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2016/11/15

小春日和の「ツイードピクニックin長浜」

 「ツイードラン」という言葉を知ったのはちょうど5年前のことだった。宇治のいさなごのぼる君とのツーリングのために国道9号線を南下しているときに前を走る自動車の屋根にランドナーが積まれていた。そのクルマが須知でコンビニに寄ったので、どんな人が乗っているのだろうとこちらも駐車場へ。するとクルマから出てきたのは、ジャケットにネクタイ、そしてニッカボッカーの出で立ちの面々。その姿に軽い衝撃を受け、帰宅してからいろいろと調べていて出会ったのが「ツイードラン」というキーワード。ツイードとはイギリスやスコットランドの毛織物の一種で、その素材の洋服や帽子などを身につけて自転車で走ること。イベントとしての発祥は2009年のイギリスとのことで、日本でも東京や名古屋で2013年頃から開催されている。
 そんなイベントがこの秋、琵琶湖の畔の長浜で開催された。晩秋の時期であり、やはり気になるのは天候。週間予報で、当日雨の可能性が低いことを確認してからエントリー。ツイード素材の服など持っていないので、本番まで1週間を切ってから慌ててネットでジャケットと帽子を購入。直前には快晴の予報へと変わっていった。
 11月12日、6時前にクルマで丹後を出発。舞鶴、小浜と若狭湾沿いを東に進み、軽く山越えで近江今津へ。琵琶湖の北辺を時計回りにたどり、木之本に9時前に到着。合併によりここは今や長浜市街だ。湖岸道路に入るが、ここからが結構長く30分ほどクルマを走らせ、長浜ドームに近い水泳場の駐車場へ。クルマから自転車を降ろす。本日はランドナーであるが、もう1台のVigore。昨夜1年ぶりに家の周りを走ってみたら、フリーのスプロケットのトップ側にチェーンが外れる。アジャスターボルトを調整する。そして、今日、チェーンに油を差して準備完了。まずは琵琶湖を左に見ながら北上。快晴のため、紅葉した街路樹が赤く黄色く輝いている。心配なのは気温。普通ならば肌着のシャツにポロシャツで十分な陽気。今日は、ツイードのジャケットを着ている。汗をかくことを想定して、飲料水は1Lも用意している。
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 湖畔の長浜城の公園が近づいたところで、内陸にハンドルを切る。旧長浜の市街地にある「黒壁スクエア」の中、曳山博物館に隣接する「きぃなパーク」が集合場所。黒壁スクエアとは、江戸、明治時代の古い建築物が建ち並ぶ町並みで、今は観光地としての長浜の中心部といえる。ちなみに、黒壁とは黒漆喰を塗られた建築物の外観から来ている。
 その旧市街を目前に道に迷ってしまった。GPSレシーバーに位置データを入れておけばよかった。黒壁スクエアの周辺も、古い風情ある町並みが広がっているのだ。結局目的地よりも少し南をさまよっていたのだった。なんとかたどりついた曳山博物館の建物の脇を抜け、お堀沿いの芝生の広場「きぃなパーク」へ。10時ぎりぎりに受付に滑り込む。周囲には、すでにツイードに身を固めた人々が集まっている。直前に定員の60名に達したとのこと。
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 主催者による開会宣言、スタッフの紹介、注意事項の説明、記念撮影の後、10時半に4つの班に分かれて自転車で旧市街へと繰り出す。自転車のコースは5つのセクションに分けられていて、まずはSection1「旧市街」。観光客で賑わうアーケード街は安全のため自転車を降りて押す。しばらく旧市街を練り歩いて郊外、琵琶湖方面へ。
 琵琶湖岸に出ると一気に開放的な雰囲気になる。Section2「琵琶湖畔」だ。琵琶湖が晩秋の低い日差しを受けてきらきらと輝いている。街路樹の紅葉も赤く鮮やかだ。ヨットハーバーから長浜城へ。
 そして湖岸の自転車道へ。琵琶湖一周なのか、そうでないのかわからないが、我々以外のサイクリストも行き交う人気の自転車ルートだ。気持ちよく走って水泳場の浜辺でしばし休憩。そしてまた走り出す。南浜でまた休憩。ここはトイレや東屋があり、手作りお菓子と暖かいトマトスープのサービスを受ける。
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 暑さを心配したが、10~15km/hののんびりペースなので、体温は上がらずに快適に走れる。持ってきた飲料水もあまり飲まず、むしろトイレに駆け込んでしまった。
