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2015/04/20

2年ぶりに上山高原からザラメ雪の扇ノ山へ

 彼岸を過ぎて氷ノ山国際スキー場は営業終了。これで、東尾根登山口近くまで道路の除雪が行われるはずだ。氷ノ山で最も遅い時期まで滑れる東尾根に行こう。ああ、でも4月に入ったら雨ばかり。最初の土日はダメ。翌週土曜の天気はいまいち、晴れ予報の12日の日曜に期待。ところが、農繁期を控えて用水路の泥上げの召集がかかる。まあ、ハチ北高原スキー場も今日まで営業しているくらい今年は雪が多いから、もう一週間くらいなら雪も持ちこたえてくれるだろう、と一旦計画見送り。
 ところが、金曜の夜にインターネットに上がっていた情報を見て愕然。4月16日の扇ノ山から見た氷ノ山山頂部の写真。すっかり雪解けが進んでいる。たくさん雨が降ったからなぁ。さらに、木曜夜から金曜朝の雨がダメを押しているはず。この時期のひと雨は景色を変えてしまう。滑れるのは頂上台地のみだろうなぁ。全行程の3分の1未満か。というわけで、前夜に予定変更。今シーズンの東尾根滑降は断念。
 とはいえ、せっかくの晴れの休日を逃す手はない。今年は早くも4月上旬に上山高原までの除雪が完了している。目的地を扇ノ山に変更だ。
 4月18日、9時前に家を出る。豊岡で行動食を買おうと思って大型のスーパーマーケットに寄ったが、広大な駐車場が完全に満車。一台も入る隙がない上に、買い物を終えて出ていくクルマもない。市の中心部に向かう道は閉鎖。「市民パレード」だそうだ。駐車場入り口には、「市民パレードの駐車場ではありません」と記された立て看板と、買い物客かどうかをチェックするガードマンが立っているが、いったん買い物をしてからそのままパレードに向かっているのだろう。仕方ないので、その先の小さなスーパーマーケットに移動。品揃えは落ちるが、行動食くらいは大丈夫だ。どの店にもガードマンか店員が立って入ってくるクルマをチェックしている。小さな店だと買い物をしてそのままイベントへ出かけることはできないようだ。
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 11時過ぎに上山高原に到着。貴重な晴天の休日。芝生の広場には10台以上のクルマが止まっている。ここまでのアプローチ道路が土砂崩れのため、一昨年の秋から去年の秋まで一年間通行止めだった。よって、昨シーズンは上山高原から扇ノ山へのスキー登山はできず、河合谷牧場や畑ヶ平からアプローチせざるを得なかった。
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 11:45、除雪の限界点からスキーを着けてスタート。まずは車道歩きだ。ステップソールの板なので、シールは不要。すでに下山してきた人もいる。雪面にはたくさんのトレース。ツボ足、スノーシュー、そしてスキー。スキーのトレースは少ないように見えるが、同じラインを何人歩いているのかわからない。
 いろいろな状況を想定してクルマに自転車を積んできているが、この雪の量なら自転車の出番はない。復路は快適な林道スキーとなりそうだ。
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 ショウブ池のところでいつものように雪が切れている。ここからは、大ヅッコから山頂へと続く稜線を望むことができる。両線の東斜面はすべり頃のようだ。
 登山口の手前でもう一か所雪が切れているのも、一昨年までと同様だ。12:55、登山口に到着。車道歩きは終了。ここからはブナ林を行く。葉を落としたブナ林は、とにかく明るい。空は青く、雪面は白く、すべてが輝いているようだ。連日の雨模様とは大違いだ。
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 次々にハイカーが下山してくる。それに対しスキーヤーは下山してこない。きっと山頂部の斜面を楽しんでいるのだろう。それに下山もスピーディだから急ぐ必要もないわけだ。
 小ヅッコ付近のブナ林に腰を下ろして行動食をとって、再スタート。大ヅッコへの登り勾配が大きくなってきたあたりでスキーヤーとすれ違い始めた。2人組もいれば、10人近いグループもいる。
 大ヅッコを超えると、いったん標高差50mほど下って、山頂への標高差100mの登りにつながる鞍部がある。ステップソールの活躍する場面だ。
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 15:16、山頂に到着。東斜面登り返しているスキーヤーが一人いるほか、山頂小屋のまわりにスキー板が3セットほど並べられて小屋の中から物音がする。
