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2013/04/25

まだまだ滑れる扇ノ山

 4月も半ばを過ぎ中国山地東部におけるスキーシーズンはほぼ終わりとなった。そんな状態で、孤軍奮闘しているのが扇ノ山である。大山よりも400m、氷ノ山よりも200m標高が低いにも関わらず、雪の量は最も多い。残雪の多い年ならば、ゴールデンウィーク直前にようやくアプローチ道路の除雪が整いスキーシーズンが始まる。
 今年は、雪の量がやや少な目で、雪解けが異常に早かったため、4月初めから上山高原への道路が開通し、扇ノ山への日帰りスキー登山が楽にできるようになった。
 4月23日、今シーズン2度目の扇ノ山を目指す。1度目の12日から中10日。かなり雪解けが進んでいることだろう。大ヅッコの北斜面は間違いなく滑れるはずが、大ヅッコの東斜面は無理だろう。山頂の東斜面はどうだろうか。そんなことを思いながら、上山高原に正午過ぎに到着。すると、除雪がさらに延長されているではないか。そういえば、上山高原に置かれていた除雪車が見えない。というわけでさらにクルマを進める。除雪は、小ヅッコ登山口よりも先までのびていて、これで2.4kmの車道歩きの必要がなくなった。ちなみに、下山後に視察したところ除雪は鳥取県側まで続いていて、「水とのふれあい広場」で河合谷牧場からの除雪と合流していた。つまり、鳥取県側と兵庫県側の通り抜けができるわけだ。扇ノ山には10年以上の間、毎年訪れているが、この時期にこの区間が除雪されているのは初めてのことだ。上山高原から先は、6月頃の雪解けまでほったらかしというのが普通。稀に、ゴールデンウィークが終わってもうほとんど解けたときに、日当たりの悪いの数カ所で道路をふさぐ雪を除去する程度の除雪が行われることがあった程度。それが今年は、まだまだ雪深い時期である。ショウブ池の辺りなど、日当たりのいい場所ではすでに雪はなくなっていたものの、一番高いところでは2メートルを遙かに超える壁による雪の回廊ができている。除雪には手間がかかっただろう。壁にはその手間の痕跡が見られる。いつ除雪されたのだろう。路面にうっすら新雪が積もった箇所がある。前日から今朝にかけては降っていないから、その前の平日というと、先週だ。また、通り抜けができるため、行きと帰りに一台ずつ対向車に出会った。往路では、狭く曲がりくねった回廊で対向車と出会ったため、離合に苦労した。
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 さて、前回訪れてからの中10日の間に、平野部で最高気温が28度を超える日があったものの、直近の数日は寒の戻りで気温の低い日が続いていた。そのため、山ではうっすらとではあるが新たに雪が積もっていて、思いの外雪解けは進んでいなかった。
 12:40、小ヅッコ登山口をスタート。標高1060m。空は曇天。天気は下り坂。空気は温い。登山口からのしばらくは、小さな木が雪に上に現れ身を起こして藪の気配が濃くなっている。板は装着せずに歩く。ザックにつけると、板のトップが木の枝に引っかかるので、肩に担いで歩く方がいい。前回に続いて新雪を踏んで歩くが、今回は降っていない日を一日経過しているので、鮮度は落ちている。雪面にはたくさんの足跡。新雪の上についているので、昨日今日のものだろう。スキーのトレースも見られる。
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 河合谷からの登山道との合流点を越えた辺りから板を装着し、ステップソールを効かせて登っていく。実はこの辺りまでは雪が解けていることも考えられたのだが、まだ雪の上を歩けることがうれしい誤算だ。山頂東斜面もきっと滑れることだろう。
 人の声が聞こえたので周囲を見回すと、大根畑の方に人影が見えた。小ヅッコ登山口には私以外のクルマはないので、河合谷登山口からの入山だろう。藪を避けて畑を歩いているようだ。
 大ヅッコが近づく。ブナの疎林の緩斜面。まだまだ十分滑れる。おそらくゴールデンウィーク中は大丈夫だろう。さらに登って、大ヅッコの東斜面。ちょっと細かい木々の藪が出ているが、笹はまだなので何とか滑れそうだ。この辺りでは、木の枝から落ちた樹氷の死骸を踏んで歩く。
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 大ヅッコからは東の展望が開けた。畑ヶ平、広留野の畑作地、仏ノ尾と青ヶ丸、その向こうの鉢伏山。前回より白さが減っている。香住の三川山越しに、丹後の依遅ヶ尾山が見えた。この時期、晴れれば香住が出ることが多いので、むしろこの日のような曇天の方が遠くが見える場合がある。歩き始めはうっすら汗をかくほどだったが、大ヅッコのピークや山頂辺りは風が強く吹いて、体感温度が下がりちょうどいいくらい。
 山頂との鞍部との下りは、南斜面になるので雪が解けていた。板を外して登山道の丸太で組まれた階段を下る。が、すぐにまた雪に覆われた斜面となる。板を付けて滑り降りる。鞍部を越えて山頂に登り返す。北斜面は一面の雪原だ。
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 山頂手前の展望テラスからは、西が開ける。鳥取市街や湖山池が見える。稜線が白い山が見えたので大山かと思ったが、山容に鋭さがない。那岐山だった。西から天候が悪化しているので、大山までは見えないようだ。
 15:10、山頂到着。避難小屋の周囲の雪の壁は、50㎝位で前回の3分の1くらい。氷ノ山も、東山も前回よりも雪解けが進んで黒さが増した。
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 山頂東斜面は十分滑れる。まずはザックをおろして一本滑り降りる。ゆるんだザラメの上に湿った新雪。板を取られるが、でもいい斜面だ。さすがに前回より灌木の藪が増している。賞味期限はあと数日か。山頂に登り返して、今度はザックを背負ってドロップ。日本目を楽しんだら、そのまま大ヅッコとの鞍部にトラバース。
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 大ヅッコに登り返し、遠くの景色が霞んでいることに気づいたらすぐに雨粒が顔に当たり始めた。西の空は、かなり黒い。天候悪化に加え、やや灌木の藪が増していることもあるので、大ヅッコ東斜面への滑り込みは控えめにして北斜面にトラバース。山頂東斜面は林間なのに対し、大ヅッコ東斜面は大きな木はなく展望が開けてダイナミックに滑れるが、その分雪解けは早め。しかし、北斜面に回り込めば、緩斜面のため積雪量は多く、北向きで林間で日射が少なく長く雪が残る。下手をすると、雪解けでシーズンが終わる前に、ブナの芽吹きによって落ちた殻が雪面に散らばって滑れなくなることもあるくらいだ。この日は、まだまだ快適に滑れる。ストックにカメラをつけて自分撮りしながら滑る。雨は本降りにはならず、たまに小雨がぱらつく程度。
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 その後平坦な区間を過ぎ、ツボ足で登った藪の濃い斜面へ。下りでもつぼ足の方が楽かなという気もするくらいだったが、下りではできるだけ滑りたい。だましだまし藪を縫って滑っていく。天気が悪いのが幸いして、気温が高いので雪はクラストせず、柔らかい状態でスキーの操作がしやすい。結局最後まで滑り降りることができた。予想に反して、ずいぶん滑ることができた。それも快適に。嬉しい誤算だ。16:50、小ヅッコ登山口に到着。
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 クルマにスキーを積みこんだら、鳥取県側の「水とのふれあい広場」まで雪の回廊の視察をしてから帰路に就く。この山のスキーシーズンはまだ終わらない。次は5月、藪の雪が解けてしまった頃に来よう。大ヅッコの北斜面で最後の滑りを楽しむために。

