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2017/11/12

東信濃遠征「パスハンティングの秋、ランドナーの秋」2017(2:春日渓谷・大河原峠)

■春日渓谷廃道アドベンチャーからの大河原峠
 本日の自転車での周回の起点と予定している春日温泉を目指す。長門牧場からは東に向かうわけだが、蓼科山のなだらかで広大な北斜面に南北に延びる谷に沿って細い道が並行している。別荘地の中は迷路のようであり、またゴルフ場に遮られ、東西への移動はなかなか難しい。距離にして200m小さな尾根の向こう側に目指す道があるのに、レーンチェンジができない。なんとか春日温泉へとつながる道にたどり着いたが、なんと春日温泉手前の望月高原牧場の下で通行止め。この道は本日自転車で走る予定のコース。う回路を探す。向反まで下ることとなり、ゴール直前でこれは嫌なアップダウン。
 春日温泉は山間の傾斜地の温泉街。こちらから先ほどの道へと行ってみるが、やはり通行止め。自転車ならいけるかもしれないが、下りで一か八かの突破を試みた場合、ダメなら登り返しで引き返さないといけない。やはり確実に迂回したほうがいいだろう。
 駐車スペースを探しながら登りルートの春日渓谷へ向かってみる。湯沢上のバス停の少し上に分岐がある。たどってみると、別荘地(学者村というらしい)を通りぬけ、やがてダートとなり望月高原牧場へと出た。あの通行止め区間のう回路として使えそうだ。標高差100m程の登りがあるが、代わりに、周回の起点を100m程高い一に設定しなおすことができるので差し引きゼロ。ただしゴール手前で登り返しとなるが、望月高原牧場は、開放的な景色が広がり気持ちよく走れそうだ。しかも、下り方向の左手にははるかに白い山並みが見える。北アルプスだろうか(帰宅後確認すれば、北アルプスの北部だった)。
 再び向反を経由して春日温泉に戻る。温泉街を抜けて上湯沢へ。終点のバス停のわきに広場はおそらくバスの転回のためものだろうからクルマを止めるわけにはいかない。少し下の鹿曲川(かくまがわ)側に広場があるので、そこに駐車。ランドナーを下す。
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 9:30スタート。すぐに学者村別荘地との分岐。今度は、左の鹿曲川沿いをとる。がこちらにも全面通行止めの看板が立っているではないか。さっきクルマで来た時には右に分岐する方ばかり気にしていて気づかなかった。もうこれは強行突破しよう。登りで行き詰ったとしても、引き返すのは下りだ。
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 沢沿いの林間を行く。快晴の空から降り注ぐ木漏れ日が心地いい。何より、赤や黄色に染まった林が錦絵のようだ。しばらくすると、閉じられたゲートがあった。脇には隙間があり、人が通った後もあるので、深く気にせず脇を通り抜ける。
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 進んでいくと道路が一面落ち葉に覆われた区間が現れる。まさに、落葉の絨毯だ。しかし、あまりにも柔らかく不安定な感触。落ち葉の下に土が堆積しているようだ。道路の山側から支流の沢が流れてきているので、どうやらその沢からの土砂が積もっているようだ。それを越えてもそういう区間がたびたび現れる。しかも、小石が混じり乗車できないことも出てきた。さらに上ると厚みが15~20cm程も土砂が積もっている箇所が出現。そこに草がぼうぼうに生えている。これはこの秋の台風に被害というわけではなさそうだ。その先では支流の沢という沢ごとに土石流の痕跡に出会うようになった。中には、堆積した土石流の中が水の流れで削られ一筋路面が現れているところもある。まるで、堆積と浸食を繰り返して地形が形成されているようだ。さらに、道路の真ん中に直径1.5m、深さ50㎝程の丸い落とし穴が開いていたり、路面が波打っていたり、帯状に路面が陥没しアスファルトのV字渓谷ができていたり、路肩が崩れていたり、と様々な形で道路が傷んでいる。また、倒木や巨大な落石が道に落ちているなど、とにかくありとあらゆる道の荒れだ。排水溝がふさがっているところでは路面に水が流れている。土砂崩れで道がふさがっているところは、担ぎで越える。なんとなく、登っていくにつれて道路の損傷がひどくなっているような気がする。この先どこまで進んでいけるのだろうかと少しずつ不安になってくる。
