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2017/05/24

森の京都丹波「峠と河岸段丘を行く」

 昨年(2016年)の晩秋、京都市内の「アイズバイシクル」主催のツーリングに参加した時に走った奥山峠。旧和知町(京丹波町)と旧三和町(福知山市)を結ぶものだが、比較的新しく開通(1997年発行のロードマップには掲載されていない)したもので、その存在を知らなかった。その峠を、今度は単独でじっくり味わってみたい。アイズのツーリングは輪行を含んだ企画だったが、今度は周回コースとしたい。やはり、昨年の晩秋に走った長宮峠を組み合わせることにした。綾部市の郊外を基点とし反時計回りに回れば、奥山峠も長宮峠もかつて越えたときと逆方向で走ることができる。
 綾部市外から少し由良川を遡り、左岸(JR山陰本線のある南岸)の河岸段丘の府道450号線の、路肩の広場にクルマを止めて自転車を組む。
 まずは、綾部市街に向かって西に進む。交通量の多い国道27号線は対岸。こちらはクルマが少ないのどかな道だ。列車の中から何度も見た景色だが、こうやって自転車で走るのは初めて。
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 国道173号線の新綾部大橋をくぐると、住宅街に入る。正暦寺という立派な構えのお寺があり、それが寺町という集落名の由来だろうか。
 川の畔の集落の狭い道から、クルマの通れない細い踏切を越える。長宮峠のある西に向かうのだが、突如、目前に恐るべき急勾配の登り坂が立ちはだかる。ヘアピンに近い急カーブを曲がった先にあるので、まさに突如現る、という表現が当てはまる。ほんの30~40m程だが、いきなりその見た目で心を折られる急勾配。20パーセントを越えていることは間違いない。つい先日の、三田の黒川渓谷や今日この後挑む長宮峠にも急勾配の区間があるが、それは20パーセント未満。明らかに格が違う。小樽の励ましの坂、天橋立の成相寺へのアプローチ、朝来市の多々良ダムから青倉神社へ道、などに匹敵する勾配だ。あいにく今日はロー32Tの激坂用スプロケットを装着していない。前述の立地条件から、助走をつけることもできない。あっさり観念し、押して登る。
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 その坂のすぐ脇、ヘアピンカーブに囲まれた土地には民家があり、その住人が外で作業をしていたので写真を撮るのははばかられた。変わりに、Googleストリートビューの画像を掲載する。ほんの30~40mで2階建ての家の屋根の上の高さ(10mくらいか)まで登るのだから、やはり20パーセントを越えていることは間違いない。
 その坂を登ったところが、桜ヶ丘公園。住宅街の入り組んだ細い道を、GPSレシーバーを頼りに長宮峠の麓の田野町へ向かう。峠に向け南に進路をとると、のどかな田園風景となる。しかし、暑い。まだ5月というのに真夏日が続いている。
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 集落を抜け山間部へと入って行く。道は細く急な登りとなって行く。林間のため日差しがさえぎられるのがありがたい。ウグイスの声とセミの声が聞こえる。大型連休明けの5月8日に今年初めてセミの声を聞いた。この時期はまだ成虫は少ないようで、大合唱ならぬ独唱。だから、数十秒鳴いた後に数分のインターバルを経て再び鳴く、というパターン。この時期、成虫の個体が少ないということは、異性に巡り会い生殖する機会も少ないのだろう。
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 さあ、いよいよ長宮峠の核心、急勾配の区間へ。やはり15パーセントは越えているようで、つい先日の三田の黒川渓谷の勾配を上回っているかもしれない。でも、先程の寺町の住宅街の坂の比ではない。何度も休んだが、28Tのローギアで十分ペダルを回すことができる。この辺りの峠の名物「路面に生えたコケ」は、ここ数日の乾燥した晴天のせいで勢いを失っている。あまり存在感がない感じだ。
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 急坂にあえぎながらも長宮峠に到着。標高297m。スタートから250m程しか登っていないが、それ以上にきつく感じる。峠は、北側の綾部側に少し展望が開ける。一番奥にうっすら見える山は、大江山連峰だろうか、それとも由良ヶ岳だろうか。帰宅後確認したら由良ヶ岳だった。
 福知山市三和町に向けて一気に下る。今日は、長宮峠区間で3台ものクルマに出会った。いずれも軽トラックだった。過去2回ここを走っているが、クルマに出会った記憶はない。一応長宮峠も府道709号線だ。
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 標高115mまで降りてきた。上川合で府道59号線へ突き当たり、左折。こちらは、たまにクルマが通る。日差しがきつい。
 少し国道173号線を走らねばならない。クルマ、それも大型車が通る。大原で再び府道59号線。大原神社を過ぎ、奥山峠への登りが始まる。
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 いくつかの小さな集落を越えていく。標高390mと長宮峠よりも高いが、上り出しの標高も高いし、勾配は長宮峠ほどではない。この奥山峠再訪がメインテーマだったが、走ってみての印象は長宮峠のほうが強い。
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 その奥山峠は、由良川の雲海が見物だが、この時期のしかもこんな真昼間に雲海が見えるはずもない。
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 さあ、和知に向けて下ろう。和知側の方が急勾配の区間がある。
 京都縦貫道の高架が見えたら、由良川が近い。そして左岸の河岸段丘を行く。由良川の流れに沿って緩やかな下り基調のアップダウンだ。コースの終盤はこういう道がいい。
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 立木駅、山家駅を越えて、水田と農村の風景の中を行く。由良川の流れは見えず、やはり集落と田園の広がる対岸の河岸段丘が同じ目線の高さに見える。
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 そして、クルマを止めたポイントへ戻る。33kmの周回を完了。
 今回の綾部から長宮峠、奥山峠を越える区間は、5月14日のグランフォンド京都の序盤のコースと一致している。「グランフォンド」とは自転車のロングライドイベントで、山岳コース主体のものだそうな。自転車版市民マラソンといわれることもあるらしい。そのグランフォンド出場者が大体2時間以内で走っているところを、私は3時間近くかけた。走るのが遅いということもあるが、写真撮影のための停止もやたら多い。しかもこの日は、セミやウグイスの声を記録するために、泣き出すのを数分待ち続ける場面もあった。それに対して、制限時間内に全行程150(または114)kmを走るイベントではのんびりしている暇はないのだろう。同じ自転車でも、楽しみ方は随分違うのだ。
5月下旬、14:32~17:24、約32.9km、標高45~390m

