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2018/03/21

樹氷の氷ノ山2018

 この冬は天気が悪かった。1月の下旬から2月の中旬くらいまで、何度も寒波がやってきた。雪遊びを楽しむものにとってそれはありがたいことなのだが、穏やかな日もないと遊びに行けない。2月の後半は、大きな寒波は来なくなった。大荒れの日はないのだけれど、晴れの日もあまりない。春が近いことを思わせるようなぽかぽか陽気もない。3月にはいれば、一気に初夏の陽気もあり、寒暖差が激しい。北近畿の平野部では、冬の間ずっと田んぼなどが雪に覆われていたのは、30数年振り。ただし、それはある程度海に近いところだけ。内陸ほど雪は少なく、山の雪はあまり多くなかった。2月の後半からまとまった積雪はなく、3月の高温の日と降雨によりどんどんと雪が溶けていった。
 すうさんとの氷ノ山に行く計画が実現できたのは、3月17日。4時過ぎに目が覚めてしまったので、そのまま起き出し、5時に家を出た。養父市大屋町の待ち合わせ場所には6時25分に着いてしまった。トイレを済ませ、本を読みながらすうさんを待つ。約束の7時に、すうさんと合流し、クルマ1台でわかさ氷ノ山スキー場へ。もうすっかり雪が解けて春の景色の中を行く。若杉峠、戸倉峠、そしてスキー場と標高700m程に登らないと雪がない。
 スキー場に到着し、いつもの無料駐車場にクルマを止める。すいているな、と思ったら今週からすべての駐車場が無料とのこと。支度をして、スキーパトロール詰め所で入山届けに記入して、リフトに乗車。日差しがさんさんと降り注いでまぶしい。山頂をうっすら覆っているガスは、これから取れていくだろう。スキー場の最上部付近から上は、樹氷がついている。
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 すばらしい景色が期待できる一方、不安も大きい。一つは雪不足。入山届けにも書いたが、ワサビ谷への滑降を予定している。おそらく、スノーブリッジは崩れ沢が出ているだろう。何度も渡渉しないといけないかも知れない。もう一つは雪質。昨日の雨、そして夕方から夜間の寒の戻りで、雪面はカチカチに凍てついているに違いない。ちゃんとスキーがコントロールできるだろうか。
 標高1195mの樹氷スノーピアゲレンデ最上部に到着。上部のリフトは、中間駅から下のみで営業中だが、ありがたいことに入山者はリフトトップまで乗せてくれる。ただし、最上部の降り場には雪がないので、スキー板を外しての乗車だった。
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 伯耆大山は見えていない。扇ノ山も山頂が霧に覆われている。板をザックに固定して背負い、急登に取り付く。なんと雪がとけ登山道の階段が露出している。しばらくは、カチンコチンに凍てついた雪面と、露出した登山道が交互に現れる。しばらく登り、三ノ丸から山頂への稜線が見えてくると、もう登山道は完全に雪に覆われた状態となった。樹氷が美しい。青空をバックに白い樹氷が映える。頂上台地の手前のやせ尾根区間にたいがい付いているはずの雪庇がない。やはり雪が少ない、あるいはまとまった降雪が途絶えている、ということのようだ。
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 そして頂上台地に到着。ブナの樹氷の林だ。これを抜けると広大な雪原。見事な眺めに心が弾む。しかし、足元の雪は相変わらずカチカチ。そのまま板を背負ってつぼ足で歩いて行く。
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 大山が見えている。雲海の上に鋭い山頂が突き出ている。扇ノ山はまだほんの少し山頂が隠れているが、仏ノ尾と青ヶ丸は姿を現している。東山、くらますは、一部が黒く笹が出ている。
 三ノ丸手前で休憩中の2人組のスキー登山者がいた。彼らは、県境を根を下るという。我々はワサビ谷の予定だと告げると、「先週、仙谷を滑ったら沢が出ていて大変でした」と言われる。その少し前にも、アイゼンをつけた単独登山者に、「ワサビ谷には行かないよね」と言われていた。誰もが、今日ワサビ谷を滑るのは厳しいと思っているようだ。
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 三ノ丸に上り詰め、ようやく板を装着。山頂がすぐ近くに見える。但馬妙見山はうっすら、蘇武岳は完全に雲に隠れている。
 とりあえずワサビ谷の源頭まで滑り降りる。ワサビ谷源頭部は2つに分かれていて、たいてい山頂寄りから滑り降りている。今日も、滑るならそちらのつもり。日当りがよく、早く雪が緩むことを期待してのことだ。というわけで、その境目のワサビ谷の頭の小ピークを越える。
 我々のすぐ後からスノーボーダーがやってきて、ワサビ谷を滑るのかと訊かれる。「先日も仙谷で沢への滑落事故があって、ドクターヘリで運ばれたらしい。今日もパトロールで谷への滑降はお勧めしないとのことで、ピストンをすすめられた」と言われた。
 とりあえず結論を急がず、休憩しながらじっくり考えよう。腰を下ろして、パンなどを食べる。
 結局、ワサビ谷は断念した。谷の下部では沢が口を開けている。急な法面も凍てついているわけで、沢への滑落の恐れがある。確かに、登ってきたコースを戻るのはスキーにとって楽しいものではない。でも、このカチンコチンの雪面では、急斜面の林間であるワサビ谷も楽しめない。
 こんなことならば、戸倉峠の南、坂ノ谷林道入り口にクルマを一台置いておけばよかった、と悔やまれる。緩やかな尾根から林道へと下るコースならば、今日の雪でも問題ない。林道は時々雪が切れているだろうが、板の着脱の手間はかかっても危険はない。ワサビ谷の沢が口を開けていることも、雪がカチンコチンに凍てついていることも予想できたのだから、エスケープルートを用意しておくべきだった。