4月30日追記
 4月29日の時点で、河合谷牧場から「水とのふれあい広場」への道路は、途中までしか除雪されていない。「水とのふれあい広場」まで、1時間ほどの歩きが必要な様子。「水とのふれあい広場」付近では路面の雪が解けていたので、もう除雪されているものと思いこんでいた。
 相変わらず雪解けのペースは遅く、5月上旬、少なくとも大ヅッコ北斜面では、スキーができる見込み。

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コメント

素晴らしい雪ですね。
GWに行ってみたいと思います。

投稿: トラ | 2013/04/28 18:37

扇ノ山はがんばりますね。はいかいさんもお疲れ様です。
 除雪は毎年同じころにするものだと思っていました。除雪を待って、山ヤが殺到することはよくあること。今回、車道歩きがなくなったようなので、半日の山になったようですね。おいしいところが凝縮されたようですね。

投稿: すう | 2013/04/30 07:00

 本文にも訂正を入れておきましたが、29日の時点で河合谷牧場からの除雪はまだのようです。
トラさん、行かれましたらまた様子を教えてくださいね。
すうさん、過去にすうさんとは扇ノ山を2度訪れていますね。2006年4月30日と、2009年4月11日。どちらも上山高原まで除雪された直後の休日でした。残雪の多い少ないで3週間くらい違うというわけですね。2006年の時は、除雪を待ちわびた人々で賑やかな山で、山頂小屋も満員でした。それに対し、2009年はまだあまり人々は訪れず、静かな山でしたね。
 毎年上山高原では春山開きの行事がゴールデンウィークに行われるようなので、それに間に合うように除雪は行われます。が、できれば早くしてしまいたいでしょう。2009年や今年のように雪解けの早い年ならば4月上旬に、日当たりのよいところはすっかり解けて、後は道をふさいでいる数カ所の雪を避けるだけなので割合楽なのではないかと思います。しかし、2006年や一昨年のような年には、4月下旬になっても残雪が多く、また倒木で道がふさがれていることもあって、除雪作業は難航し時間や費用もかかるものと思われます。
 だいたいどこでも除雪そのものの時期は残雪の状況によると思いますが、場所によっては除雪が済んでも道路の開通は一定の時期まで待たされる場合もあります。例えば、石川県の白峰の白山公園線などがそうで、今年もすでに別当出合まで除雪はされているのにおそらく別当出合の開通は連休明けの5月中旬でしょう。それでも、2002年には5月の連休に別当出合まで開通していたんですけどね。
 さて、扇ノ山に話題を戻しますが、雪解けのペースは鈍く、まだまだ滑れるようです。今日の午後からまた気温が下がるので5月上旬はまだスキーができるでしょう。少なくとも大ヅッコ北斜面は。平年並みに持ち直しましたね。氷ノ山よりひと月以上シーズンが長いということです。

投稿: はいかい | 2013/04/30 20:07

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