快晴大展望半国山(北西尾根MTB縦走)
3月9日の土曜日に懸案の半国山に行こうと思っていたが、朝起きると黄砂で景色がぼやけている。展望のいい山だけにこれは、気持ちが萎える。しかも、花粉の飛散も多いらしい。というわけでまたも未遂に終わる。
しきり直しをして、11日出発。前日の雨で空気は澄み、気温は低く花粉の飛散は少ない。ただし、平日のため、朝は職場で仕事をする。
結局、ベース地の南丹市園部町南八田に到着したのは12時半。準備を整え、13:00、MTBスタート。
まずは、るり渓に沿って府道453号線から府道54号線とつないで登っていく。天気が良くて気持ちいい。川沿いだが、結構な登り勾配である。
大河内の集落、釣り堀の施設のところから府道をそれ山腹の別荘地を目指す。なんだかしゃれたログハウスがある程度の間隔を保ってとにかく沢山並んでいる。さらに造成しようとしたにもかかわらず、世の中は不景気となり計画は頓挫。そんなシナリオが見えてきそうな、建設途中で放置されたまま荒れ放題の未舗装道路をたどり、シングルトラックへ。ここで、14:25、標高570m。
シングルトラックはまず北方に向かい、杉林と広葉樹林がせめぎ合う中、浅い谷を詰めて、半国山からにしにのびる尾根の鞍部へ。明瞭な踏み跡は、鞍部を越えて尾根の北側をトラバースして半国山に向かっているが、そちらには行かず、尾根をたどって半国山を目指す。踏み跡はわかりにくいが、細かいことは木にしないでとにかく尾根を行けばいい。MTBを押して、標高700mと少しのピークに登ると踏み跡ははっきりして、乗車可能区間が現れるようになる。少し下って鞍部を越えたら、次はさらに20m程高いピークを越える。半国山は、昨年末に2度訪れていて、その1度目の時の登りの千ヶ畑コースに、合流する。それが、2つ目のピークだ。あのときはうっすらと雪に覆われていたので、同じ場所という気がしない。
テープの目印がある分岐で、北東に下って半国山頂を目指す。鞍部を越えて、山頂直下は急な登り。
15:55、標高774mの山頂に到着。蛍光色のおにぎりを食べながら、麓に住むすうさんにメール送信。残念ながら、忙しくて下山後に会うことはできないようだ。
景色は素晴らしい。京都の愛宕山、亀岡盆地、京都盆地がよく見える。あと六甲連山や、北方の雪を頂いた白い山々が見える。目を引くのはすぐ南の、山頂近くまで削られてゴルフ場になっている山。亀岡の霊山ヶ岳という山らしい。残念ながら西側は林なので、なじみのある大野山、高岳、深山などはよくわからない。
16:15、さあ、北西尾根の縦走開始だ。日没との競争になってきた。まずは一つ目の鞍部に下る。岩場があってあまり乗車できなかった。それでも、山頂から15分ほど。ここは十字路になっていて、左は先ほど別荘地からの登りの尾根の北側をトラバースする道で、右は赤熊への道。ここは尾根を直進。MTBを押してピークを越え、2つ目の鞍部へ。ここは五叉路。左はるり渓へ、右の手前は赤熊へ(先ほどの鞍部からの道と合流)、右の奥は亀岡市と南丹市の市境尾根を下っていく。当然、ここも直進。
そこから先は一般ルートではない。関西電力の巡視路である。若狭の原子力発電所、舞鶴の火力発電所、由良川水系の水力発電所など日本海側から京阪神へと電気を送る送電線が張り巡らされているこの山域には、こうした巡視路が沢山引かれている。その経路は、なだらかな尾根が適しているわけだが、それはMTBでの走行にも適しているというわけだ。巡視路に点在する鉄塔の足場は、ブッシュが刈られて絶好の展望地となっている。
やや踏みあとが不明瞭なところもあり、特に小ピークを越えるときにはどの向きに下っていくか要注意。日没が迫っているので、GPSレシーバーで位置を確認しながら慎重に行く。木々の合間に見える送電線と付かず離れずの関係を保つ。
アップダウンを繰り返しながら118番鉄塔、117番鉄塔、557m標高点と過ぎていく。乗車できるところは、楽しい。
進行方向左、つまり西側の斜面が崩落しているところからは、西の展望が開ける。深山が見えるかと期待するが手前の山に阻まれているようだ。夕日は稜線に沈み、残照を頼りに進む。