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 まあ、悔やんでも仕方ない。スノーボーダーやつぼ足登山者は山頂へと向かったが、我々は、来た道を引き返す。まずは、ワサビ谷の頭へ登り返し。男女3人連れの登山者がとすれ違う。ヒップそりで楽しそうに、そして賑やかに滑っている。ワサビ谷の頭を越え、少し下って三の丸への上り返し。私は、ステップソールなので板をつけたまま。すうさんは、板を手に持って登って行く。シールを貼るほどの登り返しではない。
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 三ノ丸で再び景色を眺める。扇ノ山も但馬妙見山も蘇武岳も完全に姿を見せてくれた。ただし、霞のせいか遠くは見えない。大山は相変わらず山頂だけ霞の上に突き出ているし、丹後の山々は全く見えない。
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 ここからは緩やかな斜面を滑降。強い日差しに、往路よりは少し雪が緩んだ感じ。薄く積もった新雪がたまっている箇所を選んでターンすると気持ちいい。普段は緩やか過ぎて物足りない斜面だが、今日はかたくて板が走る。むしろスピードを出すのが怖い。緩やかでちょうどいい。ああ、坂ノ谷コースならこのままずっと緩斜面をいけるのに、とまたここで悔しく思う。
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 すぐにブナ林へ。板を外す。つぼ足で登った区間は、下りもつぼ足。雪が緩んだお蔭で、踵が食い込んでくれて助かった。
 スキー場のゲレンデ最高地点へ到着。だが、まだ油断はできない。上部は閉鎖されているカチコチの急斜面。特に、出だしは幅が狭く、横滑りで降りていくコース。度胸のあるすうさんは板を装着して滑り降りるが、自信のない私は板を背負ったままつぼ足で下る。日向はいいが、日陰では雪面にかかと落しを食らわしてもステップが切れない場面もあり、こわごわの下り。
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 斜面が開けたところで板を装着。斜度があるので吹き溜まりで作業をするが、ブーツの底に雪がくっついて思うように行かない。情けないことに、すうさんに助けてもらってどうにか板を装着。
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 斜面が開けたといっても、相変わらず急で凍てた雪面。雨などででこぼこになっているので、さらに性質が悪い。私の後から軽アイゼンで降りてきた登山者は、途中で本格的なアイゼンへと交換して降りていった。
 まずは斜滑降で様子を見る。なかなか厳しい。ターンを試みるが転倒。次のターンでも転倒。滑落するような転倒をしないようにするだけで精一杯。でも、その後は斜度が緩んできて、吹き溜まりを狙ってターンをして、先に滑り降りていたすうさん側に降り立つ。
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 そこからは、リフト中間駅から下の解放区間。ようやく安全地帯だ。お互いを動画撮影しながら滑る。その下のリフト沿いでは、アルペンスキーの大会が行われていて、一部コースが閉鎖されている。コース幅3分の2ほどが大会に使われ、一般に開放されているのは3分の1ほど。出だしこそなだらかだが急斜面区間もある。雪がすっかりざらめになっているのが幸いだった。そして、緩斜面になって今度こそもう安心。パトロールに帰還報告をして、振り返ればすっかり山の色が変わっている。朝は白かった山だが、木々の樹氷が落ちて今は黒っぽい。まあ、樹氷が楽しめたのが今日の一番の収穫だった。
 大屋ですうさんと別れ、北近畿豊岡自動道で帰ることにする。大屋川の谷から八木川の谷にレーンをチェンジし、八鹿氷ノ山I.C.手前で氷ノ山を振り返る。
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 早く下山して、明るいうちに家に帰れたので、少し自転車に乗る。
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2018/03/12

早春の京都北山京見峠・持越峠・雲ヶ畑(ラリーグランボア2018)

 京都市にあるオーダーメイドのランドナー専門自転車店「I's Bicycle」の走るイベント「ラリーグランボア」が3月の第2日曜日に開催されている。「もうすぐ春ですねえ、ちょっと走ってみませんか」というわけだ。2018年は第4回とのこと。ちなみにグランボア(GrandBois)とは、I's Bicycleの自転車やその関連商品のブランド名。また晩秋には、店名を冠した「アイズラリー」というイベントも開催されている。アイズラリーでは参加者が揃って集団走行するのに対し、ラリーグランボアはI's Bicycleのお店をスタート・ゴール、北山の持越峠をコントロールポイント(CP)として、緩やかな時間制限が決められ、推奨周回コースの地図が配られるものの、各々自由に走ればよい、というもの。
 丹後周辺では、日当たりの良い田んぼや幹線道路はとっくに雪はなくなっているのだが、自転車で走るのに適したクルマの少なく除雪が行われない道は3月に入ってからの高温と雨で日陰区間もようやく溶けたところ。ただしこれは平野部での話、標高100mを越える山間部の道の日当たりの悪い区間はまだまだ雪に閉ざされている。こういう時期に雪のない地域に出向くのは合理的である。さらに、CPの持越峠の麓の雲ヶ畑の里には懐かしい思い出がある。気になるのは天気だが、開催日の3月11日の日曜は週間予報で晴れ予報が出ていたものの、念のため期限ぎりぎりの9日金曜夕方発表の予報を見据えてから参加を申し込んだ。
