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2017/10/03

丹波の小さな分水嶺を越える(穴裏峠・榎峠)

 懐かしのコース再訪シリーズ。今回は1999年以来18年ぶり。福知山市街の西側、和久川に沿った国道429号線などで、兵庫県の丹波市青垣町へ行って戻ってくる周回コース。
 国道9号線の新庄交差点から、国道429号線へと分岐すると、ちょっと雰囲気が変わる。はじめは狭い道の両側に家が立ち並び、クルマの通行も多くて狭苦しい雰囲気だが、そのうち田園の中の開放的な風景となる。4kmほどで、国道429号線と府道109号線との分岐のある口榎原へ。このあたりにクルマを止めたいのだが、なかなか適した場所がない。田舎なのでどこにでも止められそうなのだが、民家のそばに止めるわけにはいかず、農道をふさぐわけにもいかず、店や施設の駐車場に勝手に止めるわけにもいかず、決断がつかない。18年前は、額塚集落の対岸の武神社にとめたのだが、周回からずいぶん外れているのであまりよくない。結局、談の集落を過ぎ、山間部へと入りかけた国道429号線の路肩に広めのスペースを見つけて駐車。自転車を下す。前後の車輪と泥除けをつけて出発準備。
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 まずはクルマで来た道を引き返す形で談へ。そして、下り基調で口榎原へ。川沿いに大きな木が立っている。その川の流れは、なぜか白く濁っている。これから向かう奥榎原方面からの支流榎原川の水が濁っているのだ。
 集落を抜け、信号のある交差点から府道109号線を南下。すぐに登りとなり口榎原を緩やかに見下ろす高台を通る。どうやらこれはバイパスで、もし次があるならば口榎原の集落の中を榎原川沿いに通ることにしよう。
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 口榎原を過ぎると、榎原川の谷が狭まってくる。そして、少し開けたら奥榎原集落。川の中で重機が動いている。これが水の濁りの原因だった。先の、台風18号の復旧作業かと思ったが、それ以前から行われている護岸工事のようだ。考えてみれば、台風からまだ半月も経っていない。応急処置はすぐに行われるが、本格的な復旧工事が行われるのは数か月後であるのが田舎の現実だ。2004年10月の台風23号では、榎原でも浸水被害が出たと聞いている。つまりこの榎原川が溢れたのだろう。台風被害を受けての護岸工事が12年経ってまだ完了していないということなのか、台風被害とは関係なく工事が行われているのかは定かではない。福知山の中心街が水に浸かる被害が出た由良川本流の堤防の工事でさえ、完了しないまま9年後の2013年の台風18号により再び大被害を受けている。この山間の榎原川は、順序が後回しになり今に至る、ということもあり得る話だ。
 すでに護岸が完成している区間もある。のっぺりしたコンクリートでなく、石垣風にデザインされてはいるが、それでもやはり自然の川とは異なり味気ない。もちろん、通りすがりの他人が住民の安全に口を出すわけにはいかない。
 集落を抜け、田園も見られなくなり、榎原川から離れ、山間部へと入っていく。センターラインがなくなり、勾配もまし、峠越えの雰囲気が高まってきた。ただしこの道は、それなりにクルマの通行がある。多い、というほどではないが、それなりに。左カーブに差し掛かったところで、クルマが追い越しをかけてきた。そこへ対向車。しかも、カーブを内回りしてくる。あわや正面衝突だ。特に西日本に多い、先の見通すことがのできない下手なドライバーの典型だ。18年前は、峠の手前で道路が崩落していて通行止。自転車なら通れる、と強行突破を試みたのだが、道路が完全に崩れ落ち、山側の側溝の、普段は土の中にあるはずの裏側が露出している状態。気に掴まりながら法面に足をかけ、宙ぶらりんの側溝を軌道の様にして自転車を引きずってクリアした。18年前のツーリングレポートを見れば、夏に何度か豪雨に襲われて、あちこち被害があったとのこと。その日は、通行止の開始つまり崩落から1週間あまりしか経過していなかったので、工事は始まっていなかった。麓の通行止の案内では諦めきれず、バリケードの手前までやってきてUターンしていくクルマは何台書いたものの、普段より交通量が少なかったことは間違いない。
 そのバリケードがあった豊富用水池入り口を通過。18年前の記録には「ロックフィルダム」とあるが、今回は確認に行かなかった。
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 もくもくと登り、用水池を見下ろすようになる。カーブが連続する、そこそこの急勾配だ。夏の間、平坦なルートしか走っていなかったので超低速ギアを使って切り抜ける。
