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2014/04/30

扇ノ山東面滑降畑ヶ平へ

 中国山地でのスキーも終盤である。最後に残された扇ノ山、大ヅッコの北斜面はあと半月滑れるだろうが、それ以外はリミットに近い。岳人2014年3月号で「すごくいい斜面がある」と紹介されていた山頂東斜面が滑れるうちにもう一度滑っておきたい。というわけで、2週続けて扇ノ山へ。
 27日日曜、週間予報が発表されたばかりのころは雨の見込み。晴れ予報の土曜日が勤務で、日曜だけが期待。しかし、日を追うごとに日曜も「曇り」、「曇り時々晴れ」と予報が変わり、当日は快晴。下り基調だが、雨の心配はない。
 今年はいつも上山高原に至る道路が土砂崩れで通行止めのため、除雪されない。先週19日は、河合谷牧場から入山した。今回は、上山や河合谷の裏側、畑ヶ平(はたがなる)からの入山を試みる。このコースのいいところは、すごくいい山頂東斜面を滑り降りてそのまま下山できるところ。ただし、その斜面は前半のみで、下半分は藪がうるさい。さらには、畑ヶ平までの道のりが長い。雪に閉ざされた林道を延々と歩かねばならない。
 前述の岳人誌の記事では霧ヶ滝渓谷の菅原集落から往復するルートが紹介されているが、菅原・畑ヶ平間は危険を伴うテクニカルなコース取りである。扇ノ山の中腹には、上山高原、河合谷高原、畑ヶ平などなだらかな地形点在しているが、山塊から流れ出す川は深く急峻な谷を形成している。あっちにもこっちにもとにかく滝が多いことが、そうした地形を表している。霧ヶ滝渓谷もその名のとおりである。菅原・畑ヶ平間に車道がつけられてはいるが、ヘアピンカーブが連続する延々と長い道のりで(9km以上ある)、法面から覆いかぶさった雪やデブリで危険なトラバースとなる区間も連発するらしい。岳人記事では車道でなく山肌をたどっているが、やはり急で雪崩れの恐れはあるし、地形は複雑でルートファインディングも難解。行き詰ったらロープを使って懸垂下降、というくらいの構えは必要だろう。そんなコースも4月下旬となれば、藪で通行困難。車道の雪解けはどの程度進んでいるかも、皆目見当がつかない。上山高原への道路が通行止めというタイミングで雑誌に掲載されたにもかかわらず、菅原からの入山記録を見かけないということからも、一般向けでないことはわかる。岳人記事には「急峻でナビゲーションも複雑」とあり、林道については「ところどころ急な法面になっているので通過には十分注意」と書かれている。場所によっては「十分に疎林で、技術があれば滑りも楽しめる」とあるが、こういう場合の「技術」とは並大抵のレベルではないと思っておくべきだろう。。
 というわけで、安全な別ルートで畑ヶ平へと入ったのだが、わけあってその地名の記述は控える。
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 まずは、ロープで塞がれクルマが入れないダブルトラックを板を肩に担いで歩く。雪はないが自転車は使わない。想定した通り、すぐに道は残雪で覆われた。さらには、狭い道をふさぐように軽自動車が道のど真ん中に止まっていた。人が通りやすいように左右どちらかに寄せるなどといった他者への配慮が微塵も感じられない駐車のし方だ。クルマに板を当てないように苦労してすり抜ける。自転車は無理だろう。その先、雪が切れた区間はあるが水たまりとなっている。そして、1km足らずで雪が斜めに覆いかぶさった区間へ。そこからはほぼ雪が続いていた。その少し先の雪の切れ目を越えたところでスキーを装着したが、帰りはここまでスキーで来よう。
 畑ヶ平までのダブルトラックは、全行程の半分を超える4kmほどあるが、標高差は150mしかない。奥へ入っても日当たりで延々と雪が切れた区間があるし、また手入れがされていないので路上を水が流れている箇所が多数。暗渠の土管が塞がって完全に沢が道の上を横切っている。まるっきり渡渉である。
 木々の間から扇ノ山の頂がのぞいたら、畑ヶ平は近い。1時間45分で畑ヶ平。最速タイムだ。理由は、板の滑走面にステップソールが彫られたこと。前回訪れた5年前はシール歩行だった。勾配のほとんどないダブルトラックは、ステップソールの方が抵抗がなく軽快だということだ。