 私も、ザックを下ろしてすぐさま東斜面にドロップ。ブナの疎林の程よい勾配。気持ちのいいザラメの滑降。標高差およそ100m。来見野川源頭の沢の手前まで滑る。どこまでも滑って生きたい、すばらしい斜面だ。雪に埋もれた沢を越え、対岸の尾根に渡れば畑ヶ平へ下山できるのだが、滑って楽しいのは実はここまで、あとはヤブヤブ。山頂に登り消して、大ヅッコ・小ヅッコを越えながらいい斜面を選んで滑るのがよっぽど楽しい。
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 山頂に登り返すのにも、ステップソールがお手軽。右のスキーに違和感を感じる。ビンディングががたついている。板に固定するボルトが緩んでいるようだ。山頂に上ってザックからドライバーを取り出す。カバーを外してボルトを締めなおす。鬼目ナットを使ってお手製インサートホールにしてあるので、緩めば何度でも締め直すことができる。
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 氷ノ山は見るも無残に雪が溶けている。小屋の中にいるスキーヤーたちはどうやら、泊まりのようだ。明日は朝から雨なんだけどなあ。あと、ブーツのまま階段を登っていく音が気になる。土足禁止ではなくなったのかな。
 16:15、今度はザックを背負って東斜面にドロップ。先程の半分くらい滑ったら、左にトラバースしていく。このまま大ヅッコへの手前の鞍部へと向かう。大ヅッコへ登り返したら、またまた東斜面に滑り込む。こちらはオープンバーンなので、豪快に展望が開ける。横綱扇ノ山の露払いと太刀持ちのような仏ノ尾と青ヶ丸。その間には鉢伏山が覗く。
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 またトラバースして、北斜面に回りこむ。雪の少なかった去年も5月中旬までスキーができた大ヅッコ北斜面だが、今年はゴールデンウィークが限界かもしれない。今後の天気しだいだが。ブナ林の緩斜面を気持ちよく飛ばす。
 その先は木の密度が濃くなりあまり楽しくないので、尾根の西側に広がる広大な大根畑に飛び出す。上山高原への道が閉ざされ除雪もされなかった昨シーズン、河合谷牧場からのアプローチで段々畑を滑るほうが快適であることを改めて認識した。
 登りのときブナ林の中から見たときには雪が切れていないか不安だったが、まったく問題はなかった。段々畑をつなぐ農道を滑り降りていく。17:12、登山口よりもやや西よりで車道へ出た。水とのふれあい広場で喉を潤して、車道を歩いて県境をまたぐ。鳥取県から兵庫県へ復帰だ。
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 県境尾根の鳥取側の河合谷登山口から兵庫側の小ヅッコまでは、距離は1km足らずしかないが、緩い登り基調。これがネックでこれまで大根畑へ滑り込まなかったのだが、ステップソール板であればそんなに苦にならない。そういう風に気持ちを切り替えるきっかけが、昨シーズンの土砂崩れの通行止めというわけだ。
 17:30、登り返しを終えて小ヅッコ登山口を通過。雪の切れ目を越えて、さあ快適な林道スキーの始まり。緩すぎず、きつすぎず適度な勾配。また、法面から谷へと斜めに雪が覆い被さっているのでずっと斜滑降の状態。この方がスピード調整はしやすい。狭い尾根を滑降する時には、稜線を外したほうが楽なのと同様である。
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 ショウブ池の雪の切れ目で、ハイカーと遭遇。小型ビデオカメラをつけた三脚を立ててなにやら撮影中。ヘルメットなどに付けて撮影するアクションカメラのようだ。一度クルマに荷物を置いてからまたここまで来たらしい。
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 18:03、上山高原到着。残っているクルマは2台。1台はショウブ池のハイカーのもの。今日も最後の下山ということだ。山頂小屋泊まりの面々は、別の登山口からの入山か。
 単純にピストンすれば13kmほどのはずだが、山頂東斜面を滑ったり、大根畑から水とのふれあい広場を経由したので、約16kmの行程となった。登り返しが着いてきても、楽しく滑れる場面があったほうがいい。ステップソールの機動力があれば、なおのことだ。そして、やっぱり扇ノ山は上山高原からが一番いい。今日はたっぷり堪能した。
 帰宅してから昨年の写真と比べてみた。昨年は、4月19日と27日に扇ノ山を訪れたが、この日の残雪の状況は昨年の4月27日と同等。今年のほうが冬に雪が多かったが、雪解けが去年を追い越しているようだ。そして、翌19日から20日にはかなりまとまった雨。気温も高くさらに雪解けは進んだはず。
 また、豊岡の市民パレードは、周辺の五町を合併した今の豊岡市となって10年を祝うもの。ディズニーランドのキャラクターもやってきたそうだ。

