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2018/04/11

燃え上がれ!タンデム学会2018in近江富士・野洲川

 4月8日、京都市内のランドナー専門自転車店「I's Bicycle」主催のタンデムラリーが、滋賀県で開催された。近江富士の麓から野洲川左岸・右岸の堤防上などを通って琵琶湖まで往復する約40km。10台を超えるタンデム車と、ソロ多数が集まった。私もソロで参加。
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 2月の後半から強い寒の戻りはなく、特に3月は温暖で、お目当ての桜はおおかた散ってしまっていた。にもかかわらず、タンデムラリー当日はこの時期にしては強い寒の戻り。昼前には北西の風が強く吹き、冬晴れのような気候。そして琵琶湖に向かう往路には向い風。少しだけ風をしのげる林間で昼食の後、琵琶湖岸に出てみれば対岸の比良の山々の稜線は雪雲がかかっている。左岸から右岸にレーンを変えての順風となるはずの復路では、風は弱まってしまい、雲が出てきて日はかげり時折ごく弱い雨が当たる。それでもすぐにまた太陽が顔を出して、春の野洲川と近江富士を眺めながら走る。
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 本日の私の自転車は、4年前に譲り受けた「山口ベニックス」。推定40年前のモデル。この日集まった自転車としては古いほう、もしかするとソロ車では最も古いものかも知れない。何人もの参加者から「ベニックスですね」と声をかけてもらった。
 ゴールまであと少し、というところでベニックスのチェーンが切れた。スタッフの店長さんに、コマを詰めてつなぎなおしてもらった。手早い対応で、すぐにゴール地点に到着し、撤収中の参加者からは「もう直ったんですか」の声。店長のおかげです。
 丹後からのアプローチはクルマで3時間半~4時間かかると見込んで、朝5時過ぎに出発。なんと雪が降っていた。散った桜の花びらをうっすらと雪が覆っている。そして、天橋立越しに見える丹後半島の山々は白い。こんな日には温かい飲み物が欲しくなるだろうと、駐車場で湯を沸かしてポットに入れて携行した。ストーブ、ガスボンベ、コッフェルはかさばるので私はクルマに残したのだが、昼ごはんの時にはその場で湯を沸かす参加者の姿がちらほらとみられた。
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 約40kmの距離に昼食時間込みとはいえ5時間と、ずいぶんのんびりした計画だと思ったが、実際には的確な時間設定だった。多くの自転車が集団走行するために何度も停止して全員が揃うのを待つ。タンデム車は発進にコツがいるため、集合の後の再スタートにも少し多めに時間がかかる。また、自動車進入禁止の区間がいくつもあり、その出入り口には車止めがある。微速前進の苦手なタンデム車は押すか持ち上げて越えなければならい。持ち上げるのにも大きくて重いタンデム車は数人がかりということになる。それでも、息を合わせて発進し、おしゃべりをしながら進んでいく姿は何とも楽しそう。息が合えばかなりのスピードが出る。1台の自転車としては大きくて重いが、2台分よりはかなり軽いはず。2人分の体重を支えなければならずフレームは太く頑丈なため、ソロ車2台分くらいはあるのかもしれないが、ホイールは2本のままである。
 また、クルマへの積み込みもそれぞれに工夫されていた。中でも、2台の折り畳みタンデム車には驚かされた。1台はもともとがコンパクトサイズでパンタグラフ式とでもいうような簡単に折りたためるもの。もう1台は、タンデム車としては普通サイズだが、3つ折りにして輪行袋にも収まるというもの。こういうおもしろ自転車が見られるのが楽しみで参加したのだ。
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 さて、ベニックスのチェーン切れの原因は、数日前にチェーンを交換したのだが、うまく繋げられていなかったようだ。前日試走がてら乗った時には大丈夫だったのに、タンデムラリーの日は朝からチェーンが歯飛びして調子が悪かった。このベニックス2年前に、リアディレイラーをスポークに巻き込んでエンドを曲げてしまった。そこへ無理やりディレイラーハンガーを装着して乗っている。ディレイラーハンガーはボルトと後輪のドライブシャフトで固定している。クルマで運ぶ際にホイールを外したので、セッティングが狂った。つまり、原因はディレイラーだと決めつけていた。
 リアディレイラーに不安を抱えているので、最近は自宅の周辺でしか乗っていなかったのだが、平たんコースのタンデムラリーならばと久しぶりの晴れ舞台登場となった。前述のとおり参加者の皆さんから声をかけていただいたのと、スタッフさんからは「エンド修正できますよ」というありがたいお言葉。ベニックスで参加してよかった。
 さて、タンデムラリーの後は、「GUELL草津」(ぐえる)という自転車屋さんに寄り道。その名の通り草津にある。ちょっと見てみたい折り畳み小径車があるのだ。やはり、カタログと違って現物を見るとよくわかるのだ。
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 最後に、タンデム車の一般道路走行について。各都道府県の公安委員会でルールが定められ、多くは一般公道での走行はできないが、近年、二人乗りとして設計されたタンデム車での一般公道での走行が解禁される傾向にある。
 長野県では、観光地でのレンタサイクルでのタンデム車の利用に合わせて40年前から一般公道での走行が認められていた。2000年以降、視覚障害者のサイクリングイベントが行われていた兵庫県や山形県で、さらに2010年以降いくつかの府県で公道走行が認められるようになった。京都府では2015年11月20日に解禁。これを受けてI's Bicycleのタンデムラリーが始まった。今回は、2018年4月1日のタンデム解禁直後の滋賀県で開催となった。
 それ以外では「自転車専用道路で利用可能」という県が多いが、「自転車専用道路」がないので実質すべての公道で利用禁止という場合が多い。ちなみに、ほとんどのサイクリングロードは「自転車歩行者専用道路」なので「自転車専用道路」には当たらない。
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 ちなみに、京都府では以前から天橋立の砂嘴の松並木でレンタサイクルのタンデム車が通行していた。これは自動車及び自動二輪車は通行禁止であるが「京都府道607号天の橋立線」で、自転車専用道路ではない。自転車以外に、歩行者も、排気量125㏄以下の原付自転車も通行できる。京都府では2015年11月19日以前は、現実には存在しない自転車専用道路でしかタンデム車の通行は認められていなかった。つまり、以前は法令違反での営業活動が行われていたということになる。まあ、事故などのトラブルが起こらず平和だったということだろう。ちなみに、このことは2016年に警察署に問いあわせて判明。
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 天橋立のレンタルタンデム車も、折畳可能なモデル。そのヒンジ部分が破損して乗り捨てられていることもあった。やはり二人分の体重を支えるフレームやホイールには相当負担がかかっている。また、動力も二人分のため、駆動系も頑丈である必要があるとのこと。