 さて、次は琵琶湖畔を離れ姉川に沿って内陸部へ。Section3「姉川辺」。堤防の上の道からは伊吹山を望む。古いコンクリートの橋を渡り、さらにさかのぼると今度はまっさらの橋を渡る。なんと先ほど開通式を終えたばかりで、まだクルマは通行止め。歩行者と自転車だけがのびのびと通る。
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 姉川の堤防を降り、集落の中へ。Section4「集落探訪」。次は、田園の中に点在する集落をたどる。集落の中には曲がりくねった水路があり、黒壁スクエアとはまた違った風情がある。子供たちが「こんにちは」と元気に声をかけてくる。
 集落を抜けて田園広がる平野を行く。するとやはり伊吹山の存在感が際立つ。そうしてまた次の集落へ。こんな風に田園と集落を2度3度繰り返し、交通量の多い幹線道路へ出る。誌の中心部へと戻りつつあるということだ。
 参加者とスタッフで20人未満のグループに分かれて走行していたのだが、迷路のような集落を行くうちインターバルがなくなり、いくつかのグループがまとまって大集団になってしまった。途切れない行列ができてしまい、周囲の交通に迷惑をかけてしまった。
 そんなこんなで、旧市街へと戻る。Section5「凱旋」。正午過ぎで、スタート時よりもさらに観光客で賑わっている。もちろん、自転車を押して行く。
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 きぃなパークに戻ったら、一度解散。昼食を含めた自由行動の時間となる。ほとんどの人は、黒壁スクエアの中で食事をして町並み散策をしているようだが、私は自転車で少し移動。国道8号線まで出て、ラーメン屋へ。
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 きぃなパークへ戻り、14時30分からエンディングパーティ。ドリンクとシフォンケーキのサービス、そしてレトロな自転車をピックアップして紹介。中には、40年50年前なんて当たり前、100年近く前の自転車も登場し、私の20年前のランドナーなどまだまだ若輩者。さらにミュージシャンの楽器演奏で16時過ぎに閉会。さすがに日が傾いて寒かった。
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 会場を後にし、長浜城へ。夕日が琵琶湖の対岸、比良の山々に向かって落ちて行く。湖畔を南下し、長浜ドーム地下くの駐車場へ。水泳場の浜では、スポーツカイトを揚げている若者たち、ボードセーリングの撤収をしている中年男性。ああ、比良の山に夕日が沈んで行く。
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 日没を見届けてから帰路に着く。来た道を戻る180kmのドライブ。

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2016/11/14

VIGOREの故郷を訪ねる(キヨセ編)

 VIGOREのランドナーを2台持っている。どちらも、20年ちょっと前に「ツーリング(旅)をしたい」という友人にランドナーをすすめたのだが、その友人のもとで役目を終えた後で、私のもとへとやってきた。丹後の片田舎ではランドナーなど手に入らない。友人は2人とも京都市にゆかりのある人だったので、京都でランドナーを買っていた。それが、京都のフレームビルダーが手掛けている「VIGORE」というブランドのモデル。そのビルダーの工房の直営店は京都盆地の北に位置する岩倉にある。
 VIGORE直営店を訪れたのは去年の冬のこと。20数年の間にVIGOREは代替わりしていて、ランドナーを作っていたのは先代とのこと。また、今私のものにある2台のチェーンステイには「Produced by Kiyose」というロゴがある。この2台はどちらもVIGORE直営店ではなく、「キヨセ」という自転車店で販売されたものだった。
 今年の11月3日、やはり京都市にある「I's Bicycle」という自転車店の主催するツーリングにVIGOREで参加した。その「Produced by Kiyose」のロゴを見て、「I's Bicycle」の親方はかつて「キヨセ」で修業したんだよ、と教えてくれた人がいた。
