« VIGOREの故郷を訪ねる(キヨセ編) | トップページ | 晩秋の丹波の小さな峠巡り(長宮峠ともう一つ) »

2016/11/15

小春日和の「ツイードピクニックin長浜」

 「ツイードラン」という言葉を知ったのはちょうど5年前のことだった。宇治のいさなごのぼる君とのツーリングのために国道9号線を南下しているときに前を走る自動車の屋根にランドナーが積まれていた。そのクルマが須知でコンビニに寄ったので、どんな人が乗っているのだろうとこちらも駐車場へ。するとクルマから出てきたのは、ジャケットにネクタイ、そしてニッカボッカーの出で立ちの面々。その姿に軽い衝撃を受け、帰宅してからいろいろと調べていて出会ったのが「ツイードラン」というキーワード。ツイードとはイギリスやスコットランドの毛織物の一種で、その素材の洋服や帽子などを身につけて自転車で走ること。イベントとしての発祥は2009年のイギリスとのことで、日本でも東京や名古屋で2013年頃から開催されている。
 そんなイベントがこの秋、琵琶湖の畔の長浜で開催された。晩秋の時期であり、やはり気になるのは天候。週間予報で、当日雨の可能性が低いことを確認してからエントリー。ツイード素材の服など持っていないので、本番まで1週間を切ってから慌ててネットでジャケットと帽子を購入。直前には快晴の予報へと変わっていった。
 11月12日、6時前にクルマで丹後を出発。舞鶴、小浜と若狭湾沿いを東に進み、軽く山越えで近江今津へ。琵琶湖の北辺を時計回りにたどり、木之本に9時前に到着。合併によりここは今や長浜市街だ。湖岸道路に入るが、ここからが結構長く30分ほどクルマを走らせ、長浜ドームに近い水泳場の駐車場へ。クルマから自転車を降ろす。本日はランドナーであるが、もう1台のVigore。昨夜1年ぶりに家の周りを走ってみたら、フリーのスプロケットのトップ側にチェーンが外れる。アジャスターボルトを調整する。そして、今日、チェーンに油を差して準備完了。まずは琵琶湖を左に見ながら北上。快晴のため、紅葉した街路樹が赤く黄色く輝いている。心配なのは気温。普通ならば肌着のシャツにポロシャツで十分な陽気。今日は、ツイードのジャケットを着ている。汗をかくことを想定して、飲料水は1Lも用意している。
Dscn4437Dscn4438Dscn4439


 湖畔の長浜城の公園が近づいたところで、内陸にハンドルを切る。旧長浜の市街地にある「黒壁スクエア」の中、曳山博物館に隣接する「きぃなパーク」が集合場所。黒壁スクエアとは、江戸、明治時代の古い建築物が建ち並ぶ町並みで、今は観光地としての長浜の中心部といえる。ちなみに、黒壁とは黒漆喰を塗られた建築物の外観から来ている。
 その旧市街を目前に道に迷ってしまった。GPSレシーバーに位置データを入れておけばよかった。黒壁スクエアの周辺も、古い風情ある町並みが広がっているのだ。結局目的地よりも少し南をさまよっていたのだった。なんとかたどりついた曳山博物館の建物の脇を抜け、お堀沿いの芝生の広場「きぃなパーク」へ。10時ぎりぎりに受付に滑り込む。周囲には、すでにツイードに身を固めた人々が集まっている。直前に定員の60名に達したとのこと。
Dscn4442Dscn4443

 主催者による開会宣言、スタッフの紹介、注意事項の説明、記念撮影の後、10時半に4つの班に分かれて自転車で旧市街へと繰り出す。自転車のコースは5つのセクションに分けられていて、まずはSection1「旧市街」。観光客で賑わうアーケード街は安全のため自転車を降りて押す。しばらく旧市街を練り歩いて郊外、琵琶湖方面へ。
 琵琶湖岸に出ると一気に開放的な雰囲気になる。Section2「琵琶湖畔」だ。琵琶湖が晩秋の低い日差しを受けてきらきらと輝いている。街路樹の紅葉も赤く鮮やかだ。ヨットハーバーから長浜城へ。
 そして湖岸の自転車道へ。琵琶湖一周なのか、そうでないのかわからないが、我々以外のサイクリストも行き交う人気の自転車ルートだ。気持ちよく走って水泳場の浜辺でしばし休憩。そしてまた走り出す。南浜でまた休憩。ここはトイレや東屋があり、手作りお菓子と暖かいトマトスープのサービスを受ける。
Dscn4445Dscn4448

 暑さを心配したが、10~15km/hののんびりペースなので、体温は上がらずに快適に走れる。持ってきた飲料水もあまり飲まず、むしろトイレに駆け込んでしまった。
 さて、次は琵琶湖畔を離れ姉川に沿って内陸部へ。Section3「姉川辺」。堤防の上の道からは伊吹山を望む。古いコンクリートの橋を渡り、さらにさかのぼると今度はまっさらの橋を渡る。なんと先ほど開通式を終えたばかりで、まだクルマは通行止め。歩行者と自転車だけがのびのびと通る。
Dscn4453Dscn4457

