« 松は緑に砂白き琵琶湖一周(前編:新旭・琵琶湖大橋・近江八幡) | トップページ | 山の緑も川面もきらめく播但めぐり »

2015/05/14

松は緑に砂白き琵琶湖一周(後編:近江八幡・木之本・新旭)

 さあ今日も快調に行きますよ。快晴というのか薄曇りというのか微妙なところだが、雨の心配はなく爽やかな空気に包まれたツーリング日和。気温はまだ上がらないので空気の対流は弱く、つまり微風。でも昼ごろには昨日のような強風になるんじゃないの。8:15、藤の花咲く近江八幡ユースホステルを出発。
P1080044


 まずは近江富士を遠くに見ながら湖岸に出て、長命寺の前を通る。長命寺山の山肌が直接琵琶湖に落ちているので、道路はアップダウンとなる。道は細いがクルマの通行は少なくいい雰囲気。メインルートの湖岸道路は長命寺山の裏側、大中湖という内湖を干拓したところを走っているようだ。当然琵琶湖一周は、湖岸を走るべきだろう。このツーリングレポートのタイトルに拝借した「琵琶湖周航の歌」の中にもちゃんと長命寺が歌われている。数台の自転車とすれ違ったり、追い越されたり、追い越したり。
P1080050P1080052

 湖岸のアップダウンを越え水泳場やキャンプ場がある休暇村の前を通過すると、広々とした穀倉地帯へ出た。大中湖の干拓地だ。まるでオアシスのようにコンビニエンスストアがある。サイクリストの一団が休憩中。彼らは皆ロードレーサー。ファストランの雰囲気だ。店内で買った1Lの紙パック入りのお茶をペットボトルに移し替えていると、颯爽と走り去っていった。こちらはのんびりツーリストなので、より湖岸に近いところを通れないかと模索するも、結局ファストランの一団と同じ幹線道路を走る。湖岸道路という名のくせに、内陸を通ってきた道だ。相変わらずこの後も、湖岸から100~300mほど内陸を走っている。
P1080054


 湖岸に駐車車両が見えるので田んぼの中の道を通って行ってみると、浜に家族連れなどのグループが数組いて日向ぼっこなどを楽しんでいる。しばらくその浜沿いの道を行くがすぐに川で途切れて湖岸道路に戻る。大中湖の名残の小さな内湖からの水路のようだ。
 仕方ないので湖岸道路を行く。車歩道があるが、車道とのつなぎ目は通過時にストレスを感じる段差になっている。数百m内陸を走っているということは、左側にも田畑や民家などがある。つまり枝道が多い。そのたびに歩道の段差を越えるのはいやなので、車道を走る。朝のせいかクルマが少なくて幸い。風が弱いので走りやすい。長命寺のアップダウンで少しスローペースのスタートだったが、コンビニ休憩の後、25km/h前後またはそれ以上のスピードで走ることができたので、本日のトータルの平均時速はいつの間にか20km/hを越えていた。
P1080059


 徐々に湖岸道路を走る車が増えてきた、と感じていたら彦根市石寺町で湖岸を行く細い道が分岐していたのでそちらに入る。これは静かでいい道だ。波打ち際の広場にベンチがあったので、思わず自転車を停めて休憩。タブレット端末の地図で彦根の中心街まであとどのくらいか見ていると、近くの家のお父さんが話しかけてきた。ベンチに腰掛けてしばしお話をする。ここに立ち寄るサイクリストに、しばしば話しかけているようだ。300mほど内陸を行く現在の湖岸道路ができる前は波打ち際のこの細い道がメインルートで、深夜などに猛スピードのクルマが民家に突っ込む交通事故もあったそうだ。
P1080059P1080060

 細い道はやがて湖岸道路と合流する。湖岸道路は湖岸に近いところを行くようになり、車歩道も走りやすくなった。いつしか周辺は市街地となり、右前方に彦根城が見えてきた。彦根城は畔から1km近く内陸にあるので、遠巻きに眺めるだけ。港を迂回してまた湖岸を行く。
P1080061P1080067

 彦根を過ぎると伊吹山が大きくなってきた。ただし、今日はぼんやり霞んでいる。米原の中心街は2kmほど内陸にあるので、湖岸には田畑が多い。ただし、彦根、米原、長浜をつなぐ幹線である湖岸道路には信号のある交差点が多い。そのほとんどは内陸からの道が湖岸道路に突き当たる丁字路で、琵琶湖側の車歩道を走っていれば信号が赤であろうがかまわず通過できる。これも、反時計回りの利点である。
P1080068P1080077

 湖岸の車歩道を黙々と進めば、いつの間にか長浜の中心街へ。彦根城と違い長浜城は湖畔に建つ。城を中心とした公園の駐車場はほぼ満車のようだが、入場街のクルマが道路にあふれるほどではない。連休最終日の午前ならまあこんな感じということか。午後にはもっと込むんだろう。
P1080072P1080075