 ああ、キヨセに行かねばならない。
 というわけで、木枯らしがふく服寒い日に京都を訪れた。
 二条駅でJR山陰本線から地下鉄東西線に乗り換え、東山駅で下車。日本海側で降り続く時雨も南下していけば止むだろうと思ったが、クルマを置いた園部駅でもわずかに小雨が降っていた。京都市内は、現在降っていないものの空は雲に覆われ路面はうっすら濡れている。街路樹の色づきに目が行く。この秋はあまりきれいな紅葉が期待できないかと思われたが、11月に入っていっきに色づいたようだ。学生服姿の高校生が多い。どうやら修学旅行生のようだ。
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 琵琶湖疏水に沿って北上。この辺りは、いくつかの美術館、岡崎公園、平安神宮、さらには各種イベント会場としても利用される「みやこめっせ(京都市勧業館)」が居並び、訪れる人が多い界隈だ。よって、街路樹が植えられるなどお客さん向けに整えられている。
 丸太町通りに突き当たり、右折。平安神宮を時計回りに回り込む形だ。そして、平安神宮の長方形の敷地の北側の辺を西から東に4分の3ほど行ったところに「キヨセ」があった。
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 小径車やシティサイクルが並ぶ狭い店内には、高齢の店主が一人。店を訪れたのだから何か買うのが礼儀、と小物を購入。そして「実はこちらを訪れるのは初めてなのですが、友人から23年前にこちらで買った自転車をもらい、いまでもガンガン乗っているんです」と切り出す。店主はすぐに笑顔で応対してくれた。
 かつては、VIGOREから卸したフレームで自転車を組んで販売していたとのこと。ただ、自分が高齢となったためそうした方式での商売を止めて、市販車やパーツ、小物類の販売のみを行っているとのこと。ただし、サイクリストとしては80歳を過ぎた今でも現役で、先日は「オオイガワ」へ行ったとのこと。桂川の園部や亀岡あたりの区間を「大堰川」というのでそのことかと思ったら、「接阻峡から走り始めて川沿いを下りましてな」ときた。なんと、静岡県の大井川のことではないか。大井川鐡道で川をさかのぼり、自転車で下ったという。
 話は逸れるが、大井川鐡道の終点の井川からスタートするのが本来の形だが、ここも近年の大雨の影響を受けて通行止めとなっている。よって、途中の接阻峡からスタートせざるを得ないのだ。
 さて、店主との話に戻る。長年のVIGOREの謎についての質問をぶつけてみた。フロントの泥よけのことである。フロントフォークの股の部分にL字金具で固定されているが、ナット一個ですぐに外れるようなものが使われている。そしてナットも蝶ネジが使われ工具なしで着脱できる。また、泥よけのステイも蝶ネジ。しかし、泥よけの前部とフロントキャリアは、泥よけのタイヤ側のナットで固定されている。ここは工具が必要で、スパナでなくソケットレンチの方が具合がよい。つまり、工具を選ぶ。ここさえ手軽に外せたら、輪行が手早くできるのに。どういう意図で3か所のうち2か所だけ工具なしで外れる加工にしたのか。そして、なぜもう1か所はしなかったのか。
 しかし店主は、「泥よけ外すよりフロントフォークを抜いたほうが簡単ですよ」との回答。「それならなぜ2か所を蝶ナットにしたのか」と問いなおすが、「いやフォーク抜いたらいいんですよ」と同じ内容の返答がもう一度。どっちが楽かの論争をすることが目的ではないので、質問はもうやめておく。店主にはフロントの泥よけを外す発想はないようだ。要するに分割式で簡単に外れるリアの泥よけと同じ蝶ナットを使ったことに、深い意味はなかったようだ。
 他にも、「I's Bicycle」の親方のキヨセでのアルバイト時代の話も聞かせてもらった。熱心だったそうだ。「精神的な後継者」とのことだ。この店主にしろ、親方にしろ自転車が好きなようだ。
 キヨセを後にして、丸太町通りを西へ。そのまま鴨川まで歩き、橋を渡って京阪の丸太町駅へ。今度は、生活感のあふれた通り。印刷やの店先には古いホンダとヤマハのオートバイが2台。
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 清水五条で京阪電車をおりて、京都駅へ向けて再び歩く。街路樹が赤く染まり、歩くのが楽しい。