 姉川の堤防を降り、集落の中へ。Section4「集落探訪」。次は、田園の中に点在する集落をたどる。集落の中には曲がりくねった水路があり、黒壁スクエアとはまた違った風情がある。子供たちが「こんにちは」と元気に声をかけてくる。
 集落を抜けて田園広がる平野を行く。するとやはり伊吹山の存在感が際立つ。そうしてまた次の集落へ。こんな風に田園と集落を2度3度繰り返し、交通量の多い幹線道路へ出る。誌の中心部へと戻りつつあるということだ。
 参加者とスタッフで20人未満のグループに分かれて走行していたのだが、迷路のような集落を行くうちインターバルがなくなり、いくつかのグループがまとまって大集団になってしまった。途切れない行列ができてしまい、周囲の交通に迷惑をかけてしまった。
 そんなこんなで、旧市街へと戻る。Section5「凱旋」。正午過ぎで、スタート時よりもさらに観光客で賑わっている。もちろん、自転車を押して行く。
Dscn4462Dscn4465Dscn4466


 きぃなパークに戻ったら、一度解散。昼食を含めた自由行動の時間となる。ほとんどの人は、黒壁スクエアの中で食事をして町並み散策をしているようだが、私は自転車で少し移動。国道8号線まで出て、ラーメン屋へ。
Dscn4469Dscn4471

 きぃなパークへ戻り、14時30分からエンディングパーティ。ドリンクとシフォンケーキのサービス、そしてレトロな自転車をピックアップして紹介。中には、40年50年前なんて当たり前、100年近く前の自転車も登場し、私の20年前のランドナーなどまだまだ若輩者。さらにミュージシャンの楽器演奏で16時過ぎに閉会。さすがに日が傾いて寒かった。
Dscn4483Dscn4485Dscn4487


 会場を後にし、長浜城へ。夕日が琵琶湖の対岸、比良の山々に向かって落ちて行く。湖畔を南下し、長浜ドーム地下くの駐車場へ。水泳場の浜では、スポーツカイトを揚げている若者たち、ボードセーリングの撤収をしている中年男性。ああ、比良の山に夕日が沈んで行く。
Dscn4494Dscn4505Dscn4504


 日没を見届けてから帰路に着く。来た道を戻る180kmのドライブ。

|

« VIGOREの故郷を訪ねる(キヨセ編) | トップページ | 晩秋の丹波の小さな峠巡り(長宮峠ともう一つ) »

コメント

 徐々にビンテージ系に移ってきているように感じます。雨が降らなくてよかったですね。
 自転車の楽しみ方はいろいろ。ボクも歳がいったら(いってるけど)そっち系に傾くかもしれない。その時はよろしくお願いします。

投稿: すう | 2016/11/27 12:47

 晴れることがほぼわかってから申し込みました。文化の日のツーリングもそうですが、申し込みは4,5日前でした。とにかくある程度確度の高い予報が発表されるまでは、予定など決められるはずがありません。まあ、どちらの催しも、雨が降れば自転車では走らないことになっていましたが。
 ツイードピクニックも、ランドナーがたくさん集まると思って参加しましたが、ランドナーという車種によるくくりでなく、古い自転車つまりビンテージの集まりでした。確かに、古い自転車のレストアを主題にしたムックが発行されたり、近年の自転車誌にも70年代80年代のマスプロメーカーのランドナーや、ジュニアスポーツ車、あるいはブリヂストンのロードマンなどが特集されたりしていますが、(流行が?)ビンテージに移っているなんて思ってもみませんでした。世間の動向には疎いもので。そうはいっても、主流はロードレーサーでしょうね。
 当方はというと、間違いなく新しい物より古い物に目を引かれますね。お世話になっている「BULLDOG」の店内に、たまに30年位前のロードレーサーが置かれていることがあります。「古い自転車を他人から譲ってもらった」とか「昔載っていたものを復活させたい」とかで整備およびパーツ交換のために持ち込まれたとのことです。そういう自転車は、ほかの現行モデルの自転車の中で際立って見えてしまいます。ただし、今の自転車より格段に乗りにくいことは間違いないので
、乗りたいとは思いませんが。また、派手派手のシャツや太ももに張り付くようなハーフパンツには抵抗があって全く持っていませんが、ツイードのジャケットと帽子はすんなりと買ってしまいました。まあ、前述の自転車用の服装と違い、いくらでもつぶしがききますからね。
 長浜には、一年ぶりに乗る機会だ、と御大H氏からもらったVIGOREを持っていきましたが、本文に書いた通り20年前の自転車などまだまだ若輩者。40年前の山口べニックスならもう少し貫禄があったかと思います。
 また、今回の長浜行きには、5年前に出会いツイードランを知るきっかけになった人たちに再会する目的もありました。
 さて、ビンテージバイクにはこんな催しもありますよ。
 「L’英雄」http://eroicajapan.jp
 ロングライドイベントですが、参加基準として30年以上前の自転車、ブレーキワイヤーはハンドルの外部に露出、ビンディングペダルでなくトゥークリップ、などなど規約に記されています。面白いですね。ランドナーでの出場も認められています。こうしたイベントが苦手な当方も興味を惹かれますが、残念なことに主流はロードレーサーのようですね。

投稿: はいかい | 2016/11/27 19:48

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 小春日和の「ツイードピクニックin長浜」:

« VIGOREの故郷を訪ねる(キヨセ編) | トップページ | 晩秋の丹波の小さな峠巡り(長宮峠ともう一つ) »