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2018/04/28

Slide and Ride 扇ノ山2018

 4月の第2週のウィークデイに、扇ノ山の上山高原まで除雪が完了したようだ。厳冬期は30年ぶりくらいの低温を記録し雪も多かったが、2月の半ば以降まとまった降雪がぴたりとなくなり、3月は記録的な高温であっという間に雪が解けた。上山高原へも早めの開通。しかも、高原にはほとんど雪がないらしい。つまり、上山高原手前の道を塞いでいるわずかな残雪区間を除雪した、ということだ。
 山陰に残された最後の雪山に雪があるうちに滑り納めに行こう。でも、道路開通直後の土日は天気が悪く、決行したのは翌週。その間、雨も降ったし20度を超える日もあった。かなり雪解けが進んだはず。上山高原から無雪期の登山口までは3kmほど車道を行かねばらならないが、かなり雪が切れてスキー板の着脱が面倒になりそうだ。ならば、兵庫県の上山高原ではなく、鳥取県の河合谷牧場からアプローチしよう。日当たりの関係で河合谷牧場の道のほうが雪解けが進んで自転車が有効に使える。
 というわけで河合谷牧場へ。兵庫県側からアプローチするには、国道9号線の県境の蒲生トンネルを越えてすぐに十王峠へ向かうのが最短ルートだが、道がものすごく狭く曲がりくねっている。急がば回れで、岩美町の中心街まで行った方がいい。しかも、現在十王峠は通行止だった。
 ところが雨滝集落から河合谷牧場へと向かう道の分岐点にも立看板。台風被害のため河合谷牧場内で通行止、とのこと。なんと、これは想定外。すでに昼になっているので、今から兵庫県に戻り上山高原へと回れば、間違いなく時間切れだ。でも、よくよく考えてみれば、河合谷牧場まではまだクルマが入れない。その手前で、残雪に阻まれる。少なくとも今は工事していないはずだ。台風被害ということは、去年の秋から通行止。おそらく、まだ復旧工事は始まっていない。ここはGOだ。
 細く曲がりくねった道を登っていくが、雪はない。途中で軽トラックが止まり作業服を着た男性が数人見られた。昼の休憩のようだ。ただし、工事関係者ではなく、山仕事のようだ。
 徐々に路肩に雪が現れてほっとするが、やはり少なめだ。
 河合谷牧場の作業道の分岐を過ぎ、標高880m、いつもの場所で残雪が道を塞いでいた。ここに駐車。自転車とスキーの準備。
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 兵庫側、上山高原へ道と違って、除雪されず自然の融雪でここまでクルマが入れる。河合谷登山口までの車道が距離約3.2kmで標高差約180m。ちなみに、上山高原の除雪限界点から小ヅッコ登山口への車道は約2.9kmで約170m。両登山口の標高はほぼ同じで、登山道はすぐに合流する。要するにどちらから入山してもほぼ同じ。私の場合、今日のように雪解けが進むと河合谷を選ぶ。雪が切れ切れの車道部は、日当たりがよく、9割方アスファルトが露出している河合谷牧場の方が自転車を有効に使える。上山高原側の車道は、残雪区間が長い。測ったわけではないが、半分以上は雪に覆われているだろう。つまり、自転車にはあまり乗れない。かといって何か所も雪が切れているからスキーだと板の着脱が面倒だ。また、登山道部分はかなり藪が出ていると予想される。高原野菜の畑にエスケープして農道を上っていける河合谷登山口側の方が有利だ。
 準備が整いかけたところで、軽トラックが2台登ってきた。が、すぐにUターンして去って行った。先ほどの山仕事の人たちのようだ。私のクルマが降りてこないので、兵庫県側に抜けられるのかと思ってやってきた、というシナリオが浮かぶが、本当のところはわからない。
 自転車にスキー板を装着して準備完了。まずは、自転車を押して残雪を乗り越える。下界は20度を越える陽気。緩んだ雪にタイヤがめり込んで大きな負荷となる。
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 残雪を乗り越えると、道は牧場内の日当たりのよい区間となり、路面にも周囲にも残雪はない。標高が低いところから雪がとける、というのは傾向の一つであって、実際には日陰は解け残り、日向は解ける。上山高原から小ヅッコ登山口までの道は日陰が多く残雪が多い。河合谷牧場の道は、日当りがよく、何度か残雪を乗り越えながら大方アスファルトの上を乗車で進んでいくことができる。残雪の上は自転車を押して歩かねばならないが、自転車を乗り降りする方がスキー板を着脱するよりは手間が少ない。当然、残雪区間は毎年決まっていて、初めて訪れた時には迷った挙句、水とのふれあい広場より少し手前に自転車を止めた。でも、水とのふれあい広場、あるいはそのすぐ先の河合谷登山口まで自転車で行った方がいいということが、そのときにわかった。だから今日も、眺めの残雪区間も迷わず自転車を押して行く。
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 水とのふれあい広場の手前の残雪を越えたところに通行止めの立て看板。ただし、上部を向き、こちらには背を向けている。つまり、通行止め区間を通り抜けたわけだ。結局どこが通行止めの原因なのかはわからなかった。路肩が崩れている場所はあったが、クルマが通れないほどではない。工事が始まれば通行止めになるということか。あるいは、残雪に埋もれているところにもっとひどく傷んだ区間があるということなのか。まあ、要するに普段と同じように行けたということである。