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2016/11/08

輝け!泥よけ!丹波路を行く秋のアイズラリー2016

 10月上旬にランドナーの泥よけを加工して、手軽に輪行できるようにした。その折に新しい泥よけを買いに訪れた京都市内の「I's(アイズ) bicycle」というランドナーを主に扱っている店のWebサイトを見ていたら、毎年秋に「アイズラリー」と銘打ったツーリングを企画しているとのこと。今年は、輪行を組み入れたコース。過去の報告を見ると、やはりランドナーがたくさん集まるようだ。私は、泥よけを買ったが、自転車そのものは買っていない。それでもいいか、と問い合わせると、よい、とのことなので参加を申し込んだ。
 11月3日、6時過ぎ、昨夜から時雨が降り続く丹後をクルマで出発。冬型は弱く大江山連峰の手前ですでに日が差している。福知山盆地は霧。ただし、ちょっと薄め。明け方少し雲が出たのか放射冷却は弱かったようだ。綾部を経由して国道27号線を南東に進む。8時少し前に和知に到着。集合地点は和知の道の駅「和(なごみ)」だが、まだ時間があるので素通り。2.5km先の安いガソリンスタンドで給油。そしてその敷地内のコンビニで行動食のパンを買う。道の駅に戻り、8時15分、第2駐車場にクルマを止める。集合は8時30分だが、すでに10台ほどの自転車(そのほぼすべてがランドナー)が組み上がり、ニッカボッカ姿の人々が待機している。私もクルマからランドナーを降ろして前後の車輪と泥よけを装着。さらに次々とクルマがやってきて、自転車が組み立てられていく。
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 9時前、主催者の「I's bicycle」の親方の音頭で集合し、記念撮影の後、予定通りに9時スタート。まずは、由良川の流れを左に見ながら国道27号線の旧道を西へ。この日集まった自転車は30台近く。うち、主催者側(親方夫婦とスタッフ)は4人。そして20人を超える一般参加者。一般参加者のうちの3名のみがロードレーサーで、残りの25台ほどがランドナーだ。それもドロップハンドルの純正ランドナーで、フレームもきれいに磨かれ、泥よけが日差しを浴びてきらきらと輝いている。ただし、それも1台を除いて。私のランドナーはフレームにさびは浮いているし、泥よけはくすんでいるし、ハンドルはフラットだし、キックスタンドはついている。
 国道に合流する手前で由良川を渡り、その国道を渡って由良川を背に南へ。いきなり河岸段丘を登る旧坂をあえいで登る。いったん道は平坦になり、出野集落をすぎる。奥山峠への登りが始まる。府道59号線の奥山峠は比較的新しい道で、15年くらい前の地図には掲載されていない。初めて通るし、今回のツーリングまでその存在すら知らなかった。小さな山間の集落を抜け、本格的に登っていく。止まって上着を脱ぐ人が多数。クルマはほとんど通らずおのおののペースで登っていく。ヘアピンカーブの急さかが現れるたびに、うわーっ、と声が上がる。でも、止まって休む人はいない。麓から峠までの標高差は300m。みな黙々とペダルを回し続ける。
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 峠の手前で少し景色が開けてきたところで、ようやく止まっている人がいたので、ここぞとばかりに自転車を止めて写真を撮る。そして、峠までの最後の登りにかかる。
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 9時45分、標高375mの奥山峠に到着。すでに10人ほどが先に到着していた。由良川の雲海も見られるとの看板があるが、今日は前述の通り冷え込みが緩くすでに雲海はない。由良川そのものも見えないが、重なる山々の景色に、高いところまで登った達成感が加わる。
 奥山峠では、ゆっくり時間を取って休憩。何せ、休憩らしい休憩を取らずに峠へと上ったので、まだ時間が早い。昼食予定地まで峠の下りを含めて残り10km余り。レストランがオープンする11時よりもかなり前についてしまう。
 風が冷たく体が冷えてきたので合羽の上着を羽織ってとりあえず峠を下り、麓の大原神社で再び休憩。傾斜地にあるため道路からは石段を上ってたどり着く。着物姿で七五三のお参りに訪れる家族連れが何組か見られた。
