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2014/02/18

小雪ちらちら城崎ぶらり

 2013年暮れに「但馬の昭和」という写真集が刊行された。私は京都府北部丹後地域に住んでいるが、隣接する兵庫県北部但馬地方も地元と言っていい。是非じっくりその写真集を見たいが、買うほどではない。図書館で借りよう。府県境で隔てられているとはいえ、隣接する京丹後市と豊岡市では公共図書館の提携が行われ、例えば京丹後市図書館の利用者である私は、豊岡図書館にも利用者登録が可能でよく利用させてもらっている。両市ともに市町村合併により、図書館には多数の分館が存在する。豊岡市立図書館で「但馬の昭和」を検索すると本館と5つの分館すべてに所蔵されているが、多くは貸出中。しかし、日高と城崎の分館で貸出可。まだ訪れたことのない城崎分館を訪れた。
 温泉街の北側にある豊岡市役所の城崎支所の建物の中に図書館の城崎分館はある。目当ての写真集を見つけ、とりあえず椅子に腰掛けて閲覧。昔の町並み、出石鉄道、明延鉱山、洪水、大雪などどれも興味深い写真ばかりだ。とりわけ、今の時期には神鍋高原などのスキー関連の写真に目を引かれる。江原駅前でバス待ちをするスキー板を携えた大群衆。集落の中の1車線の道が雪でさらに狭まった中、数珠つなぎのクルマの渋滞。神鍋高原での2度の冬季国体。神鍋高原の蘇武岳や扇ノ山中腹の上山高原においてヒールフリーの締め具で登る昔のスキー。毎年のように大雪で除雪車はなく一階が雪に埋もれた街並み。時間を忘れそうになってしまう。
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 貸出の手続きを済ませ、外に出る。庁舎の前には何やら目盛の刻まれた高い柱が立つ。更に、上部にはセンサーが下を向いて付けられている。積雪計のようだ。積雪計の高さは電信柱ほどもあるにもかかわらず、積雪は全くない。曇天からちらちら小雪が舞い降りてくるが、すぐさまきつくなりそうな気配はない。少し自転車で走ろうかという気分。
 ずっと市役所支所の駐車場にクルマを停めておくわけにはいかないので、移動。城崎大橋で円山川を渡って右岸へ。特別養護老人ホームの隣に公園があり、その駐車場にクルマを停めて自転車を下ろす。それにしても寒い。ヘルメットは、耳も覆われたスキー用の物をかぶる。
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 まずはその公園の周辺を散策。この辺りの円山川は河口から4km、もっと上流豊岡市街まで続く汽水域の中程だ。右岸には楽々浦(ささうら)と呼ばれる入り江(資料によっては湖と記述されている)があり、本流と楽々浦の境に突き出した三角形の付け根の部分に公園はある。まずはその三角形の先端へ。両側が水辺、洪水がくれば水没しそうな陸地は、まるで中州のような雰囲気。田んぼが広がっているが、三角形の先端にはボートやヨットの艇庫が建っている。楽々浦側の舗装路から、円山川本流側のダートの小径に入る。対岸にはうっすらと白い来日山がそびえ、その懐に城崎の温泉街。
 クルマを停めた公園の前を通り過ぎると「ハチゴロウの戸島湿地」という、施設があった。10年ちょっと前(2002年)に、中国大陸から飛来し死ぬまで5年近く豊岡市で過ごしたコウノトリがいた。最初に確認されたのがこの戸島地区の湿田だそうだ。ちなみに、飛来したことが確認されたのが8月5日だったことから、「ハチゴロウ」と名付けられ、以前からコウノトリの飼育、放鳥などの活動を行っていた豊岡市では巣塔や観察場所を整備したとのこと。2005年からコウノトリの放鳥が行われ、周辺各地で営巣、繁殖しているが、この日戸島ではその姿を見ることはできなかった。
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 県道9号線で楽々浦の岸辺を走り、飯谷(はんだに)の集落へ。センターラインが引かれた道路は集落の中へと入っていくが、左に分岐する細い道に県道の名目は引き継がれる。そしていきなり飯谷峠へ向けての登りとなる。峠は標高100mと低いが、それなりに急激に登る。そして、低くても登るにつれて周囲には白い雪が増える。
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 峠を越え、下りはさらに急勾配。ヘアピンカーブが連続する。下りきったら交差点。直進は三原峠を越えて京都府に至る県道11号線。右は畑上集落で行き止まり。左に進路をとる。田んぼの中の平坦でまっすぐな道。こちらも県道11号線。弱いながらも向かい風だ。
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 2kmほどで分岐に到達。そのまま田んぼの中を行く道をそれ、気比(けひ)の集落の中へ。自動車には狭い道だが、自転車ではこちらの方が楽しい。それに、向かい風も避けることができる。気比川の中の大きな岩には岸から橋が架かり、その岩には祠があるようだ。気比川の河口近くの橋のたもとに小学校がある。橋の下の川は一面海の砂で埋もれている。
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 集落の北側は海水浴場の砂浜。津居山湾という入り江になっているので、今日のような時化でも波は比較的穏やかだ。入り江の西側には円山川流れ込み、その河口部はカニの水揚げ港の一つ、津居山港だ。
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 港大橋で左岸に渡る。自動車用の橋に平行して、歩行者、自転車用の橋が架かっているので、のんびりと渡る。川幅は400mほどもあり、川なのか海の入り江なのか迷うようだ。先ほど図書館で借りた写真集「但馬の昭和」によれば、昭和初期、この辺りの円山川には水上飛行場があったそうだ。広く、ほとんど流れがなく、日本海の荒波も侵入しない川面は格好の飛行場だったらしい。「紅の豚」の世界だ。その一方で、何度も洪水を起こしている荒々しい一面もある。平成2年(1990年)、平成16年(2004年)の台風の洪水は記憶に新しいところだし、「但馬の昭和」にも昭和9年(1934年室戸台風)昭和34年(1959年伊勢湾台風)、昭和51年(1976年)の円山川決壊の様子が掲載されている。
 橋の左岸側はループで降り立つように作られている。瀬戸内のしまなみ海道のようだ。
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 北よりの風に背中を押されながら円山川沿いを南下。2kmほどで城崎の温泉街へ。温泉街のすぐ手前を右折し、先ほど図書館で本を借りた、豊岡市役所城崎支所の前を通過。積雪計の前に口を開けたトンネルへ。これは支所のあるエリアと温泉街を分けるJR山陰本線の下をくぐる歩行者、自転車専用のトンネル。
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 トンネルを抜け、住宅の中の狭い道を少し走ると、出ました大谿川(おおたにがわ)に沿った柳の並木。いきなり情緒漂う城崎の町並み。このトリップ感を味わうためにトンネルを抜けたのだ。小雪がちらちら舞う中、風情ある外湯や店の並ぶ町を観光客が闊歩している。ただ、車道がきっちり分けられていないのが難点。ドライバーもストレスがたまるのか、信号が赤に変わっても平気で交差点に進入するクルマがいる。大谿川沿いから城崎駅の方へ向かう。こちらにも店が並び賑わっている。15年ほど前には、忘年会や温泉入浴でたまに訪れていたが、そのころよりもずいぶん賑やかになっているような感じだ。
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 城崎大橋で右岸へ。北側、港大橋方面の景色が霞んでいる、と思ったら雪が強く降りだした。クルマまであと少し。
 15:20~17:03、16.8km。
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