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2013/04/09

■3月29日、相馬市南部から南相馬市鹿島区を自転車で走る

 ボランティア活動開始よりも一日早く到着したのは、スキー登山をしようと思ったから。目当ては、会津磐梯山。しかし、麓まですっぽりガスに覆われている。これでは楽しめないばかりか、爆裂火口の切れ落ちた断崖の脇の氷結したところを歩かねばならず、あまりにも危険。というわけで断念。ああ、ライブカメラで見たら昨日はよく晴れていたのに。
 土湯峠、福島市街を越えて、本日宿泊予定の「みさとユースホステル」のある伊達市霊山町へ。なだらかな阿武隈高地に抱かれた山里は春の花が咲き始め、うっすらと春の日が射して、のんびりムード。自宅からの走行距離は750kmとなった。荒々しい岩山「霊山(りょうぜん)」を麓から眺めたが、まだまだ時間がある。太平洋沿岸に行ってみることにした。

 国道115号線を東に進み、相馬市で太平洋にぶち当たったら県道74号線で南相馬に南下。津波に襲われた海岸沿いは、広大な更地。おそらく集落があったのだろう。ダンプカーが行き交う。南側には火力発電所が、もうもうと煙を上げている。


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 南相馬の北部の海岸の集落跡にクルマを止めて、折り畳み小径車を下す。やっぱりじっくり見るには自転車に限る。

 まずは、津波によって破壊された防波堤に立つ。津波で家が流された後に残ったコンクリートの基礎はほぼ撤去されているようだが、防波堤はまだ津波の爪痕を生々しく残している。荒々しく波が打ち寄せているが風による表面的な波は騒がしいものの、海底からすべての水の運動エネルギー押し寄せる津波の破壊力にははるかに及ばない。相馬側と違って、南相馬側の海岸はダンプがいなくて静か。クルマを止めて辺りを眺めている人もちらほら見られる。
 先ほど車で通ってきた道を自転車で戻る形で海岸を北上。小さな丘を越える。丘の裾野に建っている家は、その形をとどめているが、側壁が大きく破れている。

 小さな丘を越えると、南相馬と相馬の市境の川が流れる小さな平野部。路肩の盛り土はまだ雑草もなく、新たに付け直された雰囲気ががあふれている。そのわきには、消波ブロックあるいは漁礁などが置かれている区域もあり、海岸の補修も徐々に行われつつあるようだ。
 また、クルマで走っているときには気付かなかったが、道路わきに石碑が立ち、その傍にさらに二つの石碑が寝かされていた。津波でなぎ倒されたのだろう。刻印された文字を読めば、神社と干拓の記念碑。辺りをよく見れば、荒野の中、遠くに津波の後に再建されたと見られる小さな祠が見える。それとこの場所は干拓地のようだ。そういえば、相馬には松川浦という入り江と湖のあいのこのような水辺があるが、ここもかつては同じようなものだったのかもしれない。

 先ほどよりも大きな丘陵地帯を超える。小学校があり太陽光パネルで給電し測定した空間放射線量を表示するモニタリングポストが立っていた。数値は0.211マイクロシーベルト/h。この時初めて見たのでこの値は高いのか低いのかわからなかったが、もっと原発に近く避難指示解除準備区域(つまりまだ避難指示は解除されず立ち入りはできるが寝泊りできない)の南相馬市の南部よりも高く、原発からは離れているがやはり避難指示準備区域の飯舘村よりは低い。ちなみに、ここは福島第一原発からの距離が37~38km。福井県の高浜原発から39.9km地点に住んでいる者にとっては他人事ではない。明日は我が身である。
 丘陵地帯を超えるとダンプが行き交う海沿いの更地。県道はきれいに作り直されているが、おそらく集落の中の道だったと思われる枝道の多くは路肩が崩れたり路面が陥没したりしているため、クルマ止めが置かれている。自転車なので、そうした道に入り波打ち際へ。防波堤に花束が手向けられていた。
 ダンプが行き交うエリアには深入りせず、クルマに引き返す。往復で18km程だった。

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 クルマに戻り、霊山町に戻る。みさとユースホステルは、私が止まり始めた20年前の雰囲気を残す宿だった。80代後半の優しいお母さんは、朝早く出発しなければならないので朝食を断ったが、「時間に合わせて早く出すよ」と言ってくれた。こうした古い宿が大きなリニューアルをしないで残っているのには、固定ファンがいることが多い。夕食の時に、この冬NHKで放送された「にっぽん紀行」という番組で、みさとユースホステルが取り上げられたビデオを見せてもらった。すっかり大人になった常連たちと、お母さんとの触れ合いを描いた内容だった。


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