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2015/10/27

播磨中央自転車道から加古川右岸自転車道へ

 クルマの多い道を走るのは嫌だ。クルマの通らない道とは、例えば人気のない山の中の道、あるいは整備された自転車道。ちょうど1年前の、2014年に播磨中央自転車道のそれまでの未整備区間が整備され、既存の加古川右岸自転車道に連結したとのこと。加西市から加古川の河口まで約35kmか。ピストンはつまらないし、周回にすると、クルマの多い道を通らねばならない。ならば、復路は輪行しよう。JR加古川線と北条鉄道だ。となると、自転車は折り畳み小径車。都市部の列車だから混雑が予想される。できるだけコンパクトサイズがいい。
 福崎を経由し、昼過ぎ加西市の中心街に到着。中心街で迷走し東側の郊外にある「アラジンスタジアム」の駐車場にクルマを停め、自転車で走りだしたのは14時30分になった。スタジアムというとプロ野球の球団の拠点となる観客席付きの球場を思い浮かべるが、ここは田園に囲まれたナイター照明付きのグラウンドであった。道路を隔てた向かい側には、播磨平野らしくため池があり、その上にはソーラー発電パネルが並んでいた。
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 自転車道の出だしは、車道脇の車歩道。道沿いのコスモス畑に癒される場面はあるが、クルマの往来が多くあまり楽しくない。
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 公園のように整備された玉丘古墳群を越え、飯盛山でようやくクルマの多い車道を離れる。林を越え畑の脇を抜け小さな集落を横切ると、田園地帯に自転車道が伸びている。見晴らしがよく、クルマがまったく通らない。これはいい感じだ。丹後ではとっくに稲刈りが終わっているのだが、この辺りはまだ半分ほどの田んぼが黄金色だ。まさに刈り入れの最中の田もある。
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 いつしか、自転車道は加古川の支流万願寺川の堤防を行くようになる。田んぼの広がりの奥には市街地や木々に覆われた小高い丘が見える。何度か、クルマの通行の多い車道を渡らねばならないのが難点だが、
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 田園が広がる播州の道を行く。北条鉄道網引(あびき)駅のすぐ東側で鉄橋のたもとの踏切を越える。写真を撮っていると、網引駅で停車していた列車がこちらに向かってやってきた。これはいいタイミングだった。通り過ぎた列車に「開業30周年」のエンブレムが見えた。国鉄民営化のあと第三セクター方式で生まれ変わったのが30年前、というわけだ。
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 踏切からは少しだけ万願寺川を離れ線路沿いを行く。網引ののどかな集落の片隅の網引駅も、これまたのどかなローカル無人駅。
 柿が実る晩秋の道を行く。静かな、静かな里の秋だ。と思っていたのもつかの間、クルマの轟音が響く、県道が前方に立ちふさがる。やれやれ、と思いながら地図を見る。いつの間にかコースを逸れている。網引駅からまた万願寺川沿いに戻らねばならなかったようだ。線路沿いも大きく逸れてしまったわけではなく、そして雰囲気のいい道だった。軌道修正は簡単、目の前の県道へ右折し、南下すればいい。県道をたどればすぐに万願寺川を渡る橋。ここで自転車道に復帰。自転車道は、川沿いから県道沿いへと乗り換え。つまり、車歩道になる。
 なだらかなアップダウンを越えたら、山陽自動車道の下をくぐる。そして、ようやく車道を離れ、権現湖畔へ。播磨中央自転車道を走り終え、加古川右岸自転車道に接続する。そして、加西市から加古川市へと入っている。
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 権現湖は、ダムによる人造湖なのだが、堰堤が3つもある複雑な構造だ。リアス式海岸のような入り組んだ湖岸をどり、第3、第2と堰堤を渡る。西日に湖面がきらきらと輝いている。
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 第2堰堤を渡ると車道と合流し、車歩道となる。第1堰堤のたもとで再び自転車道は車道と隔離され、ヘアピンカーブのくだりとなる。第1堰堤の南側(権現湖と反対側)にはびっしりとソーラー発電パネル。