 カシミール3Dの地名データベースによれば、穴裏峠の標高は333mとなっている。まだ100m登らねばならならいはずなのに、そんなに登ったら稜線に届いてしまいそう。トンネルで越えるはずなのに。
 カーブを越えるとトンネルがぽっかり口を開けていた。地名データベースの標高値は、トンネルではなく旧峠、つまり稜線の標高を示していたようだ。ちなみに、GPSレシーバやカシミール3Dを使い始めたのは16年前の2001年なので、18年前の走行ログはない。
 ちなみに、トンネルの表札には「穴の浦隧道」と記されている。国土地理院などの地図には「穴裏峠」で漢字が異なっている。いずれの漢字でも読みは「あなのうら」とのこと。
 耳を澄ませトンネル突入のタイミングをはかる。峠道は谷の中の九十九折れなので、エンジン音が聞こえてからでもクルマがトンネルに到達するまでまでは結構な道のりなのだ。
 クルマのエンジン音が聞こえないので突入。トンネルの長さは200m程。一気に駆け抜ける。
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 トンネルを抜けると、兵庫県丹波市。旧青垣町。この峠は、府県境であり、由良川水系から加古川水系へと分かれる中央分水界である。と言ってもすべては旧丹波の国の中のお話。また、丹波市の中でも、青垣町の東に位置する市島町は由良川水系である。日本列島の背骨といえる中央分水界を大胆にまたいだ自治体が存在するのは、今も昔もこの丹波地区くらいのものである。
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 青垣町の平野部へと向けて下る。いくつものカーブを経て、芦田川の流れる谷底へと下り、東芦田へ到達する。コスモスなどの秋の花の咲く、中山間地の集落だ。ヒガンバナはすでに残り花の状態。日本の脊梁にしては低いとはいえ、標高は100m余りで日本海沿いの丹後よりは冷え込みが強く、秋の花も早い。
 広々とした田園が広がる青垣町の中心の盆地へ。青空も広がり、開放的な風景だ。芦田川は加古川へと合流した。幹線の県道7号線を避け、農道を行く。十分な幅があり、まっすぐな走りやすい道のためたまにクルマが通るが、稲刈りを終えた田んぼに囲まれた静かな道である。
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 田園地帯から加古川沿いを走るようになる。道なりに行くとやがて県道7号線へと合流してしまうので、その手前で軌道修正。舞鶴自動車道の下をくぐり、加古川の支流、遠坂川沿いの道を行く。土手にはヒガンバナが群生し、川の中にサギが佇む。午後も遅くなり、日が傾いてきた。夕暮れまではまだ時間があるが、秋の日は低い。
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 国道427号線と分かれ、単独区間となったばかりの国道429号線に突き当たった。これを右折し、榎峠を目指す。左前方にはパラグライダーの練習用斜面が見える。振り返れば岩屋山。アンテナを頂く車道が通じた山で、標高700mからパラグライダーがテイクオフする。
 しばらくはセンターラインのある普通の田舎道だが、平野集落(中佐治の小字)にかかると国道429号線はその本性を見せる。左に分岐する道に対して「←福知山」と大きな案内板に記してあるが、集落の中心に直進する道と比べて信じられないほど細い。いわゆる狭隘道路の酷道なのだ。いきなり集落の中のヘアピンカーブ。離合困難、大型車通行不能。
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 小さな集落を抜けると、薄暗い杉の植林の中へ。道は曲がりくねる。クルマは皆無と言っていい。実際、福知山側の集落手前で一台であっただけだった。ただし、近くを舞鶴自動車道が通っているので、音だけは聞こえる。「声はすれども姿は見えず」というやつだ。展望こそないが、勾配も適度で、のんびりと走れるいい峠だ。
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 標高290mほどにある切通しが榎峠。こちらも不県境で中央分水界。
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 さあ京都府側の下りだ。傾斜地にある法用集落を抜けると、駐車ポイントはもうすぐ。
2017年9月下旬、14:40~16:55、約28km

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