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2015/06/06

扇ノ山の懐「林道中辻肥前畑線」

 扇ノ山に登って北東方向を眺めると、尾根の稜線直下に林道が走っているのが見える。2008年秋に開通した「林道中辻肥前畑線」ということがわかった。自転車で走ってみようと思うのだが、そこは雪深い扇ノ山エリア。雪がとけたらと思っていたら蒸し暑い季節になり、涼しくなってからと思っていたら日が短く時雨降る季節となりさらに雪に閉ざされる。いつの間にか何年も過ぎてしまった。
 2015年5月、何だろう自転車に乗りたくてたまらない。4月の長雨で満を持した後、爽やかな晴れが続いたせいだろうか。これを機に懸案を解決しようではないか。
 湯村温泉の南、但馬牧場公園の近くの道路脇のスペースにクルマを止めてランドナーを下ろす。林道はダートなので今日はブロックタイヤのホイールを装着。すぐ近くに林道の起点があり、通行止めの表示が出ていないか確認。ただし、林道を下り基調で走るために終点の肥前畑スタートで、こちらがゴールとなるコース取りだ。
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 まずは中辻の棚田の中を下る。以前はもっと小さな棚田だったのだろうが、現在は比較的大きめの長方形に整えられている。ただし、集落の周囲には小さなままの棚田が残る。傾斜地に建つ家と棚田の風景は2004年の新潟県中越地震の震源に近い旧山古志村に似ている。
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 広い谷の底まで下り、照来川(てらぎがわ)の支流を渡ってから塩山の集落へ登り返す。これがなかなかきつい。集落を超えてしばらくはまだ登り。照来川の谷と岸田川の谷を分ける尾根を越える。いたるところに棚田が見られる。振り返れば、但馬高原牧場スキー場(照来スキー場)のゲレンデ。その奥には但馬中央山脈。頂上にアンテナ群を頂いた三川山だ。
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 どうにか尾根を越えて岸田川へと下る。もうだいぶ疲れてしまった。本格的な登りはこれからだというのに。
 まずは石橋集落を対岸に見ながら、岸田川の右岸を行く。岸田集落で左岸に渡り田中集落へ。すぐに家並みはなくなり、変電所を越え緑の中を行く。この岸田川沿いの道は県道でなだらかなため、自転車で快適に登れる。
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 随分登ったら菅原の集落。といってもほんの数世帯。標高は500mを越えている。川の水を引いたアマゴの養殖プールがある。
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 菅原を越えたら道は分岐していて、片や畑ヶ平の大根畑へ登る九十九折れ。その反対側の肥前畑への道をとる。
 扇ノ山といえば、畑ヶ平や広留野の大根畑、上山や河合谷の牧草地に活用された高原に囲まれたなだらかな山容をイメージするが、その高原地帯の縁はかなり急峻な地形となっている。滝が多いこともその現れである。岸田川はその大きな山塊に深く切り込んだ川で、その谷は主峰の扇ノ山や大ヅッコと青ヶ丸や仏ノ尾を分けている。
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 緩やかな登りを経てたどり着いた肥前畑は本当に小さな集落。その奥には林道の終点。だいぶ日が傾いてしまったが、こちらにも通行止めを知らせる表示はないので、意を決して突入。まずはコンクリート舗装の登り。林道に入ればいきなりきつい勾配。日陰には残雪も見られる。また、雪はなくてもぬかるみが残り、つい最近まで雪があったことがわかる場所もある。
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 時折倒木があるが、クルマが通れなくなるほどではない。もちろん自転車の通行も問題ない。しかし、笹の株が道路を完全に塞いでいた。法面のかなり上の方から根こそぎ剥がれ落ちてきたようだ。クルマは完全に通行不能。自動二輪でも無理。自転車は担いで何とか越えることができる。
 林道の起点・終点に通行止めの表示がないからといって安心はできないというわけだ。怖いのは、この後林道のピークを越えて中辻の手前まで行ってそこで通行不能になった場合だ。今のように担ぐなどして越えられればいいが、道路が丸ごと崩落している場合などは自転車も歩行者も通れない。その頃にはすっかり暗くなっているだろうし、また厳しい林道を登り返して戻る羽目になる。笹の株を越えた中辻側にクルマの轍があるので道は通じているのだろうと思われるが、でもその轍がついた後に道路が崩落していないとも限らない。まあ、それでもここまで来て引き返す気にもならず、進むことにする。
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 左後方に岸田川の谷を隔て扇ノ山と大ヅッコが並んで見える。こうやって見ると大きな山だ。中腹には滝が見える。ここから遠望できるということは結構大きな滝だ。霧ヶ滝か。家に帰ってから霧ヶ滝の写真と比べてみるが、どうも姿が違うようでもある。滝つぼの畔から見上げるのと視点の違いだろうか。あるいは雪解け期の水量の違いだろうか。
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 さらに進むと前方に光る鏡のような田んぼが見えてきた。岸田川沿いの集落のようだ。
 行けども行けどものぼりが続く。標高700mを越えてやっと一つ目のピーク。下りが始まるが、登り返しの急坂が見えるのであまりうれしくない。
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 登り返しはコンクリート舗装。舗装されているところは急勾配というわけだ。次のピークは岸田川と照来川の谷を分ける尾根を越えるもの。これを越えたらおおかた登りは終わりと思っていたが、またその先で登り返しが見えるではないか。
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 日が暮れたのでライトを転倒。日本海に漁火がともる。気ばかり焦ってマイペースで登れない。しかもダートなので、押して登る。何とか最後のピークを越えて、本格的に下る下る。LEDライトが明るいので路面は良く見える。が、砂利が浮いているのでスピードは出せない。
 そのうち路面の様子が変わる。バラスがなくなり、のっぺりした土の路面となった。さらに下っていくと周囲が山林でなく、整地された草地のようなものが見られる。但馬高原牧場スキー場の近くを通っているようだ。さらに鉄筋コンクリートの建物の脇を通る。水道の施設のようだ。よかった、もうこの先で通行不能ということはないだろう。そしてゴールは近い。
 ほどなく、但馬高原牧場入り口近くの舗装路に出て、道路脇のクルマにゴール。