 堰堤の標高差を下り終えると、田んぼの中の農道のような道となる。クルマ止めが外され軽トラックが出入りしているのは、稲刈りシーズンだからだろうか。
 そして、加古川の支流の川沿いを行く。先程の権現湖の大きさとは釣り合わないような小さな川だ。
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 前方が開けてきた。加古川本流が近いようだ。ようやく自転車道の名称にマッチした区間がやってくる、と期待したのだが、支流が加古川本流と合流する手前で堤防から川と反対側に下ろされ、幅の狭い一般道を走らされる。結構その区間が長く、じらされた挙句にようやく堤防に上がり、加古川本流とご対面。
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 国道2号線の加古川パイパスの手前で自転車道は河川敷に降りて、新加古川橋をくぐる。河川敷は、ウォーキング、ジョギング、自転車、釣、あるいはのんびり座るだけ、と市民の憩いの場となっている。
 さらに、JR山陽本線、山陽新幹線、山陽鉄道と3つの鉄道と2本の車道の計5本の橋をくぐったら、再び堤防に上がる。堤防上は交通量の多い車道で、その車歩道を行く。いつしか高砂市内。目指せ、瀬戸内海だ。
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 加古川にかかる最後の橋、相生橋西詰めの交差点を越えたらぐっとクルマが減り、前方の河口の向こうに瀬戸内海の広がりが見えてきた。
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 加古川右岸と瀬戸内海とが出会う場所は高砂海浜公園と向島公園。隣接する両公園は、前者が県立、後者が私立だそうだが、境目はよくわなからない。小ぢんまりしたビーチでは、夕暮れの秋の日を受け小さな子どもをつれた人たちの長い影を落とす白い砂が美しい。
 さあ、時間が押している。急いでUターンだ。のんびりした雰囲気の山陽電車と、脇目も振らず一目散の新幹線が好対照だ。しかし、新幹線の行き交う本数の多さを改めて実感する。
 国道2号線の手前で堤防に上がり、その国道の加古川橋を渡る。そして、路地やアーケードを縫って南東方向へなんとなく進んでいったら加古川駅に出た。
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 自転車を輪行袋に納め、切符を買って改札を通過。山陽本線のホームに上がる階段やエスカレーターがある。加古川線のホームに行くにはもう一度改札を通過しないといけない。無人駅があるからだろうか。
 17時25分、すでに入線している2両編成の列車に乗り込む。すでに座席は埋まっていて、先頭車両の真ん中辺りの出入り口付近に陣取る。その後も次々に人が乗り込んできて、17時45分の発車直前にはぎゅうぎゅう詰めに近い状態になってしまった。輪行袋という大きな荷物を持ち込んでごめんなさい。北条鉄道乗り換えの粟生駅は有人駅なので、すぐ近くのドアから下りられるはずだ。
 本来無人駅では先頭車両のそのまた先頭のドアしか開かないはずだが、混雑しているせいかドアの開閉ボタンを押したらどこも開くようになっている。つまり、私がいる場所の近くのドアも開くわけで、輪行袋が邪魔になってしまう。誰も口には出さないが、心の中では不満に思っていることだろう。ちなみにロングシートの人たちはゆったりと間隔をあけて座っていて、詰めればもっと座れるはずだが立っている人々の中に詰めてくれと言う人はいない。
 3つほど駅を過ぎたらようやく車内がすいてきて、人の流れの邪魔にならないところに退避することができた。
 粟生駅で乗換え。改札を通ることも陸橋を渡ることもなく、ホームの反対側の1両のみの車両に乗り込んだ。こちらはさほど混雑してなくて、ロングシートに座ることができた。20分ほど読書ができる。ワンマン列車の運転手は、若い女性だった。なんとなく、目じりを下げる火野正平を思い出す。
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 加西北条はターミナル駅なので陸橋を渡ることも地下に降りることもなく、そのままホームの端が出口となっている。輪行袋を解いて、さあ最後の一走り。すっかり夜の帳が下りたが、まだ19時前。3ヶ月前ならまだ明るい時間だ。ライトを灯して、アラジンスタジアムへ。

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