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 昼ごろから曇り、という予報通り峠の下りから雲が広がり始めていたが、神社を出発するころに小雨がぽつぽつ降り出した。強くは降らないだろうが山間部では何度か通り雨がありそうだ。
 国道173号線を西の綾部方面へ少し走り、小峠で左折。ずっと府道59号線をたどる形だ。いつしか雨は止み、のどかな田園と集落の風景を見ながら、軽くアップダウンを越えて国道9号線も越えた先にあるのが、昼食ポイントの「三和荘」。宿泊、あるいは日帰り入浴などもできる施設だが、今回はレストランを利用。少し待って、11時のオープンと同時に30人近い人数で突入。「20人以上で行きます」と伝えてあったそうだが、さすがに厨房は大忙し。早い人は食べ終わっても、まだ料理が来ない人もいるのは仕方ないこと。
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 昼食の間に再び日差しが戻ってきたが、また山間部に入るので油断はできない。
 12時10分、三和荘を出発。国道9号線をできるだけ避けて集落の中の旧道を選んで、南東へ。ただし、旧道は何度も国道を渡らないといけない。
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 すぐに国道から南に分岐する府道709号線へ。三春峠へ向かう。個人的には先日越えたばかりの三春峠だが、過去数回はすべて春日から三和へ。今夏は、初めて逆側から越える。しばらくは田んぼの広がる広い谷の緩やかな上りだが、谷が狭まれば勾配も急になる。止って上着を脱ぐ人続出。私は、三和荘出発時点で合羽を脱いでおいた。
 相変わらず止って休憩する人はいない。またも黙々とペダルを回し続ける。峠の展望はいまひとつなので、途中のビューポイントで写真撮影のために止った以外は、私もほぼノンストップ。13時10分、標高450mの三春峠へ。雨には遭わず、晩秋の淡い日差しを浴びながら上りきった。
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 しばらく休憩して、13時25分、下り始める。少し下りて、春日側のビューポイントで写真を撮ったら、どんどん下って行く。
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 多紀連山を左に見ながら竹田川の谷に降りる。田園が広がる。集落の中の細い道を選んで西へ西へ。途中で北に向かい、旧春日町の中心部が近づくと店などが並び賑やかになる。
 国道175号線に突き当たると右折。14時5分、舞鶴自動車道春日I.C.を越えてすぐの道の駅「おばあちゃんの里」へ。さすがに休日だけあって賑わっている。
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 ここでひとまず全員での行動は終了。自走で和知まで戻る人、輪行で戻る人に分かれる。三春峠を降りたあたりから曇り空になり、道の駅に着いたらまた雨が降り出した。でも、短時間で雨は上がり、いったん輪行する気になっていた人が心変わりし、自走組が増えて行く。結局、10人余りの自走組の出発を見送った。その後、輪行メンバーが駅へと移動。ただし、10台以上の自転車を、車両編成の少ない列車に積み込むことが憚られるので、先発舞台と後発部隊に分かれる。後発舞台は、道の駅でのんびり過ごすようだ。
 先発部隊は、三々五々、駅に移動。道の駅から鉄道の駅までは2km弱。福知山線黒井駅に着いたら輪行袋に自転車を納める。時間に余裕を持って移動したので、ホームでのんびり過ごす。また日が射してきたのでぽかぽか暖かい。
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 15時12分、2両編成の列車に乗車。今の時間帯には駅員がいるが、改札はなく列車を下りる時に運転手に切符を渡す、ワンマン方式だ。車内はすいていて、9個の輪行袋が先頭の1両無事に納まった。
 福知山で乗り換え、山陰線へ。やはりワンマンの二両編成。先程の列車よりも少し乗客が多い。されに学生も乗り込んできた。福知山で特急利用の一人が離脱して、8個となった輪行袋は、今度は2両に分乗。また、1本目の列車はターミナル駅の福知山で下車したのですべてのドアが開いたが、今度は途中の和知駅で下車するため、先頭車両の前のドアしか開かない。狭い通路を輪行袋を持って前に移動。
