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2017/05/07

中央分水界をまたぐ朝来市3ダム巡り

 大型連休の前に、朝来市旧朝来町東部の青倉神社・多々良木ダムを巡る周回コースを走った。青倉神社周辺には黒川温泉の案内板があった。もちろん、地図やインターネットの情報で生野から青倉神社への車道があることは知っていたが、このご時世に山間部の交通量の少ない道は、大雨の災害で通行止めとなり何年も復旧していないケースもありうる。しかし、現地にはそうした通行止めの知らせはなかった。というわけで、ゴールデンウィーク5月5日に朝来市を再訪。
 近年一大観光地となった竹田城周辺にはたくさんの観光客の姿が見られ、また全行程を通して普段よりクルマの通行がやや多めと感じられたが、順調に朝来市の旧朝来町羽渕の国道312号線沿いのパーキングスペースにクルマを止める。
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 自転車の準備を整えてスタート。久しぶりのランドナーだ。気温は25度を超える夏日で、半そでシャツに7分丈のズボンのいでたち。
 まずは円山川の流れに沿って北上。クルマの多い国道を避け、羽渕集落がある左岸に渡る。国道429号線を越え、新井駅の辺りから旧朝来町の中心街へ。緑のあふれる公園のような朝来市役所朝来支所。ちなみに本庁舎は旧和田山町役場だ。
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 スーパーマーケットで食料を調達して円山川を渡り右岸へ。そのまま多々良木交差点を越えて、多々良木川をさかのぼる。
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 すぐにロックフィルの多々良木ダムの堰堤が見えてくる。その手前に、あさご芸術の森美術館や歴史郷土資料館などの施設がある。いや、そこまでの川沿いにもモニュメントやベンチが配置され、国道をそれてからずっと広い公園のようだ。行楽客の姿も見える。
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 ダムに向かって左に迂回し堰堤の高さの分だけ登る。堰堤は遊歩道となっているので、ここも家族連れでにぎわっている。ベンチに腰掛けて先ほど買った食料を食べる。本日第1のダムに到着だ。
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 そのあとはダム湖上流に向けて進む。前回は湖畔を忠実にたどったが、今日は半島をショートカット。クルマは離合できない狭いトンネルだが、中に灯りがあった。念のために前後にLEDのライトを付けてはいる。トンネル手前の広場にいた自動二輪の集団が動き出したようだが、トンネルには入らず湖畔の道に行ったらしい。
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 トンネルを抜け再び湖畔に出ると、送電線の鉄塔群が見えてきた。水力発電所なのだが主な施設は地下にあるらしい。また、このあたりもあさごエコパークとなっていて、駐車場に行楽客のクルマが見える。
 そのダムの奥、これから向かう方向にそびえる壁のような山肌に道が張り付いているのが見える。前回、青倉神社から下ってきた道ではない。今日初めて通る予定の道ともどうも位置関係が合わないようだ。どうやら、発電所の管理専用道路のようだ。
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 ダムの一番奥から沢沿いの道を上る。普段なら全くクルマに出会わない道だが、今日はたまに車が通る。そこその急坂だが、この辺りはきつくても10パーセント前後の常識的な勾配だ。
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 青倉神社と保安林の解説が記された案内板が立つところで、舗装がアスファルトからコンクリートに変わり、猛烈な急勾配となった。トイレがあったので、その写真を撮って帰宅してからパソコンで判定したところ、道路の勾配は26~27パーセント。小樽の励ましの坂や天橋立の成相寺の坂をしのぐほどの急勾配だ。今回は、ここに備えてスプロケットを交換してきた。おかげでペダルを回すことができないことはないが、心拍数が上がって長くこぎ続けることはできず何度も足をついてしまう。
 心が折れそうになったところでヘアピンカーブにたどり着いた。場合によってはこうしたカーブの方が急勾配であることもあるが、ここはむしろましになる。もちろん、十分な急勾配なのだが、その下の勾配がきつすぎるのだ。
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 ヘアピンカーブの先端からは青倉神社の参道が飛び出しているが、確か上は通行止めとされていたはず。
 ヘアピンカーブを越え、常識の範囲内の急坂を上っていく。前回下ったときの記憶では、最後にもう一発急勾配があったので気を抜けない。いよいよ勾配が急になったと思ったら、黒川温泉への案内板が見えてきた。峠だ。前回は山桜が咲いていたが、すっかり葉桜になっている。
 前回の走行は逆向き。二つ目の急勾配が強烈だったので、本当はそれよりもやや劣る一つ目の急坂も同じくらいの元として記憶がすり替わったようだ。