 自転車は公園内の車歩道で、浜沿いを行く。いいねぇ。お城も間近に見えるねぇ。
 長浜の市街地を過ぎると、ぐっと静かになる。左にはただただ琵琶湖が広がり、右には田んぼ、あるいは湿地の風景。相変わらず風は弱く、平坦な道を快走する。道路わきの施設に「奥琵琶湖」という表記があって、随分北名と感じる。しかし走りを妨げるものがひとつ。空腹だ。彦根か長浜で早めの昼食を、と思っていたのだが、通過が早すぎた。やっぱり11時を過ぎないと飲食店は開かない。木之本までがんばるか、とも思ったが湖北町の道の駅「水鳥公園」に吸い込まれる。
P1080085


 道の駅は自動車、自動二輪、自転車で訪れた人々でにぎわっている。フードコートは自動券売機で食券を買うシステム。しかし、小銭も千円札も切らしてしまっている。券売機は一万円札を受け入れてくれない。両替機は見当たらないし、レジで両替をしてもらわないといけないと売店に行ったら、惣菜が売られていた。これを買って外で食べよう。敷地の端の静かなベンチに腰掛けて食べる。またこの先でラーメンを食べたいので、軽めにしておいた。
P1080086P1080087

 昨日の白髭浜辺りほどではないが、今日も自転車で走っている人を見かける。波打ち際を求めて車歩道を対向してくる自転車があるので正面衝突しないように注意が必要だ。
P1080091


 自転車の前後にライトを灯して片山隧道を越える。その後はしばらく内陸を行く。西野方水路の川沿いは、対岸の静かな道を行く。川向こうのクルマの轟音が他人事、対岸の火事だ。公園のように整備された場所の藤棚が見ごろ。
 川沿いの道は国道8号線に合流し、賤ヶ岳トンネルを越える。少し登ったら旧道トンネルもあるが、そんなことは知らずに狭い車歩道を行く。車歩道は片側にしかないので、対向車が来ないことを祈りながら行く。幸い自転車とはすれ違わず、歩行者1名と慎重にすれ違うだけで済んだ。
P1080096P1080097

 トンネルを出たら、湖岸を行く。入り江が深くて静かな湖面。対岸は奥琵琶湖パークウェイの半島だ。その手前、藤ヶ崎の小さな半島ではショートカットトンネルが以前に開通しているので、岬を回る道を静かに走ることができる。いるのは、波打ち際を好むサイクリストと釣り人くらいのものだ。トンネルとの分岐からほんの少し旧道に入ったところにあるドライブインは廃墟となっている。かつては賑わっていたのだが、分岐からほんの100mくらいの位置関係が、死活問題となったようだ。
 再び国道8号線と合流し塩津浜で、しばし琵琶湖とお別れ。内陸に入る。13:05国道303号線の分岐手前の「ほくほく亭」という食堂でラーメンを食べる。いつも来るまでこのルートを通る時、必ず目にしていた店にとうとう入る時が来た。13時を過ぎているが、結構客が入っている。
 ほくほく亭の向かいのコンビニエンスストアでまたパック入りのお茶を補給して、13:55スタート。国道303号線をショートカットする形で農道を岩熊トンネルに向かう。最後は集落の中の激坂を登る。ここでフロントインナーを使う、2日間で唯一の場面だった。
P1080101P1080104P1080105


 岩熊トンネルは奥琵琶湖パークウェイの半島をショートカットする。かつては対面通行だったトンネルだが、現在では上り下り別々のトンネルが並行する形となっている。その古いほうのトンネルは、かつての片方の車線を広い車歩道にしてあるので、自転車でも安心して通過することができる。
 奥琵琶湖パークウェイは1989年までは有料だった観光道路で、そのためかどうかは自転車の琵琶湖一周ではたどらないことが多い。私もあまり考えずにコースから外してしまった。ピークの標高が300mを越えるため体力の消耗を懸念してのことだ。でも、琵琶湖の湖面は標高が85mもあるのだから、パークウェイを走る標高差は200mちょっとしかないわけだ。新旭発着ならば、ゴールは近い。体力の温存などそんなに意識しなくてもいい。ということで、今回は見送ったが、もし次があるらならばパークウェイを走ってみようかと思う。道路の崩落の関係で大浦から塩津への一方通行は、反時計回りの琵琶湖一周に逆送する形となるが、わずかな区間のことだ。終点手前から岩熊トンネルの西側に出る道も分岐しているので、集落の中の激坂を2度登る必要はない。
 岩熊トンネルを抜けると長い下りとなる。自転車で琵琶湖一周するというと、湖北はのぼりがきついよ、と言われる。近江八幡ユースホステルのマネージャーさんも、彦根の手前で話しかけてきたお父さんもそうだ。でも、実際には相対したことはない。高低差は、長命寺の湖岸のアップダウンや琵琶湖大橋とさほど変わらない。まあ、周囲の雰囲気なんだろうね。
P1080107P1080108P1080112


