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2012/10/27

小径車で走る秋晴れの丹後半島一周

 夏に小径車で北海道の奥尻島を走った。標高差400mの坂を越え、累積では500mあまりの標高を獲得した74km。それが走れるなら、丹後半島一周だってできるだろう。ちょうど、10月の初めに天竜スーパー林道の標高差1000mの登りを(ランドナーで)こなした後なので、肉体的にも精神的にも登りに強い状態だ。10月20、21日の土日はどちらも晴天の予報。ならば、土曜の方が空気は澄んでいるだろう。こうして、今シーズン2度目、生涯通算38度目の丹後半島一周が始まった。

 10月20日、朝9時過ぎに京丹後市弥栄町の家を出る。最近は、丹後半島一周の出発時刻は10時過ぎが当たり前、5ヶ月前には正午前スタートという緊張感のない状態だが、さすがに小径車ではそうはいかない。順調に竹野川沿いを北上するが、交通量が結構多い。竹野川河口付近の道の駅「てんきてんき村」でトイレ休憩。ここから海岸沿いのアップダウンが始まる。
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 まずは、京丹後市丹後町竹野からの登り。小学校前の急登は拡幅などの工事があり勾配も緩くなったが、統廃合の結果小学校跡となった。
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 坂を上り、田んぼが広がる高台にでると、派手は出で立ちの案山子が待ち受けていた。「絶景田稲刈りイベント」とある。破ったノートにボールペンで書かれていて、手作り感がある。見れば、すっかり稲刈りが終わった田んぼに囲まれ、まだ黄金色の稲が残った田んぼがあり、手作業で刈り入れが行われている。案山子のところに参加者の名前と住所が書かれたノートがあった。都会から来る人は少なく、ほとんどがこの周辺だ。最近は、田舎でも農家は限られてきている。
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 少し走ると屏風岩を見下ろす展望所。屏風岩とは、海にそそり立つ一枚岩。海が青いが、北よりの風が吹いて少し波がある。夏場なら、海底が透けて見える透明な海だ。
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 丹後松島を越え、経ヶ岬を目指す。その手前、丹後町袖師の海では、サーファーが一人波待ちをしていた。
 経ヶ岬のかつてレストハウスがあった更地には、数台のクルマが止まっている。釣り人だろう。ベンチに座って小休止。
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 さあここからさらに登り下りがきつくなる。まずは白南風(しらばえ)トンネルへの登り。トンネルを抜けると伊根町になり、標高100mの絶壁を見下ろす道となる。カマヤ海岸だ。この海岸は、北から南に向かえば下り貴重なので快走できる。甲崎でトイレ休憩をしたら、蒲入(かまにゅう)漁港の集落。それを越えて蒲入峠への登りとなる。蒲入トンネルの工事が始まっている。
 蒲入峠を越えたら、本庄へと下る。ここは、浦島神社があり、道の駅も隣接している。ここでパンを食べて大休止。暑からず、寒からず、さわやかな日和。神社にお参りをして再スタート。
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 国道は内陸部を通るので、府道622号線で野室崎、新井崎を越える。国道が避けるだけあって、険しい海岸のアップダウンだ。その分、クルマが少なく景色もよい。
 まずは野室崎。本庄浜からの登りだしがきつい。海岸から標高120mの登り。青い海に冠島、沓島が近くにはっきりと見える。前方には、これから向かう新井崎。若狭のリアス式海岸はぼんやり見えているが、越前海岸は霞んで見えない。空気がよく澄んでいれば、冠島・沓島の向こうに越前海岸、そして加賀白山が見えるのだが、そんな日は年に数回。到底この日は無理。
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 泊の海岸まで一気に急降下。絶壁に囲まれた入江は、とても静か。道路にカヤックが1艇。神戸ナンバーのクルマが止まり、一人の男性が荷物の整理中。海上で釣りを終えて撤収の最中というところか。
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 さあ、またきついのぼり。ここも出だしが急こう配。変速はフリーの8段のみなので、ローギアでゆっくりペダルを回す。80m程登ったら、かなり豪快な海の景色を見下ろす平坦な道となり、少し下ると田んぼが広がる。新井の集落だ。ここも20数年前は千枚田という棚田だったが、耕地整理をされた。新井を過ぎるとまた登り。標高差100m弱を登って、最高点は130m程。勾配はそんなに急でなく、新井の漁港を後方に見ながら、周辺の千枚田という小さな棚田の集合体を見ながらのんびり登る。千枚田を眺めるなら、もう一段上の町道を走った方がいいのだが、すでに稲刈りも終わっているので府道622号線をそのまま行く。
 最高地点を過ぎて、伊根湾への下りが始まったところで前方から3台の自転車がやってきた。載っているのは金髪の外国人の女性。ショートパンツからすらりと伸びた足に目を奪われる。自転車はなんとレンタサイクル。伊根湾から標高差100mを涼しい顔をして登ってきたのか。と、驚いたが、よく考えたら道の駅「舟屋の里」には、電動アシストのレンタサイクルがあった。きっとそれに決まっている。そうに違いない。
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 伊根湾に降り立てば、釣り人だらけ。舟屋の街並みの狭い通りを抜ける。蒲入峠から野室崎、新井崎のコース最大の難所を越えた。やはり、2週間前に標高1000mの登りを経験した後なので、130m以内の一つ一つの登りはあっという間に感じられ、そんなにつらくは感じなかった。しかし、帰宅後にGPSのトラックを読めば、ランドナーなどで走った時よりも、伊根までの時点で1時間ほど余計にかかっている。前述の変速が8段しかないことが一つ。ハンドルポストは折り畳みになっているので、強く引くことがためらわれて上り坂で上半身が使えず、脚力のみでペダルをこがないといけない。また、小径ホイールは、どうもスピードの維持にも体力を使うような気がする。
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 やはり疲労は蓄積されているわけで、そこからペースダウン。宮津市に入って大島でロードレーサーに抜かれた。これで、今日3台ののロードレーサーに追い越された。
 伊根から天橋立の間は、クルマが多い。行楽客に加えて、土曜日なのでダンプやトラックなど大型車もすぐわきを通り抜ける。これはストレスになる。また、初夏の時期には、この区間の走行では、気温が上がる午後の内陸部の上昇気流によって海風が背中を押してくれる。今日はそのアシストはない。
 宮津市江尻の天橋立汽船乗り場で小休止しようと思ったが、観光客が多いので素通り。阿蘇海の自転車道に入り、途中のベンチで小休止。自転車道なのでクルマは通らないのは快適なのだが、すっかり疲れてペースが上がらない。結局、天橋立江尻から岩滝までの6㎞程に45分もかかってしまった。
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 さて、阿蘇海沿いの岩滝から、スタート・ゴールの自宅がある竹野川流域に行くには、山を越えないといけない。いくつかルートがある中で、最も上りが緩く標高差も少ない国道312号線の水戸谷峠はクルマが多い。坂はきついけど、クルマが少なく天橋立も見下ろせる大内峠を行くことにする。足が動かなくなり、何度も止まって休憩しながら登る。標高160mの峠だが、野室崎・新井崎よりもずいぶん長いように感じる。実際、1時間もかかってしまった。たった標高差160m、距離4㎞にである。
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 実は疲労の蓄積だけでなく、食料と飲料水を切らしていたのだ。補給できる店はあったのに、あとちょっとだからとなめていた。ほかの自転車での時ならそれでよかったのだ。とりあえず、峠の「いっぷく名水」をペットボトルに補給。生水はあまり飲みたくないのだが、背に腹は代えられない。
 ウィンドブレーカーを着て大内峠を下る。下りきったら暑くなって、また半袖で走る。
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 スーパーマーケットでパンを買う。たまらず、店を出てすぐ、田んぼのあぜ道に腰を下ろして食べる。
 暗くなってきたので、ライトを点灯。京丹後市大宮町河辺の自転車店「BULLDOG」に寄り道。この小径車を買った店でもあるので、本日の報告。
 さあ、BULLDOGから自宅まで最後の7㎞。すっかり日が暮れたのでウィンドブレーカーを着て走ったが、うっすらと汗をかいた。