巡視路の分岐があり、左側に降りる道には「←林道」と示されている。どちらでも行ける。暗くなる前にダブルトラックに出るのも一つの手だが、やはりシングルトラックを楽しめる尾根を直進する。GPSレシーバーに入力してあるルートは後者である、というのも選択の理由の一つだ。
その先が114番鉄塔。進行方向右側、つまり北西側の麓の集落や道路が見下ろせる。そこからさらに下り、最後の緩やかな登り返しを超えると急激な尾根下り。乗車不能。そのあとトラバースして尾根から谷筋にレーンを変える。番号はわからないが急勾配の斜面に鉄塔があり、私には乗車不能の斜面を下った車輪の跡がある。下方には道路があり、たまにクルマのヘッドライトが移動していくのが見える。南八田スタート地点からるり渓への府道のようだ。
鉄塔を超えると杉林に入った。階段が組まれた乗車不能の巡視路をたどる。LEDライトを点灯。しかし、やがて道は不明瞭となる。そして完全に道を外してしまったようで、歩きにくいが、谷筋を行けば大筋正解である。焦らなくてももうすぐ下りきってゴールできる。
斜面を下りきって、沢にぶち当たった。対岸にあるダブルトラックへ渡らねばならないが、足をぬらさずに渡れそうな飛び石はない。が、すぐ上流に橋があるはずなのでそちらへ向かう。ほどなく盛り土発見。ずるずる滑る斜面に苦戦しながらMTBを押し上げる。これが稜線の114番鉄塔の上の分岐を左に下った道から通じる林道だ。
道なき道を下った時にチェーンが外れていたので、ダブルトラックを走りながらフロントの変速器を使ってギアにチェーンを掛け直そうと試みるが、チェーンが引っ掛かっていてペダルが回らない。無理に回すと、ギアやチェーンが変形してしまう。幸い、ダブルトラックは緩く下っているので、こがなくても万有引力で進んでいける。すぐに、脇に田んぼが現れ、前方に外灯の明かりが見えてきた。府道に合流だ。最初の外灯で止まってチェーンを直そうと思ったら、前方にクルマが見えていた。というわけでゴール。チェーンを直してから、前後の車輪を外してMTBをクルマに収める。18:55、すっかり日が暮れてしまった。気温も下がり、息が白い。一応こうなることは想定して、明るいLEDライト、ルートを仕込んだGPSレシーバー、予備バッテリーの準備は万端整えてはいたが、暗くなる前に余裕をもって下山するに越したことはない。反省の気持ちと、懸案をこなした満足感に浸りながら帰路に就いた。
| 固定リンク
コメント
お会いできなくてすいませんでした。何かと働かされて、気が付くと近場の山スキーシーズンが終わっているという悲しいことになっています。
さて、感心したことが二つ。一つは、杉ケ沢を過ぎて造成跡を道を間違わずに半国山登山の道に行けたのでしょうか?ボクは間違いました。今一つは赤熊に下りずに尾根線をたどったこと。ボクは行ったことがありません。
丹後から山サイをしにお疲れ様でした。
投稿: すう | 2013/03/20 19:03
お疲れ様です。
杉ヶ沢というのは大河内の奥の別荘地のことですよね。確かに登山口はわかりにくく、少し迷走しかけましたが、GPSレシーバーで軌道修正しながら進みました。
北西尾根の縦走は、昨年末からの半国山シリーズのクライマックスとして日が長くなってくるこの時期まで温存していました。
参考にしたのは、1992年発行の「関西MTBツーリングブック」とこちらのWebサイト(http://www42.tok2.com/home/yamaaso/2007/hankoku.html)です。
ツーリングブックの著者とは2000年晩秋に六甲で出会いました。Webサイトの管理者やまあそさんは、当方がWebサイトを立ち上げたころから15年以上のネットでのお付き合いで、2005年の春先に氷ノ山で出会っています。また、やまあそさんと同行のM氏とも2006年の初夏に扇ノ山で出会っています。
すでに氷ノ山は風前のともしび、そして最後の砦、扇ノ山を残すのみとなりました。この3月、山の雪解けはあまりにも早いです。想定外です。
投稿: はいかい | 2013/03/20 22:49