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2014/07/06

山口ベニックス

 6月中旬、古いランドナーを入手した。車庫の中には、8台のバイク(自転車7、スーパーカブ1)と自動車がひしめくこととなった。
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 とある人のもとで長い間乗られずに眠っていたものが、自転車店BULLDOGの仲介で私のもとにやってきた。山口のベニックスという車種。何とも古めかしいパーツがついている。かなり古いようだが、きっちりと保管されていて錆などはほとんどない。空気圧は低いが、奇跡的にタイヤに空気が残っていたのまたがって少し走ってみると、前後の変速機も大丈夫。大問題はハンドル。元々のドロップハンドルから実用車のハンドルに替えられている。グリップポジションが手前すぎる。普通に乗るにも不安定だし、前傾姿勢が取れないのでダウンチューブに付けられた変速のダブルレバーまで手を伸ばすのにも一苦労。
 これが4台目のランドナーとなるわけだが、すでに持っていた3台の中で最も古いのはブリジストンのユーラシアツーリング。1989年の4月に購入したもの。ユーラシアの最終モデルで、直後にトラベーゾーンにモデルチェンジした。ベニックスは、それよりももう一世代古いように思われる。前のオーナーもはっきりと覚えていないとのこと。ちなみに、他の2台のランドナーは、京都市内のVigore(ヴィゴーレ、片岡自転車)という工房のオリジナルモデル。1990年代半ばのもの。それぞれ、友人からもらったものである。「ツーリング向きの自転車」が欲しいという相談を受けランドナーをすすめたのだが、結果的にはそれぞれのオーナーのもとで役目を終えて、私のところにやってきた。
 ネットで検索してみると、ベニックスの発表は1972年とのこと。いつまで販売されていたかははっきりしないが、サイクルスポーツ誌の1985年月号の「国産主要車種価格一覧表」には山口ベニーサイクルの「スーパーベニックス」という車種がかかれている。べニックスの後継モデルだろうか。
 変速機を見てみると、フロントはタイトリスト、リアはクレーン。ともに1970年代を中心に扱われていたSimanoのモデル。その後徐々にパーツも単独ではなく、駆動系・制動系で一連のコンポーネントとして扱われるようになっていったようだ。となると、このベニックスは70年代後半か80年代初めのモデルというのが濃厚か。
 カンティレバーブレーキ、分割式の泥除け、32Tのフロントインナーが装備されていることから、輪行モデルのS-X101系であると判断できる。ちなみのほかのモデルは、キャリパーブレーキ、分割不能で着脱に手間がかかる泥除け、36Tのフロントインナーが主流。また、ツーリングモデルにはフロントバッグが標準で装備されているが、さらに輪行モデルには輪行袋まで付いていたようだ。カタログの写真には、畳んだ状態でも大きな輪行袋がサドル下に付いていて、時代を感じさせる。
 いろいろと見たり触ったりしているうちに、この自転車に乗ってみたくなった。タイヤ、チューブ、ブレーキシュー、ワイヤーなどの消耗品とハンドルはそのまま使えない状態だが、できるだけほかのランドナーのパーツ共用ということにしよう。どうせライダーの体は一つしかないのだから。例えば、前輪はランドナー4台で共有すればいい。後輪はフリーのギアの枚数がネックとなるが、ベニックスはユーラシアと同じ5枚なので共用できるだろう。ただし、ロー15T、トップ24Tとあまりにも範囲が狭い。ちなみに、チェーンリングはアウター48T、インナー32Tの2枚。タイヤの周長とギア比からペダル1回転で進む距離を計算してみると、チェーンリング1枚でフリー8枚の折り畳み小径車の方が広範囲に変速ができる。
 チェーンリングについては、インナーをもっと小さくしたいところだが、このチェーンリングには現行以上の小さいギア板はつけられなさそう。ならば、フリーの交換を考えることにする。大坂の「イトーサイクル」のWebページに14-28Tの5速のボスフリーが載っているのを見つけてゲット。フリーを抜く工具はアマゾンでゲット。ところが、ベニックスのリアホイールのフリーにはフリー抜き工具と噛み合う溝が掘られていないので取り外し不可能。よって、ユーラシアのリアホイールを2台兼用で活用することにする。
 ハンドル、ステム、ブレーキレバーなども注文しかけていたが、思い直してVigoreの物を使うことにする。ちなみに、2台のVigoreのうちの片方は、私のもとに来てからダート走行も考えてフラットハンドルに交換してある。
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 こうして、前輪とハンドルはVigoreランドナー、後輪はユーラシアとの兼用でとりあえず乗れる状態になった。
 まずは、日本三景天橋立で仕切られた阿蘇海を一周。大きな問題なく、快適に走行できた。後輪のタイヤが泥除けと軽く干渉したが、泥除けを叩いて解消。2枚しかないフロントギアにもそのうちなれるだろう。ランドナーの伝統的なカンティレバーブレーキは、制動力が弱くこれまたランドナー的。他の3台のランドナーは、皆MTB用のカンティレバーブレーキ。ユーラシアは、10年ほど前にMTB用に変更。当時所有していた自転車はMTBとランドナー(ユーラシア)で、VブレーキのMTBと比べて制動力の落差が大きすぎて危険なため、ユーラシアのブレーキを強化した。Vigoreは、もともとそういう構成で組まれていたようだ。ベニックスのブレーキは、変更前のユーラシアのブレーキの制動力を思い出させてくれる。ただし、実際には他の自転車の制動力との比較でベニックスのブレーキが弱く感じられるだけで、以前のユーラシアのブレーキよりは効いているような気がする。ブレーキシューの違い、ドロップハンドルとフラットハンドルの違いによるブレーキレバーへの力のこめやすさの違いもあるだろうし、私自身の整備の能力の向上ということもあるだろう。
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 ただし、これで気が済んだわけではない。前述の「乗ってみたくなった」という欲求が満たされるのは、私にとっては「丹後半島一周」だ。というわけで、目標は定まったのでちょこちょこ乗って慣らしていこう。

 本記事執筆に当たりWebサイト「サイクルツーリングへのお誘い」内「追憶のカタログ展」を参考にしました。管理人のGAMIさん、ありがとうございます。

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