 当日朝5時25分に自宅を出発。京都市右京区、仁和寺の近くにあるI's Bicycleに9時までに到着したい。これは、店の駐車場は狭くて当日にはとめられないので、周辺の駐車場にクルマを入れ、ツーリングの準備を整えた状態で自転車に乗り換えて店へ9時までに、というわけだ。周辺にはコインパーキングがいくつもあるようだが、当然安い方がよい。インターネットで調べてみると、収容台数が数台と少ないものが多いので、いくつか候補を用意してGPSレシーバに登録しておいた。
 送れないために京都縦貫道に乗るが、順調に進んでこのままでは早く着きすぎる。瑞穂か京丹波まで縦貫道で行こうと思っていたが、和知I.C.で降りる。国道27号線へ。
 京都市内まで縦貫道を使うと、市街地の走行が長くなってしまう。朝なので比較的道路は空いていると思われるが、通行料金を抑えたいし、追い越し車線が限られた区間にしかないので、飛ばしたがるクルマを背後に従えて走らねばらない。
 和知の道の駅でトイレ休憩をして、安いガソリンスタンドで給油。まだ7時前だが開店していた。
 京丹波の信号が多い国道27号線と9号線の合流点の手前で、府道445号線へ。胡麻駅からJR山陰本線に沿って府道50号線で日吉ダム。そして国道477号線、府道362、363号線を経由し、京北で国道162号線へ。また10年以上前に何度も通ったルートだし、昨年晩秋に自転車で走った栗尾峠越えの周回コースと一部重複している。長い空白期間もあってクルマで走るのと自転車で走るのとでは同じところを走っているということが分かりにくかったのだが、また今日クルマで走ってみて記憶が結びついた。今朝の北近畿での予想最低気温は氷点下1度。これは平野部での値であるから、標高が高い丹波高地ではもっと低いわけで、少し路面凍結もあった。ピンポイントなのでクルマがスピンするほどではないが、少し滑る。
 国道162号線に乗ったらすぐに笠峠。今では京北も京都市なのだが、笠峠を抜けて京都市に入るというイメージが残っている。
 清滝川に沿った道はセンターラインこそ引かれているものの道は狭く屈曲が多い。好天に恵まれた休日とあってかクルマの通行が多く、カーブの曲がり方がへたくそというか、横着というか、とにかくセンターラインを当たり前のように越えて内回りする関西人の運転。東日本に行くとこういうことはない。
 高雄を越えると京都盆地の中へ、そして徐々に市街地へと入っていく。
 宇多野で道路脇のコインパーキングに「昼間最大500円」とかかれていたような気がしたので、通り過ぎてしまったのをいったん引き返して確認。事前に調べていた駐車場は600円だったから100円安い。ここは500円で間違いなかったが、この駐車場での昼間とは午前8時以降。ただいま7時50分。今駐車場に入れると夜間料金が余分にかかってしまう。というわけで、国道からわき道に入ったところにクルマを止め、自転車を下ろして準備を整える。そうするうちに8時を過ぎたのでクルマを駐車場に入れる。ここは3台分のみの小さなパーキングで、すでに1台入庫していて、2台分空きがあった。交通量の多い国道162号線に面しているので、車上荒らしの心配はあまりしなくていいだろう。
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 さらに準備を整えて、自転車に跨りI's Bicycleへ向かう。複雑な路地を含めて六差路の福王子交差点で国道を左折、仁和寺の前の仮設トイレに立ち寄る。トイレを出ると、目の前をニッカボッカースタイルでランドナーに乗ったサイクリストが通り過ぎていった。おそらく、ラリーグランボアの参加者だろう。かくいう私は、7分丈のズボンにニッカーホースを合わせた疑似ニッカボッカースタイル。自転車は当然ランドナーだが、フラットハンドルのVIGOREではなく、ドロップハンドルのもう一台のVIGORE。一昨年11月のツイードピクニックで琵琶湖畔の長浜を走って以来1年4ヶ月ぶりの出番だ。ただし、調整のため1週間ほど前から2度ほど走ってみた。
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 仁和寺からI's Bicycleまではすぐ。先ほどのサイクリストに次ぎ2番乗りのようだ。店内で受け付けをしてコースマップを受け取る。名簿で見ると参加者は40人弱で、私は最後から2番目の申し込みだったようだ。
 スタート可能な9時までまだ少し時間があるので、店の前で待機していると次々と参加者がやってくる。受け付けは10時までなのでこれからどんどん集まってくるようだ。ほとんどがランドナー、半分以上がニッカボッカー。ちなみに、車種や服装に制限はない。
 9時を過ぎ出発する人が出てきた。仲間同士での参加者たちだ。しばらくするとスタッフさんの一人が出発するというので、同行する。私以外に、個人での参加者がさらに2名。計4名でスタート。
 受付時にもらったマップには推奨コースが描かれている。そのコースは、過去の参加者によってインターネット上に掲載されているコースデータと同じものだった。インターネット上のデータはトラックデータに起こしてGPSレシーバにインストール済み。インターネットに上がっていたいくつかの記録には、反時計回り、つまり鴨川沿いをさかのぼり、CPの持越峠を越えた後、さらに京見峠を越えてI's Bicycleに戻る周回ばかりだったが、スタッフさんは時計回りで行くようだ。CPさえ通れば、どちら周りでも、あるいはピストンでも、さらにはどこを通ってもいいのだ。CPでは9時半から11時半まで「Cafe de GrandBois」が開店しホットコーヒーとケーキがいただける。