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 16時15分、和知駅で下車したら、いっせいに輪行状態を解く作業開始。さすがにデモンタブル(分割式)は早い。でも、デモンタブルが完成した時点で、私の自転車もほぼ組みあがっていた。その差、1~2分。かつてはパナソニックの「デモンタ」という既製品の市販車があったが、今はオーダーメイド(初めからそうしてもらうか、後からフレームを加工してもらうか)が主流で割高だし、耐久性(特に分解時)を犠牲にしているわけだから、早いのは当然だ。デモンタブルでなくても、先日のフロントの泥よけ簡単着脱化によって、2分で解体、3分で組み立てできるようになった。輪行袋の処理を入れても、10分以内だ。
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 和知駅から道の駅まではこちらも2km弱。日没が迫り、一応ライトを装着して走り出したが、点灯するまでもなく道の駅に到着。
 17時ちょうど、クルマで帰路に就く。出発してすぐに自走組とすれ違った。

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2016/11/01

丹波の優しい峠めぐり(三春峠など)

 長きにわたり通れなかった道がある。兵庫県篠山市旧西紀町の桑原と栗柄の間の県道509号線の峠道だ。その要因は、栗柄ダム建設のため。着手は1994年で、竣工式が2015年5月。なんと足掛け22年だが、ダム本体は2012年から2013年にかけて1年半で完成したという。道路の通行止めは、2009年から2015年まで。着手とは事前調査や用地買収などにかかった時期ということなのだろう。
 京都福知山市三和町兎原の国道9号線沿いの廃れたドライブインの駐車場にクルマを停め、自転車を準備。自転車は、先日東信濃遠征でも活躍したVIGOREオリジナルランドナー。その時には、ロー34Tのスプロケットを使ったが、今日はあえてロー28Tのスプロケットを装着。楽をすることに慣れすぎてはいけない。三春峠などのいくつかの峠をめぐる本日の周回コースをかつて走ったことがあるが、それはまだ34Tのスプロケットを使い始める前のこと。その時、上りがきつくて苦労したという記憶はない。
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 駐車地点が国道との交差点となっている府道710号線を南下。国道よりは交通量が少ないが、ほぼセンターラインがある道でそれなりにクルマが通る。峠ではなく川沿いの道で京都府から兵庫県へ。しかし、府県境を越えた後で箱部峠を越える。ただし、箱部峠は麓の集落からの標高差が50mにも満たない小さな峠で、両側が桑原集落。つまり一つの集落の中に峠がある。峠を越えた方の桑原集落で分岐する県道509号線へ。完全一車線の細道は、小さな集落を過ぎると沢沿いに山間部へと入って行く。脇の田んぼも途切れ、林の中へ。いいねぇ、全くクルマが通らない。
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 2kmほどは緩やかに沢沿いを登るが、その後登りが険しくなる。最後はヘアピンカーブの連続。峠は標高400mを少し越えるくらい。桑原からは200m余り、スタート地点の国道9号線からは300m足らずの標高差を登ったことになる。この後の三春峠に匹敵する峠だ。
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 峠を越えたら、栗柄へ向けて下る。一つ目のため池は西紀ダム。これはずっと前からあったが、そのすぐ下流が初対面の栗柄ダム。前回この道を走ったのは2008年の暮れ。翌2009年にはこの道が通行止めになったため、代替ルートとして戸平峠を越えた。ただし、戸平峠は箱部峠と同じくセンターラインがある道なので、それなりにクルマが通る。それに比べて県道509号線の峠は、桑原から栗柄ダムまで1台のクルマにも出会わなかった。そりゃ何年も通行止めになるよな。
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 ダムの竣工式が行われた2015年の初夏には、県道509号線は通れるようになっていたのだが、その後これから越える栗柄峠が拡幅工事のため日中通行止めになる時期があった。あと、暑い夏の時期は走る気にならないなどのことがあって、結局今日の日になったというわけだ。
