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2014/12/21

大雪のアバランチナイトin米子

■大雪警報
 12月に入り、6日大阪、13日宇治および宇治田原と少し遠出をするたびに寒波がやってきた。さいわい雪かきに終われるほどのことはなく、家を空けることができた。ところが18日午後に米子へ向かう予定。その2,3日前から、一冬に一度あるかないかの大寒波がやってきた。波浪警報に続き大雪警報も発令。強風が吹き荒れ続けたせいか、積雪はさほど多くはならず玄関先で20cmあまり。米子に行くか止めるかの決断をぎりぎりまで先延ばしして、18日とりあえず出勤。それまでに、朝7時から家と車庫の前の除雪。
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 午前中に仕事を切り上げ、昼過ぎに一旦帰宅。通勤によってわかったのは、昨夜までによく降ったところ、昨夜から今朝にかけてよく降ったところなど時間帯のばらつきはあるが、丹後では路面状態が非常に悪いということ。さらにインターネットの道路情報サイトの路面監視カメラで、京都府、兵庫県、鳥取県の道路の様子を調べる。ただし、カメラの位置は限られるので、気象庁のアメダス(積雪深)のデータ、口コミ道路情報など色々な情報を探しまくる。もちろん、この日の予定は前々から決まっていたので、寒波が着てからずっとアンテナを張ってあったことは言うまでもない。
 鳥取県内の波浪警報は出ていたものの大雪警報は発令されず、沿岸部では道路の通行に雪の影響はあまりないと見込まれる。これで、行程の半分は大丈夫ということだ。行程の6分の1にあたる京都府内の路面状況は悪い。問題は、行程の3分の1の兵庫県だ。ライブカメラの画像を見れば多く積もっている様子はないが、大雪警報が京都府よりおそがけに発令され、現在も継続中だ。京都府はついさっき大雪警報が解除になったので、おそらく兵庫県の解除も時間の問題だと見込まれる。あと、香住の積雪深が40cmほどあるのも気にかかる。ちなみに兵庫県の路面監視のライブカメラは少ない。印象としては、兵庫県も道路の通行にさほど影響はないと見た。香住も自動車専用道路で通過できる。自動車専用道路は、水が噴出する融雪システムが設置されていたり、マンホールがなくブレードを路面ぎりぎりまで下げて除雪車が作業できたりするなど、道路の管理がしっかりしている。そして、もう雪は峠を越えているため、今より悪くなる心配はない。これも重大な要因のひとつ。たくさんの立ち往生したクルマの列の中で夜を明かす、なんてことが毎年のように発生している。

■丹後から米子へ
 というわけで、自らにゴーサインを出し、14時過ぎに出発。京都府内、つまり京丹後市内は路面の圧雪がガタガタになって大変。交通量が非常に少ないのがさいわい。おそらく、高齢者など、不要不急の外出を避けているのだろう。帰宅時間帯はのろのろ運転となるに違いない。ライブカメラで確認できる場所は、点であって線ではない。兵庫県に入ってもこんな箇所が何箇所もあるのではないだろうか。何度も心が折れそうになる。
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 しかし、西に行くほどに路面状態はよくなり、府県境の河梨峠は、融雪システムのおかげもあってスイスイ。その後兵庫県内もおおむね問題なし。事前の見立てどおりの路面状況だった。唯一の想定外は、豊岡で遅い昼食を見込んでいたラーメン屋が休憩時間で、ものすごく遅い昼食を鳥取でとることになった。鳥取県内は、7割方自転車専用道路。信号停止がなくてスピードアップ。
 GPSレシーバに目的地へのルートをインストールし忘れていたことによる米子市内での少しの迷走もあり、到着は19時10分。食事と迷走を差し引いたら、215kmを4時間余り。さあ、「アバランチナイト」だ。