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 仁和寺の東の細い坂道を登って原谷へ。ウォーキングをする人が結構いる。また、クルマやバイクが時折通る。原谷には、立命館大学のグラウンドがあり、学生のバイクも見受けられる。細いヘアピンカーブで対向車があっても、我先にと突っ込んでいく必死な姿勢は関西人、そして京都人らしい。
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 何度も休憩をとりながら坂を上り、集落の中の「原谷中央公園」の前でまた休憩。日差しが心地いい。グラウンドを過ぎたせいかクルマやバイクも少なく、静かな時間を過ごす。
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 そのあと少し下って、鷹峯へ。目の前にコンクリート舗装の激坂が現れた。千束坂(せんぞくさか)だ。前出の記録では下りでも押して通過する人が多いと書かれていた。標識によれば最大21パーセント。小樽の「励ましの坂」の24パーセントに迫る勾配だ。若いスタッフさんはギアを落として登っていくが、私以外の参加者2名は押して登っている。私はもちろんインナーローにシフトダウンし、乗車で挑む。中盤までは行けた。しかし登っていくほどに勾配が増していく。頂上が見えてきた。左カーブ。内側はきつい。外側に行く。蛇行すれば登れそうだ。しかしクルマの音が迫る。ということであと少しのところで足をついた。ロー34Tのスプロケットなら登れたはず。このランドナーではリアディレイラーのキャパシティでは34Tは装着できない。滑り止めの凹凸があるのもきつい。この凹凸は下りでも曲者だそうだ。
 そして京見峠への登り。かつてはずっと狭い道だったが、中腹は新しい道になり、十分な路肩をのんびり行く。勾配も比較的緩やかだ。ここでも何度も休憩をとる。ロードレーサーが何台も追い越していく。クルマやバイクはたまに通るが、原谷への登りよりも少ない。
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 新しい道は終わり、細い道となる。峠の茶屋が見えてきた。その先が峠だ。この茶屋のあたりから京都盆地が見下ろせるはずだったのだが、木が伸びて展望がない。京見峠なのに。
 標高410mの峠で休憩。時刻は10時50分。CPの開設されている時間を確認。11時までじゃなくて、11時半までで間違いないよね。
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 峠の北側は細い道。そこを結構な台数のクルマが行き交う。この先にある「山の家はせがわ」というレストランに人気があるようだ。ちょうどお昼時に差し掛かってきたのでクルマが増えてきたようだ。それに、標高のせいもあり冬場は積雪や路面凍結の心配がある。ようやくそうした心配から解放されて安心して訪れることができるようになった時期も重なっている、とスタッフさんは言う。
 そのはせがはの駐車場は混雑。どんどんクルマが入っている。事前に読んだラリーグランボアの記録ではもれなくここで食べたハンバーグの写真が掲載されていた。反時計回りで走る参加者の多くはここによるようだ。
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 ずっと走ってきた府道31号線から、府道107号線へと分岐する。持越峠への登りだ。クルマの通行が一気に減る。登り返しは100m余り。峠の標高は389mと京見峠よりは低い。それでも峠の手前は、比較的急勾配で息が弾む。11時半ぎりぎりにCPに到着。たくさんのランドナーが並んでいて壮観だ。
 ほとんどの自転車にはスタンドがついていないので、切通の法面に立てかけられている。私が所有するすべての自転車にはスタンドが付けてある。風景の中に自転車を映しこんで撮影するには、スタンドがないと不便である。今日のランドナーには二本足のセンタースタンドを付けているので、クルマに載せたり降ろしたりするときの前後輪の着脱のときにも重宝する。泥よけがついているので、フロントフォークで立たせることができない不便さを補ってくれる。こうした場面で自転車をひっくり返す人がいるが、これはあまり合理的ではない。サイクルコンピュータなどハンドルにつけた機器あるいはその台座を損傷したり汚したりすることになるし、何よりホイールの軸を収めるのに、フレームの重みを利用してスコンと入れる方が楽なのだ。
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 まあそういうわけで、CPのブース付近の法面はすでに満車だが、私の自転車は法面に関係なくCPの近くに止める。もしかすると、変わったことをする奴だ、と思われているのかもしれないが、気にしない気にしない。ロードレーサーから見れば、きっと泥よけだって同じようなこと。私にとっては、泥除けもスタンドもツーリングには必要な装備なのだ。
 コースマップに到着証明のスタンプを押してもらい、暖かいコーヒーとケーキを頂く。要項には11時半までと書かれていたが、その時刻を過ぎて到着する参加者もいる。もちろん、CPが閉鎖されることもなく、何度も湯を沸かしてコーヒーがドリップされている。
 私以外にVIGOREが2台。VIGOREとは今は京都市内の岩倉に店を構える自転車店。フレームビルダーである店主は現在三代目で、ランドナーを作っていたのは先代まで。また、VIGOREで自転車を組んで販売するだけでなく、別の自転車店へのフレームの卸売りもかつてはやっていて、私の2台のVIGOREはともに、京都御所に近い「キヨセ」という店で組まれたものだ。