 大浦で国道を離れ、湖岸へ。海津大崎を回る。また静かな湖畔の道だ。でも、法面の森の影からなにやらごそごそ音がする。いたいた、猿の群れだ。この辺りには本当に猿が多い。岩熊の例の激坂の集落の辺りでも群れを成しているのを見かけたことがある。
 海津大崎は、桜の名所でもあるが、今はすっかり葉桜。道幅の狭いトンネルが連なり、ライトがないと対向車が怖い。
P1080113P1080115

 海津大崎の半島を回り込んだら、もうゴールは近い。もちろん国道なんて走らず、レトロな町並みの中の湖岸の道を行く。この辺りの湖岸では北西の季節風による波を受けないためなのか、波打ち際にまで集落がある。近江今津の中心街の喧騒など届かない、静かな道を行くことができる。
P1080123


 琵琶湖航路の船着場を過ぎると、「さざなみサイクリングロード」との案内が出ていた。もちろんそちらをたどる。木津港跡地には古い木造の灯台が建つ。その後は公園の中を通り、突然フェンスでふさがれた通行止めで車道へと追いやられる。その先は水鳥が集う湿地とのこと。ならば、通行止めは当然だ。
 少しだけ国道161号線と併走するが、すぐに安曇川の扇状地に入る。昨日クルマでアプローチした道だ。そして15:30太郎兵衛の像が建つ広場にゴール。距離は丁度100kmを越えたところ。平均時速は昨日を上回る22km/h。結局強い風が吹かなかったから走りやすかった。
P1080127


 向かいの道の駅でお土産を買って、16:05岐路に着く。連休最終日で、しかも京阪神の都市部とは反対方向に向かう道は、混雑なくスイスイ。舞鶴で新しくオープンした店に寄って、19:30帰宅。140kmを正味3時間だ。
 琵琶湖一周は、基本的に平坦なコースで、自動車と隔離された区間も多く自転車で走りやすい。峠越えコースと違って疲労も少ない。つまり筋肉へのダメージが小さい。息を弾ませることなくずっと有酸素運動の状態で走れる。
 また、琵琶湖大橋を渡っているサイクリストは案外少なかった。白髭浜の辺りで見かけた親子連れや家族連れは、あの日大津でゴールを迎えるのだと思う。琵琶湖大橋以南はクルマが多そうで頭ごなしに敬遠していたが、東がわは湖岸道路の車歩道で琵琶湖大橋以北と同じように走れるだろう。問題は、西側の大津市内だが、距離は15km程度とさほど長くない。混雑する時間帯を避け、できるだけ幹線を避けていけば案外ストレスを軽減できるのではないか。
 というわけで、もし次があるならば、奥琵琶湖パークウェイと琵琶湖大橋以南を走ってみようかと思う。

|

« 松は緑に砂白き琵琶湖一周(前編:新旭・琵琶湖大橋・近江八幡) | トップページ | 山の緑も川面もきらめく播但めぐり »

コメント

 またまた快走ですね。22km/hなんてボクのロードと変わらいない。それをランドナーで実現するんだから大した脚力です。それも寄り道付きで。
 湖北は走っていて気持ちがいいです。海津大崎あたりは癒されるところです。静かに走れます。
 パンクもなしで天気にもいじめられずお疲れ様でした。

投稿: すう | 2015/05/15 06:21

私が走った時は平日だったせいもあり、ツーリングの自転車には一周する間に2~3台しかすれ違わなかったです。
私の場合琵琶湖大橋は渡らず瀬田まで南下しましたが、南部域は晩夏のせいもあり、ニオイとユスリカの大群で苦戦しました。
奥琵琶湖パークウェイは土砂崩れでUターンした記憶がありますね。
長命寺手前の交差点でで左折するときパンクしてしまい、空気入れの最中に携帯ポンプが破損するというのが大きなトラブルでしたね。

投稿: 大江山の仙人 | 2015/05/15 09:02

 平均時速は、ひたすら平坦だから出た数値だということです。少し前までは丹後半島一周で平均20km/hを維持できたのですが、ここ数年は18km/h台です。もう駄目です。さらにいうと、例えば大学生の頃などは平坦な100kmなら、朝走り出して昼過ぎに走り終えていました。この日スタート直後には15時までに新旭にゴールできると思ったのですが、現実には15時半でした。まあ、楽しく走れれば時速なんかどうでもいいんです、嬉しがって書いてしまってますけど。
 奥琵琶湖パークウェイは現在一方通行となっていますが、土砂崩れが完全復旧しないまま、暫定措置が常態化しているようです。
 海津大崎はいいですね。過去にピンポイントで走ったことがある区間のひとつです。こうした静かな癒しの道をできるだけ拾って走りたいから、やっぱり反時計回りですね、もし次があるとしたら。

投稿: はいかい | 2015/05/16 20:31

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 松は緑に砂白き琵琶湖一周(後編:近江八幡・木之本・新旭):

« 松は緑に砂白き琵琶湖一周(前編:新旭・琵琶湖大橋・近江八幡) | トップページ | 山の緑も川面もきらめく播但めぐり »