 気温は低く、路面を流れる水がなぜか白くなっていると思ったら、凍結していた。滑らないように自転車を降り氷を避けて歩く。
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 そしてとうとう難所が現れた。沢の水が路面横切って、鹿曲川に注いでいるのだが、今までよりもはるかに水量が多い。まともに歩けば足を濡らすことになってしまう。どこかまたいで越えられるところはないか。山側の道路わきは完全に沢になっているが、途中までは飛び石が顔を出している。足元にある大き目の石を投げ入れて飛び石を延長しようと試みるが、なかなか難しい。水量が多いので持ち上げられる大きさの石一個では水面に届かない。何個か投げ入れてみるが、堰のようになり結局水はオーバーフローしてしまう。だめだ。やはり撤退か。
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 ところで、ここまで「佐久仙境都市まで○km」という看板が1kmごとに設置されていた。おそらく別荘地のようなものだろう。「あと2km」の看板を過ぎてある程度進んでいる。おそらく人の営みがあるところまでたどり着けば道は整備されているだろう。あと1km余り。あきらめずに行ってみよう。
 谷川の路肩を支えるコンクリート壁に照準を定める。土が流れているので平均台よりは幅が広いコンクリートの塀の上を行く。その塀も向こう側までつながっているわけではないが、どうにか水をまたいで越えることができそうだ。自転車を持ち上げて塀の上を歩く。左側は、鹿曲川の谷で、落ちればただでは済まない。慎重にどうにか超えることができた。足も濡れていない。
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 しかし、その先も難路は続く。土砂崩れでふさがっていることは、自転車を担いで乗り越えることはできるが、当然乗車より時間がかかるし、体力も消耗する。
 そんな箇所が頻繁に表れる。心が折れそうだ。疲れて集中力が落ちたのか、何でもないところで足を濡らしてしまった。路面を流れる水の浅い部分を選べばぬれずに済んだのに。ちなみに足回りはビンディングサンダル。一瞬で足の裏全体が濡れてしまった。ただ幸いなことに、登りで体温が上がっているせいか、あまり冷たく感じない。
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 「佐久仙境都市まで1km」の看板を過ぎてしばらく行くと、落石の中にゲートに到着。全面通行止め区間を脱出だ。林間から笹野原に代わり、開放的な雰囲気になる。別荘なのか建物が現れるが、人が住んでいる気配は薄い。「仙境都市」といっても半分廃墟のようだ。
 太ももがつり始めた。峠が近づき気持ちに余裕が出てきたのでここで大休止。持ってきたパンを食べる。
 大河原峠までは間違いなくたどり着けるだろう。問題は下りルートだ。鹿曲川沿い(春日渓谷)のように道が傷んでいないかどうか確認していない。やはり、苦労はしたが通り抜けてきた道を引き返すべきだろうか。一番の難所は、足を濡らしても転落の危険のない安全なところを通過したほうがよさそうだ。あとは下るだけだから足を濡らしても大丈夫だろう。それにサンダルなのだから、靴下だけ脱げばいいのだ。素足とサンダルなら濡れてもすぐに乾く。そのあとまた靴下を履けばいい。
 大河原峠までは、残り標高差300mあまり。今日は快晴、大展望が期待できる。
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 久しぶりにクルマに出会うが、これは道が通じている証拠。ふと見ると路肩に人間の頭部よりも大きな白い落石が転がっている。と思ったら、雪の塊だった。路肩の草の上にもちょっとだけ残雪。この辺りでは、既に木々は落葉していて、より展望がいい。足がつり始めたら小休止、これを2,3度繰り返す。
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 三角形の山小屋が見えてきた。北八ヶ岳の登山口の一つ、大河原峠に到着。登山客のクルマが結構止まっている。駐車率7割くらいか。とりあえず広がる大展望が迎えてくれた。見えているのは北アルプスかと思ったが、後で確認したら妙高連山など。