 峠ではそれぞれのVIGOREオーナーに話を聞いた。一人は、38年前にVIGOREで買ったものとのこと。最近レストアしたが、パーツ構成も含め、伝統的なスタイルを維持している。もう一人は、私と同じくキヨセで購入とのこと。ただし30年近く前に買ったそうだ。私の2台はいずれも友人からの譲渡だが、元々は1993年とその1,2年あとにそれぞれキヨセで購入されたものだから、時期も近いようだ。パーツ構成も似ているように見える。そのオーナーさんは、キヨセの店主とずっと親しくされているようで、一緒に走りに出かけているとのこと。一昨年の晩秋にキヨセを訪れたときに、静岡県の大井川流域を走ったと店主から聞いていたのだが、それにも同行していたそうだ。
 12時過ぎに、その場にいる参加者とスタッフ30名ほどで記念撮影。12時半ごろCPを撤収するスタッフに挨拶して、我々もスタート。肌寒いので、登りでいったん脱いだ中間着を着て手袋も指先まで覆われたフリースのものに交換。雲ヶ畑への下りはかなりの急坂。スピードを出すとカーブで飛び出しそうだ。
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 雲ヶ畑は静かな山里。ここには22年前に来たことがある。京都市北区に実家がある友人の青波ゴン太くんと一緒に自転車で来た。青波ゴン太くんは通勤などに使う変速のないシティサイクルで、自転車乗りの私に合わせてくれた。あの時は雲ヶ畑の集落からさらに標高差150m程高い岩屋山志明院まで登った。11月の末でちらちらと雪が降ってきたことを覚えている。
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 本日は、志明院にはいかず、鴨川の流れに沿って一気に下っていく。22年前のあの日も寒かった。今日の方がまだ暖かいか。2日前までのまとまった雨のせいか、山水があふれて路面が濡れているところが何か所もある。でも、泥除けのおかげで自分にも後続車にも水撥ねをかける心配は御無用。減速せずに進んでいける。
 下りは早い、上賀茂神社のあたりまで下るとクルマが増えてくる。山間部の谷あいから、京都盆地へと入ったので春の日差しを受けてポカポカ。それに勾配もなくなり自転車をこがなければならないので体が温まってきた。
 でもやっぱりまだ春爛漫という雰囲気ではない。まだ花も葉もない裸の街路樹が春の浅さを示している。
 やがて市街地の走行となる。金閣寺の前では、和服姿の女性もみられる。何かお祝い事かと思うがただの観光客だそうだ。
 そのあとはスタッフさんの案内で迷路のような路地を行く。クルマは少ないが、見通しの悪い交差点では、自転車同士の出会いがしらの衝突に注意が必要。もちろんたまに通るクルマや歩行者にも注意だ。
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 最後は、立命館大学の校舎のすぐそばを通って、14時ごろにI's Bicycleに帰着。我々がCPを出たのが最後だったのに、まだ半分以上の参加者が戻っていないようだ。くじ引きで記念品にグランボアオリジナルチューブを頂いた。参加費の500円をはるかに上回る景品だ。
 14時半過ぎに皆さんとお別れ。クルマを止めたコインパーキングへ。自転車を積み込んでいると、自転車が前を通っていく。本日の参加者たちだ。ここを通るということは、我々とは逆の反時計回りだが、京見峠を経由せず高雄を通ってきたということか。そちらも御経坂峠はあるが、京見峠よりは低い。それを見越してのコース選択かどうかは、聞いたわけでないからわからない。沢の池に寄り道していたことが後でわかった。
 さて、クルマに乗り換え、15時15分、帰路に就く。帰りは時間に余裕があるので、京都縦貫道を使う必要はない。途中福知山でラーメンを食べて、19時10分に帰宅。
 シーズンの到来を喜ぶツーリングイベント。やや肌寒い場面もあったが、衣類で調整できる範囲。雨の心配はなく、天気に恵まれたと言える。I's Bicycle主催のツーリングに参加するのは2度目で、それぞれ別のVIGOREランドナーで走った。次は山口べニックスで、つまり毎回違うランドナーで参加するのもいいのかもしれない。

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2018/03/05

雪解かしの雨

 暖かい雨。さほど雨量が多いわけでもないのに、川は増水し濁流が勢いよく流れている。上流の山間部での雪解け水だ。残雪からは湯気のようなものが上がり、そのあたりだけまるで霧がかかったよう。
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戸倉峠から県境尾根を経由し三ノ丸ピストン

 3月の第一週の土日は待望の晴れ予報。この冬は腫れが少なくすっきりしない天候が多い。2月の最終週など、土曜日は文句なしの晴れ予報だったにもかかわらず、実際には昼前から平野部で雨、山では雪。山に出かけたけれどもホワイトアウトと風雪に難儀したという報告がネット上に見受けられた。
 さあ、こちらは満を持して氷ノ山へ。晴れが続くならば早い日の方が空気が澄んでいいはずだが、カメラが壊れてしまった。金曜の朝にネットで注文して、土曜に届く予定。そのカメラを持って日曜に行くことにした。使い方が荒いのか、2年前後で壊れてしまう。十数年前なら保証により無償修理をしてくれたのに、最近は「外部から何らかの力を受けなければこのようなことは起こりません。よって、保証対象外です」と言われて、高い修理代を請求される。そもそもカメラは持ち運んで使うことが多いもの。長く使えば、そりゃ何らかの力だって受けるのが当然。だから、長期保証なんて意味がない。カメラは消耗品だ。あと、11年前に買ったカメラを予備機として、たまに使っている。これが壊れない。買ってから数年はメインカメラとして使っていたのだが、より高倍率だったりGPS受信機能が付いたものに心を奪われてしまった。ちなみに予備機は光学10倍ズーム(当時は画期的な高倍率)、今回の新しいものは光学40倍ズーム。
