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2012/03/06

大江山連峰鍋塚東尾根滑降(廃道廃屋アドベンチャー)

 昨シーズンからの懸案をようやく実行する機会が来た。「大江山の家グリーンロッジ」の裏手の広大なオープンバーン、標高差は200m位はあるだろう。昨シーズン末に一度試みたことがあるが、鍋塚から東に伸びる尾根を下りたが、オープンバーンの上の林の木々の密度が濃く斜度もそこそこあるのでスキーでの滑降が不能だったから。今シーズンは、その林をつぼ足で下りることを覚悟の上で挑むつもりでいたのだが、なかなか天気がいい日がない。それでも、2年続き、それも去年を上回る豪雪で2月から3月に月が変わってもまだ望みをつないでいた。3日、4日の土日が今シーズンのラストチャンス。週末が近づいて予報は若干いい方向に変わった。日曜夕方から火曜にかけてはまとまった雨が降るというから、これで大江山連峰の雪は壊滅的なダメージを受ける。とにかく土日が勝負だ。
 金曜からの雨は土曜の未明には止んだが、雪が相当に緩んでいそうだ。つぼ足に苦労しそうなので見送り。予報によると日曜の雨の降り出しは夕方以降だろう。
 というわけで、3月4日日曜の8時40分、「大江山の家グリーンロッジ」へ。約束より20分早いが、日曜ならOKというすうさんはすでにお待ちかね。目指す斜面は辛うじてまだ白い。クルマを1台停めさせてもらうことをロッジにお願いして、1台で千丈ヶ原へ。すっかり路面の雪はなくなっている。
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 千丈ヶ原には先客はいない。気になるのは空模様で、真っ白な鳩ヶ峰の全貌が見えているが、背景は鉛色の空。どうも予報よりも雨の降り出しが早くなりそうだ。
 9時20分シールを貼ったスキーで林道を歩き出す。おそらく前日のものと思われるトレースが多数。除雪限界点から5分ほど歩いたところのロッジ群にある分岐から千丈ヶ嶽方面に直進する方が主流だが、鍋塚林道へもいくらかトレースがあった。歩きながら見ていると、下りのスキーのものとつぼ足の跡。林道の積雪はまだまだ多く、つぼ足はかなり深く雪を踏み抜いているがそれでも林道終点まで続いていた。つぼ足トレースの疑問点は片道のみ。しかも、特殊な靴底。スキーブーツのようにも見える。もしかしてゲレンデスキーを背負ってつぼ足で登り、滑り降りたのだろうか。詳細は不明だ。
 ヘアピンカーブを2箇所でショートカットして林道終点、大江山連峰稜線の鳩ヶ峰と鍋塚の鞍部に10時55分。小休止の後、鍋塚方面へ。こちらは昨日は誰も訪れていないようだ。標高711ピークへ来ると鍋塚本峰が見えた。雪が解け、所々地肌が見えている。昨年最後に入山した2月22日の写真と見比べても、今年の3月4日の方が雪が若干多い。去年もかなり積雪豊富なシーズンだったというのに。野田川流域の平野部「加悦谷」には雪がほとんど見えない。丹後の平野部では、金曜の雨で家の屋根の雪がすっかりなくなった。加悦谷を隔てて大江山連峰と相対峙する磯砂山は見えるが、金剛童子山や依遅ヶ尾山など丹後半島の山は霞んで見えない。当然神鍋のスキー場のゲレンデがある但馬の山々も見えない。
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 11時50分、鍋塚到着。小雨がぽつぽつ顔に当たる。磯砂山はすっかり薄くなってきた。軽くパンを食べて、シールを外して滑降にかかる。東尾根は初めは広くなだらかな斜面。しかし、雪が谷やクラスト気味でターンがしにくい。テレマークターンは無理で、アルペンターンで強引に曲がる。かなり疲れる。
 細かい落葉樹が密集するエリアに入り、しばらくは緩斜面なので何とか滑っていく。これが急斜面になったらつぼ足だ。
 ところが、間違えて北東方向に分岐する尾根に入ってしまった。すぐにすうさんに指摘されて気づいたが、これが幸い。間違えて入った尾根は斜度が緩く、正しい方向にトラバースしたら、急な下りをクリアできていた。また、林間のためか標高が下がったせいか、雪が緩んでターンがしやすくなっていた。
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 再び緩斜面になった細かい木々の林を抜けると、いきなり視界が開けた。広大なオープンバーンに出た。何とも感動的な瞬間だ。下の様子が手に取るように分かる。ただし、不安な要素もあり、それは斜面を滑り下りた後の様子が不安であること。沢があって難儀しそうな雰囲気。
 木が伐採されたオープンバーンは、二つの谷とそのあいだの尾根にある。滑りやすそうなのは手前、つまり西側の谷だが、谷の下部は沢になっている。渡渉を避けるにはできるだけ東を下りた方がいいが、東の谷は雪が薄く滑ることができないようだ。そこで尾根上を滑り降りることにする。
 オープンバーンは表面が緩んだザラメ。何とかターンはできる。ただし、所々で木の切り株が顔を出している。もっとたちが悪いのは、雪に隠れた切り株で、落とし穴か地雷という感じだ。特に下るほどに雪が薄くなり、何度も地雷を踏んで転倒。もっと雪が多いときに来るべきだったか。
 ある時は、前方のクラックを避けてターンしたら、そちらの先にも切り株が顔を出していて転倒。ある時は切り株の落とし穴に落ちて転倒したら、転倒した先に切り株があって強打。
 さすがに危険なので、最後は板を外してつぼ足で下りた。
 そして問題はその斜面を下ってからである。地図には波線で描かれた登山道があるはずだが、これが余り使われていないようで見つからない。そのかわり、コンクリートで護岸された水路があったので、そこに下りて歩く。水量が少なくて良かった。ただ倒木が覆い被さっているのでそれをくぐるのに難儀する。上から見下ろしたときには、シカもこの水路を通行していた。
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 水路が歩きやすいのでとりあえずこの水路を通る。ただその先が不安。水路は尾根と平行に東に下っていて、さらに下の谷底は砂防ダムのようなものがある。それは表面が雪に覆われていてその下は水でなく湿地程度のようで木が生えている。どうやら歩いて渡ることもできそうだ。対岸には除雪されていない林道(車道)があるので、渡った後そこにはい上がる案もあったが、ついつい水路を行ってしまった。
 水路は途中から勾配が急になり、コンクリートの側壁にしがみついてこわごわ下る。急な下りを何とかクリアしたら、また次に急な下り。さすがに諦めて水路の側壁をよじ登って脱出。すうさんのGPSレシーバーの地図には破線の登山道が描かれているので、それを頼りに道を探す。どうにか道を見つけたが、廃道寸前のように荒れている。雪が解けているのでスキーを履けず、倒木を避けながらつぼ足で行く。所々残雪が道を隠し、歩きにくいし道を見つけるのに苦労する。後から思えば、対岸に渡った方が楽だったかも知れない。おそらく水路の急な下りの手前が砂防ダムの堰堤のある辺りで、その付近は両岸とも落差が小さく、堰堤に下りるのも向こう岸の車道にはい上がるのも楽だったはずだ。ただし、そこでは水路の壁が高く周囲を確認することができなかった。
 その後もすうさんのGPSレシーバーに頼って破線の道を行く。ゴール地点のグリーンロッジは遠くないのに、なかなかつかない。なにやら放送が聞こえてきた。春の火災予防週間だそうだ。
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 廃屋や墓地を通過。後で調べたら、廃屋はかつてここに鉱山があったときの社宅のようだ。廃屋を過ぎたら、林の向こうにテニスコートが見えてきた。グリーンロッジには大学のテニスサークルが合宿に来ているようだが、あいにくの雨でテニスコートは無人。ようやく林間を抜け、一見だけある民家の裏に出た。板を背負っているすうさんはつぼ足だったが、板を手に持っていた私は最後の数十メートルを滑った。そこまでの道のりで、板を背負うか手に持つかどっちが楽だったかはわからない。
 ようやく除雪された舗装道路に降り立つと、いつしか本降りの雨に濡れた不快感が強く感じられる。
 すぐにグリーンロッジに到着。15時。実に下りに2時間45分。登りより時間がかかった。具輪ロッジにクルマを置かせてもらったお礼を言って、千丈ヶ原のクルマを回収。オープンバーンのシュプールを見たかったが、あいにくガスで真っ白。再びグリーンロッジの駐車場で反対方向に帰るすうさんとお別れ。衣類もすべて濡れたのでパンツ以外を着替える。帰り道の大江山スキー場は、この日が今シーズン最後の営業だったが、午後からあいにくの天気。雨は降るしホワイトアウトだ。
 というわけで、懸案を解決はしたが、余りおすすめできるコースではない。今日はすうさんに助けられた。同じ地図を私のGPSレシーバーにも導入しないといけないようだ。

