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2017/11/19

東信濃遠征「パスハンティングの秋、ランドナーの秋」(8・終:振り返り・data)

■旅の振り返り
 まずは、春日渓谷の林道鹿曲線について。ネット検索してみると、佐久市の公式サイトに通行止めの知らせがあった。--------(引用始)---------
林道鹿曲川線通行止のご案内
更新日:2015年2月2日
林道鹿曲川線は、法面の崩落や落石等のため、通行止といたします。
通行止の区間については位置図をご覧ください。
通行止期間
平成21年10月19日(月曜)~
なお、大河原峠へは林道唐沢線及び、大河原線(蓼科スカイライン)をご利用ください。
--------(引用終)---------
 また、画像を貼り付けただけのページが引っかかった。
2008_0922_n01
2008_0922_n02


 サーバのURLから春日温泉の国民宿舎「もちづき荘」のものだ。同じく鹿曲線の通行止めを知らせるものだが、日付の記載がない。ただし、ファイル名「2008_0922.html」から判断して、2008年9月のものだろう。両者の間に1年余のタイムラグがあるし、小諸ユースホステルできいた話とも数年の食い違いがある。
 が、だんだん様子がわかってきたような気がする。要するに、何度も何度も通行止めとなっていたのだろう。損傷と復旧のいたちごっこの末、2009年秋の被害による通行止めが解除されていない、ということではなかろうか。
 ところで、少し前の地図を見ると、林道鹿曲線は「鹿曲有料道路」と記されている。例えば、昭文社ツーリングマップル中部の1999年版など。なんと、有料道路でしかも夏場には路線バスも運行されていたというのだ。
 考えてみれば、20年くらい前にはビーナスラインや志賀草津道路など有料道路がたくさんあった。そして有料の林道もあった。ちなみに大河原峠から女神湖への道(現在の蓼科スカイラインの一部)も、上記地図には「夢ノ平林道林道」とされる有料林道だし、志賀高原の焼額山あたりの奥志賀林道も有料だった。道路法規上、設置基準が緩く、ようするに手軽に有料道路をつくりやすい、ということのようだ。
 また、私が下りに利用した「林道唐沢線(というそうだ)」や臼田からの道が、大河原峠や別荘地「仙境都市」と接続し(蓼科スカイライン)、鹿曲線の需要が減ったことも、鹿曲線の無料化、荒廃とそれぞれ相関がありそうだ。
 そして、情報源は後述するが、「望月町が佐久市と合併してから道が荒れていった」と感じている住民もいるとのこと。ちなみに合併は2005年。損傷と復旧を繰り返している時期ということでつじつまが合う。ただし、合併との因果関係は不明。沢の多い厳しい環境に簡素な道路を作ったため、早くも寿命が来てしまったということも考えられる。
 さて、今度は林道鹿曲線の通行記録について。普通の道としての通行記録は、2008年以前のもの。
 お目当ての通行止めの道を自己責任で挑んだ記録もいくつか見つかった。当然、四輪車では無理。自動二輪では、複数なら力を合わせて倒木を乗り越えることもできるが、それもまだ被害が少ないうちのこと(2012年11月3日)。
 やはり、こういう道では担ぎの使える自転車が強い、ということになる。というわけで、自転車での記録は2014年8月5日のもの2015年4月25日のものの2件が見つかった。
 前者は、途中で撤退。仙境都市まで2kmの地点で諦めていた。そこに到達している時点で、かなり粘り強い人だろう。おしいなぁ。地元のサイクリストで仙境都市が廃墟のようになっていることを知っていたせいか、その先の道路状況も不安になったようだ。その人はロードレーサー乗り。荒れた区間は押しまたは担ぎなので、自転車よりも靴の歩きにくさに苦心したとのこと。ただしそれは撤退して下る道でも同様のこと。でも、あと少し我慢して進んでいれば、その後ずっと乗車で行けたのに。
 その点私は、同じような地点で心が折れそうになったが、仙境都市まで行けば大河原峠まで乗車できる可能性が高い、と読んだ。仙境都市の事情をよく知らなかったということもあるが、そこまで行けば尾根筋に出るため土石流や土砂崩れのリスクは少ない。それに、他からの道も通じているのである。つまり路線が変わるのだ。言い換えれば、他の路線があるから鹿曲線が見捨てられている、と考えた。路線変われば状況変わる。行くか戻るかの決断は、それを見極めてからでも遅くない、という判断だ。おかげで大河原峠の大展望や蓼科スカイラインや唐沢線の快適なダウンヒルを楽しむことができた(自画自賛ですよ)。
 撤退の判断は自分自身の気力体力と相談して決めること。他人がとやかく言うことではない。ちなみに「佐久市との合併以降~」の情報は、この記録の中に書かれていた渓流釣りの人からの聞き取り。
 そして、後者、自転車で通り抜けた記録の主は、「廃道を行く」シリーズなどの著者。Webサイト名と同じ「山さいがねが」という著書もある。つまりは専門家、そしてそうした記録を本にして稼ぎを得ている(黒字かどうかは不明だが)プロフェッショナル。廃道に近い通行止めと分かった上で探索に乗り込み、鹿曲線の上部や大河原峠は残雪を乗り越えての踏破の記録である。さらに、鹿曲線および仙境都市の開発、荒廃などの調査、分析も読み応えがある。
 「山さいがねが」の記録によると、私が心が折れそうになった仙境都市の手前2km付近の道路横切る沢は、「洗越し」と呼ばれるものだった。橋をかけずに、路面に水を流すものである。林道ではごくたまに見かけるし、例えば福島県の奥只見湖付近の国道352号線でも出会ったことがある。「山さいがねが」の主は乗車で足を濡らさずに超えたとのこと。その2年半後、流木や落石などの障害物が散乱し乗車で超えることはできず、他の方法を考える必要があった。
P1010721R352okutadami