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2015/04/19

雪の思い出

 4月は記録的な雨の多さ。まだ中旬なのに、各地で月間降雨日数が観測史上最多という状況。特に中旬の雨は雪を解かす暖かい雨。山には雪が多かったから残雪をたっぷり楽しめると思っていたのに、一週間でずいぶん溶けてしまった。そんな雪のシーズンを動画で懐かしむ。

 この日は大雪警報発令。初めから終わりまで誰も来ない非圧雪コースのみ滑り続けた。シュプールはすべて自分でつけたもの。新雪を滑るならこういう日に限る。


 2月は下旬になっても気温が低く晴れの日が少なかった。そして3月に入るとすぐに黄砂。快適なザラメの春スキーを楽しめる日が少なかった。そんな中、この日のザラメはまずまずといったところ。

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ディレイラーハンガーの交換

 クロスバイクで走っていたら、軽い衝撃と共にペダルが回らなくなった。12㎞ほどのお散歩コースの序盤、標高差50m程の小さな峠の2つ目の登りで、シフトダウンした時のことだった。
 冬の間は路面が濡れていることが多く泥除けのない自転車の出番がほとんどなかったが、春になって気温が上がり、晴れて空気が乾燥するとすぐに路面が乾くようになった。久しぶりに乗ったクロスバイクはどうも変速の調子がいまいち。変速ワイヤーをいじりながら走っていたのでチェーンが外れたんだろうと思って後輪を見ると、確かに外れていた。しかも、リアディレイラーが極端に曲がっている。早く戻さないと折れてしまう、とホイールやペダルを回してみるがかなか戻らない。いや、すでにディレイラーが折れているではないか。あーあ、ディレイラー交換か。むむ、破断面が見える。折れたのはフレームか!ということは…。
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         *           *           *
 20年ほど前、三田の母子の柴田ファームか園部のるり渓でのMTBの草レースを観戦に行った時のこと。出場していた友人ががっくりきた表情をしていた。リアディレイラーをスポークに巻き込んでリアエンドを曲げてしまった、とのこと。「もうこのフレーム終わりですわ」と肩を落としていた。
         *           *           *
 折れてしまったリアエンドおよびたるんだチェーンが車輪などと干渉しないようにワイヤーロックを使って固定し、来た道を引き返す。まずは下りなので万有引力が動力。下りきって平坦になったら、足で路面を蹴って進む。10km/hくらい出るので、押して歩くよりいい。もう一つの峠への登りは押し。そして万有引力で下り、少しだけ路面を蹴ったら母艦に戻る。その間、クロスバイクとの思い出が走馬灯のように脳裏に流れる。元々は中古車で、事故車。相手側のクルマの保険で新しい自転車に買い替え、古い方を自転車屋に残していった。しかし、損傷しているのはホイールのみ。フレームには歪みはおろか傷もない。しかも、新車と言っていいほどぴかぴかだった。前後のホイールを新調して、フレームやその他パーツはタダで私のところに来た。8年前のことだった。
 その後、タイヤのノーパンク加工。そして一昨年の秋のステムの変更(前のオーナーは185cmの長身とのこと。6年経ってようやく自分の体に合わせた)から、去年の春のタイヤの太さの変更などで、ずいぶん乗りやすくなったというのに、これでお別れとは。
 前後のホイールを外してクルマの荷台に収めるときに、あることに気づく。折れたエンドは、フレームの先端にねじ止めしてある小さなパーツではないか。つまり、そこだけ交換すれよい。フレームは無傷なのではないか。
 家に戻ってからネットで検索してみると、そのパーツはディレイラーハンガーというそうで、今は多くのスポーツ車でそれが使われている。ちなみに、所有自転車の中ではMTBにもディレイラーハンガーが使われていた。
 実はMTBも変速の具合が悪い。リアエンドが少し内側に曲がっているのだ。ローが30Tのフリーを使うと、リアディレイラーが伸びた状態で放射軸上に立つ形になり、スポークと干渉する。先日の静岡のツーリングの際にはローが34Tのフリーを使ったので干渉はなかった。ディレイラーは伸びるものの、ギアが大きい分放射軸より前方に傾くためだ。こちらもディレイラーハンガーを交換したい。
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 自転車屋さん「BULLDOG」に相談すると、クロスバイクのブランド「SPECIALIZED」もMTBのブランド「TREK」も、取り扱っていないので取り寄せが難しいかもしれない、とのこと。ディレイラーハンガーは共通規格でなく、ブランドや年式で多種多様なのだ。当方はすでに型番まで把握しているので、「ネット通販で買ってくれ」とのこと。もう20年の付き合いで信頼関係ができているので、こういうやり取りも普通のこと。もちろん、ネットで買ってもちゃんとアドバイスしてもらえる。
 ちなみに、クロスバイクは店の流通経路からではなく客が持ち込んだ中古車なので、取引のないブランドのもの。またMTBについては、契約条件が厳しく数年前に取引を取りやめていた。ちなみにTREK6500という車種なのだが、ディレイラーハンガーの該当車種にそれが見当たらない。ただし、6700というのはあった。6500と6700の関係を調べたら、元々は6500のみだったが、グレードを細分化して6700を追加した。そして、2011年に、どちらもモデル廃止。グレードの違いと言ってもパーツ構成の違いで、フレームは共通だろう。6700で使えるディレイラーハンガーを注文。しかし、それを取り扱っているネットショップは1店しかない。そこが欠品だったらどうしよう。「BULLDOG」では、「京都や神戸にTREKを扱った店があるから、そちらで注文してみたらいい」とのこと。
 結果的には、唯一の取り扱いネットショップでMTBのディレイラーハンガーをゲット。ところが、クロスバイクの方が入手に難航。2店立て続けに欠品で注文キャンセル。しかたなく少し高い額面ながら「在庫有り」と表示されていたネット店舗で購入。
 いつ欠品となるかわからない品薄商品なので、どちらもまとめて予備も買っておいた。また、緊急に後輪のクイックシャフトのみで固定するエマージェンシーハンガーもゲット。クロスバイクやMTBなら予備ハンガーを持って走ればよいが、ランドナーはエマージェンシーハンガーを持って走ろう。ツーリング中にディレイラーハンガーが折れると走れなくなるからね。

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2015/04/16

ご当地ナンバープレート

 カブ仲間から京丹後市のオリジナルナンバープレートが出ていることを聞いた。新規登録以外でも手数料無料で交換してもらえるとのこと。1月13日からということだからもう3カ月もたっている。黄色のナンバープレートのバイクは京丹後市では中古を含めほとんど流通していないので、若い番号を期待して14日に市役所に行ってみると10番台とのこと。その日は手続きをしないで別の市民局(100番台が発行される)にも行ってみたが、そちらの番号も特にいい数字と言いうわけでは買ったので、若い番号の方がいいと翌日に行ってみた。なんと、1日で番号が2番も進んでいた。
 京丹後市のジオパークの象徴である立岩のデザインもあるが、目立つのはカニ。路上ではまだ見かけていない。
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カタクリ開花

 12日夕方、例年訪れている場所に行ってみると咲いていた。平年並みの時期ということか。
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2015/04/06

4ヵ月半ぶりに

 3月末になって、久しぶりにスーパーカブと折り畳み小径車に乗った。去年の11月16日以来だ。
 どうもスーパーカブが燃料漏れを起こしているようで、タンクからガソリンを抜いていた。乗る時にガソリンを入れて、また抜いてという繰り返しがが面倒なので、ずっと乗らないままでいた。
 それでも春になれば、またスーパーカブに乗らねばなるまい。漏れている箇所を究明するため、タンクにガソリンを入れて少し走ってみた。レッグシールドを外して、キャブレターを露出させ、後日燃料が染み出している箇所を探す。それは、タンクからキャブレターの間のいずれかであるはず。
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 結局、燃料コックにガソリンがにじんでいた。本当は乗らない時はOFFにするべきなのだが、常にONにしたままだった。ためしにOFFにしておくと、翌日翌々日にもにじんでいない。燃料計の針も同じ位置を示しているようだ。というわけで、これからは乗らない時はコックをOFFにすることにする。キャブレターを外さなくてすんでよかった。
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高みに登り富士を見る旅(3)身延山地安倍峠