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コメント

 タンデム解禁などというニュースを見たことがありましたが、本当はどこも走れるところがないとは知りませんでした。
 走っているタンデム車を見たことがないので見てみたいものです。走り出すのは難しそうですね。そこが面白いところかも。テレマークに似ている?

投稿: すう | 2018/04/15 21:26

 コツはいりますが難しくないと思います。舵取りや変速は前に乗るキャプテンのみにゆだねられていますが、強力な推進力が必要な発進時には後ろに乗るストーカーのペダリングが重要になります。キャプテンの力だけで発進してストーカーは徐々に合わせていく、というわけには行きません。「行くよ」「OK」「せーの!」といったやり取りが必要となるので、少し時間もかかります。でも、漕ぎ出せば後は力強くペダルを踏んで加速すればいいだけですので、難しいことはありません。
 難しいのは、発進よりも低速走行です。この日も、徐行が必要な場面では、ストーカーだけが降りたり、2人とも降りて押したりしていました。
 大学生の時に、当時からタンデムで公道を走ることが認められていた長野県の白樺湖のレンタサイクルでタンデムに乗ったことがあります。乗車経験のない人に貸し出せるくらいのものだと言うことです。
 少し話がそれますが、発進が難しいのはリカンベントです。試乗したことがありますが、自分だけで発進することはできず、係りの人に支えてもらいました。リカンベントのタンデム車もあるようですが、これはさらに難しいでしょうね。
 あと、「走れるところがない」のではなく「なかった」、つまり過去形です。解禁のニュースの通り、今は京都府を含め公道を走れるようになっています。走るところがないのは、解禁前のことです。わかりにくかったですか。

投稿: はいかい | 2018/04/16 22:09

 すいません。今は走れるんですね。では一般道でタンデムを見る日も近いということですね。

投稿: すう | 2018/04/17 06:53

 はい、公道走行の解禁ということは、自動車等が行き交う車道を走れる、と言うことです。でないと、この「タンデム学会」が非合法のイベントということになってしまいます。
 2018年4月現在、近畿2府4県の状況は、兵庫県(2008年7月)、京都府(2015年11月)、大阪府(2016年8月)、滋賀県(2018年4月)公道走行が解禁されています。( )は解禁された時期を表します。和歌山県では自転車専用道路及び自転車歩行者専用道路にて利用可能、奈良県は自転車専用道路にて利用可能。和歌山はサイクリングロード(自転車歩行者専用道路)を走れますが、奈良県はタンデム車の走れる道があるかどうか不明です。解禁前の京都府は現在の奈良県と同じ状況だったということです。
 全国では、一般公道が走れるのは現在15府県くらいで、随時増えている状況です。
 また、タンデム自転車は、一般的な自転車(道路交通法で「普通自転車」とされるもの)とは区別され、軽車両扱いとなります。ですから、公道走行を解禁されても「自転車可」の歩道を走行したり、「自転車を除く」と示された一方通行の逆走をしたりすることはできません。こちらは道路交通法による縛りなので、全国共通です。と書くとややこしくなりますか。

投稿: はいかい | 2018/04/17 14:03

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