 ちなみに、上の写真左が兵庫県の播磨地方(姫路の近く)、新宮町の「善定二柏野林道」。土管を埋めてあり普段はそれで排水しているが、増水時は洗越しとなるもの。右は、福島県奥只見湖畔の国道352号線。何か所もあった。私が、(クルマで)通ったのは2002年のことで、写真が見つからずGoogleストリートビューから。
 大河原峠は結果オーライだったが、翌々日の信州峠・木賊峠は事前準備万端。いずれのコースも予定通りの行程を予定通りかそれ以上の満足度でこなすことができた。天気については、チャンスを待ったかいがあったというもの。浅麓堂が留守だったのは残念だが、旅の目的の中では優先順位の低いもの。それに浅麓堂で時間を過ごしていたら、女神湖への到着が遅れ、雨が降り出しスズラン峠への自転車散歩を断念することになっただろう。どちらかの二者択一だったということだ。

■データ編
◎自転車走行
 1日目 大河原峠     36.5km
 2日目 スズラン峠    13.4km
 3日目 信州峠・木賊峠  67.9km
  計          117.8km
◎自動車走行
 全行程         1213 km
◎費用
 高速道路通行料      8440円
 ガソリン代        6546円
 鉄道運賃         1140円
 宿泊料          6764円
 飲食費          8058円
 土産代          990円
  計          31938円

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コメント

 なかなか深い分析力です。有料林道がたくさんあったなんて知りませんでした。林道の開通費用を捻出するべく有料にしたのでしょうか?何かがうまくいかなかったんでしょうね。
 林道を横切る沢水には山スキーで苦しめられました。林道に雪があってもそこに来ると雪がなくなってスキーを外さなくてはいけない。ときには、沢水まで1m以上も降りてまた上がる、という面倒なことを強いられます。いらんところで、時間と体力を使います。

投稿: すう | 2017/11/26 07:57

 地図が好きで、よくロードマップも眺めていたのでもう30年くらい前から疑問を持っていました。林道で有料道路ってどういうことだろう、と。
 まあ今回の旅と、その後の「山さいがねが」により、考えるきっかけを与えられました。経済成長で生活にゆとりができ、国や自治体の観光振興、マイカーブームの追い風、その後バブル崩壊と同時期の衰退。なんとなく、スキー場とも重なり合いますね。
 ビーナスラインも有料道路でしたがその沿線にも本当に有料道路が多かったですね。美ヶ原と松本の間に、よもぎこば林道と美ヶ原林道と有料林道、そして無料の県道が並行。有料林道の通行料金は安かったですが、大学の時の自転車ツーリングでにビーナスラインから松本に降りるときには、当然無料の県道を選びました。ランドナーの当時の弱いブレーキでは大変な下りでした。下るにつれて気温が上がることを初めて体感しました。
 奇しくもつい先日、新田次郎の「鷲ヶ峰物語」という小説を読みました。鷲ヶ峰は霧ケ峰・車山高原の北端にある山。ビーナスライン開通という大きな観光開発に疑問を投げかけるようなあとがきがついていました。

投稿: はいかい | 2017/11/26 11:32

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