 28日、やや雲が多いが、晴れ。無料の朝食はあきらめて、6時にチェックアウト。今日は同じ場所に戻ってくるので、荷物をホテルに預かってもらう。新静岡のバスターミナルへ。自転車を輪行袋に収め、7:00のバスを待つ。バス会社によっては自転車を載せてもらえないのでやや緊張したが、輪行袋を持って乗車しても何も言われなかった。無事最後部の席に座る。靜鉄バスのサイトで事前に調べた限りでは「混雑していなければ」という条件付きで大きな手回り品を積めることになっている。始発の、新静岡から乗車したのは私と男性がもう一人だけ。平日には便がない早朝のバスの始発のだから混むことはないという想定は当たった。
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 しかし、その次の静岡駅から団体さんが乗ってきた。高校の弓道部女子が30人ほど。いきなり満車だ。実はこのあとビジネスホテルのそばを通るのだが、その最寄りのバス停からだと乗車をことわられるかもしれなかった。
 その弓道部も15分ほど走った市街地の中で下車し、あとはガラガラの状態で安倍川を遡る。途中、トイレ休憩を挟んで2時間弱、静岡市街から北へ45km、標高870mの終点梅ヶ島温泉まで乗車したのは、私だけだった。
自転車を組んで9:15出発。
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 旅館街の急坂を登るとすぐに建物は途切れ温泉街を見下ろすようになる。そして、冬季閉鎖のゲート。林道豊岡梅ヶ島線だ。今日もクルマによるストレスのない道を行く。開通は4月16日から。一昨日の湯之奥猪之頭林道よりも1ヶ月早く、あと半月あまり。ゲート付近に雪の気配はないが、一昨日よりも200m高いところまで登らねばならない。また、路面の落石はまだ撤去されていないので、何度も石の間を行く。細かい石が分厚く積もって路面が完全に埋没しているところもあった。そこは自転車を押して越える。
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 はるか右前方に滝が見えてきた。安倍の大滝だ。大学生だった頃、原付バイクと自転車で何度も梅ヶ島温泉までは来たが、安倍の大滝が見えるところまで来たのは初めてだ。
 ちらほら残雪が見えるのは八紘嶺の前衛のようだ。朝は雲が多かったが、徐々に青空の割合が増してきた。今日も富士山が見えるだろうか。
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 標高1090m程で、道路の左手に滝が現れた。案内板に「鯉ヶ滝(恋仇)」という滝の名称と、その由来となった伝説が記されている。
 道は沢筋につけられているので、滝があるということはその落差の分を登らないといけないと言うことだ。大きくトラバースしてヘアピンカーブで折り返して、標高差100m近く登って滝つぼから、滝の落ち口へ登る。
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 標高1200mくらいでとうとう路面が雪に覆われた。安倍峠の静岡県側は南斜面となっているので日当たり良好なのだが、ここからしばらくは沢の蛇行の関係で道路が尾根の北側となる。しかし、さらに進めば峠まではまた南側が開けた斜面につけられた道になるので、しばらくの辛抱ということだろう。というわけで、雪の上を自転車を押して行く。雪面には足跡が無数にある。八紘嶺を目指すハイカーのものか。雪が締まった部分はいいが、緩んだ部分は踏み抜いてしまう。雪の厚みは知れているが、何せ靴が低い。また表面が凍った部分があるので、雪面を良く見極める必要がある。
 予想通りの地点で残雪区間を突破。途切れながらではあったが、雪の上をトータルで1km近く歩いたようだ。日当たりが良い区間では少し前の残雪がまるでうそのようだ。
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 峠の手前でもう一ヶ所残雪区間があった。標高1400mを越えるとちょっとした日陰でも雪がとけ残るようだ。
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 その残雪区間を抜けたところが、八紘嶺登山口。駐車場とトイレがある。そしてそこから静岡・山梨の県境尾根のすぐ南側を行く。ほぼ稜線であるが、わずかに静岡側に道がついている。その先の鞍部で山梨側に道が越えていて、それが安倍峠。だから鞍部よりも手前の尾根沿いに最高地点がある。
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 八紘嶺登山口の駐車場から数歩歩いて県境尾根に立てば、富士山がどうにか見えた。ただし、山頂は手前の尾根のブッシュ越し。もっとはっきりと見たいものだ。
 林道の最高地点を過ぎ下りに差し掛かるとゲートがあった。県境の安倍峠はもう少し下ったところだが、これが県境ゲートということらしい。林道豊岡梅ヶ島線の山梨県身延側は水害により2,3年前から通行止め。復旧の見込みなし。また、大井川上流の井川ダムから山梨県の下部温泉に抜ける井川雨畑林道山伏峠は、両側で通行止め。やはり復旧の見込みなし。今回の計画の発端は、安倍峠と山伏峠で静岡山梨にまたがる周回コースだった。きっかけは、2011年秋に発売された「シクロツーリスト」誌の林道ツーリング特集。ちなみに、その記事の執筆者は20年前のパソコン通信のころから知り合いのサイクリスト。
 ところが、計画ができた時点で両峠は通行止め。かろうじて安倍峠の静岡側は通れるようになったが、後は待てど暮らせど復旧の見込みなし。そうするうちに、林道湯之奥猪之頭線の存在を知った。それから1年余り経ってようやく計画を実行することができたというわけだ。
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 ゲートを越えて少し下ると安倍峠。標高は1416m。ちなみにその手前の最高地点の標高は1460mほど。
 峠からは北側に急激に下るため、その先は残雪に道が覆われている。そして、木々の向こうに富士山が見える。落葉の時期だからこそ見える富士山だ。やっぱり、障害物越しでなく、クリアにその姿を見たい。