 19時にゴール。距離は87㎞。累積の標高差は、600~700mくらいだろうか。
 過去37回の丹後半島一周は、高校時代の通学用自転車で1回、MTBで1回、クロスバイクで1回。あとの34回はランドナー(3台所有)で。ここに折り畳み小径車が加わった。やはり、特別な達成感を感じる。

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コメント

 38度目のタンイチ達成おめでとうございます。小径車とは驚きです。お疲れ様。
 ボクは新井付近と経ヶ岬付近から見える海が好きです。蒼が濃いですから。
 行楽シーズンですから車の多いのは仕方ないです。ボクは行き先や目的が第1なので、どの道を通るかは2の次になります。もちろん車の多い道は好みません。こわい思いをすることが何回かあるので、できるだけ旧道や脇道を通ります。

投稿: すう | 2012/10/30 21:26

 いえ、すうさんが娘さんの通学用自転車で丹後半島一周したり琵琶湖一周にチャレンジしていたことの方がすごいです。実は、小径車で丹後半島一周した後、すうさんのブログのバックナンバーのそれらのレポートを探しました。ロードレーサーで大変な長距離を走る記録は他にもあるけど、あの通学用の自転車のレポートは稀少でおもしろいです。
 当方所有の自転車では、当然ランドナーが一番楽に走れ、他にMTB(スリックタイヤ)やクロスバイクでも、小径車より楽に走れます。その中でわざわざ苦労する自転車を選ぶというのは、当時通学用しかなかったすうさんとは違うのかも知れません。MTBがあっても、時々ランドナーでシングルトラックで山に登るのにも共通するのかも知れません。「扇ノ山の山頂にランドナー」、「カマヤ海岸に小径車」、そんな写真を見て達成感に浸っているのです。
 丹後半島一周の中で、雰囲気がいいのは国道から離れた野室崎・新井崎ですが、海がきれいなのは屏風岩(丹後町筆石)あたりと感じています。明るく透明感のある青色が好きなので。筆石は海底が白い砂なので明るく輝いて見えるのです。

投稿: はいかい | 2012/11/01 02:16

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