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 ひとしきり展望を楽しんだが、気になるのは下りのルート。登ってきたのと反対側には展望の良さそうな道が伸びている。女神湖に至る蓼科スカイラインだ。問題はその途中から分岐し望月高原牧場へと下る道。三角屋根の大河原ヒュッテで聞いてみよう。留守かと思ったらクルマが止まり、スタッフと思しき二人組が荷卸を始めた。仕事が落ち着くのを待って道路の様子を聞いてみるが、「最近はそちらに行っていないからわからない」とのこと。うーん。
 しかし、もうあのスカイラインを目にしたら気持ちが抑えられない。一か八か行ってみよう。もしダメなら女神湖を経由して、長門牧場方面へ下るしかない。そのあと春日温泉までの登り返しは時間的、体力的無理かもしれない。でもバス(最終バスは終わっている?)、あるいはタクシー(高いよ)、まあその時に考えよう。ちなみに望月高原牧場側から大河原峠への分岐には通行止めの表示はなかった。先ほどの大河原ヒュッテのスタッフの言葉も、いいようにとらえれば、通行止めとは聞いていない、ということだ。
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 さあ、合羽の上着を着て、指切りグローブからフリースの手袋に交換し、大展望の中を下る。素晴らしい。峠の観光案内板に載っていたトキン岩は登れば展望台になっている。が、立ち寄る心の余裕がなく、通過。山側の法面にしみ出した水が凍っている。
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 いよいよ運命の分岐に到着。通行止めとはなっていない。かなりの安心感が漂うが、まだ完全ではない。行程は長いのだ。道はヘアピンカーブとなり尾根から谷へと下る。ぐんぐん下る。
 浅田切と望月高原牧場の分岐まで降りてきた。通行止めとは出ていない。もう大丈夫だ。望月高原牧場へは、ほんの少し登り返しがあるが、西日を浴びて鮮やかさを極める林をのんびりと登る。
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 そしてついに朝クルマで下見した望月高原牧場へ。牛や馬がいるわけではなく、なだらかな草原が広がっているだけだが、開放感が素晴らしい。朝よりぼやけたようだが、白い北アルプスの峰々も見られる。
 さあ、100mの登り返し。標高差1000m、50分の下りで脚の筋肉は回復。もうつらない。この先道がつながっている安心感。そして最後の最後の登りであることもわかっている。不安も焦りもない。
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 道がダートに変われば登りはほぼ終わり。林間へと入る。
 林の中から叫び声が聞こえる。猿だ。数匹がひとしきり騒いだあとどこか姿を消した。入れ替わるように今度は甲高い声。鹿だ。
 下りはじめた道は、やがて舗装路に変わり別荘地へ。学者村別荘地というらしい。道は急な下りとなり、野球のグラウンドを過ぎたら、鹿曲川沿いの道に合流。周回完了だ。
 クルマにランドナーを積み込んでいたら一台のクルマが止まり助手席の窓があいた。乗っていたのは高齢の夫婦。自転車でどこまで行っていたか聞かれ、大河原峠と答えるとたいそう驚かれる。彼らは、住まいは東京でこの上(つまり学者村だろう)に別荘を持っているとのこと。東京からここまで2時間半くらいだそうだ。

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コメント

 なかなかのアドベンチャーですね。国土地理院の地図で確認したら、今でも道があります。でも10年以上通れないなら削除したらいいのに。
 そのてっぺんの大河原峠はブルベSR600日本アルプスのコース。2回目のチャレンジでようやく通過はしたものの夜の11時ころで夜間訓練の修行みたいなものでした。やっぱり昼間が楽しそうです。夜だと下りをダイナミックに飛ばせませんから時間短縮もできません。昼間がいいですね。

投稿: すう | 2017/11/18 11:48

 はい、国土地理院の地図(地理院地図のサイト)にも、Googleマップにも、ルートラボにも記載されている道です。ルートラボで作成したGPXファイルをGPSレシーバーに保存して挑みました。
 ただし、Googleストリートビューでは見ることができません。気づくとしたらここですかね。
 いつから通行止めだったかについては、事後調査及び考察の記事を追加しています。

投稿: はいかい | 2017/11/19 23:01

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