■アバランチナイトin米子
 NPO法人「日本雪崩ネットワーク」のアバランチナイトとは、さまざまな形態で雪山を楽しむ人向けの、雪崩事故を防ぐ啓発セミナー。毎年シーズンの初めのこの時期に全国各地で開催されている。ただし、関東甲信越、東北、北海道など、東日本、北日本での開催が多い。西日本では大阪くらい。しかし、たまに大阪でも開催されない年があった。今年は、うっかりしていて気づいたときには大阪会場は申し込みが定員に達して締め切られていた。その一方、おそらく初めて米子で開催が予定されていて、まだ申し込みが間に合った。米子は大阪より距離は遠いが、所要時間はさほど変わらないだろう、という目論見だった。まさかこんな雪に見舞われるとは思わなかった。
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 アバランチナイト参加は、過去に4回。大阪で3回、西宮で1回。西宮の会場は関西学院大だった。ワンダーフォーゲル部が誘致したとのことだった。今年の米子での開催は、やはり大山のお膝元ということだろう。
 19時から21時までの2時間のうち、前半1時間は雪崩の基礎。本質的には普遍の内容だが、リピーターがいることを踏まえて、導入の仕方を変えたり、雪崩に巻き込まれるシーンを撮影した動画を使ったり、工夫されている。
 後半は、昨シーズンの現地調査を踏まえての事例報告。6件の具体的な事例があげられたが、印象深かったのは、2月16日のテレマーカーが亡くなった事故。当方が参加している山スキーメーリングリストのメンバーで、まだ30代の若手が巻き込まれたものだ。そしてもうひとつ、昨年11月23日の立山連峰真砂岳での事故。昨年参加した大阪会場でのアバランチナイトが事故、そして現地調査の直後だったため、緊急に報告を聞いていた事例を、その後に得られた情報を交えて再び聞くこととなった。1度に7名が亡くなった大惨事で、マスコミでも大きく報道され話題になった事故である。事故の3日後の去年の大阪でのアバランチナイトの内容に、その後わかったことが少し追加されていた。タブレット端末で記録を取りながら聞いていて、その端末に保存してある去年の記録照らし合わせながら聞いているのでわかりやすい。
 しかしながら、最も強調されたのは「当事者批判」についてのことである。地形、その時に至るまでの気象条件などから真砂岳での雪崩は予想はそう難しくなかった、と去年に続いて今回も言及された。しかし、事故に遭遇した人たちの非難をしていいわけではないということである。
 また、その雪崩の現場周辺にいたパーティにより初動捜索、つまり救助活動が行われたのだが、中にはその活動に踏み込めなかった人もいる。再び雪崩が発生し、2次被害の危険が高いからだ。
 昨年の大阪では、質疑応答で「現場近くに知人が(怖くて)救助に向かえなかったことを悩んでいる」という受講者からの話題に対しては、「危険であることを考慮した本人の判断を批判できるものではない」と答えた後で、次のような話があった。
 「この時初動捜索に加わった外国人の山岳ガイドが、近くにいながら捜索に加わらなかった人のことを批判的に書いた英語の記事がネットで見つかっている。」
 今回再びその話題に触れ、いくつかの問題点があげられた。
●事実誤認がある
 まだ事故直後、想像力豊かに書かれている。調査結果が明らかになるにつれ、その信憑性は落ちている。
●英語で書かれている
 国境のないインターネットでは、英語圏でその内容が拡散してしまう。しかし現場は日本なので、事故について英語で書かれているのは事実誤認が多々含まれたその記事。事実誤認を訂正する対応をするにも、英語に翻訳して行わないといけない。

 今シーズンの一連のアバランチナイトは、この米子が最後。犠牲者避難等についてここまで強調したことは、去年までを含めこの米子が初めて、最近あまりにもひどいから、とのことだった。

■米子から丹後へ
 21時30分、米子を出発。23時過ぎに鳥取で遅い夕食。京丹後市に入ってからの雪道は昼間より少し解消の方向に向かっているようだが、まだまだ路面はガタガタ。深夜でほかのクルマがいないことが幸い。
 25時50分帰宅。食事を除いて実質4時間を少し切った。雪がなければもう少し早い。ちなみに、去年の大阪会場からの帰宅は25時ちょうど。会場は梅田だった。5年前の会場は京橋で、帰宅は25時40分だった。

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コメント

 雪中行軍お疲れ様です。夜のロングドライブは眠くなってボクには無理です。
 貴重なレポートありがとうございます。最新記事は山行中や山行後の倫理的問題のようですね。雪崩ネットにはいろんな声が聞こえてくるんでしょうね。
 雪崩事故やそんな声を戒めとして山に行かねばと思います。

投稿: すう | 2014/12/24 07:45

何年か前、救助作業中のベテランガイドの方が湿雪全層雪崩の二次災害で亡くなった記事を思い出しました。
二次災害を誰が何処まで予測できるかほぼ不可能な状態の中、雪に埋もれた遭難者を捜索出来るのか?骨折して助けを求めている遭難者を残して避難退避できるのか?山岳救助の知識がない人はどう動くべきなのか?
冬山で遭難経験のある私には他人に忠告はすることがあってもを非難することはできません。

投稿: 大江山の仙人 | 2014/12/25 10:55

 倫理というとなんだか大袈裟ですが、自分の価値観(倫理観)をあまり押し付けないように、ってことなんでしょう。
 アバランチナイトでは「我々は危険だということをわかっていながら雪山に行くリスクテイカー。山(あるいは雪山)に行かない人とはまず折り合わない」と言われました。入山規制や登山届義務化などを実施する行政、あるはマスコミ、さらにはネットで様々な書き込みをする一般Peopleの多くは山に行かない人々。そういう人の価値観(倫理観)からすれば、個人的な楽しみのためにわざわざ危険を冒す行為は、違法ではなくても、脱法行為と見られても仕方ありません。少なくとも、行儀のいいことではありません。
 「(そうしたことを前提としながらも)近年犠牲者(遭難者)を非難する風潮が強すぎる」とのことでした。いわれてみれば、3か月前の御嶽山噴火の犠牲者に対しても「火山なんかに登るからそうなるんだ」という書き込みがあちこちで見られました。
 とにかく何か起こせばろくな事ありません。無事に帰ってくることが大切です。

投稿: はいかい | 2014/12/25 21:40

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