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 峠といっても、川上と多々良木の間のもの。黒川温泉に向かうには、峠から分岐する道をさらに登らないといけない。
 ちなみに、多々良木交差点からもう少し円山川沿いを北上し伊由谷沿い登ってきても距離は変わらない。川上からの登りもきつかったが、多々良木側ほどではない。しかし、川上からは前回登ったコースと同じだし、伊由谷は春先からすでに3度も走っている。同じコースばかりでは芸がないし、何より今日はダム巡り。前回下った多々良木ダム沿いを、今日は登ったというわけだ。
 道路の両脇の灯篭を抜け青倉神社へと登る。前回は全く人気がなかったが、神社の駐車場に今日は2台のクルマが止まっている。多々良木ダム湖畔からここまで、たったの3km。でも、標高差300m登っている。平均勾配10パーセント。平均が、である。
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 そして、まだ登る。一時と比べれば落ち着いた勾配だが、それでも時折急な区間が表れる。その分景色も開けてきた。奥多々良木発電所の鉄塔や多々良木ダム湖が見えてきた。さらに円山川沿いの集落も。その向こうにも山々が広がっている。北西方向の高い山は氷ノ山だろうか。とりあえず写真を撮っておく。帰宅後検証してみると、やはり氷ノ山だった。その右手のピークは鉢伏山。ズームアップした写真には、スキー場のリフト降り場も確認できた。ということは、氷ノ山には山頂小屋が見えているはずだが、そちらはピントが甘くて不鮮明だった。
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 一方、峠も見えてきた。今度は、旧朝来町と旧生野町の境、黒川温泉に越える峠だ。あと少し。多々良木ダム湖も最後の姿を見せている。
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 標高670mの峠は、日本海にそそぐ円山川水系と、瀬戸内川の市川水系を分ける分水界。朝来市は中央分水界をまたいだ自治体なのだ。
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 峠を越えて、一気に黒川ダム湖畔に降り立つ。こちらの湖面は標高600mを越えていて、多々良木ダムと400m近い標高差を利用した揚水発電所となっている。上のダム湖から下のダム湖に水を落として発電するわけだが、これだけなら四谷ダムはいらない。かけ流しでいい。下のダムの役割は、発電に使った水を再利用のために貯めておくことである。
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 原子力発電所は、起動するにも止めるにも時間がかかるうえ、動かすならば最高出力で発電し続けないと不安定になる。だから24時間ずっとフルパワーで稼働させなければならない。そこで、原発とセットになっているのが揚水発電所だ。夜間など電力の需要が少ないときに、原発の余剰電力を使って揚水発電所の下のダム湖の水を上のダム湖に汲み上げる。つまり、原発の余剰電力を水の位置エネルギーに変えて蓄電するわけだ。
 黒川ダムと多々良木ダムを擁する関西電力「奥多々良木発電所」は1974年に完成し、中央分水界をまたいで水をやり取りするものとしては当時として初めてのものだったという。
 多々良木ダムよりも山深い雰囲気の黒川ダム湖畔を行く。まだ山桜の花が咲いている。山襞を縫うように進みすぐに堰堤に到着。誰もいない。ここもロックフィル式。多々良木よりも迫力を感じる。こちらも堰堤を歩けるようになっているが、柵の扉が閉じられている。16時までとのことだ。
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 堰堤の下は黒川の集落。黒川温泉の入浴施設があり、ちらほらと行楽客の姿が見下ろせる。
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 堰堤の高さ分を一気に下り、黒川集落へ。旅館を兼ねた川魚の食堂などがある。入浴施設の向かいに「黒川自然公園センター」、つまりビジターセンターのようなものがあるので寄ってみるが、17時を過ぎちょうど閉まったところ。先を急ごう。
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 黒川集落にはまだ菜の花も見られる。すぐに家がなくなり、市川の上流部、黒川渓谷に沿った道を行く。そして国道429号線に合流。渓谷といっても流れはさほど早くなく、道路の勾配も緩やか。コース後半にもってこいの緩い下りを快走していく。
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 行楽帰りのクルマが時折追い越していく。ゴールデンウィークでなければ、めったにクルマに出会わないのかもしれない。
 前方から自転車が一台やってきた。ソロツーリングのようだ。荷物を積んでいる。今日は黒川温泉泊まりか。