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 小休止の後、出だしの藪々登山道を避け、平らな真っ白の雪原、つまりその名の通りの畑の上を眼前に見える扇ノ山に向けて横切ってから、ブナ林へ。雪原の奥には扇ノ山。山頂小屋もわかる。緩斜面は、細かい木や笹が出て、板の踏み場もない。登っていくにつれて雪が深まってくるせいか、ブナの疎林となっていく。ただし、藪が落ち着いて自由に歩けるようになるのは大ヅッコから山頂へ続く主稜線に合流手前だった。また、この登りに備えシールを持ってきていたが、緩やかな枝尾根を詰めていくのでステップソールで十分だった。次に来ることがあったら、シールは持たなくていいだろう。
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 主稜線に合流したら、距離においても標高差でも山頂はすぐ。上山や河合谷からと思われる足跡が多い。先週はスキーが多かったが、この日は靴跡ばかり。
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 15時25分、誰もいない山頂到着。スタートから3時間半だ。さすがに先週よりだいぶ雪が解けているが、去年の4月中旬くらいの積雪量だ。ガスに展望を阻まれた先週と違い、氷ノ山、東山、後山、那岐山、鉢伏山などはばっちり。大山は、逆光と霞で見えなかった。パンを食べながら小休止していると、単独の男性が山頂にやってきた。出で立ちは軽装で、疲れている様子。残雪を想定していなかったのかもしれない。
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 雪の上に顔を出したベンチにザックを置いて東斜面をまず一本。同じザラメでも先週より重くて、いきなり転倒。ストックにカメラをつけて片手運転で、バランスがとりにくかったせいでもある。山頂に上り返せば、単独の男性はもういなくなっていた。
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 16時05分、ザックを背負って二本目。つまり、下山開始。今度はカメラをヘルメットへつけているので、両手のストックワークが可能なので自由に滑ることができる。いやあ、快適快適。しかし、極楽気分もつかの間、わずか3分程で標高差150mを下ったら雪に埋もれた沢を二つ越えて、登ってきた尾根に戻る。雪がしっかりとつながり、クラックがなく、沢に折りやすい箇所は登りで目をつけていた。GPSレシーバのおかげで、ピンポイントに降りてくることができた。とにかく、このあたりで沢を越えておかないと、下に行けば急峻な谷となってしまう。
 あとは往路を逆にたどるのみ。藪がだんだん濃くなっていくが、その分斜度が緩んで何とか滑ることができる。
 白く平らな畑ヶ平が見えてきたら安堵。雪原をスケーティングで横切る。この畑も既に雪が薄く、後数日で一気に茶色くなってしまうだろう。畑ヶ平、16時40分。
 後は長い林道を戻る。勾配がゆるくて板が走らない。それでも、これまでの最速タイムを記録。やはりこれも、ステップソールのおかげ。17時45分、クルマに戻った。全行程、15.4km。
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 5年前までは、4年連続で訪れたコースだが、行程の中で快適な部分が少ないのがマイナスポイント。せめて下山の林道で板が走るだけの勾配があれば、登頂時の気持ちが楽になるのだが。車道が比較的短く、小ヅッコ大ヅッコのブナ林を越えてくるコースに人気が集まるのは当然のこと。まあ、それでも毎度同じコースというのもマンネリというわけで、道路の通行止めのおかげで久しぶりのルートを訪れることができたとポジティブに捉えておこう。同じ山でも、裏側から登れば別の山として感じられるということだ。

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コメント

 扇ノ山に2回も行かれたんですね。上山高原以外で遠くならないアプローチならボクも行ってみたいです。畑ヶ平も行ったことないし行ってみたい。畑ヶ平って以前集落だった廃村ですか?そうだったら昔の人はすごいですね。

投稿: すう | 2014/05/04 14:52

 アプローチは、上山高原が一番いいです。今シーズン訪れた2コースは、上山高原より距離で20㎞以上、時間で30分以上かかります。道路が復旧している見込みの来シーズンは、やっぱり上山高原から行きたいです。
 畑ヶ平に集落があったという話を聞いたことはありません。戦後に開拓団が入った、その名の通りの農地です。この山域には、ほかにも広留、佐坊など開拓地やその跡があります。

投稿: はいかい | 2014/05/05 13:44

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