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 しばし休憩したあともう少し下ってみることにする。雪の上を自転車を押して行く。大きな左カーブで右手の木々の切れ目にくっきりと富士山が覗いた。やった今日も富士山をはっきりと見ることができた。湯之奥猪之頭林道、東京スカイツリー、そして安倍峠と3日連続で、完全に目標達成だ。やはり、この季節を選んで正解だった。
 雪がとけ地面が露出したところに腰を下ろし、行動食をとる。そして、雪の上を自転車を押して峠に登り返す。雪が緩んでいて進むのが重い。下りは楽だった。
 峠からはアスファルトの上を自転車に乗車して登り返し、ゲートを越えて八紘嶺登山口へ。また残雪区間を歩いて越えて、後は一気に梅ヶ島温泉に下る。
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 快晴のぽかぽか陽気となり、朝よりも賑やかな温泉街。狭い道路にクルマや自動二輪が止まって茶屋には観光客が見られる。また、自転車も3台ほど止まっていた。みなクロスバイクだ。そういえば今朝出発したビジネスホテルにもクロスバイクが2台止まっていたし、一昨日はロードレーサーが1台止まっていた。自転車が増えている。
 さあ、ここからは静岡市街まで距離45km、標高差850mの下り。梅の花が咲く安倍川沿いを走る。楽チンだろうと思ったが、南からの向かい風が猛烈でゆるい下りではペダルが重く感じる。
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 朝はバスの車窓から見た風景、そして20数年前に原付バイクや自転車で走った風景を懐かしみながら下る。安倍川は50kmにも満たないが、川幅は広くその姿はまさに大河である。上流の山間部でも谷は広い。ただし、水量は少なく、ただただ川原が広がっている。
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 平野橋を渡ってしばらくいくと道路は仮設となり川原に下りる。10日ほど前に土砂崩れで一時通行止めとなっていた。先日の土日が梅ヶ島温泉の梅祭りの直前にバスが復旧したばかり。
 この辺りで標高は200mを切り、開けた雰囲気。周囲は山村というより農村風景。もう下りという実感はない。安倍川の雄大さはもう河口付近と変わらない。
 何台もの自転車とすれ違う。ほとんどがロードレーサー。たまにクロスバイク。泥除けがついて、サイドバック装着のランドナータイプも一台。
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 蕨野から少し下ったところに、対岸の相淵集落へ渡る長い歩道の吊り橋がかかる。300m以上はあるだろう。1kmほど下流には県道の玉機橋があるが、徒歩では往復2kmの追加は長い。大きな橋を架けるには費用がかかる。小さな集落ではなかなかその費用を捻出できない場合がある。そうした中で費用を抑えて作られたのが、四国の四万十川などの沈下橋であり、この吊り橋なのだろう。
 玉機橋のひとつ下流にかかる竜西橋からは両岸に車道がある。左岸のほうが幹線道路なので、竜西橋で右岸に渡る。交通量が少なくてよい。
 竜西橋の次の曙橋からは土手の上を行く。車止めがあって自動車の通行がないので快適。しかし、変電所の辺りでテトラポッドなどの護岸の資材置き場を通り抜けねばならなかった。
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 少し車道を走った後、足久保団地でまた土手の上へ。お花見の真っ最中。花はまだ五分咲きかそれ未満だが、ぽかぽか陽気で気持ちいい。
 安倍川の向こうには竜爪山がそびえる。標高は1000mと少し。大学4年の晩秋に登った山。安倍川に沿って南北に連なり、富士川の谷との境をなす身延山地の最南の山だ。ところで、身延山地とは狭義では安倍峠より南の安倍川左岸の山を指すが、右岸つまり大井川の谷との境の山伏などを含める場合もあるという。また、身延山地を南アルプスの赤石山脈の一部とみなすこともあるそうだ。
 団地が終わり一旦車道に戻って支流の足久保川を越えたらまたクルマが通らない土手の上の道。今度は安倍口団地。団地に住む人々、特に子供が安心して過ごせる場が確保されているということか。人気のない運動場もある。
 突如、怒鳴り声が聞こえてきた。はるか対岸のグラウンドの野球少年の声だった。
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 川原と反対側の土手の下にテント張りのような建物の中で、馬がぐるぐる走り回っていた。競走馬のトレーニング場だろうか。色々なものが見えてくる。
 狩野橋で左岸に入り、静岡市街へ。クルマの多い道だが、あと少しの辛抱だ。COCO一番屋でカレーを食べて、ビジネスホテルによって預けていた荷物を回収し、16:15静岡駅へ。約69km。
 17:11、新幹線乗車。1時間40分で京都へ。たった3日で伊吹山は随分茶色くなった。どうやら、寒の戻りの薄い新雪の化けの皮がはがれたようだ。
 のどが渇いた。新幹線からの乗り換えに40分もある。既に入線していた山陰線の特急列車の車内清掃が終わった18時過ぎ、自転車を車両最後部の席を確保し座席の背もたれと壁の間の隙間に入れ、途中下車で改札を出る。駅の外のコンビニで1Lの紙パックのお茶を買って列車に戻る。ホームで買うと量が半分なのに値段が高い。
 18:29京都を出発し、19:54福知山到着。駅を出たら、すぐ輪行袋を開けて自転車を組む。駐車場までは100mほどしかないが、もう輪行袋を担いで歩くのがいやになった。自動車に積むときには再び前後の車輪を外すわけだが、そんな手間などあってないようなもの。帰る前に福知山市内でラーメンを食べる。背広姿のサラリーマンの団体が賑やか。送別会のシーズンか。
 当初の目論見通り富士山を眺めることができた。冬季閉鎖がまだ空けぬ林道もどうにか峠まで到達することができた。東京スカイツリーは、私が訪れた日の午後には混雑のため整理券が発行された。例えば13時ごろにエレベーターに乗るための整理券が11時ごろに発行される、といった感じだ。平日の中では金曜日がもっとも混むようだ。また、4月3日には、強風のため展望デッキ、展望回廊の営業は中止となっていた。目的地に到達できることはもちろん、富士山が眺められてこそこの企画が成功したといえる。絶妙の日程だった。

