の合同合宿であったということもあり、指揮を執った部活の顧問の責任が問われ相当に叩かれている。しかし、当日の天候により那須岳登山の予定を変更し、スキー場内での訓練にしたことは正しい判断。でも、危険な雪崩の走路を登りルートとしてしまった。ベテラン登山者が「なぜそのような危険なことをしていたのか」と思われるような行動をとり、事故に遭遇した事例はいくらでもある。誰でもミスをする。私も、那須岳の事故の   後の調査の時には、危険地帯に長時間滞在していた。事故にあった人を批判したり、愚かだと見下したりするのは全く意味がない。自分も同じことを起こす、そう考えることが大切。
 実はこの話は過去にも聞いていた。前者の真砂岳の現場にいた人の疑問は直後の大阪でのアバランチナイトの最後の質疑応答で出てきたものだし、校舎の那須岳の話もやはり昨年の大阪会場で出た質問に対する答えだった。
 アバランチナイトの海上で落ち合ったすうさんと、地下鉄で梅田に移動。ラーメンを食べてから、阪急電車へ。川西ですうさんが下車。ここから自宅まではオートバイだそうだ。私は宝塚でJRに乗り換え。30分に一本の篠山口行きが、ちょうど出たところ。25分ほどホームで待って、篠山口まで行く便の最終の一本手前の列車に乗車。篠山口到着は日付が変わっていた。帰宅は2時過ぎ。

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コメント

 誘っていただいてありがとうございました。
 雪山に行って、「ここは危ないところ」と認識できたらいいのだけど、最近あまり行っていないので、そういうことができないだろうと不安です。
 また、でがわさんの「人間は間違いを起こすもの」という、根底の考え(これは正しいのだろう)を念頭に置く。
 そして、ボクははいかいさんよりもイケイケの性格を加味すると、慎重にならないといけないと、今更思いました。
 アバランチナイトはボクのようなものに価値があります。

投稿: すう | 2018/12/29 09:09

 やはり、猪突猛進は雪山では命とりですね(どうもこの言葉、いい意味として誤用されることが多いようです)。もちろん、自転車あるいは自動車の運転、人間関係でもそうですが。周囲をよく見てよく考える。危険が潜んでいるのではないかと、自分は間違った行動をしているのではないかと疑ってかかる。ノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑氏の「教科書さえも信じず、疑え。そして自分で考えよ」の言葉にも通じるものがありますね。

投稿: はいかい | 2018/12/29 19:58

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