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2015/06/06

山の緑も川面もきらめく播但めぐり

 毎年初夏に兵庫県中部の神河町の東部、旧神崎町の周回コースを自転車で走っている。今年も、4月下旬に走った。そこで、その周回をもっと広げ、神河町西部の旧大河内町、朝来市南部の旧生野町を巡るコースを考えてみた。播磨と但馬をまたぐコース取りだ。
 スタートは、おなじみの旧神崎町の中心街に近い法楽寺。越知川の畔の広場にクルマを停めさせてもらう。
 ランドナーの前後のホイールと泥除けをセットしたら、南西に走り出す。市街地を越えると広い穀倉地。越知川と市川本流が合流するあたりは麦畑と田んぼが広がる。田んぼは田植え直後で湖のように水がきらめき、麦秋の黄金色とのコントラストが大きい。
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 市川を渡って旧大河内町エリアへ。まずは、用水路の水車軍がお目当て。ただし、その場所はJR播但線の新野駅に近いということくらいしかわかっていない。市川との町境まで南下してから用水路に沿って北上。新野駅を越えてさらに少し北上すると、あったあった竹製の3基の水車がぎしぎしと音を立てて回っている。水路の水を田んぼに組み上げるため300年以上前からあったという水車は、一時その姿を消しかけていたが地域おこしのため復活し保存されているとのこと。冬場は取り外されて(一人で運べるほど軽量とのこと)別の場所に保存されているそうだが、田植えの今が用水路の水量もあり最も水車が活躍する時期である。
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 さらに用水路沿いに北上すると、すぐに次のお目当て梅花藻の群生地に到着。用水路の本流でなく、山からの支流の水中に揺れるたくさんの小さな花。梅の花に似ていることからその名がついたとのこと。透明な水の中で踊る姿がかわいらしい。
 そこからさらに北上すればすぐに寺前の集落。JR播但線の寺前駅や神河町役場がある。元々は大河内町の中心集落で、木造の建物が並んで長閑な雰囲気。むしろ国道312号線の通る旧神崎町の中心の粟賀のほうが鉄筋コンクリートの建物が並んで都会的な雰囲気だ。
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 さて、寺前を過ぎると辺りは緑に包まれ、市川の渓谷沿いの静かな道となる。クルマは少ないがたまに通れば猛スピードのエンジンの轟音が鳴り響く。谷あいのわずかな土地に集落と田んぼが点在している。
 JR長谷駅よりも北に行けば集落が少なくなり、クルマもさらに減る。岩がごろごろした市川の流れがただただ続く。川を遡っているわけなのでずっと登り基調で、その勾配が徐々に増している。
 ずっと県道を走っているわけだが、渕という小さな集落で県道は支流の栃原川に沿って北上。市川は北東方向に向かい、その川岸の細い道を行く。その細い道はクルマがほとんど通らないいい道。しかも、栃原川沿いの県道が峠越えなのに対し、こちらは川の流れに沿って生野へと抜けることができる。出会ったのは自転車に乗った年配の男性だけだった。
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 生野高校のそばを通り、細い道は市川とともに国道の橋の下をくぐる。要するに立体交差だ。現在は朝来市の一部となった旧生野町。但馬の国に属するわけで、つまり日本海側というイメージなのだが、この旧生野町の大半は分水界の瀬戸内側、市川の水系ということになる。
 生野の中心集落口銀谷(くちがなや)に入ると懐かしい雰囲気の家並みとなる。寺前よりもさらにレトロな雰囲気だ。鉱山で栄えた頃の町並みが残っているらしい。
 いったん町並みの中に入った道は再び市川沿いとなり、三菱マテリアルの大きな施設の前を通る。施設の向かいには年季の入った人気のない建物。18年前にもここを自転車で走ったことがあるのだが、その時は何か見せのようなものだったと記憶している。三菱マテリアルの作業員のための売店のようなものだということだろう。軒下に下がる、やはり年季の入った小さな「たばこ」の看板が往時を物語る。
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 奥銀谷集落の手前で市川を渡る。鯉のぼりの群れも川をまたいでいる。ここからは白口に向け山間部へと入って行く。市川を離れると小さな新町、猪野々集落を越え、民家はなくなり、すぐに山深い雰囲気となる。市川の支流、白口川は結構な急勾配で、それが作る谷は深く、要するに展望もないつらい登りということだ。18年前にもこの登りを越えたが、あの時はまだダートだった。今は全面舗装されてしまった。
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 かなり登って、突然石垣と民家が現れた。白口集落だ。標高は500m近い。こんな山深いところに集落があるのに驚くが、坑口があって納得。江戸時代の前半にはなんと8百軒以上もの家があったという。今では数世帯で、そのうち数軒は生活の気配がない。人が住んでいる家は片手で足りる感じだ。
 白口を過ぎてもまだのぼりが続く。ああきつい。ずっと谷で峠が近づいても展望がないから余計につらい。登りにうんざりした頃、ようやく峠に到着。再び播磨の国に戻り、越知川沿いの作畑まで一気に急降下。
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 作畑からは越知川に沿って下ればいいのだが、せっかくなので上流に向けて3kmほど遡る。神殿の集落を超えてすぐのキャンプ場などのある「新田ふるさと村」。ここが越知川下りの自転車コースのスタート地点。さあ、20km弱の川沿い下り基調を快走しよう。
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 越知川を縫うように右岸左岸を行く。クルマの通る道の対岸の細い道を行くこともある。出だしは吊り橋を渡って不動滝の側の遊歩道のような道を行く。その後は、中山間地という言葉がぴったりの、集落をつないで行く。夕方なので煙突から煙が出ている。薪で風呂をたいている家がたくさんあるということだ。我が家も30年前はそうだった。
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 越知の集落まで下れば、後は毎年通っている勝手知ったる道。麦秋の麦畑の中を泳ぐ鯉のぼりの大群が見えたら根宇野。ゴールは近い。
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14:45~18:40、55.7㎞、5月中旬、Vigoreオリジナルランドナー
標高データ:神河町中村法楽寺[170]-新野[135]-朝来市口銀谷[315]-峠[630]-神河町作畑[410]-新田ふるさと村[475]-法楽寺

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