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高みに登り富士を見る旅(2)東京スカイツリー

 18:09東京行きの新幹線こだまに乗車。朝途中下車したのは東海道本線の富士駅だが、1kmほど離れた東海道新幹線の新富士駅から旅を続行することができる。もちろんその逆も可能。選択乗車というそうだ。
 19:17、東京駅到着。そのまま山の手線に乗り換え、秋葉原駅で下車。本日の宿、東京隅田川YH(ユースホステル)の最寄り駅はJR総武線浅草橋駅。でも、秋葉原駅から一駅なので歩いて行こう。その前に、秋葉原駅の周辺を見ておこう。秋葉原には前回つまり14年前に東京に来た時にも訪れている。が、アニメーションやアイドルの聖地となった秋葉原を訪れるのは、これが初めて。駅前にAKB48の公式ショップがあったので入って、お土産を購入。
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 とりあえず秋葉原はそれで満足して、GPSレシーバーを頼りに隅田川YHを目指す。途中ラーメン屋に寄り道。隅田川YHは素泊まりの宿だ。
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1kmあまり歩いて、隅田川YH に来たが、一旦素通りして隅田川の畔へ。対岸にそびえるライトアップされた東京スカイツリーを見てから宿にはいる。
 隅田川YHの相部屋の寝室は二段ベッドではなく、布団が敷かれた畳の和室。両端に川の字に3列に布団が敷かれ頭の部分が衝立でしきられている。布団の上には番号札が置かれ、チェックインの時に部屋番号と布団番号を指示される。面白いシステムだ。
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 ちなみに風呂はなく、シャワールームが幾つかある。落ち着いたら、談話室で過ごす。コーヒーやお茶が自由に飲める。
 27日、予報通りの快晴だ。7時から開く談話室でコーヒーを飲んで出発。桜がちらほら咲いている。東京スカイツリーを見ながら隅田川の畔を歩いて蔵前駅で地下鉄に。3駅目が押上駅。スカイツリーの麓だ。青空をバックに白くそびえている。都心と反対方向へ向かうので列車は空いていた。
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 当日チケットの売場にはすでに行列ができている。8時丁度、窓口の前に立つ案内の女性が滑らかにしゃべり出す。
 「本日は東京スカイツリーにお越しいただき、誠にありがとうございます。本日は快晴となり、展望デッキ、展望回廊からは富士山まで眺められます(歓声)。皆様の思い出の一日となりますことを心より期待しております(拍手)。」
窓口は九つあって案外早くチケットを買うことができた。レシートの刻印は8時8分。そして、8時15分には、地上350mの展望デッキに到着。お目当ての富士山は…、見えた見えた。遥か彼方まで続く街並みの果て、丹沢の山の向こうに白い峰が顔を出している。本日の目標達成だ。ゴンドラで窓の外側を拭いている作業員が注目の的だった。
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地上450mの展望回廊に登るには、またここでチケットを買わなければならない。ちなみに350mまでが2060円。450mまでがさらに1030円。
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もうここまででいいかと思ったのだが、チケット売り場が空いていたので、450mまで登ることにした。まあ、100m違っても、孤高であるのであまり景色に変化はない。
 筑波山も見える。富士山以外にも白い山が遠くに小さく見える。東京都最高峰の雲取山、そして浅間山、さらには南アルプスまで見えるようだ。でもそろそろ飽きてきた。基本的に知らない土地の景色だ。
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通勤ラッシュを避けるため、9時ごろまで待ってからスカイツリーを降りる。入場チケット売り場の行列はなくなっていた。外に出て麓の広場でカメラを一脚に固定して、スカイツリーを見上げる自撮り。
地下鉄で浅草橋駅まで戻ってJR線に乗り換えようとするが、駅の混雑にいきなりカラータイマーが点滅。昨日の自転車の疲れも残っているし、疲れすぎてよく眠れなかった。本当は夕方まで東京をぶらぶらするつもりだったが、もう観念した。静岡へ戻ろう。
それでも、せっかくきたのにこれだけでは惜しいので、もう一度秋葉原へ。牛丼屋で朝食をとって、歩いて秋葉原へ。
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電気街を少し歩いてみる。14年前と変わらない電子部品などを扱った店と、アニメ、アイドルの店とが同居している。
 山手線で東京駅に戻り、新幹線こだまで新富士へ。駅前の喫茶店には「富士宮やきそば」の幟。ご当地B級グルメをいただこう。昼時とあって、ビジネスマンで混雑。「少し時間がかかります」とのことだが、十分に時間はある。
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 駐輪場で20時間ぶりに自転車に再会し、富士駅に移動。東京でみるより富士山が大きいねぇ。
富士駅で輪行袋に自転車を収める。昨日の朝には手こずったが、10分もかからずに作業完了。ちょっとしたコツだった。
東海道本線の各駅停車で静岡へ。駅から自転車で2km。昨日の朝チェックアウトしたビジネスホテルへ、チェックイン。同じ部屋だった。太陽がてりつけてああついくらいなので窓を開ける。時刻は15時過ぎ、とりあえず昼寝しよう。