 水とのふれあい広場で水を補給。河合谷登山口まではすぐ。そこに自転車を止めた。ただし、河合谷登山口からの登山道には入らず、その先の農道へと向かう。主に大根の高原野菜の畑が広がっている。おそらく登山道は藪が出ているので、農道の方が歩きやすいのだ。雪がつながった部分を歩き小ヅッコの近くまで登る。最後は雪が切れていたので板を外し、藪を越えて登山道へ。雪が解けているので藪には苦労した。
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 登山道へとたどり着いたものの、思いのほか雪が少ない。厳冬期の雪が多かったせいかたくさんの枝が雪面に落ちているのと、すでに潅木の藪が出ていることのダブルパンチで、まっすぐに歩けない。障害物がなく、雪がつながった場所を蛇行して辿る。
 大ヅッコが近づいたところでようやくブナ林の中の雪原となった。ここで、下山してくる単独行のハイカーとすれ違う。上山高原からだろう。
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 大ヅッコへ登り、いったん下って扇ノ山の頂を目指す。予想通り、大ヅッコの南斜面は雪解け。板を外して半分ほど下ると雪が出てきたので板を装着。まあ、上の方は木々の密度と勾配の兼ね合いであまり滑れる区間ではないから、歩いて下っても損した気分にはならない。
 ステップソールの板は、こういうアップダウンがあり、しかもなだらかなコースにはもってこい。そういえば、今シーズン、一度もシールを使っていない。
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 そして扇ノ山山頂へ最後の登り。山頂手前の展望テラスから鳥取市街方面が見えるが、いつものように霞んでいる。また、テラスの周りの雪もやっぱり少ない。東側斜面を見るとまだ十分楽しめそうだ。
 山頂に到着。2階建ての立派な小屋は改装工事が予定されているのか、足場の資材が積まれブルーシートを被せておいてある。この時期、木々の根開けのように小屋の周りが丸く雪解けしているのだが、今年はその周りの雪もない。特に南側は。
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 すっかり白い部分を減らした氷ノ山の姿を拝んでから、少し来た側に戻り東斜面へのエントリーポイントを探す。待望の滑降だ。適度な斜度、適度な疎林、そしてすばらしいざらめ。ただし、滑れる距離は短い。数ターンで進路を北に向け、斜滑降で大ヅッコとの鞍部を目指す。
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 大ヅッコへは、下半分は板を装着したまま登り、登山道が露出した上半分は板を外す。大ヅッコの頂で板を装着。そして、大ヅッコ東斜面へ滑り込む。ここも気持ちがいい。しかし、やはり短い。そのまま来た斜面に回りこみ、ブナ林の緩斜面へ。気持ちよく滑っていたら、徐々に雪の切れ目が多くなる。元はブナの根開けだったのだろうが、それがかなり広がっている。かわしきれずに地面に板が乗っかり体が前方に投げ出される。背中から雪面に投げ出され、スライドする。隣の木に頭をぶつけるかと思ったが、幸い手前で停止。ちなみに、ヘルメットをかぶっていた。ザックがクッションとなってどこも打ち付けたところはない。腕も肩も脚も、ひねったり打ったりしていない。唯一、首をかなり振った。むち打ち症のような感じだ。打ち付けたわけではないが頭もくらくらする。翌日から数日、首が痛かった。
 すぐには立ち上がれず、しばらく寝そべって呼吸と気持ちを整え、体勢を立て直す。その後はもう藪が濃くなり滑りにくい。登りより早めに、山部に阻まれないうちに大根畑へと飛び出す。ただし、畑は日当りがよいので雪が切れている。登山道付近の藪だってまともに滑れないのだから、こちらの方が歩きやすい分いい。
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 登りで登山道へ交流した辺りから雪がつながり、農道を滑り下る。すぐに自転車のデポ地へ。
 自転車に板を固定したら、今度は自転車のダウンヒルを楽しむ。牧場内でカーブを越えたら前方になにやら動く物体。鹿だった。そして、道路を塞ぐ残雪を乗り越えること7度、クルマへ戻る。
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 スキーと自転車を積み込んで、クルマをスタートさせる。夕暮れの林間の細い道を走っていると、すぐ前方を右から左に何かが通り抜けた。鹿だ。すぐにもう一頭。あわててブレーキをかける。ほっとしたのもつかの間、アクセルを踏み込んだらもう一頭出てきた。今度はかわせず右側面に鹿が激突。しかし、鹿は体が丈夫。転倒したものの、すぐに体勢を立て直して走り去って行った。クルマは、右前輪のタイヤハウスの前後がへこんでいた。運転席のドアと干渉して、ドアの開閉時にベコベコと大きな音を立てる。「はい注目、このクルマのボディへこんでいるよ!」とアピールしているようで恥ずかしい。
 翌日、すでに20万km近く走っているクルマに大枚を費やせないので、何とか自力で音が出ないようにする。ドアとタイヤハウスのパネルの継ぎ目にマイナスドライバーを突っ込み、へこんだ干渉部分を力ずくで戻す。へこみは完全に治ったわけではないが、擦り傷はないのでそう目立たない。
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 体が丈夫な鹿だが、頭は弱いと言わざるを得ない。暗く静かな山中で、大きな目を光らせ轟音を立てて近づく恐ろしい物体に気づかなかったとは思えない。自分の体より大きなそれに向かって飛び込んでいくとは、自殺行為ではないか。猪突猛進ならぬ鹿突猛進といったところか。
4月下旬

