山口ベニックスランドナーの故障と再生
2月末、山口ベニックスで走行中にリアディレイラーがスポークの中に入ってしまい破損してしまった。リアディレイラーのみならず、エンド(ディレイラーハンガー)も曲がってしまった。あああ、やってしまった。なんとかチェーンが駆動するような位置にリアディレイラーを曲げて家までの約5kmをしのぐ。結果、普通なら下を向いているはずのリアディレイラーが後方に水平に突き出すような形となり、スプロケットへのチェーンの掛りが浅く、少しのトルクで歯が飛んでしまう。わずかな登りでも乗車では越えられない。帰ってから気付いたが、リアスプロケットのローギアも変形していた。
約40年前に世に出たランドナーをおととし譲り受け、ずっと乗られていなかった状態から、いろいろ手をかけて復活させた。ハンドルを換えたし、ブレーキレバーも換えたし、ブレーキも換えたし、スポークを組みなおしてリムも換えたし、スプロケットも換えた。後輪のシャフトが折れたので、それも換えた。そして、丹後半島一周もした。今回も、なんとか再生したい。
そういえば、1月初めに転倒した。遊歩道のように茶色の舗装された路面に薄い泥がコーティングされ、雨上がりで濡れて氷のようにつるつるになっていた。そこで後輪がスリップしスライディングするような形で右を下にして転倒。その時にディレイラーを少し曲げてしまっていたのかもしれない。最近チェーンがよくローギアとスポークの間に落ちて、調整しないといけないな、と思っていたのだった。
古い自転車だから、ディレイラーハンガーだけが取り外せるわけでなく、つまりフレームが曲がったということになる。年代物のリアディレイラー、シマノ「クレーン」を傷めてしまったのも痛いが、フレームも痛い。これで廃車もありうる。
どうにかならないものかと、とりあえず手元にあったエマージェンシー用のディレイラーハンガーをつけてみる。出先でディレイラーハンガーが折れた時に対応するものだ。ディレイラーは、昨秋別に所有しているVigoreランドナーのリアスプロケットを交換に伴って外した20年前のデオーレDXを付けてみた。ベニックスはリア5S。交換したディレイラーは7Sなので、Vigoreのホイールを使う。ハンガーの厚みの分だけ外側にずれるので、トップおよびローのアジャスターボルトをそれぞれ調整して変速してみる。おや、なかなかいいではないか。10kmほど走ってみたが、いけるいける。これを携行していれば、破損したあの日の帰宅がもっと楽だったかも知れない。ただし、難点は、クイックシャフトだけで固定しているので、ホイールを外す時にはハンガーごとリアディレイラーも外れてしまう。この自転車をクルマに積んで運ぶことはあまりないのだが、でもホイールくらいは1~2分で手軽につけ外しできるようにしておきたい。
そこで、シマノのY52U90320というディレイラーハンガーを購入。クイックシャフトのほかに、ボルトを通す穴が開いていてキャリアや泥除けのステー用のねじ穴を利用して固定できる。ただし、ベニックスのフレームには泥除けのステー用のねじ穴が一つ。ここにボルトで固定すると、ディレイラーが後傾してしまう。チェーンが歯飛びするほどではなく、変速もできる。
でもやっぱり、できるだけ元の位置にディレイラーを設置するために、フレームにボルト用の穴をあける。なかなか固くて苦労したが、どうにか貫通。ハンガーが泥除け用のねじ穴をふさいでしまうので、泥除けステーもこちらのボルトで固定することにする。長さ25㎜のボルトを内側から外向けに通し6角ナットでディレイラーハンガーを固定。その外側に泥除けステーのわっかを通し今度は蝶ナットで固定。これで、ハンガーを固定したまま泥除けだけ手で外すことができる。
リアディレイラーは、今時5Sのものは普通で手に入らないだろうから、Vigoreから外した20年前のデオーレDXを使うことにする。ベニックスについていたクレーンはお蔵入りだ。
ホイールの方は、もともとは5Sのボスフリーだが、ディレイラーの関係で7Sにしないといけない。Vigoreと兼用ということも考えたが、ちょっと太めのタイヤを履いているので、ベニックスではフレームに擦ってしまう。7Sのボスフリーが手に入らないかとネット検索したところ、普通に売られているではないか。廉価モデルのスポーツ車ではまだボスフリーが使われているということか。
というわけで、買い足しパーツが届いてから装着してみる。するとギアの枚数が増えてスプロケットの厚みが増したのでトップギアがフレームに干渉する。そこで、以前折れたシャフトのスペーサーを継ぎ足す。ホイールのセンターがずれるので、スポークの調整をしないといけないのだが、それは後回しでいいや。
こうして、山口ベニックスは1か月ぶりに蘇った。ありあわせのパーツを使ったこともあってディレイラーハンガー400円弱、リアスプロケット1000円弱の合わせて1350円ほどで済んだ。
しかし、この自転車は、色々と勉強させてくれる。
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