 4日、午前5時40分、月明かりを浴びて家を出る。明け方も10度を少し切るくらいまでしか下がらず、路面凍結の心配はない。丹後の自宅から99㎞の道のりを2時間で兵庫・鳥取県県境の戸倉峠へ。信号が極端に少ないので(点滅式、感応式を含め99㎞で30機ほど)、巡航速度と平均速度の差が小さいのだ。
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 国道29号線新戸倉トンネル兵庫側の駐車場には、すでに5台のクルマが止められている。登山者か渓流釣りの人のものだろう。他にもう1台とキャンプなどで使う椅子やテーブルが置かれている。その側、1m以上積もった雪の上には若者が何やら作業をしている。スキー場で見かける平均台のようなものを運んでいる。よく見ると、近くにスノーボードのようなものが並べられている。こんなところで、何をやらかすつもりなの。
 さて、30分ほどかけて準備を整え、8時10分、出発。スタート地点の標高は730m。
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 まずは凍結した国道をこわごわ渡る。そして、旧道へ。旧道は通り抜けできないので当然、除雪などされていない。雪の壁には階段ができている。ザラメの雪面は、気温が高いせいか緩んでいて足が沈む。板を装着して歩き出す。先行者のトレースは、スノーシューばかりだ。ステップソールで軽快に歩く。本日の装備にはシールはない。
 今日のコース案として最初に浮かんだのは坂の谷コース。戸倉峠から国道29号線を1.6㎞ほど兵庫寄りを起点とする坂の谷林道から入山する。片道10㎞近い緩やかなロングコースは、昨年新調したステップソールの板の性能が発揮できると考えた。ちなみに、通りがかりに見たが、今日も坂の谷林道入り口付近には数台のクルマが止まっていた。
 ただし、坂の谷コースのピストンは、過去に何度か経験していて新鮮味はない。そこで次に浮上してきたのが、戸倉峠からの県境尾根コース。こちらも坂の谷コースとよく似たなだらかロングコース。13年前にわかさ氷ノ山スキー場からの入山で、一度滑降しただけで、登りを歩いたことはない。つまり、登りでじっくりと様子を見た経験はないのだ。
 坂の谷と県境尾根の両コースの周回と迷い、国道の1.6㎞のための自転車も積んで来たのだが、結果としては県境尾根をピストンすることにした。
 県境尾根に登山道を通す計画があるようだが、現在は笹などの藪が雪に抑えられる積雪期限定のコース。近年はそれなりにたどる人がいるが、13年前には限られた人にしか使われないコースだった。こうした利用者増の背景にはGPSレシーバーの普及があるのではないかと思う。私は、当時よく利用していたパソコン通信の自転車フォーラムの影響で、16年以上前の2001年からGPSレシーバーを利用しているが、例えば13年前でも、周囲に利用している人はほとんどいなかった。また、最初の1台は地図をインストールすることができず、高度計、距離計、速度計や、トラックデータのロガー(記録機)としてしか利用していなかった。現在では、2万円前後の底辺モデルでも、パソコンを使えば国土地理院の等高線付きの地形図を無料で搭載できる。そして、インターネットの登山情報交流サイト「ヤマレコ」などで、GPSのトラックログが公開されている。そうして登山道がない山でも、コース取りが研究されている。
 旧道を歩き新戸倉トンネルの脇を抜けてヘアピンカーブで標高を上げる。まだ朝なのに、結構暑い。今日は下界では20度を超える予想気温だ。急激な温度上昇というわけで、こういう日には雪崩やスノーブリッジの崩壊に注意をしなければならないが、本日はそういう心配のないコースである。
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 しばらく歩くと、戸倉トンネル。1995年開通の新戸倉トンネルに対し、戸倉トンネルは1955年開通。ぞれぞれ平成と昭和のトンネルだ。ただし、昭和の方は鉄格子でふさがれている。
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 その旧戸倉峠の手前で分岐する道を進む。またヘアピンカーブで高度を上げる。そして、今度はトンネルでなく切り通しの戸倉峠に到達。鳥取県側の景色が開ける。未除雪の旧国道が蛇行し、そののり面が伐採されたオープンバーンとなっている。そのオープンバーンにはダブルトラックのような道がスイッチバックして登っていて、何やらトレースがついている。よく見ると旧道にもトレースがある。スノーモビルの跡のようだ。
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 戸倉峠からは尾根の西側を北上する林道が分岐している。家の谷川の谷(家の谷というのだろう)に面しているので、家の谷林道と呼ぶことにする。東の兵庫側から西の鳥取側へ尾根の末端を回り込む形で、高度を上げるためのヘアピンカーブや山襞に沿った屈曲で距離が延びる。兵庫側から尾根にとりついた記録もあるが、濃い林の中の急勾配、そしてアップダウンに苦労している。国道の旧道及び戸倉峠までのダブルトラックは結構勾配があるので、それをショートカットするということは、さらに勾配が増すということだ。まあ、スノーシュー登山者が距離を縮めたい気持ちはわかるのだが。
 少し休んでから家の谷林道に入ると、勾配が緩くなり復路の下りでも板があまり走らなさそうだ。しかも、障害物のなく西側が開けた谷から北西の季節風が吹きつけるようで、雪面が大きく波打っている。
 家の谷林道を北上する。どこから尾根にとりつくかが一つの課題である。13年前には、尾根を下ってきて1073m小ピークの少し北側で家の谷林道に降りた。でも、地図を見ていると、もう少し尾根を長くたどり1073Pの南の鞍部で林道と尾根を行き来するのがよさそうに思える。