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コメント

 雪少なかったんですね。写真でもよくわかります。
 鹿は残念でした。鹿笛がオートバックスに売ってあるのは知っているんだけど、本気で買おうかな。

投稿: すう | 2018/05/12 07:10

 山頂と大ヅッコのそれぞれ東斜面が滑れたので、賞味期限にぎりぎり間に合った感じでした。翌週、つまりゴールデンウィークにはもうダメだったでしょうね。そうなると、登山口から小ヅッコまで雪解けの登山道は板を担いで歩き、大ヅッコ北斜面のみ繰り返し滑る、という楽しみ方ですね。昨シーズンより半月ほど早く雪解けが進行した感じです。
 また、過去にも鹿とイノシシにぶつかられたことがあります。いずれもクルマの側面です。今回初めてクルマがへこみました。イノシシの時はクルマが泥で汚れましたが。
 鹿笛とは、ハンターが鹿をおびき寄せるものではなく、「鹿避け笛」の方ですね。ホームセンターにも置かれています。鹿笛は「実際に鹿が来た」と効果を示す報告が見られますが、鹿避け笛は効果の立証が難しいですね。しかもメーカーによれば、50km/h以上で超音波を発生する、とのことなので今回のケースでは役に立ちませんね。曲がりくねった細い道ですから、もともと低速でした。2頭目の鹿をかわすために急ブレーキでほぼ停止する状態まで速度を落とした後、再加速し始めた時、おそらく20km/hも出ていなかったでしょう。

投稿: はいかい | 2018/05/13 22:03

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