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高みに登り富士を見る旅(1)天子山地湯之奥猪之頭林道

 26日、快晴だ。出発の準備を整えて7時前にロビーに降りる。パンとコーヒーなどの無料の朝食を頂いてすぐにチェックアウト。静岡駅へ。自転車を輪行袋に収める。ここで問題発生。自転車が袋に収まらずファスナーが閉まらない。無理に閉めようとすると、周囲の布地を噛んで状況はさらに悪化。列車の時刻に遅れてはならないので、焦る。結局サドルを外してどうにか収めた。一昨日には簡単に収めたのに。20分以上もかかってしまったが、余裕を持って駅に到着していて助かった。
 8:07の東海道本線の東行きの列車に乗り込む。まだ通勤時間帯なのでそれなりに混雑。少し後に急行があるのだが、この周辺で最もオフィスの集中する静岡を離れる方向だし、通勤客は清水までに降りるという想定で普通列車を選択。それは的中して10分後には、ローカルムード漂うのんびりした車内となった。
 8:47、富士で列車を降りる。身延線へ乗り換えだ。ただし、輪行袋をホームに残し、人間だけ一旦改札を出る。富士までの切符は、昨日静岡で途中下車した東京行きの乗車券。富士で途中下車し、身延線の下部温泉までの乗車券を買って入場。
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 9:13発、2両編成の身延線普通列車は、ほぼ満席となった。ボックスシートに4人がけでちょっときついが、富士宮までの辛抱。窓いっぱいの富士山を見て気分を紛らわす。
 富士宮をすぎれば、超ローカルムード。それをたっぷり1時間以上堪能して、10:44下部温泉駅下車。信玄の隠し湯、山間の温泉だ。県境を越え、殿様は徳川から武田へ。
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 自転車を組んで出発だ。下部温泉郷、といわれるように下部川に沿っていくつかの温泉街が点在している。駅の標高は240m。桜より梅の花が見頃だ。
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 さあ、下部川を遡っていく。なかなか登りがきついが、クルマが少ないのがいい。カラータイマーは青いままだ。
 いくつかの温泉街を越えると、ただただ大きくて深い谷を細い道が行く風景となる。丹後では見られないスケールの大きな景色だ。
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 この先には湯之奥という集落がある。温泉郷の奥にあるのだから、文字通りだ。郵便配達のスーパーカブが追い越していった。ナンバープレートはピンク色。排気量110ccのエンジンは、急坂も元気に登っていった。しばらくするとそのカブが戻ってきた。その経過時間で湯之奥までの距離がなんとなくわかる、ような気がする。
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 標高490~540mの湯之奥は傾斜地の集落。コンクリート舗装の細い道がヘアピンカーブを重ねている。路面凍結対策なのか路面に溝が掘られていて乗り心地が悪い。
 さあ、ここから湯之奥猪之頭林道だ。集落を過ぎてしばらく登ると閉じられたゲート。5月中旬まで冬季閉鎖なのだ。ただし、閉鎖中にここを自転車で走行した記録がインターネットにあがっていて、どうやら積雪は少ないようだ。冬季閉鎖は路面凍結対策か。
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 ゲート脇を抜けていく。路面にも周囲の山にも雪の気配はないばかりか、路面の落石や土砂崩れを撤去した形跡がある。まだ開通までひと月以上あるというのに。
 人の気配がない道を登る。いいねぇ、独り占めだ。
 登って行くと背後に南アルプスの白い峰々が見えてきた。さらにもう一つ閉じられたゲートを超える。その先は落石の処理がされていなくて、石を避けながら進む。
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 標高1100mを越えると、路面に薄く雪が積もっている箇所が何度も現れる。薄いからと言って侮ってはいけない。かちんこちんに凍てついたアイスバーンだ。足を乗せると、つるつる滑る。周囲の山肌には雪はまったく見られないが、日陰の路面に積もった雪は氷化してなかなかとけないようだ。
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 右端のやや尖った峰は北岳のように思うが、南アルプスの山座同定にはあまり自信がない。ちなみに帰宅してから確かめたところ、それは確かに北岳で、その左には間ノ岳、農取岳が並んで見えていた。白根三山だ。また、その手前の山の中腹に集落のようなものが見える。これは間違いなく身延山久遠寺だろう。
 氷板を幾つかクリアして行くと、周囲の尾根が低くなってきた。峠が近い。それに伴い、日当たりが良くなり氷板の心配はなくなってきた。
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 14:25、峠のトンネルに到着。標高は1230m。下部温泉駅からの標高差は1000m。3時間と少しかけて登ってきた。
 ゲートを超えてトンネル内に入る。真っ暗でバランスを取りづらくなるが、出口の明かりが見えているのでふらつかずに走ることができる。大きな氷柱が下がっているのがぼんやりと見える。路面凍結にももっと注意すべきだったと後から思う。
 さあ、出口が近づいてきた。本日のクライマックスシーンだ。
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 トンネルを抜けると大きくて美しい富士山がドーンと現れる。
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 しかし、残念なことに少しだけ雲がかかっている。それでも山頂は青空をバックに白く輝いている。測候所のレーダードームも山襞も鮮明に見える。
富士山を眺めるには、今の時期がベストだと思う。晴天率が高く、空気も澄んいる。
子どもに絵を描かせたら、間違いなく裾野は灰色で山頂は白のツートンカラーの富士山が出来上がるだろう。今眼前にあるのはまさにそういう姿だ。
天子山地の稜線付近に位置するこの場所からは、富士山との間に立ちはだかるものはない。麓の朝霧高原から山頂まですべて見ることができる。
 この湯之奥猪之頭線は日本林道協会の展望の良い林道部門の1位に選ばれたことがあるのだそうだが、その根拠は当然この富士の絶景であるに違いない。
なのにあと一月半もの間、幾重にもゲートが閉ざされる。クルマや自動二輪ではゲートを越えることはできない。歩くには長すぎる道のり。自転車だからこそ、最も美しい時期の富士山を独り占めできる。
 また下部温泉側から見える北岳と間ノ岳も合わせ、トンネルの両側から日本の標高ベスト3が見えるわけだ。
 さあ、朝霧高原に下ろう。アイスバーンが心配されたが、こちら側は南向き斜面になるのと、尾根に道がつけられているおかげで凍結はなかった。富士山に向かって飛び立つような、爽快なダウンヒル。途中、パラグライダーの発射台があった。これこそまさに富士山へのダイブだ。ただし、今の時期はここまで上がってくることができないようで、下の方で宙を漂うパラグライダーが見えた。
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 標高700mくらいまで下ったら、高原のなだらかな道となる。相変わらず正面には美しい富士。開けた芝生の広場は、パラグライダーの着陸地点のようだ。
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 集落の中に入る。猪之頭だ。家々の間に、やはり富士。
徐々に進路を南に変え、富士山を左に見なが緩やかに下る。
途中白糸の滝に寄る。映像や写真でよく見た風景そのままだ。
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芝川の河岸段丘の農村地帯を南下。農繁期を迎える前の静かな村。ようやく暖かくなって、畑仕事をしているお年寄りの姿がちらほら見える。用水路を流れる水は富士山の伏流水か。
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 今朝列車で通過した芝川駅に出た。ここからは幹線道路となり、クルマが増える。ここで芝川は富士川に合流。その冨士川を右に左に見ながら進む。
富士川橋を渡って富士市内に入ると帰宅ラッシュでさらに道路は混雑。富士駅を通り過ぎ、新富士駅へ。17:45、ガード下の駐輪場に自転車を止める。約65km。