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 実際に歩いてみると、想定していた地点の少し手前でよさそうなとりつきポイントを発見。先行トレースも、そこから尾根にとりついているものと、家の谷林道をさらに進んでいるものとが同じくらいだ。ここは思い切っていってみよう。
 まずは、杉林の中の緩い斜面を登る。すぐにわりと大きめの鞍部で県境尾根に乗り上げた。ここより南側で県境尾根に上がると、かなりアップダウンを越えなければならない。
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 さて、その鞍部から1073Pへと登る。そこそこの急斜面で、落葉樹の林が濃い。ここを滑り降りるには難儀しそうだ。やはり、下りではもう少し北側の当初予定していたポイントで林道に降り立つのが良いかもしれない。
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 標高差50mほどを登ると、勾配は緩やかになる。実はそれが今日の一番の急勾配だった。ブナかナラかよくわからないが明るい落葉樹林やスギ林や、その境目をひたすら歩く。空は真っ青な快晴。杉林でも結構明るく、落葉樹林では日差しがまぶしい。
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 なだらかな1073Pを越えてしばらく行くと、木々の合間に真っ白な三ノ丸の大雪原が見えた。本日の到達目標だ。青空をバックに白さが際立つ。写真を撮りたいが、手前の木々の枝が邪魔で遠くにピントが合わない。マニュアルフォーカスの設定にするが、なぜか遠くにピントが合わない。昨日届いたばかりのカメラなのでまだ使い慣れていない。
 ほんの少し歩いたら、木々の合間が大きくなった。ズームすれば枝はフレーム外となりオートフォーカスで三ノ丸にピントが合う。赤い屋根の避難小屋も確認できた。
 次の目標は、標高1182m小ピーク。ここがかつて三ノ丸と呼ばれ、現在の三ノ丸はかつて二ノ丸と呼ばれていた。このあたりについては、13年前の記録に記している。
 1073Pを越えてほんの少し下ってから、また緩やかな登りが始まる。前方から登山者が下りてきた。スノーシューなので、下りが長い。
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 1182Pの手前、落葉樹が疎らに茂った明るい雪原に腰を下ろして大休止。なだらかなのでどこがピークということもないのだ。ここまですでに距離7㎞、標高差400m余りを登ってきた。
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 その先でぽつぽつと下山してくる人に出会う。みな単独で、スノーシューを装着している。13年前には貸し切りだったこのコースでもこんなに人に出会うようになった。あと、ごく小さなアップダウン、あるいは平らな面と緩やかな斜面とが交互に現れる階段状の尾根のせいか、時折落葉樹林の背景に真っ白な三ノ丸が現れる。姿を見せるたびに少しずつ大きくなっている。13年前には、三ノ丸に背を向けていたので気づかなかった。これは、坂の谷コースにはない楽しみだ。
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 落葉樹林がさらに疎らになり、とうとう大雪原に出た。青空と白い雪原の2色のみ。素晴らしい光景だ。そのなだらかな雪原をまっすぐに登る。
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 赤い屋根の避難小屋のほか、東屋に展望櫓と3つの建造物があるのだが、なかなかそれが見えてこない。かなりじらされた挙句に、鳥取県若桜町側の東屋が見えた。5、6人の登山パーティの姿も見える。みなスノーシューだ。そしてピークに近い赤い避難小屋と、ピークの展望櫓も見えている。背後には東山、三室山など鳥取兵庫岡山の三県の境目をなす山々が見える。東山の右肩からは伯耆大山がのぞくがかなり霞んでいる。
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 標高1464mの三ノ丸に到着。さらに北側に氷ノ山本峰も見えているが、今日はここ前。距離は10㎞に達している。一人の登山者が休んでいる展望櫓にお邪魔する。先客はかんじきだ。たどってきた県境尾根の向こうに、前出の東山と三室山の間には去年登った「くらます」。その山頂東側のオープンバーンを滑った思い出がよみがえる。それらの奥には、後山も。
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 また、北西方向には青ヶ丸と仏ノ尾を従えた扇ノ山がなだらかな山容を見せている。北東には、蘇武岳と妙見山の山脈。その向こうの丹後の山も、さらに遥かな加賀白山も霞に完全に隠されている。
 伯耆大山を写真に収めたいのだが、霞で姿が薄く、強い日差しの反射もあってモニター画面で確認できない。とにかく、半分あてずっぽうでシャッターを切りまくる。帰宅してからPCで確認したら、なんと大山は霞に飲まれ見えていなかった。白い峰々は手前の山だった。撮影時にモニターで大山の姿が確認できなかったのは、そもそも見えていなかったのだ。
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 さて待望の滑降開始。ヘルメットにカメラをつけて、滑りだす。しかし、強い日差しを浴びた雪面は緩んでなかなか滑らない。歩くように滑って、勾配が増したところでターン開始。気持ちよく数回ターンしたところで、突然ブレーキがかかり、何とか踏みとどまろうとするも最後はトップが雪面に刺さって前方に吹っ飛ぶ。幸い無事だったが、こんなクラッシュをすると、体や道具を痛めてしまいそうだ。下界では、最高気温が20度を超える、4月下旬並みの陽気。春の風を通り越して、初夏のような乾いた温風を感じる。時折ブレーキがかかる雪の怖気づいてそのあとはスピードを抑えた滑り。
