新雪の旧アルペンローズスキー場
2月16日は、雪が舞った。山では雪が積もっていることだろう。雪が残り少なくなっているスキー場にとっては恵みの雪だ。17日の日曜日、できれば氷ノ山に行きたいと思っていた。1月末に転けまくってろくに滑れず、顔面を木にぶつけた大倉谷のリベンジをしたかった。でも、休日の朝の惰眠の心地よさにこの日も負けてしまった。
結局午前中をだらだらと過ごし、昼過ぎに家を出る。やってきたのは神鍋高原。2000年3月で営業を終えたアルペンローズスキー場の跡地。スキー場の駐車場だった広場にクルマを止め、板を担いで万劫集落へ。集落の奥からスキーを装着して雪の上を歩く。シールを貼っての登行は今シーズン初めてだ。
リフト乗り場の跡のコンクリートの塊を見ながら、かつての下山コース、勾配のあるダブルトラックを登る。登行リフトを兼ねたこのリフトはゲレンデ下部に中間駅があった。一般的に、リフトの中間駅は下車専用だが、ここは珍しい乗車専用の中間駅があった。だから、一番下の乗り場からは一つとばしで乗車するルールになっていた。スキー客がどんどん入山してくる朝のうちは、一番下から乗車したスキーヤーとゲレンデを滑って中間駅から乗車したスキーヤーが交互に上部に運ばれていく。
林間のダブルトラックを越えると、景色が開け雪原に出る。実質的なスキー場のベースで、リフト中間駅のプレハブ小屋やゲレンデ食堂の跡が点在している。半日券は閉鎖する直前に設定されたが、主に一日券しかなかった時代のスキー場なので、昼頃からは一番下の乗り場から乗る人は滅多にいなかった。
雪原を進み、正面に立ちはだかるあすなろゲレンデにとりつく。このスキー場は細長いコース主体で、ゲレンデと呼べるのはここくらいのものだった。そのあすなろゲレンデも、徐々に木が生い茂ってきている。
あすなろゲレンデを登り切ると、狭いコース状の登りに変わる。この辺りが標高差のちょうど中間辺り。こちらも木が生えていてそれを交わさないといけない。今シーズンのこれまでの山は、なだらかだったりアップダウンがあったりしたので、手彫りのステップソールだけで済ませていたが、今日は頂上までひたすら登って、その後はひたすら下る単純な行程なのでシールを貼った。木を避けながらの登行はステップソールでは厳しかったから、シールを貼って正解だった。
しばらく行くと、最上部へのリフト乗り場だ。このスキー場は標高差340mを2本のリフトを乗り継いで登る。最上部リフトの乗り場は狭く、長い直線にすることも蛇行させることもできないため、リフト待ちの行列の作り方にも独特のルールがあった。2列縦隊で並ぶのである。その列の間はロープで仕切られ割り込めないようにされている。リフトに近い方の列がほぼなくなった頃に、係員がロープを持ち上げ列のまま真横に移動するのだ。
そのリフト乗り場から、スイッチバックする形で登ったところにあるのが、万劫とは別のベース、稲葉(いなんば)からのリフトの下り場である。このスキー場のリフトは3本。すべてシングルリフトだった。
そこでまたコースはスイッチバックして、尾根を頂上へと向かう。背後には、アンテナ群を頂いた三川山が見えている。
登り初めから1時間半あまり、標高698.6m、三等三角点「万劫」のある、旧アルペンローズスキー場のゲレンデトップに到着。ナイターの照明が灯るアップ神鍋スキー場を正面に見ながらシールをはずす。隣の奥神鍋スキー場から、下山を促す場内放送が聞こえてきた。さあ、いそいで下ろう。
いつものことだが、滑り初めは雪の状態が心配。うまく滑れるだろうか。
結果からいうと、とても滑りやすい雪だった。底無しの新雪は持て余してしまう技量だが、少し堅くなりかけていて程良い浮力。それでいて表面はさらさらと柔らかく気持ちがいい。
コースは登ってきたのとは別、最も東よりのススキコース。一番斜度があって滑りごたえがある。中間部辺りは細い木が生い茂ってきているが、それを避けながら滑るのがまた楽しい。これらの木が太く成長するまでの、お楽しみだろう。
快適にゲレンデ下部に降り立ち、後は中間駅から下の下山コースへ。雪が悪いと難儀するが、ちょうどいいくらいの抵抗で直滑降のまま集落へ。最後まで楽しかった。
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