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2017/11/26

栗尾峠の展望と桂川の流れ

 今は京都市右京区の一部となった旧京北町の南部、桂川右岸の中地(ちゅうじ)のロードパークからスリックタイヤ装着のMTBで国道477号線を南下。桂川の支流、細野川に沿った道は細く、曲がりくねり、スギ林の中の薄暗い道。たまに通るクルマは、真昼間でもヘッドライトを付けている。つい先ほどここをクルマで走ってきたときに、対向車のヘッドライトが直接またはカーブミラー越しに見えたら離合するタイミングと場所を探る、というのがこの道のスムーズな通過の仕方であることを学習した。だから、明るいLEDヘッドライトと赤いテールランプを点滅させ、対向車および後続車に存在をアピールしながら走っている。
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 綾部から国道27号線で由良川をさかのぼり、JR山陰線胡麻駅付近でさりげなく中央分水界を越え、桂川流域へ。日吉ダムから桂川をさかのぼって中地へ到着するはずだったが、久しぶりにこのあたりに来たので道を間違え南丹市八木町神吉の集落まで来てしまい、細く暗い道をクルマで走ることになってしまった。おかげでコースの下見ができて、ヘッドライトを付けて安全に自転車で走ることができている。
 出発準備中にかすかな小雨がぱらついたが、林間では木々がさえぎってくれる。あるいはもう降っていないのか。丹後では朝、みぞれが降っていた。今も時雨ているんだろうなあ。
 南丹市八木町に入り、登り勾配が増す。左下を流れる細野川の谷は深まり、紅や黄色に色づいた木に目を奪われながらペダルを回す。
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 細野川の支流に出くわすが、橋はかかっておらず国道477号線はその支流に沿ってスギ林の斜面を登っていく。支流がほとんど水量のない沢になるころ対岸を上ってきた府道363号線が合わさる。神吉集落へ越える峠はすぐそこ。
 峠には向かわず、府道363号線を下り、細野川沿いに戻る。そして再び京都市右京区、旧京北町へ。国道よりやや道幅が広がった府道を行く。谷も少し開けて、少し高い位置の山肌に傾いた西日が当たり、紅葉が映える。
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 とうとう谷が開け、田んぼや集落にたどり着いた。まずは長野の集落。
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 再び谷あいの道となり、下集落でようやく閉塞的な区間を抜けた。立派な茅葺の民家が目立つ。
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 下の次は中そして上という名の集落が続く。どうやらそれらは小字のようで、大字は細野というらしい。少し街の雰囲気となり、瓦葺の木造民家が並ぶ。ほとんどの家に渡り廊下で母屋とつながった小さな別棟のような風呂場がついている。焚口は外についていて、母屋の軒下には薪が積んである。さすが、北山杉の本場である。
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 上集落の入り口で、左の分岐へ。「これより1.3km先、自転車、歩行者専用道路につき車両は通行できません」という案内板が立っている。「自転車も車両なんだけどなあ」と心の中でつっこみながら、その看板の横を過ぎる。この道は、国道162号線の旧道、栗尾峠を越える。
 栗尾峠はクルマで何度か越えたことがある。初めて越えたのは26年前の5月のことだった。日曜の遅い午後で、行楽帰りで京都市内へ向かうクルマで混雑、渋滞していた。峠付近には「栗尾峠の展望」と書かれた看板のようなものが立っていたが、クルマを止めてじっくり景色を眺められるような状況ではなかった。その後、渋滞するほどの混雑しているときには通っていないが、そこそこクルマが通り、安全に邪魔にならずにクルマを止める場所もなく、その展望を堪能することはできていなかった。状況が変わったのは、2013年12月。栗尾バイパス(京北トンネル)開通と同時に、栗尾峠が自転車・歩行者専用道路になった。これは朗報だ。でももう4年も前の話。10年以上遠ざかっていたので全然知らなかった。先日地図を見てたまたま気づいた。自転車・歩行者専用道路となったらならば、走らないわけにはいかないのである。
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 緩やかな登りを進むと車止めがあった。でも自動車が通れる隙間が開いていている。と思ったらその先にもう一つきっちりとした車止め。淀川河川敷の自転車道にあるような、乗車で通過できないタイトなゲートがある。自動二輪も通しませんよ、というやつだ。
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 車止めを越えるとすぐに峠に到着。大きな谷が開け、そして大展望。峠付近の植林が伐採され目隠しが何もない。路肩に立つポールに「右京区京北周山」という看板がついているが、何か物足りない。おそらくそのポールのてっぺんには国道162号線を示す、丸みを帯びた逆三角形の標識、通称「おにぎり」がついていたのだろう。
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 峠を少し下ると、遥か下方に桂川の蛇行や京北の中心街、周山が見えてきた。あそこまで下るのだ。
 そしてあったあった。「栗尾峠の展望」と書かれた標柱。「京北十景、北桑十景」とも書かれていた。26年。積年の思いが晴れた。
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夕焼けが赤い。さあ、周山へ下ろう。かつてのセンターラインは消され、新たに6対4くらいに道を分ける白線が引かれている。自転車と歩行者の区分を分けているのだ。都市部の車歩道の感覚をこの峠道に当てはめているのだろうか。
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 トンネルが口を開ける山肌を急降下し、栗尾バイパスに合流。トンネルから吐き出されたクルマが間断なく通るが、ほんの少しの辛抱。周山の街の入り口で桂川を渡る。後は桂川本流を左に見ながら走るクルマの少ない静かな道だ。魚ヶ渕辺りの桂川は青く澄んでいる。河川敷にはイベント用のテント畳んで置かれている。夏には水泳場になりそうな雰囲気だ。
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 柏原で国道477号線と合流。道が広くなり、桂川の谷も広がる。日没をとうに過ぎ、暗くなってきた。中地までもうすぐ。
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 今回は、反時計回りの周回。過去に何度もトイレを利用していた中地のロードパークがクルマのデポ地としては最適。閉塞的な区間を先に済ませてしまおうということで、この向きの周回としたのだが、大正解だった。前半の細野川も後半の桂川も道の左側となり、川を見ながら走れた。何より、栗尾峠も今回の南から北へ越えるのがよい。峠で一気に展望が開ける感動パターンだった。
 丹後に帰ればやはり時雨模様。

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コメント

 栗尾峠がそんな風になっていたとは知りませんでした。利用者はどのくらいいるのだろうか?少ないだろうなあ。
 子供の頃に栗尾峠で周山方向に雲海を見たことがあるので、多くの人には見て欲しい気はあります。だから早朝限定です。

投稿: すう | 2017/12/02 09:30

 お近くにお住いのすうさんもご存じありませんでしたか。自転車で走る時にはクルマが嫌いな当方にとって天国のような栗尾峠ですが、あまり走られた記録は見当たりませんね。今回の周回全体を見ても、国道477、162号線の区間以外ではほとんどクルマに出会いませんでした。素晴らしい。

投稿: はいかい | 2017/12/05 23:51

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