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 樹林帯に入るが、相変わらず板は走らない。緩い尾根なので、直滑降だ。時折尾根が広く緩やかになっているので方向を見失いそうになるが、板が走らないとはいえスキーなので登りよりはスピードが格段に速い。すぐに登りのトレースを探し出せる。もちろん、GPSレシーバーで登りのトレースから大きく外れていないことも確認できるので、不安はない。
 自由自在に雪面にシュプールを描きたいところだが、トレースをたどるほうが板が走る。緩んだ雪面はダートで、踏み固められたトレースは舗装路といった感じだ。また、ごく小さいけれど登り返した平坦区間があるのも、あまりお勧めではない。
 1182P、1073Pを越えて、大きめの鞍部に到着。家の谷林道に降りようと思っていたポイントだ。鞍部の手前、つまり北側に家の谷林道に向けて小さな枝尾根が伸びているが、その尾根の前後のどちらかの谷を行くのがよさそう。鞍部側からトライしてみるが谷が級で杉林も濃くて難儀する。杉にあきらめて、少し主稜線を戻り、枝尾根の北側へ。こちらの方が緩やかで杉林の中の腐った雪でもなんとか滑り降りることができる。すぐに林道が見えてきた。そこに人影が見える。今日初めて出会うスキーヤーだ。こちらの存在に気付いたのかどうかわからないが、すぐ歩いて行った。そして入れ替わるように私が林道に降り立つ。
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 勾配が緩く板が走らない林道を歩くように滑っていくと、すぐに先ほどのスキーヤーに追いついた。ここで少し立ち話をする。彼の板は、滑走面にシールが固定された「スキーシュー」というもの。下りでもシールをはがせないので、緩やかなくだりでは歩くことになる。今日は三ノ丸まで上がり、早めに家の谷側に降りこの林道を歩いて下山しているとのこと。話を聞いているとこの山域にはかなり詳しいようだ。私は、ステップソールの板で、今日はシールを持ってきていないことを告げると少し驚いていた。
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 彼と別れて、先に行く。戸倉峠からは勾配が出てくるので少し板が走るようになる。でも、時折歩き滑りとなる。本来ならスピードを抑えるコントロールが必要な道なのに。
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 ヘアピンカーブを越えて、16時10分、国道29号線に到着。もしかすると、登りですれ違ったスノーシュー登山者に追いつけるかと思ったのだが、今日の雪質では無理だった。しかし、スノーシューの人には長い行程だったことだろう。ヘアピンカーブにはショートカットできないかを確かめるためだと思われる、道路脇へ寄る足跡が見られた。
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 国道脇の駐車場に戻ると、入山者と思しきクルマは激減していたが、代わりにスノーボード遊びの若者たちのクルマが増えていた。のり面にジャンプ台を作って金網を飛び越えている。スノーボードと書いたが、ビンディングはなく板に足を乗せているだけ。今シーズン、スキー場で1度見たことがあるが、ジャンプをすれば当然板と体は離れ離れになる。一回のジャンプを愉しむ道具のようだ。いろいろな遊びがあるものだ。(上の写真右側はGIFアニメーション。クリックしてね。)
 帰り道、ばんしゅう戸倉スノーパークのゲレンデから離れた駐車場で帰り支度をするスキー客が見られた。17時近くになっているので、すでにクルマはまばらだが、今日は盛況だったようだ。
 帰路では北近畿豊岡自動車道を利用したが、八鹿氷ノ山I.C.から南向きは渋滞していた。国道9号線から交差点も、八鹿市街に向かう直進車線は混雑。I.C.に入線する右折車線は空いていた。動かぬ車列が見えているので自動車道は敬遠されているようだ。こちらは、北の日高神鍋高原に向かうのですいすいと事が運んだ。本線も北向きは、クルマはそれなりに多いものの、スムーズに流れていた。
 今日は、滑降を楽しむことはできなかった。雪のせいもあったがそれを差し引いても、県境尾根コースよりも下り一辺倒の坂の谷コースの方が下りではいいようだ。その反面、時々三ノ丸の雪原を見ながらの登りは楽しかった。また、坂の谷コースの序盤の坂の谷林道はその名の通り、谷底を行く道で暗くて不気味だ。ということは、登りに県境尾根、下りに坂の谷という周回がいいのかもしれない。

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2018/03/04

月が替わって雪解けよ

 一つ前の記事から2週間、ずいぶん雪が解けた。特に、3月1日の雨で、一気に景色が変わった。
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 標高60m程の小さな峠へ登る道はまだ雪に覆われていた。除雪されない道、そして日陰だとなかなか解けない。ただし、峠はすぐ先のカーブの奥の切通。おそらく、雪に閉ざされた区間はほんの数百m。でも強行突破すると靴の中まで濡れるので、引き返す。この日の最高気温は15度を超えて雪はかなり緩んでいた。翌日はさらに上がって、20度を超える予報。さらに翌日は温かい雨。きっと来週には開通することだろう。

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