 その栗柄峠は、とても珍しい峠である。栗柄ダムの滝ノ尻川の流れが峠を越えているのである。もちろん、水は低いほうにしか流れないから、峠というのは名ばかりで、要するに斜面なのである。元々は、正真正銘の峠ではあるが、侵食力に差があることで発生する勾配がアンバランスな「片峠」である。そして、侵食力の強い方の流れがとうとう峠までを侵食して、その反対側の川の流れを奪ってしまった。これを、「水源の争奪」という。今では、栗柄集落がある谷の中に、2つの川の流れが存在している状態であり、しかもそれは由良川水系と加古川水系、つまり日本の中央分水界が小さな集落の中にあるというわけだ。「谷中分水界」という。
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 さて、全く上りのない栗柄峠を越える。拡幅工事はまだ継続中。まだ細いままの道を通り抜けたら、山腹につけられた比較的新しく、立派な広い道で下る。左は多紀連山。右には滝ノ尻川の谷の集落を見下ろす。
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 あっという間に谷底に急降下。集落の中を行く。松の生えた庭がある古くて立派な木造の家が並ぶ。壁が赤く塗られているのは、「べんがら」というものなのだろうか。
 谷が開けてきたら、西から北に方向転換。さらに北東へと向かって下三井庄、上三井庄の集落がある谷へ。さあ、三春峠を目指す。
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 集落を緩やかに登っていくと、道は山間部に入り勾配を増す。とはいえ、峠までの標高差は300m余り。勾配も記憶の通りさほどきつくない。34Tのローギアを温存して正解だった。28Tで十分対応できる。
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 少し前のきつかった信州の峠の何分の一の労力で上れる、丹波の優しい峠道だ。峠の手前で兵庫県丹波市春日町側の景色が開ける。多紀連山の山腹を巻き、そのどてっ腹を突き抜けていく舞鶴自動車道の存在感が目を引く。
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 標高450mの峠は本日の最高地点で兵庫県から京都府への境。両側の町名の頭文字から来た峠名だ。これを越えたら後はほぼ下りのみ。少し行くと、今度は京都府福知山市三和町側の景色が開ける。なかなか谷は大きくダイナミックな景観だ。谷底に集落が見える。あそこまで下るのは結構な行程だ、と思うが下りはあっという間。こちらも立派なつくりの家だ。ただし、トタンを被せてはいるが茅葺屋根の家が多い。三春峠もクルマが少なく、集落から集落までの区間で出会ったクルマは1台きりだった。
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 さあ、日が傾いている。下り基調をどんどん進もう。谷が開けて、田んぼが広がってきた。そうなると国道9号線が近い。
 駐車地点まで国道9号線を約1km行かねばならないが、クルマがひっきりなしに行き交う車道でなく、歩道を行く。半分は自転車道のように整備されている。近くに高校の分校があるからだろうか。その後は普通の歩道だが、歩く人はいないので快適に走れる。これで三春峠を中心とした周回完了。
 峠とは、人の流れ、水の流れを分かつ、という印象があるが、集落の中の峠、川が越している峠など完全に常識を覆している。また、三春峠は現在は府県境をなしてはいるものの、かつては丹波の国のど真ん中。明治時代初期の廃藩置県により3府302県が発生したが、現在は47都道府県。統合を基調としながらも、中には分割もあった。丹波の国は今は京都府と兵庫県に別れて属しているが、何度も何度も境界線を引かれなおした経緯がある。「水源の争奪」だけでなく「県土の争奪」も行われてきた、要するに絶対的な境界が存在しない土地というわけだ。信濃の国と、日本の中央分水嶺をまたぐ、という点で共通する丹波の国だが、峠越えの厳しさは雲泥の差。そんな優しい峠を巡る半日ツーリングだった。
 10月下旬、約35km。

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