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コメント

 いやあ、ありがとうございました。なかなか体験できないルート開拓山行でしたね。斜面上から見た景色は最高です。でもそこには切り株や穴が隠れている・・・気にしながら滑ると自己陶酔できないです。でも、テレではなかったけどターンはできたので良しとします。
 スキーの後は大変でした。山奥に大きめの、しかも鹿が全速で走る水路があるなんて。はいかいさんに聞いたけど鉱山があったんですね。きっとそれの名残ですね。帰ってから、サイトで河守鉱山を調べました。地層の境目に鉱物が出やすいこともわかりました。
 いろいろ体験できて、また大江山が好きになりました。ありがとうございました。

投稿: すう | 2012/03/08 06:55

 本当にお疲れさまでした。2年越しの大江山連峰滑降ルート研究の掉尾を飾るにふさわしい充実のコースだったと思います。
 伐採地大斜面のオープンバーンの上の林を抜け、景色がパーッと広がって行くところが最高の場面でしたね。滑走中ずっとヘルメットカメラで撮影していたのですが、途中から色が出てなくて変な画像になっていたのが残念でした。シカも撮っているつもりだったのですがね。値段につられて怪しい品物を買ったせいか、たまにこういうことになります。
 もっと雪が深い時期だったら大斜面は滑り易かったでしょうが、地図に破線で示されている道はもっと大変だったかも知れませんね。今回は板を外して歩きましたが、雪が深いと板を付けたり倒木を越えるのに外したりの連続だと思います。
 下山直後はかなり懲りていましたが、翌日から達成感がこみ上げてきました。地図を見ていると大斜面の下のコース取りには工夫ができそうです。百聞は一見にしかずで短時間で行って確かめてきました。詳しくは別の記事で。
 サブタイトル付けました。カッコの通りです。また、すうさんのコメントがダブっていたので、一つにしました。

投稿: はいかい | 2012/03/08 23:21

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