 細い橋を渡った対岸に怪しげな施設があった。「特定非営利活動法人 日本ハンザキ研究所」とあった。ハンザキということはオオサンショウウオだ。生命力が強く体を半分に裂いても死なない、ということからそう呼ばれることを思い出す。川向こうの入り口は柵で閉ざされ、しかもそれがつるに覆われ、そしてハンザキのリアルなイラストが掲げられて、なんとも怪しげなのだが、橋のこちら側の掲示板にはイベントの案内(明後日のものもある)などが貼られちゃんとした施設のようだ。
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 さあ、さらに下っていく。簾野という小さな集落を通過。民家の敷地に帰省した親族のものと思われる何台ものクルマが止まっているのが大型連休らしい。庭先に見かけた幼児とその母親は帰省した孫とひ孫か。などと大した根拠もなく勝手に物語を作ってしまう。
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 また、この黒川渓谷沿いには、キャンプ場が2つほど点在し、泊り客の姿が見られる。
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 川幅が広がり水がよどんできた。生野ダムの銀山湖だ。ここは長く湖畔に沿って走ることになる。貸しボートなど観光施設もある。
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 同じ水系の黒川ダムと生野ダムでなく、別の水系で揚水発電を行うことになった理由は、自転車で走ればよくわかる。勾配だ。多々良木ダムからの25パーセントを越える急勾配と、黒川渓谷の緩やかな下りの違いは歴然。
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 生野ダム堰堤に到着。ここはコンクリートの堰堤。多々良木や黒川は堰堤の下が公園のように整備され集落が近かったが、ここは山林を川が蛇行しているだけ。少し角度を変えてみれば、建設業者の資材置き場が見える程度。
 堰堤には随時進入できるようなので、真ん中辺りまで行ってみる。
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 さあ、日が傾いてきた。先を急ごう。まずは堰堤の高さを下る。しばらく行くと谷が開け田園と集落に出た。竹原野だ。そこを過ぎていくと、次は奥銀谷。国道をそれ集落の中の道を行く。銀山が栄えていた頃を忍ばせる街並みだ。
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 集落を抜けると国道に戻る。クルマが増えてきた。要するに沿線人口が多い区間へとやってきた。三菱マテリアルの向上の前を通過。工場の向かいの廃屋は、かつて鉱山労働者が利用したと思われる売店のような施設の後。例えるなら大学生協みたいなもの。20年と少し前、初めてここを自転車で走ったときには、まだ営業していたと記憶している。
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 旧生野町の中心街、口銀谷に到着。鉱山の社宅を保存した建物などがあり、マンホールにもイラストが描かれている。
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 迷路のような路地をたどって生野北峠へ。ただし国道312号線でなく、旧道らしき細い道で峠を越える。両側に集落が迫っているが、ここも日本の中央分水界である。
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 峠を越えると国道312号線、正確には国道429号線との重複区間、に合流するが、国道を走りたくないので国道を渡って集落の中道へ。四輪車は通行できない橋で堀を渡る。堀の底はJR播但線の線路だ。
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 小和田の集落を抜けると、播但自動車道の高架と絡みながら国道に合流。すぐに国道を渡って円山集落の中へ。間違いなく円山川の名前の由来となった集落だろう。この辺りは、国道、自動車道、鉄道が絡み合っている。
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 円山集落を抜けると、旧生野町から旧朝来町へ。今度は農道へと逃げるが途切れがちで、何度も国道に戻って逃げての繰り返し。岩津の集落の中の道を通った方がよかった。
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 そのうち円山川畔の静かな道を発見。ここをゴールの羽渕まで行く。ゴールの手間で、円山川対岸の国道沿いに独特の雰囲気のある黒い鉄の橋を見かけた。支流を渡る橋のようだ。すぐに円山川本流を渡る橋があったのでそちらに行ってみる。
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 黒い橋は、「羽渕鋳鉄橋」。国道沿いの歩道に案内板などが接地されていたが、クルマで何度も走っていながら気づいていなかった。
 そして羽渕の駐車場に到着。なかなか見どころの多い47kmだった。
 自転車を撤収してクルマで帰路に就く。特に混雑はなかった。

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