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2016/09/05

台風が北日本を集中攻撃

 まずは、このたびの台風等で被災された皆様に、お見舞い申し上げます
 8月中旬から下旬にかけての1週間に台風7.11.9号が東北地方の太平洋側を北上してすべて北海道に上陸した。すさまじい波状攻撃である。
 例年ならばこの時期、太平洋高気圧にブロックされて台風が立ち入ることができないエリアに進入していった。太平洋高気圧の張り出しが弱い、と思ったが、確かに張り出していないが「弱い」という表現は的確ではなかった。勢力は決して弱いわけでなく、例年より北東に位置しているのだ。
 日本付近の海域では、海水温が高い状態のため、東北地方の東側の太平洋の水蒸気をエネルギーとして強い勢力のまま北上、上陸した。
 夏の北海道を自転車で旅しているときに台風に襲われた経験はある。ただし、正確には台風の成れの果ての温帯低気圧だが。
 1992年の台風10号は8月8日に九州に上陸、その後日本海に抜け9日秋田県沖で温帯低気圧となった。その後、東北の北部および北海道に上陸した。
 九州、本州、北海道への何度も上陸、そして太平洋ほど水温が高くなく水蒸気の供給が少ない日本海を通って熱帯低気圧としてはいったん勢力を弱めながらも、温帯低気圧に転身して上空の寒気などをエネルギーにして勢力を維持して(あるいは強めて)北海道を襲った。気象庁の「災害をもたらした気象事例」のデータベースによれば、「北海道では南部を中心に、9日の日降水量が200mmを超えた所があった」とのこと。これは北海道では相当な雨量だ。ちなみに5年前の紀伊山地の水害の時、降り始めからの積算雨量の多いところでは、2000mmを越えている。まさに桁違い。地域により耐性は異なる。
 その時の私は、8日ウトロを出発して霧雨の知床峠を越え、羅臼を経由して中標津、開陽台のすぐ近くの宿「地平線」へ。テントを持っていたが、台風の接近のため、宿に連泊をした。9日は朝から強い雨が降り続いたが、同宿の人のご好意で羅臼までドライブに連れて行ってもらった。そんな雨の中でも走っているオートバイがいたし、宿の近くの開陽台キャンプ場でテント泊している人もたくさんいた。
 また、暖気のみで構成される熱帯低気圧(その強いものを台風と呼ぶ)から温帯低気圧に変わったためと思われるが、低気圧の訪れによって気温が下がった。低気圧が去った10日には快晴となりキャンプツーリングを再開することができたが、夜は寒くてテントの外で過ごす事ができなかった。
 さて、この夏の話である。前述の24年前の夏との違いは、波状攻撃である。大地、特に山林などは保水力を持っているのだが、許容量がある。次々と台風による大雨を畳み掛けられると、各所で洪水や土砂崩れが起こやすくなる。
 すでに3つの台風で被害が出たところもあったが、さらに8月末の台風10号がダメを押す形となってしまった。
 そもそも、熱帯低気圧が発達し台風が発生したのが八丈島の東と日本本土近海。その後南西に進んで大東島の南(沖縄本島の南東)まで到達して停滞したあと、また発生した八丈島の東海上まで戻ってくるという迷走。そのあと北上し、東北地方を岩手県大船渡から北西に向けて津軽半島で海上に出て、北海道松前半島をかすめて日本海を横断、ロシア極東方面へと向かっていった。行ったり来たりの迷走、西進などは本来日本のはるか南の海上で起こすような動きである。
 上陸こそしなかったものの北海道では空知川の氾濫により南富良野の集落全体が水に浸かった様子が報道された。
 上陸しなかったといっても、それは台風の中心(目)のことで、特に東側に大きく広がる雲が北海道の南岸を襲った。特に南風が日高山脈に沿う形で十勝平野に侵入。十勝清水や新得など平野から山に変わるところで、山肌に沿って上昇気流が発生。同じ箇所に次々と積乱雲が発生し長時間にわたって豪雨を降らせるバックビルディング現象が起こったのではないかと思われる。また、日高山脈と十勝連山(大雪山地)に阻まれて行き場を失った南風は、狩勝峠に突破口を見出し、雨雲(積乱雲)が集中して南富良野方向に抜け、空知川を決壊させたのではないか。なんてことを地図を見ながら創造する。
 南富良野の中心街、幾寅も2000年夏に自転車で、2006年夏に自動車で訪れている。1999年公開の映画「鉄道員(ぽっぽや)」で幾寅駅(映画では「幌舞(ほろまい)駅」)が使われて、周辺には野外セットの建物も残されいた。すべて水に浸かっているのだろう。
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 また、東北地方の被害も甚大で、岩手県岩泉町の高齢者施設でまとまった数の人的被害をもたらした。ここも訪れたことがある。それも今年3月、つまり5ヶ月前のこと。フェリーを下船した秋田から岩手の沿岸へとクルマで向かう時のこと。岩泉の道の駅によっている。高齢者施設は道の駅から300m程しか離れていない。施設のことは記憶にはないが、川沿いの道をずっと走っていたので、水があふれた小本川ははっきりと覚えている。また、その夜泊まったのは宮古の中心街のかつてはユースホステルも営んでいた旅館だが、こちらも5年前の津波に続いて浸水被害を受けている可能性がある。
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 岩泉町や宮古市は台風が上陸した大船渡の北側に位置し、台風が再接近した時には海からの風が吹いていた。10m/sを越える強い東風だ。これが北上山地に当たって上昇気流となり雨雲を発生させた。
 なお、日本海北部を横断してロシア極東へ向かった台風10号の成れの果てだが、別の低気圧に引き寄せられる形で北朝鮮北部でひとつの低気圧になった。北朝鮮も大変な被害に見舞われたようだ。
 そして、9月に入って台風12号が日本に接近。今日(5日)長崎県に上陸して日本海の山陰沖を進んでいる。動きがゆっくりのため勢力を弱め、熱帯低気圧に変わった。今でこそ「熱帯低気圧」だが、かつては「弱い熱帯低気圧」と呼ばれていた。「強い熱帯低気圧」を台風と呼び、「熱帯低気圧」はそれらの総称だった。それが、「弱い」とつくことで人々が油断すると言うことで、今の呼び方に変わった。
 暖かい海水の水蒸気を主なエネルギーとする「熱帯低気圧」に対して、上空の寒気、つまり寒気団と暖気団の交じりあうエネルギーによって貼ったするのが「温帯低気圧」。スピードが速く強い勢力を保ったまま、寒気団の存在する緯度まで進むと「温帯低気圧」となり、また別のエネルギーによって発達する。

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