15:25~20:15、34.5㎞、5月下旬、Vigoreオリジナルランドナー(ブロックタイヤ仕様)
標高データ:中辻[328]-照来川支流[175]-塩山[390]-岸田[217]-肥前畑[610]-林道最高地点[805](標高差100m前後のアップダウンがありピークは3つ)-中辻

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コメント

長丁場お疲れ様でした。
肥前畑辺りは正に兵庫の秘境ですねぇ。
牛追い道や水池など、訪ねてみたいところが
いっぱいです。

投稿: トラ | 2015/06/07 21:23

 こんなところに1周コースがあるんですね。国土地理院では肥前畑の先2kmくらいで道はなくなっています。
 はいかいさんはいつもスタート時間が遅くて夕方ライドですが、今日はナイトライドでしたね。ボクは夕方少しずつ暗くなっていく中で走るのがすごく苦手。気が滅入ってきます。なのに完全な夜になると、少しは開き直りも出てきます。でも、知らない林道の夜道は根性がいるなあ。

投稿: すう | 2015/06/13 11:05

 トラさん、返事が遅くなりました。すうさん、まいど。
 但馬は丹後よりも山が大きいせいか、いたるところに秘境がありますね。菅原や肥前畑もすごいところに人が住んでいるなぁ、と思います。
 もうちょっと早く走り終える予定だったんだけど、夜になっちゃいました。午前中は別のことをしていて、昼頃に出発したんですが、豊岡の図書館に寄り道して、結局こういうことになりました。
 行動中に日が暮れてしまったとき、まずいのは慌てること。落ち着いていられるために、明るいLEDライトを忘れるわけにはいきません。
 林道が途中で通行不能だったらどうするか、ということを考えるとリスクがありましたね。あと、暗い中で自転車のトラブルがあると困ります。パンクくらいならいいけど。
 暗くなってしまったら、とにかく落ち着いて行動するしかありません。行き止まりならその時は引き返す。シングルトラックと違って、道を見失うことはない。時間をかければ必ず解決できるんだから、と。

投稿: はいかい | 2015/06/13 20:20

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