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コメント

 お疲れ様でした。
 長宮峠は急で細くてスピードが出せない。おまけに暗めの感じ。奥山峠は緩めで明るくて道もやや広い。奥山峠が自転車向きだと思います。
 峠好きの人にはいいルートだと思います。車も少ないしその面でも自転車向きですね。
 グランフォンドに出ましたが、序盤の洗礼みたいな感じでした。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                      

投稿: すう | 2017/05/27 23:59

 長宮峠は渋いですね。同じ府道でありながら奥山峠とは違う味わいがあります。立地条件の違いもありますが、おそらく道路が建設された時期の、設計基準の違いによるところが大きいのでしょう。
 国土交通省の道路構造令などの法令は、基本的には新設される道路についての基準を定めたものです。それが改定されても、長宮峠のような交通量の少ない峠道は、新基準を満たす工事をされずに残されているのでしょう。
 山間部の道路開発が京都府よりも盛んに行われている兵庫県には、奥山峠のような雰囲気の新しい道に出会うことが多いです。もちろん、長宮峠のような古い峠道も残っています。
 すうさんのおっしゃる「自転車向き」云々とは「ロードレーサー向き」「ロングライドイベント向き」という意味であると解釈しておきます。濡れて苔が滑るという悪条件も重なってのことでしょうし。
 ちなみに当方は、どちらの峠も好んで自転車で走っております。時間制限などなく、スピードを出す必要もありませんし。
 昨年晩秋には長宮峠ともう一つ、同じような雰囲気の峠を2つ連ねましたが、今回は雰囲気の全く異なる峠だったので変化を楽しむことができました。

投稿: はいかい | 2017/05/29 21:23

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