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高みに登り富士を見る旅(0)静岡市内

 長い間暖めていた計画を実行する時が来た。構想期間は1年を越えているだろう。特に昨年秋には、具体的な計画を立てて決行のタイミングを見計らっていた。しかし、天候がダメだった。雨が降らなければいいというだけなら、9月10月のいずれかの3連休で実行できたのだが、それは必要条件でしかないのだ。
 3月25日朝6時にクルマで家を出る。数日前からの寒の戻りで小雪が舞う。うっすら雪化粧の与謝峠を越える。福知山駅の駐車場にクルマを入れ、7:43の京都行き特急に輪行袋を担いで乗車。和知や殿田では雪が積もっていいた。日中には溶けるだろうと思える程度ではあるが。小雨の降る京都駅に9:07到着。
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 9:56京都駅で新幹線に乗り換える。冷たい風が吹くホームですっかり体が冷えてしまった。関ヶ原を越えるとようやく青空が広がった。伊吹山が白く輝いている。
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 11:31静岡到着。乗車券は東京までの往復で買っているので、途中下車。大学の4年間を過ごしたのは、もう20年以上前。それから何度か足を運んだけれど、最後はいつだったっけ。少なくとも、10年は経っている。その間に政令指定都市になって、駅周辺は随分垢抜けた感じ。
 さあ、自転車を組んで走り出そう。今回は輪行を多用するため自転車はMTB。旅の間雨の心配はないので泥除けはなくても大丈夫。キャリアもつけず、フロントバッグ以外の荷物はザックを背負う。ダート走行はないのでスリックタイヤ。ただし、峠越えのためフリーは普段ブロックタイヤのホイールにつけているロー34Tのものに交換してきた。
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 26年前にランドナー、ユーラシアツーリングを買ったオオムラサイクル、1年だけ暮らしたアパートに近い用宗海岸、そしてその時の通学路を辿って、静岡大学と巡る。駅前は垢抜けたけど、それ以外にはあのころの面影が残る。やっぱり懐かしいねぇ。20余年前の面影が残る。目立つ変化はコンビニエンスストアが増えたこと。かつて条例により深夜営業には制限があって、静岡市にはコンビニエンスストアがなかった。そのせいか学生時代に買物をしていたスーパーマーケットがなくなっていた。
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 さすがに暖かい。出発の数日前に開花が報じられていた桜は3分咲きといったところ。青空をバックに富士山が映える。
 そして、大学の学生アパートも随分変わった。私が入学する何十年も前、静岡市の郊外、日本平の東斜面を造成した土地に静岡大学が移転してきた時、周辺の農家は田んぼを潰して木造の学生アパートを建てた。大学城下町に、武家屋敷が建ったというわけだ。
 私が在学中は、木造アパートから鉄筋コンクリートのワンルームマンションへの過渡期。私が、3年間過ごしたのは、元々は四畳半一間で、風呂、トイレ、台所、洗濯機共同の木造アパートを改装うしたもの。四畳半を二間の間の壁をぶち抜いた九畳に専用の台所が付いた。それで家賃が25,000円/月。トイレや風呂は共同だが、大家さんが毎朝かかさず掃除してくれて、清潔。最高の住み心地だった。そのアパートは新しいマンションになっていた。その隣に見覚えのあるワンルームマンション。私の木造アパートと同じ大家さんのあの頃の最先端のマンションだ。それが今は築20年を超える年季の入った物件となっている。さらに界隈を見てみると、駐車場つき、3階建てのマンションが春の日差しを浴びてピカピカと輝いていた。
 3年間住んだアパート跡地のすぐ前が、大学の駐輪場。いわば裏門というべき入り口だ。127段の階段を登ったらそこがかつてのわが学び舎、理学部の後者が並ぶエリア。春休みのため、人気が少ない。掲示板を見ると「なんでも相談窓口」というようなものに目を引かれる。今はどこでも、手とり足とりやっているようだ。
 学食で食事でも、と思ったがどこも閉店。春休みの短縮営業のようだ。
 さあ、本日のお宿に向かおう。昔を懐かしんでもっと回りたいが、基本的に街中の走行なので、楽しくない。すでにカラータイマーは点滅している。
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 クルマの多い道を避け、静岡駅に戻り、さらに北側へ。駿府城を越え浅間神社近くのビジネスホテルにチェックイン。ちなみに浅間神社の参道には、「徳川家康四百年祭」ののぼりや横断幕が賑やか。没後400年だそうだ。ビジネスホテルは駅から2kmほど離れているせいか、1泊4,000円未満とリーズナブル。さらに、隣がスーパーマーケットで便利。あすの行動食を買った。

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